世界中にオフィスを持つ大規模な企業でグローバルSEOマネージャーを務めている人物と話をしている際に、スタッフの入れ替わりが激しい点、そして、世界中のオフィスのSEOの担当者に適切なレベルのSEOの知識および専門性を理解させ、目標を達成することが難しい点が話題に上がった。
これは多くの企業が直面している問題である。と言ってもスタッフを維持することに失敗しているわけではない – 実際に、グローバルにビジネスを展開していると言う事実こそが、世界に対して特別な何かを提供している証拠である。また、グローバルな企業のスタッフは、転職を控える傾向が見られる – 異なる職種、チーム、または部門に昇進するためだ。しかし、当然ながら、会社を去る人がいないわけではない。
もう一つの問題は、世界の「SEO」の職務が、SEOに専念することが出来ない従業員に割り当てられている点である。大抵、その他のマーケティングのタスクも担当しており、SEOには限られた時間しか使うことが出来ない。
さらに話しを進める前に、個人的な利益が関わる点を2つ挙げる必要がある。まず、私の会社はインターナショナル・サーチ・サミットをSMX(サーチ・マーケティング・エクスポ)カンファレンスで開き、また、トレーニングプログラムを運営している。また、私はSMXおよびサーチエンジンランドの長年にわたるファンであり、ダニー・サリバン氏とクリス・シャーマン氏が2003年に英国で開催したカンファレンス、そして、2004年にアメリカで開催したカンファレンスに初めて参加しているほどだ。そのため、若干バイアスがかかってしまうかもしれないが、それでもSEO業界に対して独自の見解をもたらすことが出来ると考えている。
多くのセクターでトレーニングの価値を証明する調査が行われているが、今回はこの点を詳細に取り上げるつもりはない – 急激に変化するSEOの特徴については誰もが納得しているはずだ。
また、検索エンジンおよびソーシャルメディアの進化に遅れずについていく取り組みは、何倍もの効果をもたらす – この点についても同意してもらえるはずだ。トレーニングへの投資は当然だと思っている人もいるかもしれないが、コストがかかることに変わりはなく、また、その価値は必ずしも認められているわけではない(この点についても私の会社のスタッフは同意してくれている)。
また、国際的なSEOに取り掛かっている人達にとっては、さらに困難である点も理解しなければならない。20の言語はもちろんのこと、10の言語でさえも自由に話せる人などいないのだ。それでは、普通の人はどのようにして国際的なSEOに対処すればいいのだろうか?幾つか戦略を挙げていく。
目次
1. SMX & インターナショナル・サーチ・サミットのようなカンファレンスに参加する
私がカンファレンスに参加するべきだとアドバイスした際に、良いアイデアだと思ったなら、その判断は半分正しい。世界中でカンファレンスが行われているため、オフィスに最も近い場所にスタッフを送ることも出来る。しかし、複数の企業が実際に行っている幾つかの優れた戦略があるので紹介しよう。
世界のどこかで行われている大規模で広範なカンファレンスを選び、関連するスタッフを世界中から集める戦略だ。思わず息を飲んだ人もいるだろう。確かにコストは高くなるが、その価値は明らかである。
世界のSEOチームを一箇所に集結させることで、カンファレンスで取り上げられていたトピックに関してだけではなく、実際に直面している問題に関する議論を行うことが出来る。事実、主要なカンファレンスに合わせて並行的に企業自身のカンファレンスを企画し、メインのカンファレンスから刺激を持ち帰ってもらうことも出来る。

世界のSEO担当者をカンファレンス内のカンファレンスに集める
個人的にはSMX等のメジャーなカンファレンスは、この業界の発展に大きく貢献していると確信している。
2. 戦略ではなく知識を共有する業者と協力する
このタイプの要請がもっと多ければいいのだが。。基本的に世界には2つのタイプのSEO業者が存在する。見解および知識を隠し、クライアントとの共有を回避するタイプ。「やり方を教えたら」貰えるお金が減ってしまうと恐らく考えているのだろう。
そして、もう一つが、情報がクライアントの組織の他のスタッフに伝わっていないなら、目標を達成することが出来ないと考えるタイプである。
3. 優れた戦略 & ベストプラクティスを保存する場所を作る
ベストプラクティスに関する情報を保存するリポジトリを作成することが可能な多くのツールが存在する。このようなレポジトリをシステムに配置していないなら、頻繁にシステムを作り直し、トレーニングにより多くのコストを費やさなければならない。ただし、レポジトリに保存される情報を定期的に見直し、最新の状況を把握する必要がある点に注意してもらいたい。

SEOローカリゼーションに関するベストプラクティス: このようなベストプラクティスを活用しよう
4. 独自のインハウストレーニング教材を作る
インハウスのトレーニング教材を作って、責任を組織全体に広めることが出来る。リンク構築、コンテンツ管理、オンページのコーディング等を網羅し、作業の分野を割り当て、チームのそれぞれのスタッフに分担させることで管理させ、そして、他のスタッフに対するトレーニングを行うシステムが理想的である。
トレーニング教材の作成および管理を行うプロセスは、スタッフをそれぞれのフィールドにおけるエキスパートに育てる効果があり、その結果、外部のソースへの依存が大幅に減る。
5. 外部のオンラインセミナー & トレーニングコースを活用する
スタッフが通信教育を介して参加することが可能な優れたリソースが幾つか存在する。内容を翻訳し、同僚の理解度を高める点を検討してもらいたい。同僚の英語力が優れているとしても、母国語以外の言語でトレーニングを受ける場合、難易度が上がってしまうことを覚えておこう。
また、小さなグループで顔を合わせて質の高いトレーニングを行うと、成功に大きく寄与すると私は考えている。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「5 Tips For Maintaining International SEO Knowledge With Training」を翻訳した内容です。
アイオイクスではSEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。
いわゆるSEOの型に沿った施策ではなく、お客様の事業やWebサイトの構成を踏まえた最適な施策のご提案を重要視しています。SEOにお困りの際はぜひご相談ください。
→SEOコンサルティング サービスページメールマガジンの登録はこちら
SEOに関連する記事の更新やセミナー情報をお届けします。