Google、自らブログを使った有料リンクキャンペーンを行う?!

正月早々ネットで話題になったお話につきご存じの方も多いと思いますが、改めてサーチエンジンランドによる詳細記事の紹介を。昨年後半から日本でもGoogleが有料リンクに対して取り締りが厳しくなっていますが、そんな最中、Google自身が結果としてながら有料リンクキャンペーンを行ってしまったというお話を。 — SEO Japan

pen-moneyグーグルは有料リンクおよび“薄っぺらい”コンテンツと戦ってきた企業である。しかし、そのグーグルが運営するクロームを宣伝するために行われ、この2つを生み出したキャンペーンの裏側に、なんと張本人のグーグルがいたと言うのだ。開いた口が塞がらないとは、まさにこのようなことを言うのだろう。

この投稿はグーグルのスポンサー記事です

アーロン・ウォール氏(日本語)はこのキャンペーンをSEO Bookで取り上げ、「This post is sponsored by Google」に対する検索を行うと、明らかにグーグルのマーケティングキャンペーンの一環として書かれた400を超えるページが返されると明かしている:

現在、グーグルが実際にこのキャンペーンに関与しているのかどうかを直接グーグルに確認しているところだ。しかし、グーグルのPR部門は、その他の大半のグーグルの部門と同じように本日はオフであるため、返事は遅くなると見込まれる。それでも、グーグルが何らかの形で支援している可能性は高い。

リンクを買うグーグル

このキャンペーンは、2つの点で奇妙と言える。まず、このキャンペーンは、グーグル自身の有料リンクに対するガイドラインを違反している可能性がある点だ。

グーグルのウェブスパム対策チームを統括するマット・カッツ氏は、支払いに応じたスポンサー記事はリンクを獲得する方法として認められないと口を酸っぱくして述べており、このような投稿では、クレジットをグーグルのランキングアルゴリズムにもたらさないように、nofollowアトリビュートを用いるべきだと主張していた。

それにも関わらず、グーグルのスポンサー投稿の1つがまさにこの禁じ手を用いている:

矢印は、グーグルクロームのダウンロードページに向かうリンクを指している。このリンクは、nofollowでブロックされているわけではない、正真正銘の通常のリンクである。ページの下に記されているように、この投稿はグーグルがスポンサーを務めるキャンペーンの一環であるため、この投稿のみに掲載されているようだ。そのため、このページの作者およびグーグルはともにグーグルのガイドラインを違反しており、グーグルから利用禁止を言い渡される可能性がある。

動画自体もリンクである。ユーチューブでホスティングされているわけでも、クリックしても動画ページが開くわけでもなく、グーグルなら理解するであろうJavaScriptのリンクを通して、グーグルクロームのダウンロードページに向かう仕組みになっている。

グーグルはグーグルクロームを追放するのか?

有料リンクは、昨年、グーグルがJC ペニー(日本語)、そして、フォーブズとオーバーストックに対して有料リンクを利用したとしてペナルティーを与えた後、大きな注目を集めていた。さらにグーグルは昨年同じ問題で関係会社のBeatThatQuoteに利用禁止処分を下していた。また、2009年には、同じ問題でグーグルジャパンにペナルティを与えていたが、この際は追放するのではなく、11ヶ月間に渡って上位にランクインする力を削ぐ処置を取っていた。

つまり、グーグルはグーグルクロームのダウンロードページを有料リンクを利用したために禁止しなければならない可能性があるのだ。検索してもらうために、グーグルクロームの宣伝に奔走しているグーグルとしては最悪の結果と言っても過言ではないだろう。現在、このページは、google chromeの検索結果では上位に君臨しているようだ:

禁止処分が科されれば、グーグルが過去のペナルティへの対処を考慮すると、数ヶ月から1年間に渡って検索結果から姿を消すことになる。

私がチェックした投稿においては、そのほとんどがグーグルまたはグーグルクロームのページへのリンクを掲載していなかった。また、グーグルが直接何かにリンクを張るよう指示する可能性は低いと考えている。

