起業家に求められる「創始者DNA」とは何か?

最終更新日:2024/03/22

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自らもシリアルアントレプレナーであり最近スタートアップ企業向けのVCを設立した筆者が語る起業家に必要な創始者のDNAとは?!しかし「創始者DNA」って流行りそうな言葉ですね。 — SEO Japan

起業家は天性の才能なのか、教えられてそうなったのか? 私の意見は、両方を少しずつだと思う。環境と遺伝子の影響は多くのこと(病気、健康、知能など)に結びついているが、単純な答えは存在しない。そうは言っても、私たちが創始者やスタートアップ企業について話をする時、大抵私たちはそれを人に本来備わっている何か、彼らの中にある何か、彼らの存在そのものに組み込まれている何かとして考える。この場合、私は“創始者DNA”というフレーズを使う。(Raymond Lukから拝借した)それは、完全に正確な命名ではないが、私たちの目的に十分かなうものであり、創始者の評価の一部である無形のものにふさわしい表現だ(有形の基準もたくさんあるけれども)。

多くの人が私に、“Year One Labsの機会を審査する時、あなたは創始者に何を求めるのですか?” (註:Year One Labsは筆者が最近設立したスタートアップ向けのVC)という質問をする。それは素晴らしい質問であり、私はこれをまとめて全部書きだすのに時間がかかった。

まず第一に、全ての創始者は情熱的であることが期待される。しかし、情熱で起業家をフィルターにかけることはできない(情熱で目がくらみ現実を見つめることができないのでない限り)。私たちはそれよりももっと先に進まなければならないのだ。大部分の創始者は、あなたが他の人に見るものよりもずっと高いある程度のイニシアチブも持っている。イニシアチブが期待されるのだ。しかし、イニシアチブにはたくさんの層がある。では、私が求めるものと私がどうやって“創始者DNA”を定義するのかをここで紹介しよう:

