Googleパンダアップデートの問題を診断&改善する9ステップ

最終更新日:2024/02/20

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先日アップした2012年SEOの総括記事が久々の大ヒットとなり何よりなSEO Japanでした。今回は前述の記事でもトップレベルの変更だったご存じパンダアップデートについてディープに掘り下げてみた記事を紹介してみたいと思います。度重なるパンダの進化をすり抜けてきた方も被害に遭った方もいるかとは思いますが、2012年末、パンダアップデート最前線の確認事項をおさらいする、ということで是非。 — SEO Japan

パンダが登場してから5ヶ月が経過した。しかし、パンダから回復したと言う声が上がったのは、パンダ 2.3アップデートの後の1度きりである。パンダ2.3は、パンダの以前のバージョンによって不当にダメージを受けた一部のサイトを救済するためにグーグルが行った取り組みであったため、注目を集めていた。

グーグルは、上の記事を投稿したバリー・シュワルツに対して次のように述べていた: 「今回のアップデートには、質の高いサイトと低いサイトを区別する上で役に立つ新たなシグナルが幾つか導入されています。」

それでは、パンダアップデートにおける成功の公式とは何だろうか?まずは根底の問題を理解する必要がある。

グーグルの目標

グーグル(とビング)は、検索結果を返す上で、次の2つの大きな目標を持っていると私は考えている:

  1. 検索エンジンのユーザーの質問に最も早く答えを与えるページを紹介する。この点を反映させることは重要である。ユーザーはページをぱっと見て答えを見つけることが出来るだろうか?あるいは、もう少し努力を必要とするとしても、1秒以内に求める答えが得られるかどうかを判断することが出来るだろうか?この点を質の高い実用的な定義として考慮してもらいたい。
  2. エンゲージメントのレベルが最も高いサイト。簡単に言うと、信頼されるサイトである。検索エンジンは信頼することが出来るサイトを好む。なぜなら、このタイプのサイトは検索エンジンの顧客をスパムする可能性が低く、また、ユーザーの質問に対して早く答えを提供する可能性が高いからだ。

計測

エンゲージメントと信用を計測するためのツールは星の数ほどある。しかし、最も重要なツールは、検索結果に対するユーザーのクリックのインタラクションではないかと私は考えている。通常はある検索フレーズに対するクリックスルー率が10%得られるランクで、実際に得ているクリックスルー率が5%なら、ランキングを落とす有力なシグナルと言えるだろう。

結果をクリックするユーザーが、戻るボタンをクリックし、別の結果をクリックする傾向が高い場合も良くないシグナルである。

上の例のイメージでは、ユーザーは1つ目の結果をクリックしたものの、ページの内容を気に入らず、再び結果ページに戻って今度は2つ目の結果をクリックしている。しかし、再び気に入らず、結果ページに戻ると言うパターンを繰り返している。これは検索エンジンが回避したがる典型的なパターンである。

検索エンジンの理想は、それぞれのSERPが、例えば、フレンチトーストの作り方の問題を異なる見方でとらえ、タイトルとデスクリプションンがその違いを明確に示している状態である。従って、ユーザーの質問への答えが3つ目の結果をクリックして見つかるなら、検索エンジンはその点をSERPの中で容易に把握することが出来る。

エンゲージメントは若干異なる分野であり、多くのシグナルが活用されている。その一部を以下に挙げていく:

  1. ユーザーがサイトで過ごす時間の平均
  2. ビジター1人当たりが閲覧するページ数
  3. 再びページを訪問するビジターの人数
  4. ブランド名の検索の回数
  5. ソーシャルメディアでの言及/ +1/いいね!/ツイート
  6. 検索以外のソースからのトラフィック
  7. プリントアウトされたページ数
  8. スクロールバーの利用数

この時点では検索エンジンがどのシグナルを利用しているのかについては重要ではない。この答えを求める人達が多いことは私も理解している。事実、私もその一人である。しかし、今後のSEOの重要な鍵を探しているなら、まずは、利用されているシグナルが変わる点を考慮しておくべきである。

