キーワード選定に欠かせない「WHY」の理解

SEOも10年を超える歴史と共に手法が細分化・高度化してきましたが、やっぱり基本はキーワード選定。サーチマーケティングに長く携わっている人は多いと思いますが、最後に真面目に本格的にキーワード選定を取り組んだのはいつだったでしょうか?今回は、あなたのキーワード選定に新たな視点とアプローチを与えるかもしれない記事をサーチエンジンランドからお届けします。 — SEO Japan

SEOのプロとして、私達は、最高の検索経験を提供するため、ターゲットのオーディエンスを出来るだけ詳しく理解することを望む。この目標を達成するためには、次の疑問を解決する必要がある:

Why people search - image

検索をする理由を理解することなく、キーワードフレーズを誤って解釈したり、不適切に分類してしまうSEOが後を絶たない。

  • を検索エンジンのユーザーは探しているのか(キーワード/ブランド、タイプ)?
  • どこで検索を実施しているのか(ロケーション)?
  • いつ検索を実施しているのか(日時、時間)?
  • がウェブ検索エンジンを利用しているのか(ターゲットのオーディエンス)?
  • どのように検索を行っているのか(デスクトップ/タブレット/モバイル、クエリ/閲覧/尋ねる)?
  • なぜ検索を実施しているのか(目標、意図、動機)?

キーワードリサーチツール、ウェブ分析データ、広告データ、そして、その他のリソースは、答えを見出す。しかし、正確な結論を導き出したいなら、データおよびリソースを状況に応じて理解するべきである。

例えば、キーワードリサーチツールは、検索エンジンのユーザーが検索している対象、そして、キーワードを入力する順序を教えてくれる。しかし、キーワードリサーチツールからは、それぞれのキーワードフレーズの背景に関する情報はほとんど得られない。そのため、優秀なSEOのエキスパートは、その他の手段を用いて、ユーザーのコンテクストを理解しなければならない点を理解している。

クエリの分類における一般的な過ち

キーワードの分類に関しては、私は(a) ユーザーのコンテクストを理解せず、(b) クエリの分類を理解せずに、キーワードを検討するSEOをよく見かけることがある。

幾つか例を挙げていく。

シナリオ #1

ウェブ検索ユーザーのボブはハワイで休暇を過ごすつもりである。 ボブはマイレージカードの残りのマイルをチェックしたがっている。ボブの意図はナビゲーショナルだろうか、インフォメーショナルだろうか、それとも、トランザクショナルだろうか?

この質問に誤って答える人達が多い。なぜなら、「チェック」がトランザクショナルの意図を示唆すると考えているからだ。しかし、オンラインで残りのマイルをチェックするためには、特定のウェブサイトにアクセスし、ログインする必要がある。

最終的な意図がオンラインアクティビティを行うことであっても(ログインして、マイルを確認する)、こういったアクティビティのには、特定のウェブサイトにアクセスする行為が存在する。従って、クエリ(キーワード)はナビゲーショナルに分類される。

シナリオ #2

検索エンジンユーザーのナタリーは、headphones(ヘッドフォン)をウェブで検索している。 このキーワードは、ナビゲーショナルな意図を持っているのだろうか、インフォメーショナルな意図を持っているのだろうか、それとも、トランザクショナルな意図を持っているのだろうか?この質問に答え、また、その理由を説明してもらいたい。

「グーグルにheadphonesと入力する際、何を意味するのか」と大勢の人達がすぐに、そして、自然に考える。

この考え方の欠点は明白である。自分なら何をするのか、そして、なぜそうするのかを考えた瞬間に、自分のメンタルモデルをユーザーに押し付けているのだ。分類を行う目的は、自分のコンテクストではなく、あくまでも検索エンジンのユーザーのコンテクストを理解することである。

それでは、この質問にどのように答えればいいのだろうか?私は次のように分析する:

(1) アドホックなクエリ

このクエリを見た際の最初の感想は、インフォメーショナルなクエリ、より具体的に言うならば、アドホック(場当たり的)なクエリであった。アドホック検索では、ユーザーは販売されているヘッドフォンに関して出来るだけ多くのドキュメントを見つけようとする。魚釣りのような心境だ。

headphonesは単一のワードである。ナタリーは、ブランドも、タイプも、さらには、その他の限定するワードを使わなかった。そのため、私はアドホック検索だと考えたのだ。

(2) トランザクショナルな意図(特定されず)

ナタリーは最終的にヘッドフォンを買いたかったのかもしれないが、このたった一つのキーワードでは、オンラインで買いたいのか、あるいは実際の店舗で買いたいのかは特定されていない。

トランザクショナルのクエリは、検索エンジンのユーザーがウェブ経由のアクティビティを実施することを望んでいる場合に用いられる。ナタリーはヘッドフォンをオンラインで購入したいかどうかを特定していなかったため、このキーワードクエリが、トランザクショナルなクエリだと断定するのは難しい。

ナタリーが最終的にヘッドフォンを購入する計画を立てていたとしても、様々なタイプを探し出し(耳にかけるタイプ、ワイヤレス、イヤホン)、価格を比較したがっていたかもしれない。

従って、ナタリーは、購入する決断を下す前に、つまり、オンラインまたはオフラインのトランザクションを行う前に、ヘッドフォンに関する情報を探し出そうとしている。

(3) 複数形 = 候補のリスト

ユーザーがキーワードを複数形で入力する際は、アイテムのリストを見たがっている可能性がある。ユーザーがリストを見たがっていると言うことは、インフォメーショナルの意図を持っていることになる。

headphonesは一つまたは複数を示唆する。

そのため、キーワードheadphonesは、オンラインまたはオフラインのトランザクションにつながるインフォメーショナルなクエリだと私は結論づけた – オンラインまたはオフラインのトランザクションを今すぐに行う必要がある、もしくは行いたいとは限らない点を考慮する必要がある。

