SMX Advanced 2016 キーノート:Googleのゲイリー氏が語る、RankBrain、ペンギンアップデート、その他。

公開日:2016/06/23

最終更新日:2024/02/20

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6月22日から23日にかけて、SMX Advancedがアメリカのシアトルで開催されています。初日のセッションが終わったようで、Googleのゲイリー・イェーシュ氏とSearch Engine Landのダニー・サリバン氏によるキーノートの記事がアップされています。SMXの恒例であり、目玉でもあるセッションですが、今回はどのようなことが話されたのでしょうか?– SEO Japan

SMX Advanced初日の締めくくりは、恒例のGoogleによるSEOについてのトークセッションであった。

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美しいシアトルの街からこんにちわ。満員御礼の我らがSMX Advancedの初日は、Googleによるキーノートで幕を閉じる。

今夜、創始者であり編集者でもあるダニー・サリバン氏が、GoogleのWebマスタートレンドアナリストであるゲイリー・イェーシュ氏と、1時間にわたるトークセッションを行う。業界では長い間の関心ごとであるペンギンアルゴリズムや、RankBrainやキーワードに基づいたトップレベルドメインについてなど、多くのアツいSEOのトピックが話されることだろう。

このトークセッションは、5:00pm(PT)に開始される予定だ。ライブブログはこちらのページで書くため、いつでも戻ってきてほしい。

準備ができたようだ。いつも通り、ダニー・サリバン氏は”DS”(SEO Japanでは”ダニー”とします)、ゲイリー・イェーシュ氏は”GI”(SEO Japanでは”ゲイリー”とします。)とそれぞれ表記する。また、オーディエンスによるツイートも随所に含める予定だ。さぁ、我々についてきてくれ!

ダニー:はじめは簡単な質問から始めたほうがよいかな。RankBrainの全てを我々に簡単に説明してくれる?(会場爆笑)真面目にいこうか。RankBrainは本当にランキング要素なのだろうか?

ゲイリー:最初の質問が簡単な質問であるなら、この先が思いやられるな。ここでも、我々が常に言っていることの繰り返しになる。基本的に、RankBrainはランキング要素だ。そして、機械学習の一部でもある。皆さんは機械学習をご存じだろうか?機械学習とは、データからパターンを特定しようと試みるものだ。過去の検索を見て、こうした検索に対して上手く作用したものに基づき、特定のクエリに対する最適な検索結果を予測しようとする。この仕組みは、ロングテールのクエリや、我々が今までに見たことのないクエリに最適な仕組みとなっている。

一例を挙げてみよう。”マリオブラザーズを攻略本を使用しないで攻略することは可能か?(can i beat Mario Bros without using a walkthrough)”というクエリがあったとする。RankBrainがないと、私の要求に答える結果は表示されないだろう。しかし、RankBrainがあれば、私を満足させる検索結果が表示されるはずだ。

つまり、RankBrainはクエリに対して、どのような検索結果が良いかを、より良く理解するのだ。RankBrainは、ストップワード(*)が除外されるべきでない場合もあることを理解する。時々、”with”という単語はクエリから除外されてしまうのだが、RankBrainはそれをそのままにしておいた方が良い場合も理解している。

*”a”や”the”や”such”など、言語処理をする前にフィルタリングされる(不要な)単語。

機械学習は、パターンを特定し、データをバケットすることを試みる。

RankBrainはランキング要素だ。しかし、ゲイリー氏はランキング要素の中で3番目に重要である、ということは言及しなかった。

ゲイリー:単純な理解という話ではなく、検索結果にスコア付けをする理解という話だ。

ダニー:RankBrainのスコアがあるということだろうか?

ゲイリー:いや、そういったスコアは存在しない。君が本当に聞きたいことは、RankBrainのための最適化があるかどうか、ということだろう?(会場爆笑)

ダニー:ある意味、私の質問の全ては最適化に関することだよ?(会場爆笑)

RankBrainは、今まで見たことのないクエリやロングテールのクエリにより良く作用する。

ダニー:RankBrainは既存のシグナルを強化・活用するものなのだろうか?それとも、新しいシグナルなのだろうか?

