インフォグラフィックのブームは怠惰なネットジャーナリズムへの警鐘だ!

日本でも話題になりつつあるインフォグラフィックですが、実際に自ら作成して日本の会社はまだまだレアケース。一時的な”バズ”で終わるのか、これからウェブマーケティングの1手法として普及していくのかは未知数です。一方、2009年頃から急にブームとなり今では1日1枚以上のインフォグラフィックがどこかで制作されている米国・英語圏のネットメディア。そのインフォグラフィック”大量生産時代”に辟易している人が増えつつあるのも事実で、インフォグラフィックブーム(あくまでウェブの、ですが)を批判する記事もあちらこちらで見かけるようになりました。今回はSEO Japanでもお馴染みのThe Next Webからユニークな視点の記事が出ていたのでここに紹介します。 — SEO Japan

数日前、私は、メーガン・マッカードルがThe Atlanticに書いたEnding the Infographic Plague(インフォグラフィック大発生の終結)という記事を読んでほっと一息ついた。ついにそれを言った人がいたのだ!本当によくできたインフォグラフィックは役に立つが、中には価値のないものも多くあり、私達がその問題について話すべき時が来たのだ。

マッカードルの記事は、事実確認の問題と、いくつかのインフォグラフィックがいかにして自分のスポンサー(ほとんどの場合スポンサーがいる)に適合するように事実を歪めてそれを信頼できないソースにし、ジャーナリストとしての正確性を越えてSEOのために作られているかについて話していた。

“インフォグラフィックは、ブロガーが気付かないうちに彼らのGoogle検索の順位を上げさせるために使用されているのだ。彼らが[大きく、信頼のおけるサイト]からリンクを獲得する時、Googleは彼らが価値のある情報を提供しているに違いないと考える。”

“インフォグラフィックは、この手の注意を集めることが得意で、ウェブマーケティングの人間は、いかにしてあなたはSEOを強化するためにそれらを使うことができるのかについて記事を書くことに多くの時間を費やす。”

簡単に言うとマッカードルの主張は、ブロガーとジャーナリストは、‘データジャーナリズム’のかなり疑わしい例に、検索エンジンが指標とする‘信頼’を提供するためにサイトにリンクバックして、単純明白なSEOのトリックの被害者になっているということだ。

同時に、ベテランのデベロッパーであるケビン・マークスは彼独自の理論を持つ。彼は、FacebookやGoogle+のようなソーシャル共有サイトが、画像のある投稿を優先することによって、“インフォグラフィックの大発生”を広める手助けをしてきたのだと言う:

“画像のプレビューを見せることによって、そのアイテムはテキストリンクを越えて重視される。実際にはURLリンクであっても、FacebookとGoogle +はデフォルトで画像プレビューを見せる。その結果として、表現の優性型が画像になったのだ。”

怠惰

それらの議論はどちらも正当だが、ここ1年で新しいサイトやブログに溢れているインフォグラフィックのこととなると問題の中心は、怠惰である。

そう、私もそこにいたから分かるのだ。

手っ取り早くて簡単なインフォグラフィックに引き込まれていただけなのだ。

状況を描写しよう:それは大したニュースのない日、もしくはあなたはただその日のコンテンツを揃えるための手っ取り早い記事を探している。突然、あるインフォグラフィックがあなたの受信箱に入ってくる。たぶんそれは、あなたがほとんど聞いたことのないような会社から送られてきたものだが、それはよくデザインされていて題材も興味深いものだ。もちろんあなたは引き込まれていく。

どのみち、あなたは、画像をアップロードして、導入部分のテキストを書いて、しゃれたタイトルとリンクバックを追加し、ヒットしそうな記事をドンとあげればいいだけなのだ。それに、セクシーなデータジャーナリズムがどんな感じかってみんなが言うこと、それをちょっと手にしてみよう!ってね。

事実が優れた画像の妨げになる時

しかしながら、私がインフォグラフィックに引き込まれていた時、私は激怒してもいたのだ。自分の情報が不正流用されていることやインフォグラフィックの製作者に怒っていて、インフォグラフィックの作り直しを求めているインフォグラフィクの中でソースとして引用されていた人物の間に立って調停しなければならないことは、それを最初に投稿することほど手っ取り早くて簡単なこととは限らないのだ。

同様に、読者に誤解を招くことがないようにインフォグラフィック内の全てのデータポイントの事実確認を注意深くすることは、必ずしも簡単ではない。特に、インフォグラフィックが、画像内にハイパーリンクのないURLとしてソースをリストしている時、ソースデータを全て追跡することは骨の折れる作業だ。突然、それらの手っ取り早い投稿が、手っ取り早くなくなるのだ。

私は、インフォグラフィックがウェブから追放されるべきだと言っているのではない。JESS3などに作られた素晴らしいものもたくさんあるし、スタートアップが‘私達はこうやって急成長している!’というのを視覚化したものを発行することもよくあり、それはニュースの価値もあるし共有する価値もある。しかし、ジャーナリストとブロガーが自分がリンクしているものが正確でよく調査されていると100%確信することなく、標準以下のインフォグラフィックの手っ取り早いヒットにつられることを止めない限り、この大発生は続くだろう。


この記事は、The Next Webに掲載された「The Infographic Plague is actually a plague of lazy journalists and bloggers」を翻訳した内容です。

ネットに溢れるインフォグラフィック、その情報の非正確性を批判するだけなら誰にもできる話ですが、そもそもそれが事実検証も正しくされず見た目の良さや題材の面白さだけで普及させてしまうネットメディアやブロガーにも責任がある、という一歩進んだ記事でした。

過去2年間、独自にインフォグラフィックを作成、配信共にしてきた身としては作り手としても発信者としても反省すべき点が多いことはありますし、改めてそれらを再認識させてくれる記事でした。ちなみにSEO Japan自身でも特に昨年後半以降の作品に関していえば政府発表を意識して使ったり、内容を面白くするために、複数のデータをこちらの都合が良いように抜粋して使うことが避けるようにしてはいます。

インフォグラフィックが英語でplague(疫病)と例えられる程に流行っている(記事の現代もブームではなくplague扱いでした)英語圏と日本の事情は全く違いますが、先駆者の反省を元に日本でも良い形でインフォグラフィックがコンテンツマーケティングの有力な1手段として普及していってほしいと思います。

しかし記事でインフォグラフィックがSEOに効果があることで利用されている、とかなり強調されていましたが、私としてはSEO業者ながらソーシャルメディアマーケティング、ネットでソーシャルメディアの口コミを通して自社ブランド&製品サービスを普及する意味合いの方が強いと思っており、SEO効果は中長期的な副産物と思っています。この辺りはインフォグラフィックを実際に作成配信したことがある企業にアンケートを取ってどちらをより重視しているのか聞いてみたい所です。

いずれにしても2012年はより質重視で作品を配信していきたいと思いますので、よろしくお願いします! — SEO Japan

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