Kickstarter、それはデジタルで今起きている最もエキサイティングな事件だ!

話題になっている割には本格普及にはまだまだ夜明け前といった日本のクラウドソーシング分野ですが、世界を見ると英語圏、特に米国ではクラウドソーシング関連サービスがキャズムを超えて大ブレイクしつつあります。その代表格ともいえるのが、ニューヨーク発のKickstarterなわけですが、今回はKickstarterを愛してやまないと公言するカリスママーケッターのミッチ・ジョエルがその素晴らしさについて語ります。 — SEO Japan

それは、Twitterではない。それは、Facebookでもないし、YouTubeでもない。

それは、Kickstarterだ。

私は、2009年にKickstarterについて初めて聞いた時、激しく、深く、恋に落ちた(それに対する私の愛についてはここで読むことができる:Kickstart Your Own Economy)。この世界は、製品が製造されるずっと前にその製品を購入するという考えを受け入れ始めているように思える。Kickstarterとは何なのか?Kickstarterは、個人が自分のクリエイティブなプロジェクトを投稿して(音楽や映画からテクノロジーやジャーナリズムまで全てのことにわたる)、そのプロジェクトのファンディングのためのオンライン嘆願システムをスタートすることができる、シンプルなクラウドファンディングプラットフォームだ。要するに、もしもあなたが出版社と契約を獲得することができなくとも、自分のプロジェクトをKickstarterに投稿し、予算を定義して、そのプロジェクトの支持者になるのが良い考えだと思う誰かもしくは全員を招くことができるのだ。Kickstarterは、2009年4月に創設されたニューヨークのスタートアップだ。Wikipediaによると、この会社は、創業以来23,000以上のプロジェクトに2億3000万ドル以上の資金を調達してきた。もっとすごいのは、Kickstarterが45%近いプロジェクトの成功率を保っていることだ。(成功は、プロジェクトがプロジェクト投稿者によって設定された調達資金額に達したもしくは超えたかどうかによって決まる。)この会社は、資金提供されたプロジェクトの一定の割合を受け取ることによってお金を稼ぐ。

Kickstarterでの成功の代表例

過去の短い間に、世界の注目を浴びた非常に興味深い成功したKickstarterプロジェクトがいくつかある:

  1. スマート腕時計「Pebble」は、驚異の1000万ドルの売り上げを出し、大成功している。
  2. ミュージシャンでアーティストのアマンダ・パーマーは、次のレコード、書籍、ツアーのために100万ドル以上を集めた。
  3. ビジネスリーダーであるセス・ゴーディンは、最新著書のThe Icarus Deceptionを今年8月のある火曜日に発売した。彼は4万ドルの資金調達を目指していたが、2時間以内にその目標を達成した。そして、24時間強で250,000ドルの売り上げを超えようとしている。

Kickstarterのどこが好きなのか?

リアルなところだ。人々はただ単にアイディアに資金提供/支援をしているのではない。彼らは、物理的に、製品を購入しているのだ。言い換えれば、私たちはみんな、自分たち個人に直ちに価値を運ぶものを購入することになる。私たちは何かに投資をしている(もしくは賭けている)のではない。ごまかしもなければ、疑念もない。多くの人がプロジェクトを気に入らなければ、そのプロジェクトが資金を得ることはない。もし多くの人がそれを気に入って、それと付き合えば、資金提供が発生する。ビジネスレベルでは、ここで登場するもっと大きな(そしてもっと深い)要素がある。Kickstarterは、起業家精神の中に存在していた観念と市場進出の間の亀裂をなくす(最も困難で複雑な部分だ)。賢い動画、明確に定義された広告文、興味関心を生み、人々が実際に購入するものをあなたが持っているかどうかを迅速に知るのに十分なレベルの誓約。起業家は、観念から販売業者を見つけることへ、棚に商品を並べることへ、けん引力を得ることに期待することへと移るため、推測も、祈りも、神頼みも存在しない。Kickstarterがあれば、最初の製品が注文を受ける前に、自分の最初の売り上げがどうなるかを知ることができるのだ。

人類のクリエイティビティ

Kickstarterはクリエイティビティを尊重する。アートや絵画の中にあるような“クリエイティビティ”ではなく、創意あふれるアイディアによって定義されるクリエイティビティだ。このプラットフォームは、何かを売る才能のある人を支援する。それは、消費者である私たちに価値があるだけではなく、人類のクリエイティビティを示す小宇宙としての役割も務める。それは、ますます多くの人の起業家になる・もしくは思うがままに自分のスタートアップを経営するという願望を実現する。それは、あなたや私のような人々がまさに芸術のパトロンになることを可能にもする。確かに、あなたは地元の交響楽団に寄付することや、地元の図書館を維持するために寄付することができる(それは何ら間違ったことではない)。しかし今、あなたは、クリエイティビティとコマースの新しくて興味深い、無数の交差点で右往左往しているアーティストを積極的に支援し、資金提供し、そこから価値を引き出すことができる。人類にとっての真の力なのだ。

Kickstarterは魔法ではない

面白い動画や楽しい広告文や適切なレベルの誓約を作ったからといって、成功が保障されるわけではない。明らかなのは(特にあなたがアマンダ・パーマーやセス・ゴーディンのプロジェクトを追随してきた場合)、あなたがあなたの時間とエネルギーをコミュニティを築くことにすでに投資してきた場合に役立つということだ。ただ単にKickstarterにプロジェクトを投稿するだけでは十分ではない(これにはいくつか珍しい例外はあるが)。Kickstarterは、あなたがすでに繋がっている人々のコミュニティを活発にする触媒としての機能を果たす。それらのコミュニティメンバーが起業家が提供しているものから価値を引き出せば、彼らは自然にKickstarterプロジェクトを自分の知っている全ての人に共有可能にする。ここでも、Kickstarterが役に立つのは、それがリアルだからだ。新しくて興味深いものを売るリアルな人々。その製品を購入したいリアルな人々。Kickstarterプロジェクトリーダーとこのプロセスに参加している全ての人の両方にとって価値があるために共有するリアルな人々。お互いに情報交換をしてどのKickstarterプロジェクトに資金提供をするかを共有するリアルな人々。

ソーシャルメディアに関してKickstarterから数多くのことを学ぶことができる。


筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。


この記事は、Six Pixels of Separationに掲載された「The Most Exciting Thing Happening in Digital Right Now」を翻訳した内容です。

Kickstarterへの愛に満ち溢れた内容でしたが、流石ミッチ・ジョエルだけに読ませる内容でした。「人類のクリエイティビティを示す小宇宙」は若干暴走気味な表現としても、「起業家精神の中に存在していた観念と市場進出の間の亀裂をなくす」という一文には、なるほど、と思わず感心してしまいました。フリーランス系の仕事マーケットプレイスもそうですが、クラウドソーシングサービスはこれまでの社会や流通構造を根本から変革しうるものですが、今後さらに一般的に普及していった場合、世界は大きく変わっていきそうです。

ちなみにこの記事、今年8月末に書かれたものですが、その後も新作ゲームのプロジェクトが3億円!近くを集めて調達額最高記録を更新するなど、まずます絶好調のKickstarterです。しかし「45%近いプロジェクトの成功率」って驚異的ですね。日本版Kickstarter的サービスも幾つかあるようですが、さて今後どうなっていくのでしょうか。 — SEO Japan [G+]

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