強烈にクリエイティブな地球温暖化の啓蒙広告15選

最終更新日:2024/02/27

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今年の日本の夏、過去最高レベルで暑かったですよね。今回は暑さに関連して地球温暖化の啓蒙広告の中からクリエイティブ性が光る作品を15紹介した記事を。安易な地球温暖化説には乗る気のない私ですが、どれもインパクトのある作品ばかりで、暑すぎた夏も加わり思わず素直に信じたくなってしまいました。 — SEO Japan

1958年、アメリカ人科学者Charles Keelingは、二酸化炭素の直接測定を行うと、その後すぐにこのガスを地球温暖化に結びつけた。Keelingの発見は、人類が温室効果と地球温暖化に寄与している可能性があることを初めて示唆した。しかし、今日においても、地球温暖化の原因を巡って議論は続いている―それが本当に起きているのかどうかさえ。

これらの議論にもかかわらず、GreenpeachやWorld Wide Fund for Nature(WWF)やNatural Resource Defense Council(NRDC)のような環境団体は、この問題にハイライトを当てるために数えきれないほどのキャンペーンに取り組んできた。そして、人々の意識を高め、行動を起こさせている。ここでは、15種類の最もクリエイティブで説得力のある地球温暖化の啓蒙広告を見ていくことにする。

15. WWF: 気候変動を止めよう、あなたが変わる前に

このパワフルな反地球温暖化広告は、2008年に公開された。ベルギーの広告エージェンシーGermaineによって制作されたこのポスターは、自分の今の生物学的形態を維持したいと願う人の胸をグサッと突く強烈な画像を使用している。おそらく、魚人がとりわけ人間のように見えるのはシャツのおかげだろう。ともかく、このメッセージは、もしも地球温暖化によって海面が上がったら、どれくらい生命が変化するのかを力強く表現している。ほとんど科学的には正確な描写ではないが、この進化論のねじれが衝撃的な印象を助長する。人間の体の上に置かれた魚の顔が、状況の悲惨さを伝えるのだ。

14. Friends of the Earth: 地球が暑くなっている

2008年に公開されたFriend of the Earthの広告は、このリスト上でより気味の悪いものの1つだ。これは、この組織のBig Askキャンペーンのために、国際広告会社のブリュッセル支店TBWA Belgiumによって制作された。Big Askは同年にヨーロッパ17か国で始まり、より良い気候変動法を呼びかけた。この広告は、ベルギー政府に法律を改善することを求めるオンライン嘆願書にサインすることを人々に勧めた。皮の剥がれたシロクマが、直接的および感情的な方法で、環境の荒廃の可能性を強調している。

13. 地域環境意識: スイミングプール

この印象的な広告は、地域環境意識のために、エージェンシーNaga DDBによってマレーシアでデザインされた。視点をスイミングプールの中に置くことによって、私たちが水の世界に沈むのを見せ、その効果を増大させている。このインパクトは、“これを私たちの未来にさせるな。森を守り、地球温暖化を止めよう。”というメッセージによって強化される。

水に飲み込まれた地平線は、世界が水の下に沈没した衝撃的な世界滅亡後の未来の絵を思い出させる。これは、WaterworldThe Day After Tomorrowのような映画のおかげで、大衆文化に急増したシナリオだ。この広告は、地球温暖化のリスクについての認識を高めるために作られた―まさに、壁上の書き物(災難の前兆を意味する)を用いて。

12. WWF: あなたは地球温暖化を止められる

この2007年の広告は、WWFの反地球温暖化ポスターシリーズの1つだ。他の広告では、戸口で崩れるように座っているホームレスのシロクマや、公園のベンチで寝ている路上生活者のアザラシを使用していた。これは、路上で苦しい生活をしている極貧のペンギンとその子どもを表している。この広告もまた、人間味のある方法で状況の重大さを伝えるという試みで、特に都市部に住む人々に働きかけているように思われる。広告エージェンシーEuroRSCG(現Havas Worldwide)のフィンランド人によって作られたこの広告は、人々にリサイクルを呼びかけた―そして、生息地の喪失を防ぐことによって地球温暖化を遅らせるのだ。

11. Greenpeace: 今すぐ地球温暖化に対応せよ

地球を守るための継続したキャンペーンの一部として、Greenpeaceは、地球温暖化の脅威にスポットライトを当て、人々に行動を起こすように説得することを期待して、数多くの感動的な広告を生み出してきた。2012年1月に公開されたこの広告は、ドバイのMemac Ogilvy & Matherによって制作された。この広告は、そのメッセージを伝えるために奇襲作戦を使わないようにし、地味で、静かに重苦しく、潔く絶望的に、氷山と一緒に融けていくシロクマというシンプルなシーンを描く。行動喚起には、“今すぐ地球温暖化に対応せよ”と書いてある。

