500社の大企業に学ぶブログに関する5つの教え

公開日:2012/03/21

最終更新日:2024/02/17

ブログ

浸透を続けるソーシャルメディア、企業もソーシャルメディアマーケティングももっと活用すべき時代に来ていると一般的にはいわれていますよね。そんな中、ソーシャルメディアの中でもいち早く普及が進んだブログに関して、なんと全米500社の大企業の利用実態を見ると以前より利用率が減っているという驚きの調査報告がありました。その事実を考えると共に、逆にブログを活用している一部の大企業から何か学べないかと一歩深く考えてみた記事をQuick Sproutから。 — SEO Japan

マサチューセッツ大学ダートマス校が出した最近の研究で、Fortune500社のソーシャルメディア使用が減速していることを研究者が発見した。

なぜか?

研究者は、より大きな企業は顧客との直接的なコミュニケーションをあまり重視していないと考えている。つまり、彼らはマーケティングにおける参加や対話を無視しているのだ。

それは大きな過ちだ。彼らがそれを賛美しようとしまいと、彼らの会社に関する会話は続くのだ。

しかしながら、Fortune500の中でもソーシャルメディアをブログのように使っている会社は、それを正しくやっているように思える…特に以下の4つは。

それではこれらの企業に目を向け、彼らが人気のある関与するブログを作るためにしていること、あなたはどうやって彼らの成功を自分のブログに活用することができるのかを見て行こう。

レッスン 1: 自分のオーディエンスにあなたのために考えさせる

スターバックスには2つのブログがある。メインのものこれだ。私が取り上げたいのは2つ目の方だ。

スターバックスは正しいことをたくさんしていて、My Starbucks Ideaというブログを運営することもその中の1つだ。それは、彼らがクラウドソーシングと呼んでいるものの完璧な例だ。

クラウドソーシングの恩恵は以下の通り:

  • 安い費用で素早く問題を発見することができる。
  • 自分のビジネスや組織が社内に持っているよりも広い才能を持つオーディエンスを利用することができる。
  • 群衆に耳を傾けることによって自分の顧客に関して洞察を得ることができる。
  • 自分のブランドをアイディアの形成など共通の課題に関与するコミュニティとして築くことができる。

スターバックスは、メンバーが製品のアイディアを共有するためにブログを開設した。メンバーはアイディアに投票したりコメントをしたりする。あるアイディアがメンバーの間で注目を集めると、それは会社の注目を集める。

しかしながら、下手なアイディアは否決され、除外される

あなたは、このことがいかにスターバックスにマーケティング調査にかかるたくさんのお金と時間を節約させたか分かるだろうか?実際それは、最も忠実なファンを雇って彼らの研究開発部門したようなものなのだ!

あなたがこのアイディアを自分自身のために発展させることができる2つの主な方法がある:

  1. ブログ記事内でアイディアを募る – あなたはまず記事を書いて自分が追いかけたいと思うアイディアを共有する。そしてあなたは、自分の読者にどう思うかを尋ねる。さらにあなたは、この戦術を使って、読者に今後あなたのコンテンツから何を得たいと思っているかを尋ねることもできる。
  2. アイディアの作成に異なるプラットフォームを作る – My Starbucks Ideaは巨大なフォーラムでありその内容も公に公開されている。あなたは自分が好きな記事を読むことができるが、記事にコメントしたり記事を投稿するにはメンバーになる必要がある。プライベートメンバー用のフォーラムは、自分のオーディエンスのエンゲージメントをアップさせるのに最高の方法である。しかしながら、必ずこのアイディアを検証することだ。私はそれをして、あまりうまくいかないことが分かった。でも、もしかするとあなたにはうまくいくかもしれない・・・それは誰にも分からないのだ。

レッスン2: 親密になることで指揮を執る

私がBill Marriottのブログを読むときはいつも、驚きで頭を横に振る。

グローバルホテルチェーンを率いる男、しかも私の祖父といってもいいくらいの年齢の男が、ソーシャルメディアを理解しているのだ。

彼が正しくやっていることをいくつか紹介する:

