ツイッターのハッシュタグ文化が築く新たな世界

ツイッターでハッシュタグを日常的に活用している方はどの位いるでしょうか?先日、SEO Japanでもハッシュタグを一番使っている国はオランダという気になる調査結果を紹介したりもしましたが、今回はツイッターのハッシュタグについてブライアン・ソリスが真剣に考えてみた文章を紹介します。普段何気なく使っているハッシュタグですが、その影響力はツイッターを越えて我々の文化に広まりつつあるようです。 — SEO Japan

ウェブ1.0には感情アイコンとテキスト、ソーシャルウェブにはハッシュタグ。どちらも表現や感情の形式だが、微妙ではあるが重要な違いがある。ハッシュタグは、オンラインカルチャーの一部になっているだけでなく、ウェブおよびIRL(in real lifeの略:現実の生活)におけるコミュニケーションの新時代を明確に示しつつあるのだ。1億4000万本以上のツイートがツイッターでは毎日飛び交い、ハッシュタグはこの熱狂状態にメソッド – つまり会話を整理されたタイムラインにまとめる力をもたらす。しかし、ツイッターで会話をインデックスするための方法として始まったものの、現在、ハッシュタグはユーザー達が情報をこの人気の高いニッチワークの内外で運び、中継し、そして、発見する仕組みに進化している。また、ハッシュタグは、#自己表現の効果的な形式としても定着している。

ソーシャルメディアでは、「x」は定位置を確保することに失敗しており、「#」が人気の高いカルチャーやカルチャーを動かす全てのアイテムの指標としての役割を担っている。ソーシャルエコノミーでは、ハッシュタグはツイッターの情報交換における価値の指標としての役目を持つ。それぞれのハッシュタグは、展開するマーケットを代表し、その持続期間は、会話の重要度および継続的に発生するつかの間の要望によって決まる。数分間で消えてしまうものもあれば、数時間や数日間耐えるものもある。

大勢の人々がツイッターの価値を理解することに苦労しているが、理解している人達はつながりを持ち、話をする仕組みを変えつつある。ある時点で、ツイッターを使う人達と使わない人達との間に亀裂が生じる。ツイッターのユーザーや非ユーザーがつながりを持つ、例えばeメールやテキストメッセージ等の経路では、会話のカルチャーは明らかに分岐していく。そもそも、ツイッターのユーザー達は、テキストのユーザー達のように簡潔に話すことに慣れている。無意識のうちにツイッター限定の文字を意識し、短文式に傾き、コミュニケーションは簡潔に行われる。このデジタルな省略表現は、言うならば、変化の一部に過ぎない。デジタル人類学者達は、通常の手書きへのテキストメッセージの影響を調査してきた。R U surprised(驚)? Prolly not(でもない)…LOL!ツイッターはまた教育に関する調査の対象になり、ツイッターのコミュニケーションの基準がステータスアップデートを越え、毎日の交流に影響を与えていることを証明する試みが行われる。140文字以内でメッセージを送信する取り組みの中で、ハッシュタグは重要な役割を担っている。

2007年、私は友達のクリス・メッシーナ氏が投稿したツイートに刺激を受けた。メッシーナ氏は「グループに対して#(囲い)を使うのはどうか?」と単純に尋ねていた。同氏は現在ハッシュタグの生みの親と考えられている。

このツイートはツイッターバースで一連の会話を導き、ストウ・ボイド氏、クリス・ホイヤー氏、ステファニー・ブース氏、そして、ブライアン・オーバーキルヒ氏等がアイデアを披露していた。私も会話に参加し、#ハッシュタグは「ツイッターの経験」を改善するであろう経路を作り出すと主張した。当時、ツイッターの検索機能はSummize(サマイズ)を介して行われていた初期段階であり(サマイズは後にツイッターに買収されている)、関連する会話を浮上させる効果が見込めたのだ。フェイスブックのグループ機能とは異なり、ハッシュタグは会話をストリーム内でまとめる目的を持っていた。「#」の導入により、意識してツイート、そして、最終的にスレッド全体ををインデックスする言葉や表現を吹き込む心理的な現象が発生した。

私が投稿したエントリへのコメントでメッシーナ氏は次のように述べていた。「この議論の社会学的な要素がよく捉えられている。このアイデアに対して大勢の人達からフィードバックを得た点に私は最も関心を惹かれた。なぜなら、ツイッターのスタッフと交した会話では、同社がより古く、より明白なグループのモデルを実装しようと考えていると見られるものの、個人的にはシステムを大幅に阻害してしまうと思ったからだ。」