  1. 判断力 判断力は、激しい熱意の拮抗勢力である。判断力は、その人が自分のスタートアップ企業のためにこれまでしてきた決断によって判断される。スタートアップ企業のCEO(または創始者)の役割は、意思決定なのだ。私は、創始者が主張する全てのことに対して“その理由は?”と聞き続け、彼らの思考過程や論理的思考能力やその他多くのことが何となく分かる。
  2. 嫌なことをやり遂げること 創始者は“イニシアチブ”のさらに上を行く必要があり、それはほとんど不可能に近い。しかし、それが私たちが求めていることなのだ。具体的に言うと、私たちは創始者がビジネスのどのレベルにおいても実行することができるという証明を見たいのだ。つまりそれは節目節目を切り抜けることを意味する。それは、自分の安全地帯から出て、自分が好きではないことやあまりよく知らないことをする(ちなみに、それがスタートアップ企業の経営の大きな部分である)ということ。それは、やるべきことをするために必要な手段を見いだすこと。もしあなたが技術に詳しい人間ではないのなら、ただそこに座って誰かあなたと一緒にスタートアップを共同創立する人が現れるのを待っていてはだめだ。試作品の開発をアウトソースし、自分自身でコードを学び、全てのイベントに出席し、共同創始者を見つけるのだ。実行する能力と事を起こす能力が、意欲、意図、積極性、組織力などを示す。それは、イニシアチブ以上のものだ。計画を立てる時間はある。全世界の将来について考えを持つ時間はある。しかし、その時間の大部分は、物事をやり終えるのに都合の良い時間なのだ。
  3. 大きなビジョン この段階で投資家が大きなビジョンを探していることは明らかだと思う。たとえ私たちのモデルが早期売却に焦点を合わせているとしても、Year One Labsも例外ではない。しかし、それについて2つ言っておきたいことがある。まず1つ目は、私たちは創始者のビジョンの中にある程度の現実主義の要素を求めるということ。私たちの所にやってきて、“Facebookにはたくさんの問題がある。私たちはFacebookに取って代わるだろう。”と言うのは、ビジョンは大きいとは思うが、現実的ではない。2つ目に、あなたの大きなビジョンが、物事を起こすことと嫌なことをやり遂げることの妨げになってはならないということだ。つまり、先述の1と2の項目は大きなビジョンより優先される。しかし、大きなビジョンのない創設者は面白みと刺激に欠けるのだ。
  4. 市場知識 多くの創始者たちは、自分が飛び込もうとしている市場のダイナミクスを本当に理解はしていない。競合他社の明確な全体像を持っていないし、市場規模や機会やリスクの感覚を持っていない。私たちはその分野のエキスパートだけを求めているわけではない(この手の人達は特定の業界に長くいて、それについて徹底的に知っている)が、ある程度のその分野の専門知識と確実にその分野の十分な知識はかなり関係してくる。もし創始者が“嫌なことをやり遂げる”意欲を多く持っていれば、その人物は、調査を通してその市場の全ての面を学び、他の人と話をしたりして、その市場に首までどっぷりつかっているだろう。(たとえ、彼らがその業界で働いていなかったとしても。)それは、私たちが興味を持っているレベルのイニシアチブを示す。市場知識を超越して、私たちはスタートアップの世界で何が起きているのかを認知していることも求める。創始者は、広い人脈を持ち、何が起きているのか誰がなぜそれをしているのかをよく分かっている必要があるのだ。
  5. 学ぶことへの興味と能力 初期段階のスタートアップ企業は学ぶことによって動かされる。頭角を現す創始者とは、自分達のスタートアップや市場や顧客などについて出来る限り学ぶことにこだわる人達である。学ぶことは進歩の指標であり、私たちは常に創始者の進歩を把握し、その量を測るつもりである。創始者は学ぶことへの興味と能力を示す(そして、学んだことが自分達がしていることにどう影響するのかを示す)必要がある。これに関連して、創設者はフィードバックを素直に受け入れることができなければならない。頑固すぎて原因や異なる視点を見ることが出来なかったり、恐れすぎて現実を直視することができない創設者は、良い印象を与えることはないだろう。
  6. 機敏さ ある意味では、これは“嫌なことをやり遂げること”の中の付属項目であるが、それを取り上げて具体的に話すことが重要である。スタートアップ企業は動きが早く、絶えず状況に合わせて変化する必要がある。1つのアイディアにしがみついて雄牛のように突進する創始者もいれば、もっとハチドリのようにほとんど無謀にそわそわと動いている人もいる。創始者には、その間くらいの機敏さを持ちつつがむしゃらな活力を適度に加減するようなたとえがふさわしい。その機敏さは、創始者がしているコンスタントな学びから離れて設けられるべきである。
  7. 犠牲 犠牲のための犠牲は無意味である。私たちは犠牲者を探しているわけではないのだ。しかし創設者が犠牲になった量や犠牲になろうとしている量は、“ガッツ”の良い指標となる。犠牲とは、あなたが“ちくしょう、彼は持つべきものを持っている”と思うような一部の創設者の中に見る無形の資質を実証できる表現なのだ。そして、犠牲は“嫌なことを成し遂げること”と申し分なく同等に並ぶ。なぜなら、人々を押し戻そうとする何かを犠牲にすることは大抵できないからだ。しかし、事を起こさざる得ないそれらの人々は犠牲となりリスクを負うだろう。
  8. 成熟度 これは定量化が困難なものであり、私たちが創設者の中に求める “ガッツ”のような無形のものの中の1つだ。年齢とは全く関係がない。学ぶこと、判断力、犠牲のような先に述べた他のことのいくつかと関係する。さらに、創始者の興味(多種多様なものか?)やコミュニケーションスキル(議論や論理的思考が上手にできるか?)、バランス感覚、プレゼンテーション(自分自身をどう表現するのか?)にも反映される。成熟度は重要である。それは通常、スタートアップ経営の厳しさを乗り切るために必要な内面の強さと“肝っ玉”から来るものだ。

これは完全なリストではないが、創始者とスタートアップ企業を評価する時に関する全般的なテーマに光を当てたものである。私たちが起業家と会う際に求め、査定しようとしている創設者DNAの構成要素を取り上げている。そのプロセスは簡単ではないし、完全に証明されているものでもない。それに、全ての種類の投資家(エンジェル、ベンチャー、シード・アクセラレーターなど)は、起業家の“大まかな感じ”をつかむために彼ら独自の“ガッツ”を使い、それを彼ら独自の関心を明らかにするために重要なバロメーターとして使っていると言ってもいいだろう。大抵はこの反応はファーストインプレッションから来る(そう、第一印象はとても重要なのだ)。それが人間というものだ。


この記事は、Instigator Blogに掲載された「Founder DNA – How Investors Evaluate Startup Founders」を翻訳した内容です。

思ったよりたくさんありましたが、言われてみるとどれも納得ではあります。全てを完璧に持っている人はいないと思うので、ここに書かれている要素が自分に足りないからといって起業しない選択をする必要は無いと思いますが。逆にいえば、ここに書かれている要素の多くを持っていながら起業していない人も多くいると思いますし、最後はやっぱり「情熱」が大事なんじゃないかなとも思いますけど。失敗しながら学んでいけばいいわけですし。しかし最後の一文、男女関係だけでなく起業家とVCの関係も第一印象が大事なんですね。「それが人間というものだ。」そうみたいです。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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