  • 彼が直接話しかけているかのようにブログを書く – 各ブログ記事は、彼が直接あなたに書いている手紙のようなのだ。彼は読者を“あなた”と呼び、自分の読者が考えていると思われるトピックを取り上げ、そのトピックについて彼ができること全てを言うことに時間を取る。
  • 定期的にブログを書く – Mr. Marriottは1週間に1度ブログを書く。彼はとても忙しいためそれが彼にできる最大限なのかもしれない。しかし、先に私が述べたように、各記事は、週に一度を正当化するに十分な長さだ。
  • 取扱いの難しいテーマについてブログを書く – 多くのFortune 500社の法律家は、CEOがブログを書かないように勧めている。PRの悪夢に変わる可能性があるからだ。Mr. Marriotはブログを書くだけでなく、自分の顧客が考えていること、例えばCEOの継承や彼のホテルの1つで人質の恐怖がいつあったのかなどのことに取り組んでいる。
  • 生活についてブログを書く – Mr. Marriottはビジネスが全てではない。彼は、ゴルフにもっと時間を使わなかったことをいかに後悔しているかに触れたり、人間の条件に関する自分の見解を共有することにも時間を使っている。あなたも彼のブログを読むと、このFortune 500社のCEOのことを知っているかのように感じるだろう。

あなたとあなたのブログはどうだろうか?あなたは自分のオーディエンスに直接話しかけているだろうか?あなたは定期的にブログを書いているだろうか?あなたが恥ずかしがって避けているトピックはあるだろうか?それとも、自分の読者に隠し立てしないで全てを並べているだろうか?

ところで、あなたはMarriot Hotelがどうやってこのブログから恩恵を得るのか不思議に思うかもしれない。顧客との大きなコネクションは当然だ。それほどほっきりしていないことは、彼らが稼いでいるお金だ。

このホテルチェーンは、実際に読者が部屋の予約をするためにブログのリンクをクリックすることからおよそ400万ドルの売り上げをあげていると報告した。ソーシャルメディアを収益化することができることが証明されたのだ。

レッスン3: ブランド認知を築くためのニッチなブログ

テクノロジーとサイエンスが好き?それなら、あなたはGeneral Electricのブログを気に入るだろう。彼らは実際にはたくさんのブログを持っているのだが…

General Electric(GE)について考える時、何が真っ先に頭に思い浮かぶだろうか?もしあなたが多くの人と同じなら、“電球”と言うかもしれない。

しかし、GEはそれだけのことではない。だから彼らは、彼らがしていることは電球が全てだという世間の視点を壊すために一連のブログをローンチしたのだ。

彼らが提供しているものは以下の通り:

  • Txchnologist – このオンラインマガジンは、テクノロジーに関することが全てだ。天気が野球に与える影響から自己回復電子機器まで、GEが持つほぼ全てを網羅している。
  • Data Visualization – 科学と技術の裏にあるかなり複雑だが便利なデータを使って、理解しやすいインフォグラフィックを作成する。
  • Ecomagination – これは環境問題に関心のあるGEの顧客のためのブログで、環境への配慮や最新の問題をどう対処しているかを明らかにしている。
  • GE Reports『Top Five Technology Challenges Tackled by GE in 2011(2011年、GEによって取り組まれたテクノロジーの課題トップ5)』 や、『The Unsung Hero of the Maternity Ward Helps Deliver Baby No. 35 Million』のような問題に関する優れた毎日の詳細なストーリーとレポート
  • healthymagination – このブログは、GEがいかに人々がより健康により長生きするのを手助けするかを示すことに専念している。例えば、一流の癌治療やAIDS/HIV治療を提供している。The GE Show – この動画シリーズは、空の旅と飛行機、電車と太陽エネルギーのような未来のトピックを扱っている。

これらのブログの取り組み全てに加え、彼らは素晴らしい方法でそれをしている…ストーリーテリングだ。これは、プロフェッショナルな方法で優れたコンテンツを配信した素晴らしい例だ。

あなたはこれらの例から何を学ぶことができるだろうか?いくつかのアイディアは以下の通り:

  • 土台となるコンテンツを作る – GEが運営する各ブログは、1つの明白なトピックに専念している。それは健康だったり、エネルギーだったり、移動手段だったりする。
  • 異なる顧客のために別のチャンネルを開発する – GEは、焦点を狭くしたニッチなブログにコンテンツを展開することによって、顧客の興味関心も活用する。この方法では、読者は自分が興味のないトピックは読まなくてすむため、読者の興味は一貫して高くなる。フィードが1つだけのブログを1つ持つ場合にはこうはいかない。
  • より大きなエンゲージメントを奨励する – それぞれのニッチブログは焦点が絞られているため、読者は同じような考えを持つ人たちのコミュニティにより関与し、興味を持ち、質問をしたり、コメントを残したり、仲よくなる。

レッスン4: ビジネスブログは売るべきではない、マーケティングすべきだ

AppleとNikeのほかに、コカ・コーラがやっているようなブランド認知と顧客ロイヤリティがある会社は少ない。それでは、彼らはそういったロイヤリティにどう報いているのだろうか?