ゲイリー:新しいシグナルだ。さっきRankBrainの最適化の質問だろう?と尋ねた理由でもあるのだが、RankBrainへの最適化を行うことはない。RankBrainはユーザーのクエリにふさわしい検索結果を提供する確信を得るためのものだ。コンテンツを自然な言語で書いていれば、それで全てが済む。コンテンツにキーワードを詰め込んでいれば、あなたにとって良くないこととなるだろう。

RankBrainは新しく、唯一なシグナルで、最適化の対象ではない。コンテンツに基づいた検索結果の関連性を強めるものだ。

RankBrainの最適化は無い。検索の意図に合わせたより良い検索結果を提供するためのシグナルなのだ。

ダニー:昨年、君はRankBrainはクエリの15%を処理すると話していたけど、現在はどうなんだい?(どのくらいの数のクエリ、という意味で。)

ゲイリー:それについてはわからないな。

ダニー:また、RankBrainは第3の要素であるとも述べていた。さらに、コンテンツとリンクが残りの上位2つだということだ。しかし、どっちが1番なんだい?

ゲイリー:え、そうなの?(会場爆笑)

ダニー:うん。そうだよ。

ゲイリー:その順番はクエリによるな。具体的な返答をすることはできない。なぜなら、非常に多くの要素に依存するからだ。

ダニー:Google assistantについては?

ゲイリー:率直に言って、何もわからない。皆さんがGoogle assistantとはどのようなものなのかを理解しようとしていることはわかっている。様々な素晴らしいアイデアとともに実験することは好ましいね。(機械学習についてのディスカッションがあったが、聞き逃してしまった。)”Her”という映画を見たことはあるだろうか?私は気味が悪いと感じるのだが、あれもGoogle assistantでできることについての良い例だと思うね。

ダニー:ドメイン内のキーワードをGoogleは見ているのだろうか?特に、キーワードに基づいたトップレベルドメイン(TLDs)について。

ゲイリー:トップレベルドメインは、特定のコンテンツや特定のURLとの関連性を測る上では、何も役割を果たしていない。国別のトップレベルドメインは特定の国々でのクエリにおいては影響を与えることもある。しかし、”弁護士(attorney)”や”ニュース(news)”のようなトップレベルドメインは、何も影響を与えない。

ダニー:ドメイン名は見ているのだろうか?

ゲイリー:ドメイン名を見る場合も確かにある。しかし、たいていの場合は見ていない。キーワードが含まれているドメイン名をわざわざ購入することはないだろうね。つまり、キーワードリッチなトップレベルドメインということだが、非常に不可思議なものだ。そんなことはしないほうがいい。

国別のトップレベルドメインは、地理的な条件では、ランキングに影響する。

国別のトップレベルドメインはローカルや特有の国での検索結果で役割を果たすことはあるが、トップレベルドメインはランキングには影響しない。

ダニー:2013年に、GoogleはSearch Consoleのデータを90日以上に延長すると言っている。それについてはどうだろうか?

ゲイリー:今は91日のデータを見ているよ。(会場爆笑)我々は今でも、どのようにして実現できるかを考えている。今年の初めに行われたGoogle Danceでも、多くのSEO担当者からこの件についてのフィードバックをもらったね。

ダニー:5月にGoogleはSearch ConsoleのデータをGoogle Analyticsに持ち運んだ。このデータは90日以上保管されるのだろうか?

ゲイリー:今までと同じだと思うね。

ダニー:もっと長いほうがいいな。(会場爆笑)

Search Consoleの主導は”非常に直接的”だ。チームはより長い期間データを保管するための方法を模索している。

ダニー:ペンギンについて聞いてみよう。最後の更新は2014年の12月だ。イーロン・マスク氏が火星に到着する前にアップデートは行われるのかな?

ゲイリー:日付については何も言わない。なぜなら、多くの間違いを犯してしまったし、それがビジネスにとってよくないという話を聞いたからだ。

ダニー:年内だろうか?

ゲイリー:時期については何も言うことはないね。

ペンギンアップデートの日付についての言及は無し。

ダニー:パンダはどうだろうか?コア・ランキングアルゴリズムの一部になったということだが。(パンダの仕組みについての非常に長い質問を尋ねている。)

ゲイリー:パンダはリアルタイムにはなっていない。動いているが、数か月かかる。

パンダはリアルタイムではないが、継続的に動いている。サイクルごとにかかるロールアウトの期間は数か月だ。数か月。ワオ。

ダニー:セキュアについて話してみよう。

ゲイリー:30%のページがHTTPSを使用していると思う。セキュア化をランキング要素にするかもしれないが、直近で行われるものではない。

Googleはhttpsのブーストを強化することを検討している。おそらく、すぐには行われない。

約30%の検索結果がセキュア化されている。我々はこのシグナルを強化するかどうかを見ている。

ダニー:モバイルゲドン2が5月にあった。状態はどうだい?次はいつ起こる?