10. WWF: 緊急時にのんびりするな

多くの気候変動啓蒙広告が直接比喩を選ぶ一方、このキャンペーンはユーモアを使用する。それでも、おそらくこれが、地球温暖化の脅威を強調しようという試みをより効果的なものにするのだろう。国際広告会社Ogilvy & Matherのパリ支社で作られたこの広告は、シリーズの中の1つだ。このキャンペーンの他の画像では、消火活動の前に買い物に立ち寄る消防士や、沈没する船をどうにかすべき時に夕日の写真を撮っている2人の沿岸警備隊を描いた。2009年4月にキャンペーンが開始された後、この斬新なアプローチは、そのユーモアとオリジナリティがオンラインで称賛された。

9. 地球温暖化: パンチ ? 自分の行いは自分に返ってくる

“パンチ”とシンプルな名前が付けられたこの2007年の印刷広告は、Amp Propagandaによってブラジルで製作された。このメッセージに関する限り、この広告は確かに容赦ない。巨大な雲の拳の復讐の脅威は、そのタグラインを読む前にさえ明白だ。この広告は、ブラジル南東部を破壊し3億5000万ドルの被害と死者10人をも出したCyclone Catarinaのちょうど3年後にリリースされ、センシティブな状況に踏み込んだ。この地域では一般的には熱帯低気圧は発生しないため、Cyclone Catarinaは異常で、“気候変動と大気異常”が原因にあるとされた。このキャンペーンは、地球温暖化に対処することを拒めば悲惨な結末が起こるという考えをドラマティックに主張している。

8. Green Korea United: 私たちは溺れている。私達を地球温暖化から救って。

2008年3月、韓国の広告エージェンシーDaehong CommunicationsがGreen Korea Unitedのために広告シリーズを制作した。それぞれの広告で、人間のように見える陸塊が波の下に沈んでいるところが描かれた。この広告の中では、“私たちは溺れている”という言葉が、水面をつかむ手と一緒に浮き沈みしている。そして、島から飛び立つ鳥の群れが絶望感を強調する。

Green Korea Unitedは、地球のエコシステムを保護しながら大衆の理解を高めることに取り組んでいる。特に、このグループは、森と植物相と動物相を維持するために、朝鮮半島で有害な活動を止めるように努めている。ポスターの下部には、“私たちを地球温暖化から救って”というシンプルで胸が痛むような訴えが書かれている。

7. Surfrider Foundation: 海面が上昇中、私たちは皆、危機にひんしている

このスタイリッシュな地球温暖化啓蒙広告は、広告エージェンシーScriptによって制作され、2009年8月にリリースされた。この広告は、“1984年から海、波、ビーチを守っている”というスローガンの国際非営利団体Surfrider Fundationのブラジル支部のためにデザインされた。この広告のメッセージは明確だ:地球温暖化は、爆発して世界を吹き飛ばすのを待っているカチカチ動く時限爆弾なのだ。デザインは非常に言葉に忠実で、トラウマ級の爆弾の絵を使用しているが、ツルツル感とミニマリストなレイアウトと上品なカラースキームが、あなたがどんな言語を話そうと関係なく、率直だが示唆に富んだ理解しやすい考え方を力強く表現している。

6. WWF: エンパイアステート

“エンパイアステート”とタイトルのついたこのWWFの印刷広告は、地球温暖化啓蒙デザインというよりはハリウッド映画のポスターのように見える。『殺人ザメの襲来』、または、『巨大サメ、マンハッタンを奪う』 なんてタイトルが想像できる。そんな冷やかしをするかもしれないが、この広告は確かに深刻な問題提起をしている。画像の下にあるテキストは、“地球温暖化が世界の気候を急速に変えている。氷山は溶け、海面は上昇し、自然は反乱している。今すぐ行動し、エネルギーを節約し、敬意を持って地球に接しなければ、私たちの世界は海に沈むだろう。”と、書かれている。

この2006年の広告は、インドを拠点とするエージェンシーBrand Davidによって制作された。このキャンペーンで使用された他の広告では、タコと一緒に水に沈んだ都市や、水面下の交通渋滞や、煙突から泡を出すことを余儀なくされた水浸しの工場が描かれた。このデザインはとてもアーティスティックで、彼らの活動の有効性を強調したクリエイティブなアプローチだ。

5. Greenpeace: 冬、それがなくなったら寂しくなるだろう

“スノーグローブ”と名の付けられたこの賢い印刷広告は、ヨハネスブルグを拠点とするエージェンシーTBWA/Hunt/Lascarisによって、Greenpeaceの南アフリカ支部のために制作された。この広告は、そのメッセージを伝えるために季節のゆがみを賢く使用している。南アフリカ自体は、寒い冬では知られていないが、メッセージには、“冬、それがなくなったら寂しくなるだろう”と書かれている。

この広告は、2007年4月にリリースされた。5月から7月に冬が来る南アフリカでは、それはちょうど寒い季節だった。このスノーグローブの画像は、とけた雪だるまが見ている人の感情を揺り動かすと同時に、子どもの頃の記憶を呼び覚ます。もはや雪だるまを作ることや、ドボガンニングに行くことや、スキーに出掛けることのできない世界を想像することができるだろうか?

