Googleのフレッシュネス・アルゴリズムについて、あなたが知るべきこと

公開日:2022/09/08

最終更新日:2022/09/08

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Webサイトでコンテンツを公開する場合、より「新鮮な」情報を公開したいと思うことでしょう。しかし、見せかけの新鮮さを演出するような施策は、Googleにとってもユーザーにとっても有益ではなく、そもそも新鮮さが求められているトピックではない場合も考えられます。今回は、SEOを行う場合に考慮に入れたい「新鮮さ」について解説したSearch Engine Journalの記事を紹介します。

Googleのフレッシュネス・アルゴリズムは、検索クエリの3つのカテゴリーにおける、順位を決定づける方法を変化させた。

Googleのフレッシュネス・アップデートは、ユーザーのインテントに合致した、より正確な検索結果を作成するという流れを導入した、ランキングアルゴリズムの大きな変化であった。

このアップデートにより、検索クエリとの関連性を示す指標として、時間が追加されるようになった。その結果、トレンドのコンテンツ、定期的に発生するイベント(毎年行われるイベントなど)、頻繁に更新されるもの(新製品のモデルなど)、といったコンテンツの露出をGoogleが高めることができるようになった。

フレッシュネス・アップデートは、カフェイン・アップデートによって導入された、インフラの変更によって実現した。カフェイン・アップデートにより、Googleは前例のない規模でWebのインデックスを拡張し、文字通り分刻みの単位で、関連性のある最新のコンテンツを検索結果に表示することができるようになったのだ。

このアルゴリズムのアップデートは、2011年11月3日に発表されている。

Googleのオフィシャルブログによると、検索クエリの約35%に影響し、検索クエリの6〜10%に目立った影響を与えたとのことだ。

これは、Webページの順位付けに与えた、大きな変化と言える。

なぜ、フレッシュネス・アルゴリズムと呼ばれるのか?

「フレッシュネス」という名称は、Googleのオフィシャルの発表から直接使われている。

「Google検索は、最新の結果を提供するために設計された、フレッシュネス・アルゴリズムを使用している」

何が、このアルゴリズム・アップデートを可能にしているのか?

Googleがフレッシュネス・アップデートをリリースした理由は、カフェインのインデックスシステムによって、Googleが多くのWebページをより高速に処理できるようになったからである。

カフェインのインフラは「フレッシュネス」の意味をより細かく定義することで、Googleが新しい結果を、高い関連性を保ったまま表示することを可能にした。

具体的には、Googleは特定のクエリが、時間に基づく3つの関連性の指標があると判断したのである。

時間に関連するクエリの3つの種類は、下記である。

  1. 最近のイベント:一般的にはニュースに関連するものであり、トレンドの話題や時事関連のイベントについての検索クエリである。
  2. 定期的に繰り返すイベント:Googleの発表では、年中行事、選挙、スポーツのスコア、TV番組、企業の業績報告、などが例に挙げられている。
  3. 頻繁に更新されるもの:イベントやトレンドの話題などではないが、頻繁に更新されるトピックが存在する。頻繁に更新される新製品の情報などが、例として挙げられる。

トレンドのトピックや最近のイベントにおけるフレッシュネス

トレンドのトピック

Googleは、特にトレンドのトピックの場合、特定のクエリに対して新鮮な結果を表示する。

Googleのアルゴリズムである「LIMoE」というキーワードを、例に挙げてみよう。

「limoe」のGoogleの検索結果画面のスクリーンショット。2022年6月。

「LIMoE」は、最近まで存在しなかったキーワードである。上記の例では、Googleは最も新鮮な検索結果を表示している。

最近のイベント

このアルゴリズムがリリースされた当時は、最近のイベントについての「トップニュース」のセクションは存在していなかった。

Googleは、検索結果の最上部に、最近のイベントに関連したニュースの検索結果を単純に表示していた。

今日、検索クエリが最近のイベントに関するものである場合、Googleは「トップニュース」のセクションを表示している。

例えば、「ウクライナ」と検索した場合、下記の検索結果が表示される。

「ukraine」のGoogleの検索結果画面のスクリーンショット。2022年6月。

「トップニュース」のセクションは、トレンドになっている最近のイベントの場合に表示される。これは、最近のイベントの場合、新鮮な情報が表示される検索結果の例である。

定期的に繰り返すイベントにおけるフレッシュネス

このタイプは定期的に起こるイベントではあるが、必ずしもトレンドになっているものとは限らないものである。

定期的に繰り返すイベントの検索クエリとして、スポーツに関連するクエリをGoogleは例として挙げている。

「NBA」と検索すると、最近の試合のスコアが表示される。

「nba」のGoogleの検索結果画面のスクリーンショット。2022年6月。

繰り返し起こるイベントの場合、定期的な更新が求められる。スポーツイベントの場合、そのシーズン中、毎日、または、毎週更新する必要がある。大統領選挙の場合は、4年毎に更新する必要がある。