– 動画がホスティングされている場所を参考にすると、そして、グーグルが責任転嫁を行うにはうってつけの第三者のUnruly(アンルーリー)によって行われているであろう – このキャンペーンは、恐らく、クロームの動画を投稿の一部として掲載する点のみを条件に、好きなことについて、ポジティブな意見であろうと、ネガティブな意見であろうとこだわらず、文章を綴ってもらいたいと指示したのだろう。

グーグルの劣悪なコンテンツキャンペーン

このキャンペーンにおいてはこの問題の方が重要度は高いだろう。少なくとも私は大いにショックを受けている。グーグルは料金を払って、パンダアップデートがペナルティを与える対象としていた、大量のゴミクラスのコンテンツを作らせていたのだ。

私が紹介した上の投稿の一部に注目してもらいたい:

私は小規模なビジネスを運営しているが、自分の会社をオンラインコミュニティにアピールする上でグーグルは重要の鍵を握っている点に気づいた。広告に多額の資金を投じたが、それでも結局、最多のリファラーはグーグルであった。これは大きな意味があり、私は多くの時間をSEOに割くようになった。SEOをウェブサイトで適切行っているなら、グーグルはそのビジネスを別のレベルに引き上げてくれるだろう。グーグルのおかげで、小規模なビジネスとして、私の声は大きく、そして、美しい声に改善されていく。地方の目立たない会社から、世界中の顧客を持つビジネスに発展するのだ。

それがこの投稿の主題とされる点とどんな関係があるのだろうか?“グーグルクロームは小規模なビジネスの役に立つ”。この投稿の作者は、グーグルクロームがどのようにビジネスの役に立ったのかに関しても、把握しているビジネスに関しても、全く言及していない。クロームは最後に一度挙げられるだけであり、このキャンペーンの決まり文句のような文で用いられている:

グーグルクロームは、バーモントの小さな会社がグローバル化する上で貢献した。あなたの未来においてグーグルクロームはどのように貢献するのだろうか?

グーグルクロームの“レビュー”を避けよう

「レビュー: グーグルクローム」と言うタイトルがつけられた別の投稿には次のように綴られている:

グーグルクロームに関して伝えたいことが少しあった。もっと具体的に言おう。クロームは皆さんの小さな事業を変えることが出来る点を伝えたかったのだ。その小規模なビジネスを拡大する方法は数えきれないぐらい存在する。しかし、この目標を達成する最高の方法は何だろうか?現在は、誰を信頼すればよいのか判断が難しい時代だが、グーグルと言う名前を聞けば、安心することが出来る。皆さんもご存知のはずだ。でも、とりあえずはこの動画を見て欲しい。きっと刺激を受けるはずだ。

詳細なレビューを読む準備は整っているだろうか?それでは以下のレビューを読んでいってもらおう:

グーグルクロームは、バーモントの小さな会社がグローバル化する上で貢献した。あなたの未来においてグーグルクロームはどのように貢献するのだろうか?

幸いにも、「google chrome review」で検索をかけても、この投稿は10以内にはランクインしているわけではない。しかし、google chrome benefitsの検索に注目してもらいたい:

ここで、その他のブラウザではなくグーグルクロームを利用するメリットを知りたいケースを想像してもらいたい。2100万のマッチにおいて2本のグーグルのゴミレベルのスポンサー記事がトップ10入りを果たしている。上位に食い込んだ投稿の1つの内容を以下に掲載する:

「グーグルクロームのメリット」と言うタイトルがこのエントリには与えられている。その中身はと言うと?

インターネットは節約する上で様々な役に立つツールを提供している。クーポンを効果的に利用する方法を教えてくれる熱意を持った人達が綴った素晴らしいブログのエントリが投稿されている。健康的な家計を成立させるために役に立つ予算管理ツールが存在する。質の高い製品を地元で提供することが可能な小規模なビジネスが控えている。どのような財務の情報を求めているにせよ、インターネットで見つけることが出来るだろう。そして、グーグルクロームがそんなとき頼りになるのだ。

クロームに固有のメリットはあっただろうか?インターネットエクスプローラでもファイヤーフォックスでも、挙げられていた作業を実施することは可能だ。それでは、この作者の経験および知識から理解することが出来るグーグルクロームだけのメリットとは何だろうか?