彼らは、そのようなファンに愛をささげるブログを作っている。

もしあなたがコーラと歴史が好きな人物なら、きっと彼らのブログを気に入るだろう。それは、コカ・コーラのConversation Blogであり、ソーダ生産者の歴史に専念したブログなのだ。

一目見たときは企業ブログのようには全く見えない。それは、店の中に入っていて製品を見ているかのような感じだ。しかし、このブログはたった1つのことが全てなのだ…マーケティングである。

そのやり方はこうだ:

  • ブランドを深めること – かなり微妙な方法で、彼らが共有する歴史的なアイテムをすべて使って、このブログはコカ・コーラブランドの多くは変わっていないことを示している。このブランドは一世紀以上もリーダーなのだ。
  • ロイヤリティを深めること – コカ・コーラは顧客とやり取りしている124年以上前の歴史的な書類にまで遡って持ち出すことができるため、“you can trust us to take care of you and your children(あなたの子供の世代まで安心)” なのだ。
  • 経験を深めること – 経験マーケティングが最近流行っているが、コカ・コーラが過去にこのブランドがどうだったのかをファンに経験させ、その波に乗るのは自然なことだ。それは本当にユニークな経験である。

あなたは、コカ・コーラの戦略の一部を自分のブログに採用するために何ができるだろう? ここでは、あなたが自問自答すべき質問をいくつか挙げる:

  • 土台となるコンテンツの他に、読者は何を面白いと思うか?彼らは何を気にしているか?
  • あなたは、そのトピックに関してニッチブログ、ニッチコミュニティを展開することができるか?
  • あなたのブランドが他と違う点は何だろうか?あなたはそれに十分な注意を払っているだろうか?
  • コンテンツに関して、今日そして未来にロイヤリティを築くような何を読者に与えることができるか?

レッスン5: Facebookのためにブログを置き去りにしない

ダートマスの研究で明らかにされた一つの面白いトレンドは、一部のFortune 500社がFacebookのために自分たちのブログを放棄していたということだ。

今、8億人のユーザーがいるソーシャルサイトを無視することは賢いことではないが、自分のブログをあきらめることは悪い考えだ。その理由はこうだ:

  • あなたはファンページ体験を完全にブランド化できない – Fan Pageに関して特定の箇所はカスタマイズすることができるが、色、ロゴ、メッセージなどまではあなたが制御できない。
  • Facebookノートはブログ記事と比べて最悪 – この二つは比べ物にならない。その上、Facebookノートが読まれることはめったにない、そうでしょう?
  • Facebookがコンテンツを所有する – もちろん、希望すればあなたはコンテンツをダウンロードすることができるが、自分のサイト上でコンテンツを発信することができるときにそんな苦労をするというのか?
  • SEOの欠如 – Facebook内では写真、動画、近況、ノートに付いたメタタグをコントロールするのは難しい。その一方、あなたは自分のブログは簡単に最適化することができる。自分のブログ上のSEOは、あなたのコンテンツのランキングをコントロールするのを助け、Facebookとは違ってより多くの認知度をもたらしてくれる。

Facebookは、あなたが自分の読者とエンゲージメントを深めるのには素晴らしいが、それは絶対にブログの代わりにはならないのだ。決して!

最後に

大部分のFortune 500社がブログの重要性にあやかっていないものの、それをしている企業からあなたはたくさんのことを学ぶことができる。親しみやすくて参加型の記事から、活気のあるコミュニティまで、彼らのブログには私たちに教えてくれることが1つか2つはある。

あなたなら他にどの大企業のブログを称賛するだろうか?その理由は?


この記事は、QuickSproutに掲載された「5 Lessons Fortune 500 Companies Can Teach You About Blogging」を翻訳した内容です。

大企業でソーシャルメディアの活用が進まないのにはこんな理由もあるのかもしれませんが、やっている所はかなり高度なレベルでやっているようです。取り上げられている事例はどれも誰でも知っているお馴染みの一流企業ですし、内容も千差万別ですからブログ運用を考えている日本の大企業にも参考になる点はあるのではないでしょうか。しかしマリオットホテルの社長には驚きましたが。。。1932年生まれ(京セラの稲盛さんと同じようです)の現役大企業社長ブロガー!日本の大企業も社長は米国と比べても年齢は高めですが、ブログを書いて自ら企業をマーケティングいる人って誰かいるのでしょうか? — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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