そのため、現時点で重要なシグナルを正確に特定することが出来ても、答えを早く提供する、そして、高いエンゲージメントを達成すると言う大きな問題を解決することに専念してもらいたい。

パンダ診断の9つのステップ

まずはサイトのユーザーエクスペリエンスの現状を把握してもらいたい。以下にこのプロセスで重要なステップを幾つか挙げていく:

  1. 難しい質問を自分にぶつける。サイトに掲載するコンテンツに対して編集を十分に行っただろうか?行っていないなら、まずはこの問題を解決するべきである。質の低いコンテンツはユーザーに見破られ、クリック数となって現れるだろう。メーカーが提供する説明文をそのまま利用するショッピングサイトでは、大きな問題になる可能性がある。ebay、アマゾン、メイシーズ、またはその他の大きなブランドと競争しており、しかも同じ製品を同じように売っているなら、難問を抱えていると言わざるを得ない。
  2. 次の難しい質問に移る。サイトをデザインした時、ユーザーの質問に答えを出来るだけ早く提供することを考えていただろうか?考えていなかったなら、この問題も解決しなければならなくなる。
  3. エンゲージメントのメトリクスを競合者のメトリクスと比較する。ユーザーがサイト上で過ごした時間、再び訪問するビジターの人数、そして、ビジター1人当たりのページ閲覧数等のシグナルをCompete.com等のサービスを使って確認してもらいたい。精度に若干不安が残るかもしれないが、ここでは、宇宙船を作るために必要な詳細な数値ではなく、だいたいの目安を求めている。また、グーグルアドワーズのキーワードツールを使って、ブランドの検索の量を比較しよう。こういったメトリクスが競合者よりも遥かに低いなら、問題があることを物語っている。
  4. 検索クエリを精査して、細かい情報を手に入れる。ユーザーが何を求めてサイトを訪問しているのか分かるだろうか? 適切なビジターを獲得しているだろうか?タイトルやコンテンツを調整して、役に立つことが可能なユーザーを迎え入れる必要があるだろうか?
  5. サイトのビジターを対象に調査を行う。ビジターに何を求めているのか尋ねよう。その際は論理に適った複数の回答、そして、求めているものを自分で説明することが可能な「その他」を用意してもらいたい。ユーザーが何を求めているのかを特定する効果が見込める。
  6. サイトのビジターではない人達を対象に調査を行う。このデータを得る上で、メカニカルタークが意外と役に立つ。メカニカルタークの調査から興味深いデータをたくさん得られる。また、トラフィックが少ないなら、同様のサイトを訪問するユーザーが何を求めているのかを手っ取り早く探ることが出来るだろう。
  7. サイトでマウスの動きを追跡するソフトウェアを設定する。ページでユーザーが何を見ているのか確認するのだ。ビジターの大半は3つのカラムの右側のカラムを閲覧しているだろうか?その場合、ページの中央に掲載されているコンテンツよりも右側のカラムに掲載されているコンテンツは、ビジターが探している答えに近いのかもしれない。
  8. 直帰率が大幅に高いページがあるか確認する。サイトの1つのセクションがマイナスの影響を与えている可能性がある。残念ながら、そこまで単純なケースは稀だが、確認する価値はあるはずだ。このケースに当てはまる場合、当該のページのインデックスを中止することを検討してもらいたい。
  9. ユーザーに広告を必要以上に見せているか自分の胸に問いかける。ページの上半分の大部分は広告および自分のサイトのバナーグラフィックで埋まっているだろうか?その場合、変更する必要がある。

その他の重要なポイント

まずは上述した診断のステップを実施してもらいたい。次に強調したい2つの領域を挙げていく。

コンテンツの独自性を見直す

ショッピングサイトで見かける予め用意されたメーカーの説明文など、重複するコンテンツは避けておきたいところだが、それだけで満足してもらいたくない。

例えば、“how to make french toast”(フレンチトーストの作り方)に関する記事を作成しているなら、多数のページと競合していることになる(グーグルで返された結果(“”を含むは)は854,000)。これでは、新たな価値を加えることは事実上不可能である。