グーグルクロームは、バーモントの小さな会社がグローバル化する上で貢献した。あなたの未来においてグーグルクロームはどのように貢献するのだろうか?

お決まりのテキストと動画が再び出てきた。

それでは、トップ10入りしたの投稿の内容を見ていこう:

295ワードで構成される冒頭の段落では、基本的にお金の節約および節約を求める人達が発見する情報について述べられている。次の最後の35ワードの文に到達するまでは、クロームには全く触れられていない:

ここでグーグルクロームが役に立つ。クロームは、容易にスタートを切り、そして、多額の資金を投じることなくオンラインおよびソーシャルメディアの世界でその名を広める手段を提供しているのだ。

その後、クロームの機能のレビューは行われていない。実際に小規模なビジネスがクロームを利用する方法の説明も行われていない。通常のバーモントの会社と動画が掲載されているだけだ。

クロームの説明を行わないクロームの動画

グーグルが推進している動画に注目してみよう。テレビでこの動画を見たことがある人もいるだろう。紹介されているバーモントの小麦粉の生産者のキング・アーサー・フラワー社の成功にクロームがどのような形で貢献したかに関しても全く触れられていない。以下に当該の動画を掲載しておくので、ご自分の目で確認して欲しい:

YouTube Preview Image

キング・アーサー・フラワーは、少なくとも2006年12月からインターネットを活用しており、当初はインターネットエクスプローラを使っていたはずだ。少なくとも当時存在していなかったクロームでは絶対にないはずだ。

ちなみに、同社のグーグル+のページは広告内で紹介されているが、右のイメージをご覧になれば分かるように、同社のフェイスブックとツイッターのアカウントを持つホームページは紹介してもらうほど重要度は高くなかったようだ。

それでは、何が起きたのかまとめておこう。グーグルは料金を払って内容の薄いグーグルクロームのレビューでも、グーグルクロームが小規模なビジネスの役に立った敬意を説明するでもない記事を書いてもらい、こちらもグーグルクロームが小規模な事業に貢献する経緯に触れない動画をプッシュしていたのだ。

グーグルの広告は感情ではなく、質を重要視するべきなのかもしれない

皮肉にも、ニューヨークタイムズが、グーグルがクロームを宣伝するために今まで以上に広告に力を入れている経緯を取り上げた素晴らしい記事を本日掲載していた。その記事の一部を以下に掲載する:

「泣かせることが出来なかったら、失敗する。」とトゥーヒル氏は述べた。「感情が全てである。これはテクノロジー企業にとっては奇妙なことだ。」

実際に、グーグルクロームが何なのかを説明しない等、違う理由で私は泣きたくなった。グーグルが推進しようとしているのは好奇心なのかもしれない:

グーグルのイベントのように、TV広告は製品の詳細については深く説明しない。その代わりに、好奇心と感情に訴えかけようとしているとトゥーヒル氏は話した。

頻繁にウェブを利用するユーザーをターゲットに絞った最初のオンライン広告は、ブラウザのスピードと安全性をアピールする内容であった。しかし、クロームをメジャー化させる際には、トゥーヒル氏曰く、“朝寝坊して、新しいブラウザを手に入れよう”と考えるタイプではない人達に接触するためテレビに向かったようだ。」

朝起きて新しいブラウザが必要だと考えないなら、自分が今どのブラウザを利用しているのかに関しても考えていない可能性は高い。そのため、クロームの製品の機能を実際に説明する広告の方が役に立つのではないだろうか。

少なくとも、スポンサー記事キャンペーンを行うなら、自社のコンテンツガイドラインを違反するコンテンツを生成するキャンペーンではなく、製品の内容を説明するコンテンツを持つ記事を作らせるべきである。ニューヨークタイムズの記事には、広告主のためのグーグルツァイトガイストイベントのテーブルクロスを慎重に選ぶ模様が綴られている:

