Appleは新たなグローバル検索エンジンを立ち上げようとしているのか?

最終更新日:2024/02/17

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最近紹介したGoogle検索の今後に関するこの記事この記事でもAppleとシリの話題が出てきました。元々、GoogleとAppleがAndroid vs iOSでモバイルデバイスの覇権争いを繰り広げていることは周知の事実ですが、その延長戦上でモバイルデバイス上の検索プラットフォームは誰が握るのか?という話もあるわけです。シリでさり気なくモバイル検索に進出してきたAppleですが、さて今回はAppleの検索プラットフォームへのチャレンジの意気込みはどこまで壮大なのか?という話題をサーチエンジンランドからご紹介。あくまで推測の範囲を出ない記事ですが、可能性としては十分あるこの話、さてあなたはどう考える? — SEO Japan

この記事のヘッドラインが気になっただろうか?私はこの記事に目を通してもらい、新しいグローバルな検索エンジンの詳細を発見してもらえるようなヘッドラインを求めていた。ただし、このメッセージに関しては、ヘッドラインだけでは信じてもらえるとは思えなかった。

しかし、ヘッドラインに“アップル”と言うワードを加えたところ、印象がぐっと変わった – これはアップルが新しい事業の分野に進出する度に印象を大きく変えるのと同じ効果があったのだ。

シリを私が取り上げると思っているのだろうが、それは誤りだ。シリは非常に重要な進歩ではあるが、アップルはシリを超える手を数多く隠し持っている。

アップルが用意している切り札とは

2月23日、テッククランチ、そして、翌日にはファイナンシャルタイムズが、アップルが「Chomp」(チョンプ)と呼ばれるスタートアップ(ホームページを以下に掲載)を5000万ドルで買収したと報告していた。

チョンプは、アプリの検索エンジンであり、キーワード検索を用いてアプリを見つけることが出来る。面白いことに、チョンプはiPhone、iPad、そして、アンドロイドに対応している。

Chomp Is The New Global Search Engine Due To Launch Soon

ローンチが間近に迫る新しいグローバル検索エンジンのチョンプ

下のイメージは、現在のチョンプによるアプリのリスティングを示している(これはランキングなのだろうか?)。チョンプはアプリの評価を表示し、無料か有料かをはっきりと特定している。

チョンプを開発したチームは、既にアップルに加わっており、現在の“アップストア”をチョンプまたはチョンプ版に変える計画に取り組んでいる。

Chomp Shows Apps Trending In Popularity And Algorithmically Selects Categories

人気度で流行のアプリを表示し、アルゴリズムを介してカテゴリを選択する

チョンプを少し試してみたところ、アップストアよりもキーワードに若干敏感なことが分かった。しかし、他にもやらなければならないことがチョンプには数多くある。5億を超えるアプリが250億回以上ダウンロードされていることを忘れないでもらいたい。

「アプリ」は「ウェブサイト」に、そして、「リスティング」は「ランキング」に読み変えると、これは大規模な検索であり、新たな取り組みであることが分かる。現在、アプリの世界は、10億ページをインデックスしていた2000年のグーグルよりも大きい – なぜならアプリは通常複数の“ページ”を抱えているためだ。

ランキングを悪用したらペナルティを課す

アップルは既にアプリの開発者達に次のような警告を発している。「アップストアのチャートで上位にランクインすることを宣伝もしくは確約するサービスの利用は避けるべきである。個人的にはアップストアのチャートのランキング、またはユーザーのレビューの操作に関わっていなくても、このような行為を実施するサービスを採用していると、アップル・ディベロッパー・プログラムのメンバーシップを失う可能性がある。」

これは、当初グーグルが分析およびポジショニングソフトウェアのユーザーに対して発していた、「ウェブサイトのインデックスを無効にする」等の警告に気味が悪いほど似ている。

Search For Apps By Keyword

キーワードによるアプリの検索

チョンプには複数の言語を理解する能力が残念ながら欠けているものの(2006年以前のグーグルのように)、下のイメージには、この機能を大規模に世界展開するポテンシャルが示されてる。アップルが既にアプリを“インデックス”していることを忘れないでほしい。より効果的な検索の枠組みを介して、より多くのアクセスを提供する必要があるだけである。

Multilingual Keyword Search Works - Sort Of

複数の言語によるキーワード検索

アップルはアンドロイドのリスティングを維持するのか?