上述した答えは、あくまでも私の個人的な解釈である。ボブやナタリーの自然な検索の環境を観察していたなら、もっと容易に彼らの目標を特定することが出来ていただろう。

カードソートテスト

ウェブサイトのユーザビリティのプロとして、私は幸いにも自然な検索環境でのユーザーの行動を観察することが出来る。さらに、ユーザビリティテストをキーワードを使って実施している。私のSEOの見解の多くは、継続的なユーザビリティテストの成果である。

検索エンジンのユーザーのメンタルモデルを特定するために利用しているユーザビリティテストの一つが、カードソートテストである(カードソートテストの種類の詳細は「優れたSEOが最悪のインフォメーションアーキテクチャを生み出す時」で確認してもらいたい)。(註:簡単にいえば、情報を書いたカードを、ユーザーに分類してもらう古典的テスト手法)。また、カードソートテストは、プロのSEOがウェブドキュメントを最適化する際に最善のラベルを特定する上で役に立つ。

先日、インフォメーションアーキテクトであり、カードソートの天才、ドナ・スペンサー氏によるウェブセミナー「カードソートを使って利用可能なカテゴリーをデザインするには」に私は参加した。このウェブセミナーで、キーワードおよびユーザーのメンタルモデルに関してスペンサー氏と同じ経験を私もしていたことが判明した。

カードソートテストは、オンラインでもオフライン(通常は向かい合って)でも実施することが出来る。スペンサー氏のウェブセミナーでは、向かい合った状態で行うカードソートテストとオンラインのカードソートテストの違いに関する説明が行われていた。同氏はオフラインのカードソートテストを3名のグループで実施することがあるようだ。グループテストのメリットは、それぞれの考えについて参加者達が話す内容を聞くことが出来る点である。

スペンサー氏は次の項目を観察することが出来る:

  • テストの参加者が絶対に同意できない部分
  • テストの参加者がラベリングの問題を解決する経緯(解決される場合)
  • 参加者がメモ帳や索引カードに書かなかったワード

要するに、同氏はテストの参加者達がカテゴリーのラベルを容易に特定する、または苦戦する理由を聞くことが出来るのだ…この情報は、オンラインで同じテストを実施しても、得られない可能性がある。

ユーザー/検索エンジンのユーザーを自然な検索環境下で、そして、ユーザビリティテストで観察する際、キーワードリサーチツールからは得られない情報が手に入ることがある。

例えば、先日、私はウェブサイトをキーワードリサーチのデータを基に構築していたら、ユーザーのメンタルモデルを完全に見過ごしていたことに気づいた。

キーワードリサーチのデータは、検索クエリの大半は、タイプだと指摘していたものの、テストの参加者はユーザビリティテストが行われた間、全員個人的な状況に言及していた(独身または家族がいる)。消費者は異なるタイプのサービスを意味する業界用語を知らなかった。

従って、この会社のウェブサイトでは、タイプではなく、主にターゲットのオーディエンスを考慮して情報を整理することになった。そのため、私は基礎的なナビゲーション & 関連するページの内部リンク構造を修正した。

私はキーワードリサーチのデータの価値を軽視したのではなく、キーワードを正しいコンテクストで用いたのだ。

Missing piece of the SEO puzzle - searcher goals

検索を行う理由を理解することで、SEOが完成することがある。

私はSEOとは、ウェブサイトを検索エンジンを利用する人達のためにウェブサイトを最適化する取り組みであると考えている。検索エンジンのユーザー、コンテクスト、環境、行動、そして、意図を理解することは、検索エンジンの仕組みを理解することと同じぐらい重要である。

SEOがクエリの種類やユーザーのペルソナを意識せずにウェブサイトを最適化しているなら、検索エンジンのユーザーよりも検索エンジンを優先していることになると思う(SEO vs ユーザビリティを超えた情報アーキテクチャ(日本語))。キーワードの分類は、長期的に検索結果でのビジビリティおよびコンバージョンを獲得する上で欠かせない要素である。

クエリの分類は、皆さんのSEO計画に含まれているだろうか?

リソース:

Broder, A. (2002). A taxonomy of web search. SIGIR Forum, 36(2): 3?10. Retrieved at https://www.sigir.org/forum/F2002/broder.pdf.

Jansen, B.J., Booth, D. & Spink, A. (2008). Determining the informational, navigational and transactional intent of Web queries. Information processing and management 44 (2008), 1251-1266.

Spencer, Donna. (2009.) Card Sorting: Designing Usable Categories. Rosenfeld Media: Brooklyn, NY.

Thurow, S. and Musica, N. (2009). When Search Meets Web Usability. New Riders: Berkeley, CA.

イメージ: Shutterstock(ライセンス契約の下利用している)

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Keyword Classification: Understanding The “Why” Of SEO」を翻訳した内容です。

特別な驚きがあった記事ではないかもしれませんが、普段からここまで考えきってキーワード選定をしているかというと、100%自信がない人もいるのではないでしょうか。10年以上の歴史を持つサーチマーケティング、既にやり尽くしてこれ以上やれることがない、、、という声を最近聞くこともありますが、改めてキーワード選定に真面目に取り組んでみる価値はありそうでしょうか?ちなみにカードソートはサイト構成を決める際にも使うことがあると思いますが、ユーザーテストに使うアイデアは、ユーザーの考えや意図をこちらの都合に合わせてミスリードせず引き出す手法としては有効そうですね。何かの機会に私もやってみたいと思いました。 — SEO Japan [G+]
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