「グーグルはとても清潔感があり、シンプルなブランドである。」とトゥーヒル氏は述べている。「リネンはだらしなく見える、汚れが目立つ、そして、固いと言う欠点がある。私はグーグルのホームページから多くのヒントを得ている。シンプルさが鍵を握るのだ。」

このタイプのキャンペーンは、グーグルが避けたがっている、だらしなく、汚いリネンのテーブルクロスに似ている気がする。

PS: この投稿を実際に行ったブロガーの一人と連絡を取ることが出来た。SITS ガールズのコミュニティでこのキャンペーンの存在を知ったようだ。調査をしたところ、2つのペイパーポストキャンペーンがアンルーリーによって運営されていることが判明した。そのうちの1つは米国癌協会で、もう一つはT-モバイルのキャンペーンであった。

どちらのキャンペーンもブロガーに動画を見てもらい、動画に関するエントリを何でもいいので作成し、そして、動画をエントリに埋め込むよう要請していた。支払いはそれぞれ$40分のアマゾンのギフトカードで行われていた。グーグルのキャンペーンがこのような仕組みでオファーされていたのかどうかは不明だが、アンルーリーと関係を持つコミュニティが運営するその他のキャンペーンと同じ仕組みが採用されていた可能性はある。

また、アンルーリーのサイトの登録の規約には、次のような興味深いセクションが含まれている:

サイトに対する月間の収益の限度はそれぞれのサイトのグーグルページランク、そして、アンルーリーメディアが時折考慮する同様のその他の要因によって判定される。サイトが月間の収益の限度に近付きつつある際、そして、限度に達した際に通知が行われる。

上記のセクションは一般的な規約であり、アンルーリーがグーグルに代わって行ったとされている今回のキャンペーンに当てはまるとは限らない。しかし、いずれにせよ、アンルーリーが有料リンクを介して検索のランキングを改善する意図を持ってキャンペーンを運営していたのは事実のようだ。

と、私が考えるには訳がある。サイトのグーグルページランクに利益を関係させる理由が他に全く思いつかないのだ。

PS 2: 続きのストーリー、「Google、自社サイトに有料リンクペナルティを与える」にも目を通しておいてもらいたい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Jaw-Dropping Sponsored Post Campaign For Chrome」を翻訳した内容です。

有料リンクにも色々ありますが特にブロガーを使ったマーケティングキャンペーンの場合はGoogle自らSEOスパムに該当する行為を結果としてしてしまうこともあることが証明されたわけですし、SEO的にも取り扱い要注意ということですかね。

金銭や現物等、何らかの報酬を持ってブロガーに記事を書いてもらうブログマーケティングはソーシャルメディアマーケティングの一手法として日本でも普通に行われていると思いますが、記事から該当サイトにリンクを張ることが有料リンクといわれた日には正直困ってしまう面もあるのですけどね。

キャンペーン実施側はスポンサー記事の明記及びリンクがある場合にはnofollow記述を徹底する位の事は行っても良いのかもしれませんが、広告効果減少を恐れてスポンサー記事であることを明記させないケースも多いと思いますし(倫理的にどうかという問題はさておき)、nofollowを徹底させることも現実的には難しい気もします。

そもそもソーシャルメディアマーケティングはネットの多種多様なソーシャルメディアに情報を拡散させてそこからトラフィックやブランディングを得ていこうという手法ですが、結果として同じくネット上の多種多様なサイトからリンクが張られてしまうわけですし、「全てのソーシャルメディアマーケティングは有料のリンクキャンペーンである」とも言い換えられかねません。

コンテンツマーケティングの重要性がかつてない程叫ばれているように、魅力的なコンテンツを作ることだけに特化すればブログマーケティング含めた意図的な情報拡散キャンペーンを行う必要はないのかもしれませんが(=意図的な有料リンクキャンペーンを行わないで済む)、そうはいってもソーシャルで同情報を拡散させるかということはコンテンツ以上に重要なテーマですしそこに様々なビジネスが今も今後も生まれてくるでしょう。今回の一件、今後のSEOを考える上での難しいテーマをGoogleにも我々にも残してくれたと思います。 — SEO Japan

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