メッシーナ氏がコメントした通り、ツイッターはグループの形式を作ろうとしていた。その後、トピックよりも個人を基にした管理されたストリームに注目した、リストを作成する機能を導入していた。しかし、ハッシュタグは一晩で生まれたアイデアではなかった。起源を探るには、クリス・ホイヤー氏が、「タグスペース」と呼んだアイテムの必要性を説いた2005年に投稿されたエントリまで遡らなければならない。ホイヤー氏は、この分類子を「…何かを特定している人達とそれを探している人達の間の接着剤」と定義していた。

メッシーナ氏のツイート、投稿した作品、そして、それに続くコミュニティの会話やコラボレーションが、ツイッターバースにおけるハッシュタグの地位を、現在浸透している「@」とほぼ同等になるほど高める上で貢献した。また、「@」はツイッターを飛び出し、交流に対する共通のシンボルとして明確に認められている。事実、フェイスブック、eメール、そして、デジタルな会話のスレッドでスタンダードな交流を示すシンボルとして使われている。ハッシュタグに話を戻そう。インデックスの形式として始まったものの、ハッシュタグは、後に宣言、感情、皮肉、内面的な独白、そして、無意識ではあるものの言葉にされた表現#独り言へと進化していった。

また、ハッシュタグは社会に文化的なインパクトを与えている。2009年3月、私はDEMOSXSWでライブの実験を行い、現実の生活のハッシュタグの瞬間を毎日の会話の流れに導入したらどうなるのか試してみた。例えば、何か話す際は、会話を分類するために、もしくは意図的にトーンを抑えるため、特定のポイントを強調して終える。その後、2本の指をお互いにハッシュタグの形になるように交差させて、相手の反応を見るのだ。すぐに例外なく「HASHTAG!ソーシャルメディアのギャングサインだね」と言う答えが返ってきた。人気の高いツイッターのRTのミームのように、ハッシュタグのサインは、ツイットピックによって勢いがつき、最終的に「ハッシュタグマフィア」の名刺に姿を変え、ソーシャルウェブ全体に流れていった。#素晴らしい。SXSW 2009までの数日間で、このサインは公式にSXSW ビンゴカードになるまで発展した。現在、このサインはツイッターカルチャーの一部になっており、日常的な会話の一部としてツイッタラティによって伝えられ、そして、信頼の証として誇らしげに表示されている。

ハッシュタグは進化を続けており、継続的に調査の対象になっている。ニューヨークタイムズは、ハッシュタグの驚異を調べ、そして、このパワフルな表現のマークの本質を大部分において正しく捉えていた。しかし、素晴らしさを見過ごしている部分も見受けられた。例えば、ハッシュタグと「エア・クォーツ」と比較するのは単純化し過ぎていると言わずルを得ない。ハッシュタグの裏側にある心理学は非常に奥深く、多様性があり、そして、ツイッターのマイクログローバルコミュニティの社会学とも言えるため、調査する価値はある。この記事を作成したアシュリー・パーカー氏は、ハッシュタグをツイッターの秘密の握手として分類していたが、これは誤りである。事実、ツイッターのサイン以外の何ものでもない。ハッシュタグは考えや経験の強調に相当する。

ハッシュタグはもはやツイッター専属のサインではない。あらゆる形式のコミュニケーションに進出している。現在、ハッシュタグは、私達のデジタルなライフスタイルの構造に埋め込まれ、私達の表現を活性化している。ハッシュタグの価値は見る人次第だが、特別であることに変わりはない。そのため、操作されにくい。ハッシュタグが、ソーシャルメディアのA.R.T(アクション、リアクション、またはトランザクション)を引き出すには、文化的な関連性を持ち、知的なレベルまたは感情的なレベルでつながることが前提である。ハッシュタグはブランド化されるものではなく、関連付けられるものである。さぁ、これも#ハッシュタグしよう!

#ハッシュタグエコノミーの世界へようこそ。


この記事は、Brian Solisに掲載された「The Hashtag Economy」を翻訳した内容です。

日本ではネタツイートでハッシュタグが使われていることがトレンドを見る限り多い気もしますし、私も暇な時にそれを見て一人でニヤニヤしていたりする気持ち悪いおっさんですが、ブライアン・ソリスにかかるとハッシュタグもこんな高尚な話に昇華するんですね。後半にある「ハッシュタグはもはやツイッター専属のサインではない。あらゆる形式のコミュニケーションに進出している。」という記述、少しオーバーな気もしますが、確かに「#」は何らかの関連性、コネクションを持つ記号としてツイッターユーザーに刷り込まれていると思いますし、今後さらに深まっていくソーシャル時代におけるシンボリックなアイコンとして様々な箇所で使われていくのかもしれませんし、それが新たな影響力をツイッター以外にも持っていくのかもしれません。 — SEO Japan
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