頻繁に更新されるもの

フレッシュネスにおける3つ目の種類は、製品のレビューに関連するクエリのように、常に更新されるようなトピックである。

例えば、SamsungのGalaxyは、発売から何年も経っており、複数のモデルが誕生している。

この場合、「Samsung Galaxy レビュー」と検索すると、最新モデルについてのレビューが表示されることが、検索結果としては理想的である。

では、この検索クエリの実際の検索結果画面を見てみよう。

新鮮さが評価されるクエリ(QDF:Query Deserves Freshness)

Googleのフレッシュネス・アルゴリズムは、Googleが時間に基づいた関連性をランキング要因とし使用した最初の例ではない。

2007年に、アミット・シンガル氏(当時のGoogleのエンジニアであり、シニア・ヴァイス・プレジデント)は、ニューヨークタイムズ紙とのインタビューで、Query Deserves Freshnessのアルゴリズムを紹介した。

このインタビューで、アミット氏はQuery Deserves Freshnessを以下のように説明している。

シンガル氏はフレッシュネスについての問題を紹介した。単純に、より多くの新しいページを表示するように数式を変更しただけでは、多くの場合、低品質な検索結果になってしまう、とのことである。

そして、自らのチームによる解決策について話している。それは、ユーザーが新しい情報を求めている場合と、そうでない場合を判断することを試みる数式モデルである。

(他のGoogleの試みと同様、今回の試みにも名前が付けられており、それは、Query Deserves Freshnessと呼ばれている。)

Query Deserves Freshnessによる解決とは、そのトピックが「ホット」であるかどうかを判断することである。

例えば、ニュースサイトやブログがそのトピックについて活発に記事を書いていた場合、この数式モデルは、そのトピックはユーザーが最新の情報を求めているトピックである、と判断するのだ。

Query Deserves Freshnessとフレッシュネス・アルゴリズムの違いは、Query Deserves Freshnessは、フレッシュネス・アルゴリズムよりも範囲が限定的であり、ニュアンスも薄くなっていることである。

QDFとフレッシュネス・アルゴリズムの違い

  • QDFは、とあるトピックが、ニュースサイトやブログなどでトレンドになっているかどうかを確認する
  • フレッシュネス・アルゴリズムは、その検索クエリが、新鮮な検索結果が求められる3つのタイプの検索クエリに属するかどうかを判断する

前述の通り、カフェインのインデックスシステムが、フレッシュネス・アルゴリズムの5ヶ月前に導入されている。カフェインのインデックスシステムは、Googleが分刻みで関連性のある検索結果を提供できる能力を与えている。

QDFについて覚えておくべき事実として、QDFは2007年に導入されており、2010年のフレッシュネス・アルゴリズムよりも前に導入されていた、ということである。

紛らわしいことは、Googleの社員は、QDFの概念について2010年以降も継続して言及していることである。そのため、2012年においても、マット・カッツ氏は特定のクエリでは新鮮さが評価されるという考えを、Google Webマスター ハングアウトにて言及している。

これら2つは異なるアルゴリズムである。導入時期に3年の違いがあり、行っていることも異なる。2010年にフレッシュネス・アルゴリズムを可能にした技術(カフェインのインデックスシステム)は、2007年には存在していなかったのである。

ランキングに新鮮なコンテンツは必要なのか?

すべての検索クエリが、新鮮な検索結果を求められているわけではない。エバーグリーンである検索クエリも、多く存在するのだ。

エバーグリーンとは、検索クエリの情報ニーズとの関連性において、とある検索クエリに対する回答があまり変化しないことを意味する。

エバーグリーンのコンテンツの例として、レシピが挙げられるだろう。チョコレートクッキーの作り方は、何年経っても、比較的同じままである。

もちろん、文化的な変化がエバーグリーンのコンテンツに影響を与えることはある。例えば、低脂肪や糖分の少ないクッキーが好まれるようになり、クッキーの作り方に変化を与えるかもしれない。

