Google Instantはロングテールを抹殺するのか?

公開日:2010/09/27

最終更新日:2024/03/15

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最近話題のGoogle Instantですが、今回はGoogle Instantがユーザーの検索行動に与える影響についてサーチエンジンランドが考察。 — SEO Japan

有料検索の観点から見ると、グーグル・インスタントには警戒せざるを得ない。

9月8日、グーグルはグーグル・インスタントの告知を行った。この新しい機能は、クエリを予測する手法を用いて、ユーザーの意図を確立することが出来るサービスである。確かにグーグル・インスタントは魅力的だと思うが、有料検索マーケッターとして、私には懸念がある。たとえグーグルが、この機能が広告のランキングには影響を与えることはないと保証していてもだ(ダニー・サリバン氏がプレスカンファレンス場からリアルタイムで投稿していたグーグル・インスタントに関するエントリを参考にしてもらいたい)。この懸念は、興味深いものから、静観する必要があるもの、そして、注意すべきものまで様々である。これからグーグル・インスタントに対する私の初期の見解、そして、反応を綴っていく。

地域の影響

単に私が聞きそびれただけなのかもしれないが、発表が行われている間、クエリの予測における地域の違いに関する情報は出なかった気がする。「w」から始まるクエリの例として、サンフランシスコの気象情報(weather)を見せるパフォーマンスは、会場にいた地域のオーデェンスから称賛を浴びていた。確かにすごい。たった一回文字をクリックしただけで天気が分かるのだ。

しかし、私が暮らす地域、ナッシュビルではうまくいかなかった。私の場合、「w」を入力すると「WalMart」が返ってきた。「John」を入力すると、John Deereが表示された。私の個人的な生活を追求するのは中断して、例えば私がWalMartとJohn Deereに興味が湧かなかったとしよう。私はWalMart.comをほとんど訪問しないし、Deere.comに関しては一度も見たことがない。しかし、明らかに“私のようなタイプの人達”はこれらのサイトをチェックしているようだ。

[上述の例はブラウザにって異なる結果が出た]

有料検索の観点から見ると、これはとても重大な懸念になり得る。キーワードをターゲットにする際、地域における一貫性が必要になる。この一貫性があると、広告を使いたい地域をターゲットに絞ることが出来るようになるからだ。しかし、グーグル・インスタントが選ぶ仕組みにはこの一貫性が欠けているのだ。

広告のインプレッションに対する影響

グーグル・インスタントを使ってインプレッションをカウントする方法が3つある。

  • すべてのクリック ? ユーザーが入力を初め、ページのどこかをクリックしたら、インプレッションとしてカウントされる。広告であっても、スペルチェックであっても、あるいはリンクであっても、カウントされる。
  • 検索の選択 ? 検索ボタンがクリックされた、もしくはユーザーがクエリを選択した際にインプレッションがカウントされる。
  • 3秒ルール ? ユーザーが入力をやめ、3秒間何もしなかったら、インプレッションがカウントされる。

情報源: https://adwords.google.com/support/aw/bin/answer.py?hl=en&answer=187309

実はこの点が私のキャンペーンにどのように影響を与えるのかは、今の段階ではよく分かっていない。しかし、少なくとも、インプレッションのカウントは下がることが予想される。インプレッションは、コストを増やすことなくブランドの認知度を上げる有効な手段である。グーグルがこの“無料”の広告を排除しようとする行為は理に適っている。インプレッションのカウントに関しては、現在は“静観”している。

影響を受けるロングテール

ロングテールクエリの状況は、有料検索の分野において最も心配な領域である。ここ数年、私は広範で短いキーワードは捨ててきた。確かにボリュームは大きかったが、コンバージョンは低かった。多くのマーケッターが学んできたように、アドワーズの本当の“価値”は、ロングテールの具体的なキーワードに存在するのだ。

例えば、ラスベガスのホテルなら、「Las Vegas」よりも「Las Vegas 5-star Hotel」にコンバージョンに期待するだろう。「Las Vegas」に入札すれば大量のクリックをもたらすことが出来るかもしれないが、コンバージョンのコストがあまりにも高くつくだろう。長い用語に入札することで、予算が少なくても十分に競争することが出来るのだ。

Google Instant Las Vegas

そして、グーグル・インスタントの登場により、この点が変わる。例えば、先程の例を使うと、「Las」で始まるクエリにはLas Vegasの広告が表示される。これらの広告の幾つかはホテルの広告になる。既にホテルの広告が掲載されているにも関わらず、ユーザーは入力を続けるだろうか?こうなると広告主として競争するため、「Las Vegas」に入札せざるをえなくなる。そのため、私はグーグルのビジネスに貢献することになる。つまり、ロングテールのキーワードに入札する必要性がなくなるのだ。ユーザーは「Las V…」に辿りつくことすらないのかもしれない。これは「Las Vegas 5-star Hotels」や「Las Vegas hotels on the North Strip」よりも遥かに短い。

Google Instant Search Results for Las Vegas

皆さんの考えを聞かせてもらいたい。私が何かを見落としている可能性もある。皆さんが考えている間に私は広範なマッチを再開し、短いキーワードをリストに加えなければならないようだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Will Google Instant Kill The Long Tail?」を翻訳した内容です。

This article first appeared on Search Engine Land.
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確かに単一ワードを入力した際に、色々な検索フレーズが表示されてしまうと、そこから次の検索語を選んでしまう(特に初心者)ケースも増えそうですね。単一ワードの場合はユーザーニーズもかなり多様だと思いますし、果たしてそれがユーザーにとって良いものなのかどうか。。。ロングテール検索やロングテールSEOにどういう影響が出てくるのか今後注目です。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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