ゲイリー:”モバイルゲドン”(という表現)は好きじゃないな。

ダニー:非常に良い名前じゃないか。

ゲイリー:いや、全然良くない。

ダニー:では、君が名づけてくれ。くれぐれも、”モバイル検索アップデート”なんて可笑しな呼び方はしないでほしいな。

ページスピードはデスクトップよりもモバイルでより重要だ。より大きな要素だろう。

(ゲイリーは嫌いらしいけど)モバイルゲドンについて、Googleは新しいことはしない。しかし、更新とより多くのシグナルの追加は行うかも?

ダニー:ソーシャルシグナルについてはどうだろうか?Facebookのいいねや、Twitterのリツイートなどは見ていないのだろうか?

ゲイリー:見ていないね。ソーシャルシグナルについては問題がある。なぜなら、誰かが手を引くことが可能な何かに依存したくはないからね。

(Google+についての質問があったが、聞き逃してしまった。)

ゲイリー:ちなみにだが、我々はオーサーシップを全く使用していない。

ダニー:全く?

ゲイリー:全くだ。

ゲイリーいわく、「我々はオーサーシップを全く使用していない。我々は、それ以上に賢いのだ。」しかし、こうしたデータを提供してくれるSEO担当者には感謝している。

ダニー:音声検索とタイピング検索を比較したい。こうしたデータを見ることはできるだろうか?

ゲイリー:可能ではある。すでに取り組んでいるか、どのようにして実現すべきか、どちらかを決断しようとしている。

*ここからはオーディエンスからの質問

「タブで切り分けるコンテンツをGoogleは気に入っている?それとも嫌っている?」に対し、「問題ない。そのままでいい。」

ゲイリー:クリック数は、パーソナル化のように、非常に特別な状況で使用している。”apple”という検索を初めてしたとき、それが果物を意味しているのか、会社を意味しているのか、Googleはわからない。もしあなたが、会社のページを普段からクリックしていれば、Googleはそれを学習し、あなたが興味のあることを学んでいる。

Googleはクリック数やCTRをパーソナル化に使用している。次回以降の検索の関連性を高めるために使用している。

クリック数やクリック率はGoogleのアルゴリズムにおける、”非常に特別なこと”、に使用されている。パーソナル化が一例。

ゲイリー:皆さんがたまに行っているクリックの実験については、我々が行っているクリックの実験とぶつかるときがある。それは好ましくない。非常に迷惑なことだ。

不幸にも、人々が行っているクリックの実験は、Googleが行っている実験と、かぶってしまう時がある。

検索結果におけるCTRがランキングに影響があるというテストがあるにも関わらず、ゲイリーはCTRをランキング要素に使用していることを否定している。

ダニー:(オーディエンスからの質問)HTTPS2(*)には対応すべきだろうか?

*原文ママ。

ゲイリー:新しい分野だね。実装したときのことは見ているが、HTTPSにダウングレードできる場合に限り、実装したほうが良い。我々は、Googleボットが正確に扱うことができるように取り組んでいるが、上手く扱うことができないブラウザもある。HTTPSに戻ることができなければ、自分の首を絞めてしまう可能性がある。

HTTPSへの移行に関しては、あなたがどのくらいユーザーをケアできるか、そして、それをWebサイトに取り込むことができるか、によるだろう。

ダニー:HTMLとXMLのサイトマップを送信しているにも関わらず、私のサイトの全てがインデックスされないのは何故だろうか?

ゲイリー:こうした質問は良く受けるが、最も多い理由は、noindex、robots.txt、 rel=canonical、クローキングといったものだ。

ダニー:異なる業界に異なるアルゴリズムを使用している?

ゲイリー:ユニバーサル検索においては、”画像に適したクエリ”というものがあったりする。しかし、業界ごとに異なるアルゴリズムを使用することはない。

ダニー:去年から絵文字が検索結果に表示されなくなった。しかし、Google Newsではまだ表示されている。タイトルタグ内に絵文字を使用してもいいかな?

ゲイリー:だめだ。

ダニー:最後に、皆さんに伝えたいアドバイスなどはあるだろうか?

ゲイリー:2つある。AMPには注意を払ってほしい。非常に大きなものになるだろう。開発者と相談し、実装方法を確認しておくべきだ。次に、(Google)assistantやチャットボットの発達には注目しよう。非常に大きなものになるだろうし、こうした機能を初めて使用したグループの一員になればいいと思う。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「#SMXAdvanced keynote: Google’s Gary Illyes talks RankBrain, Penguin update & more」を翻訳した内容です。


昨年はSEO Japanも参加しましたが、今回は参加できず、非常に残念です。RankBrainの話が多かった印象ですが、さしあたって、新情報のようなものはなかったようですね。オーサーシップとタブ分けされているコンテンツは気になるところがありますが、誰かが質問してくれることを期待しています。(笑い)– SEO Japan
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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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