チョンプは現在アンドロイドのアプリもリストアップしている。そこで、アップルは今後もアンドロイドのアプリを一部を改良したアップストアでも挙げていくのかどうかと言う大きな疑問が生じる。個人的には戦略的な過ちだとは思うが – アップルはアンドロイドのアプリの表示を閉鎖することになると私は考えている。

当然のことだが、アンドロイドの電話機のユーザーは、アンドロイドのプラットフォームで稼働するアプリのリスティングのみを求めており、反対にiPhoneおよびiPadのユーザーはiPhoneおよびiPadで使えるアプリのリスティングのみを必要としている。しかし、特定のビジネスの問題に対する解決策を求めているなら、購入するスマートフォンを選ぶ前に検索することが出来た方が理に適っているのではないだろうか?

また、ユニバーサルな検索エンジンを提供することで、ブランドのロイヤリティを高め、そして、アップルはアップルが作り出したマーケットをしっかりと維持することにもつながると私は思う。

Some Brands Will Clearly Be Winners!

明らかに一部のブランドは成功を収めるだろう

上のイメージでは、あるブランドのマーケッターが、オーストリアのマーケットをターゲットに絞り、ドイツ語の検索で既にプラスの効果を得ていることが分かる。

このイメージは、特にブランドのマーケッターの人達に対して、ポテンシャルを視覚化するために掲載している。グーグルは検索の半分以上は、世界で5億人以上が利用するモバイルデバイスで行われるようになると主張している現状を忘れないでほしい。

Will Keyword Search Become Part Of The Mix?

キーワード検索はミックスの重要な一部になるのか?

チョンプは既にキーワード検索の広告を提供している

気づいていないかもしれないが、チョンプは既にキーワード広告の提供を始めている。アプリから収益を獲得するアップルにとっては素晴らしいツールであり、その後、各売り上げの一部が転がり込んでくる。この背景においては、アップルはグーグルの先を行っていると言えるだろう。

しかし、キーワード検索は、広告主および検索マーケッターが、このマーケットが進化する今この瞬間に関わる大きな機会も提供している。

キーワードリサーチは既に実行可能

チョンプが人気の高い検索に関して配信している基礎的なデータを下に掲載する。現段階ではアプリのみをリストアップする検索エンジンにおいて、「Apps」(アプリ)が頻繁にキーワードとして登場する点は妥当とは言えないため、検索ユーザーに知識が欠けていることが分かる。

Rough And Ready Keyword Search Is Already Available

間に合わせのキーワード検索は既に実施可能

チョンプが修正するべき問題点

アップストアには弱点があり、チョンプがその全てを解決しているわけではない。国際的な検索マーケッターにとっては、以下の点を修正する必要がある:

    • 国ごとのジオーターゲティング – 検索ユーザーおよび広告主を考慮して
    • 言語ごとのジオターゲティング – 検索ユーザーおよび広告主を考慮して
    • より関連性の高い検索結果
    • より効果的なソーシャル共有

この件があまり話題になっていないことが、私には不思議でしかたがない(誰か説明してくれないだろうか)。ゲームは始まろうとしている – 今すぐに参加するべきである!

それでは、どのようにして参加すればいいのだろうか?役に立ちそうなアイデアを幾つか提供する:

      • チョンプでキーワードを検索し、モバイルユーザーのことを理解する
      • アプリを開発し、立ち上げる
      • チョンプでキーワードに対して広告を行う
      • アプリがウェブの投資にとって代わるかどうかを確認するため、戦略を見直す

チョンプを検索している人達が解決策を探している点を肝に銘じておいてもらいたい。グーグルの検索エンジンのユーザーと同じように、彼らもまた解決策を求めているのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is Apple Is About To Launch A New Global Search Engine?」を翻訳した内容です。

驚くほど低機能なアップルストアの現行の検索機能、そして現状かつてのウェブ検索スパム以上にスパムが氾濫しているといわれるアプリ検索の世界ですが、チョンプの買収で少しはまともになるのでしょうか(と、期待)。「グローバル」という意味では現時点ではアンドロイドアプリも対象にし続ける可能性はあるのでしょうが、Appleという会社のこれまでのやり方を見ていると、ある時点でアンドロイドアプリは対象から外す気がしなくもないですけどね。

いずれにしてもGoogleはGoogleでアプリ検索サービスを拡充させていくのでしょうし、検索技術に関してはAppleも無理に戦おう方が確実かもしれません。Facebookじゃないですけど、iOSアプリに関してはGoogleボットを弾いて検索対象にさせないことができるわけですし。

少し大袈裟なタイトルではありましたが、確かにアプリ数の爆発的な拡大、そしてアプリ検索の必要性が急速に拡大しているのは事実ですし、今後数年検索プラットフォームの争いをウェブからモバイル、そしてアプリへ舞台を移して展開されていく予感を感じる記事でした。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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