しかし、クッキーのレシピは、エバーグリーンのコンテンツである。

フレッシュ・アルゴリズムが作動するのは、検索クエリが下記の3つのカテゴリーに属するときである。

  1. 最近のイベント
  2. 定期的に繰り返すイベント
  3. 頻繁に更新されるもの

フレッシュなコンテンツについての都市伝説

「Googleはフレッシュなコンテンツを好む」という理由で、毎週、毎月、毎年、公開日や更新日を変更することを勧めるSEOの戦略が存在する。

公開日を一括で更新することができる、WordPressのプラグインも存在する。

しかし、「Googleはフレッシュなコンテンツを好む」という考えは、いつの時代においても、単なる都市伝説に過ぎない。

フレッシュネス・アルゴリズムがローンチされた3年後でも、Googleのエンジニアであるマット・カッツ氏は、「新鮮さが常にランキング要素であるわけではない」、ということを説明しなければならなかった。

マット氏は、2013年の動画で、新鮮さがどれほどランキングにおいて重要であるかを説明している。

新鮮さはどれほど重要なのか?

この質問には興味深いポイントがある。ブログやWebサイト内の1ページの更新頻度を高めることで、自動的にランキングが上昇するはずだ、というものではない。

そのため、私は「新鮮さ」をこのように解釈することはない。すべてのクエリが、新鮮さを評価するわけではないのだ。

ナビゲーショナルクエリ、エバーグリーンのコンテンツ、長文のコンテンツやより深いリサーチなど、新鮮さがそこまで考慮されない場合がある。

我々は200以上のシグナルを使用している。そこで、私がやってはいけないもの、落とし穴、罠とも言えるようなものは、「新鮮なコンテンツであることが重要だ。そのために、私はランダムにコンテンツ内の単語や署名欄の日付を毎日変更しよう。そうすれば、フレッシュなコンテンツに見せかけることができる」、と考えることである。

それは、ランキングの上昇につながる行為ではないのだ。

ニュースであったり、新鮮なコンテンツが本当に価値のあるものとされるトピックを扱っていない限り、そこまで心配する必要はない。

時間が経過しても評価される、エバーグリーンのコンテンツがある。このような記事を作成することのほうが、よっぽど価値があるだろう。

もし、ビデオゲームについての記事を書いているのであれば、話題性のある速報情報は多いだろう。このような場合は、フレッシュであり、関連性のあるコンテンツの作成に取り組むことは、良いことだろう。

フレッシュネス・アルゴリズムを考慮する必要はあるのか?

定期的に新しいコンテンツを公開することは、多くの種類のWebサイトにって、良い戦略と言えるだろう。

特定のトピックについて最新のコンテンツを公開することが、非常に重要な場合もある。

消費者の行動が急速に変化するようなトピックを扱っている場合、定期的に発生するイベントの場合、頻繁に更新される製品についてのWebサイトの場合などは、新鮮なコンテンツを用意する必要がある。

ニュースやトレンドに関するコンテンツを公開する場合のメリットは、時には、膨大な量のトラフィックを獲得することができる点だ。

しかし、そのトピックがトレンドであった時点では、大量のトラフィックをもたらしてくれた検索クエリにおいて、数週間後には、新鮮さや関連性がなくなってしまう可能性がある、というデメリットも存在する。

最適な方法は、自分のコンテンツが扱うトピックが3つの新鮮さのカテゴリーに属するかどうかを見極め、属する場合はコンテンツの作成に着手する、という方法だろう。

もし、扱うトピックが3つのカテゴリーに属さない場合は、そのトピックはエバーグリーンであると言えるだろう。

また、フレッシュなコンテンツとエバーグリーンのコンテンツの両方を持つことは、悪い考えではない。新鮮なコンテンツを求めて訪れたユーザーが、エバーグリーンのコンテンツを求め、Webサイト内に長く滞在してくれるかもしれないからだ。

フレッシュネス・アップデートについて理解を深めることは、コンテンツ戦略を立てる上で、非常に有効である。なぜなら、現在のGoogleはどのクエリが新鮮さを重視すべきかをより良く理解できるようになっており、それが、パブリッシャーがより多くのトラフィックを獲得することができる機会となっているからである。

Googleが考える「新鮮さ」について、また、フレッシュネス・アルゴリズムとQDFの違いについて解説された記事でした。かつては、インデックスの更新も今ほど多くなく、現在では当たり前に表示されている検索結果画面の機能も存在していませんでした。Googleの技術もあって、新鮮なコンテンツが評価されるようになっていますが、自身が扱うトピックがこれにあたる場合は、それを意識したコンテンツ作成を行いたいものです。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Google Freshness Algorithm: Everything You Need To Know」を翻訳した内容です。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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