基本的なローンのアドバイスに関する記事を書いている場合にも同じことが言える。大きなブランドなら話は別だが、ユーザーに気づいてもらい、クリック、共有、+1、そして、その他のシグナルを送ってもらえるほどの違いを記事に加えなければ、勝ち目はない。

これは基本的に、ブランドに対する信頼によって、ブランドのフレンチトーストに関する記事には、自分の記事にもたらされるエンゲージメントのシグナルよりも優れたシグナルが与えられるためだ。ブランドの記事よりも遥かに優れた記事を提供している場合は例外である。しかし、一部の迷惑なブランドはウェブサイトのエンゲージメントに投資を行っている可能性もある。

メジャーなブランドであったとしても、提供するコンテンツおよび経験を差別化させることで、ライバルよりも有利な立場を確保することが出来る。差別化への投資によってパワーアップが見込めるのだ。

サイトに前向きなブランドのシグナルを含める

既にブランドとしてメジャーになったサイトを運営しているだろうか?それはそれで素晴らしいことだが、証言広告、ケーススタディ、推薦広告、トラストeのロゴ、分かりやすい明確なプライバシーポリシー等を使って、さらに強化することが可能だ。

メジャーなブランドではないなら、こういったシグナルはさらに重要になる。信頼性と信用性をサイトで訴えかける必要がある。

グーグルの推薦事項、サイトのビジターの調査、そして、他サイトのビジターの調査を行い、クレジットカードの番号を登録してもいいほど用することが出来るか尋ねてみよう。大半が「はい」と答えるまで調整および強化を継続して実行してもらいたい。

まとめ

このように今回紹介したアプローチは、グーグルの2つの基本的な目標に真正面から取り組むことを考慮している。これは簡単な取り組みではないが、パンダに捕まりたくないなら絶対に避けられない取り組みである。そして、時間のかかる取り組みでもある。

今回は、初期の診断のステップをメインに取り上げ、続きの取り組みは簡潔に説明した。しかし、最終的には次の点に力を入れなければならなくなるだろう:

  1. コンテンツの質/コンテンツの独自性
  2. ユーザーが答えを早く見つけることが可能な、そして、エンゲージメントを改善するサイトのデザインとレイアウトの特定
  3. ポジティブなブランドの経験を作り出す – 居心地の用意サイトにする

大勢のウェブマスターにとっては面倒な作業である。不幸としか言いようがないが、今から作業に励むことを勧める。

長く、大変な道のりを歩む意味がないなら、サイトを現金化し、得られるものを全て得た後で、その他のプロジェクトに投資するべきかもしれない。

前述したアドバイスを受け入れられない人もいるかもしれないが、ここでは分かりやすいように伝えようとしているだけであり、良い悪いを言っているのではない。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Yet More Tips For Diagnosing & Fixing Panda Problems」を翻訳した内容です。

初心者には若干ディープ気味だったかもですが、Google/SEOマニアにも改めて再発見もあった記事だったのではないでしょうか。まずは出だしのGoogleが目指すSERPの姿については、SEOに取り組む上で常に念頭に置いておきたいと再認識。特にエンゲージメント率についてはGoogle自身が検索結果のクリック率は導線、時間(&禁断のanalyticsデータ?)からある程度判断できる材料でもありますし、SEOもコンテンツが大事と叫ばれる最近ですが量以上に質も問われる(それもアルゴリズムで判断されるレベルで!)時代なのでしょうね。短文ポストを乱発しているサイトの価値は相対的なトラフィックレベルはロングテール効果やドメイン評価の高さも含めてまだまだありそうですが、最終的には下がっていきそうな予感もします。

診断方法や修正方法についても具体的に解説されていましたが、読めば読むほどSEOの話に終わらない、サイトがユーザーに提供する価値、サイトのエンゲージメントレベルの話になっていますよね。コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングが叫ばれる最近ですが、もちろん有益?なブログ記事を書くことも大事ですが、サイト自体の設計・内容から含めて見直す点は色々ある今日のウェブなのでしょう。

何故か達観した見方になってしまいましたが、2013年のサイト構築・運営はSEOはもちろん、ビジネスに真に活用するためには、エンゲージメントレベルの改善にありそうです。 — SEO Japan [G+]

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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