4. WWF: とける地球

この広告の下部にあるコピーには、“地球温暖化の最初のサインが、今、はっきりと見える”と、書かれている。それは、とける地球のアイスクリームによっていっそうパワフルになった衝撃的な実感だ。この広告は、ベルギーを拠点とするエージェンシーVVL/BBDOによって制作され、2004年6月にローンチされた。WWFは、世界最大の独立した保護グループで、世界90ヶ国以上の500万人以上の支援者によって支えられている。彼らは、合計すると、世界中でおよそ1300のプロジェクトに取り組んでいる。WWFの使命は、“環境破壊を食い止める”ことだ。このビビッドなデザインは、地球温暖化の問題を効果的に目立たせるために、馴染みのあるものを使用しているのだ。

3. NRDC: 電気を消して(地球温暖化を食い止める)

テキサス大学が、アメリカの組織Natural Resources Defense Council(NRDC)のために、このシンプルな見た目の広告を作成した。この広告の素晴らしい点は、特別なインクのおかげで、電気を消すと右の画像が光ることだ―このキャンペーンのメッセージにわなが仕掛けてあるのだ。

この広告は、3部作のうちの1つで、他の2つにはサンゴと山が描かれている―そしてこのキャンペーンに描かれている全ての環境は、電気が消えると栄えるのだ。NRDCは、ニューヨークタイムズによって“国内で最もパワフルな環境団体の1つ”と説明されている。この組織自体は、“350人以上の法律家と科学者と専門家の専門知識と法的影響力と、140万人の会員とオンライン活動家の草の根の力“を合わせることによって、成功しているのだと主張している。

2. Dogcev: 氷上の犬

2011年3月、トルコでローンチされたこの荒涼としたポスターは、広告エージェンシーDDB & CoがDogcevのために制作したものだ。Dogcevは、動物のリハビリと保護にフォーカスしたトルコの環境啓蒙組織だ。浮いた氷の上にいる一匹の犬を描いた広告は、繊細だが効果的な並置を作り出し、不安になるほど単刀直入だ。

このキャンペーンの他の画像では、立ち往生した馬や置き去りにされた飼い猫が描かれた。シロクマやアザラシやペンギンよりも、馴染みのあるペットを描くことによって、この広告は、地球温暖化が遠く離れた地域の野生動物に影響を与えるだけでなく、あなたの日常生活に影響を与えるということを示唆している。さらには、“地球温暖化は、全ての生き物に脅威を与える”という恐ろしいメッセージが添えられている。この広告をオンラインで見た人は、“メッセージが非常にはっきりとしている”とコメントした。

1. Climate Focus: フィヨルドフルーツ

この広告は、Serviseplanのドイツ支部によって制作され、2007年11月にローンチされた。それは、Climate Focusのためにデザインされた“Polar Fruits”キャンペーンの一部だった。一目見ると、この画像は単なるマンゴーのように見えるが、よくラベルを見てみるのだ。このキャンペーンの他の広告では、パイナップルや大量のバナナ、キウイフルーツ、山積みになったオレンジが使用された。メッセージは明白だ:もし地球温暖化が続けば、北極圏もトロピカルフルーツが成長するほど温かくなってしまうかもしれない。

Climate Focusは、温室効果ガスの放出を減らすことを目的としたプロジェクトや政策を築くことに取り組んでいる世界規模の諮問企業だ。この会社のウェブサイトでは、“気候変動は、現代の決定的な環境問題の1つである”と、明確に述べている。


この記事は、Business Punditに掲載された「15 Powerfully Creative Global Warming Awareness Ads」を翻訳した内容です。

一覧して、どれもレベル高いな、と感じたのですが、内容読むに大半が世界を代表するトップエージェンシーが手掛けているものでしたね。それだけ地球温暖化が危機的状況にあるのか、地球温暖化関連団体に余裕がるのか(言い方イヤらしいですね、支持が集まっているのか)、わかりませんが、どれもパッと見でインパクトがあるハイレベルな作品ばかりでした。そんな中、最後のマンゴーは味わい深いです。。。そして、これを一位にするセンスがステキな記事でした! — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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