SES London 2010 : サーチ解析に違った視点でアプローチする素敵なアイデア!

公開日:2010/02/16

最終更新日:2024/02/20

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さてSES London 二日目。と言うか、昨日はOMS(Online Marketing Summit)がSESと提携して行ったカンフェレンスだったので、正確に言うと今日がSES Londonの初日でしょうか。会場もインターネットつながるようですし。実際、人も多い。昨日は100人ちょっとでしたが、今日は400-500人はいるのかな。盛り上がってまいりました。

キーノートのスピーカーは、「Wev Analytics」「Web Analytics 2」(日本語版も出ていると思います)等の著書で有名なGoogle Analyticsのエバンジェリストでもあるコンサルタントのアビナッシュ・カウシク氏(Avinash Kaushik)。もう少し大物を期待、、、って言ったら怒られるかな。タイトルの現代は「Be Awesome: Ideas for Approaching Search Analytics Differently」です。

最初に簡単な自己紹介をしていましたが本の印税は全て寄付したそうです。ちなみに2冊目を書く時は、最初に着手金で1万ドルもらったそうで。日本のIT出版もそういうシステムあると良いですね 笑

サーチの解析をもっとスマートにしよう、と言うのが今日のテーマ。まずは自身のブログの検索キーワード一覧を紹介。2万以上の検索キーワードがあると。それをadsenseの売り上げが高い特定のキーワードで絞り込むと340に絞られる。そのキーワード群を見て、ニーズのある&儲かるコンテンツを考える。この程度のことはどんな検索ツールでも大体できる。

ここで幾つかの検索キーワードを新たな視点で見る方法を紹介。

「検索ボリュームで文字サイズを変える」
スプレッドシートの一覧表だけだと理解しにくいこともある。キーワードを検索ボリューム毎に視覚化すると面白い。ボリュームが多いキーワードのサイズを大きく、少ないキーワードのサイズを小さくして1枚の大きなシートに表示すると感覚的に色々なことを感じられる。

「検索キーワードをツリー型に分析する」
ツリー型にキーワードを分類していっても違った見え方ができる。中心となるキーワードを中央に置き、同時に検索されたキーワードをツリー型に展開していく。

(すみません、iphoneしかなく、画面がちゃんと撮れず。。。確かに分かりやすかったです)

僕がブログを書くのは、家族が寝静まってから。夜中にパソコンに向かう僕を怪しむ妻を説得するには?

まずは「僕はネットで有名人なんだ」と説得したが納得してもらえず。そこでブログの統計を見せることにした。先月、176の国から73249人の読者が僕のブログに来ている、と。それに何の価値があるの?と却下された。

そこでブログに複数のコンバージョンを設定して以下に自分のブログが多くの人に愛されているか説明しようとした。

ブログの記事を複数読んでくれた人 → 642人
自己紹介ページを見てくれた人 → 1217人
セミナー講演の告知ページを見てくれた人 → 338人
メールマガジンに登録してくれた人 → 463人

合計2650人のコンバージョン。平均コンバージョン毎に平均的な集客や顧客獲得に必要とされるコストを無理やり設定し先月自分のブログに約2万6千ドルの価値があることを説明。これでやっと納得してもらった。

ポイントは、数字をより分かりやすく経済価値に落とし込んで数値化することが重要!と言うこと。僕の場合は妻だったが、会社の上司に対してはもっと重要じゃないかな?つまり

収益=良い
経済価値=神!

だと。

。。。このこだわりは、アビナッシュさんがインド系なのと関係あるのでしょうか。

次に自分のブログの統計をまた紹介。
自分のブログにアクセスしてきた検索キーワードのバリエーションは26,124。実際のトラフィックは35,543だった。ここでロングテールの図を紹介しつつ、ロングテールのキーワード群が重要なことを説明。ロングテールのキーワード群を「アーリーバード(Early Bird)」、つまり、潜在的な顧客になりうる可能性のあるユーザー達と説明。なるほど。

そして様々な詳細な商品検索キーワードのGoogleの検索結果を紹介(例:michael jackson blue ray、dj hero wii など)。Amazonは出てくるが、HMVはほぼ出てこない。あれだけマスメディアで宣伝しまくっているのに、検索する際に、全く存在が消えている。

HMVはブランドのことしか気にしていないようだ。実際に売っている商品のこと、それを探しているユーザーのことは気にしていないようだ。

ロングテールの図に戻り、SEOをしていなくとも検索数の多いキーワードは大体自社名やブランド名であることが多いと紹介。ロングテールをカバーにしていくには、SEOもあるが、PPCで効率良くリーチしていくことができる。でもHMVはやっていない。皆さんはどうですか?

さらに本人お気に入りのツールとしてGoogleのキーワードアドバイスツールを紹介。Googleのキーワードアドバイスツールでサイトのドメインを入力し、ターゲットキーワードを入力すると、関連キーワードの一覧と其々のキーワードが最も関連しているサイトのページを自動的に分析して表示してくれる。SEOにもPPCにも使える。特にPPCの場合、抽出したキーワードをさらにクリック単価やカテゴリで絞り込める。こんな便利なツールは無い。皆さんも是非効率的に使ってほしい、と説明。

ここで川の上流にある滝をサーモンが上ろうとしており、その上で飛び上がってくるサーモンを口を開けて待ち構えている熊の写真を紹介。これは偶然じゃない、過去のデータに基づくものなんだ、皆さんも熊のように賢くなれる、と 笑

続けてより費用対効果の高い広告費の使い方をどう考えるか?について説明。検索か、アフィリエイトか、メールか、Googleか、Yahooか、ウェブメディアが多すぎて迷うのは分かると、

まずは売上につながったコンバージョンを分析する場合。訪問から何回目に購入につながるか、メディア毎に比較してみようと。例えばPPC経由のアクセスで80%弱が初めての訪問時に購入しているとする。その一方、Yahoo!のバナー広告は大半が13~14回目の訪問で購入しているとする。これでYahoo!のバナーが効率が悪いと判断するのは簡単。

しかしそう一筋縄ではいかないこともある。複数回同じユーザーが訪問して最終的にコンバージョンした場合、最初の訪問時に利用したメディアをコンバージョンの対象にしてしまうケースが意外と多かったりする。実際は最後の訪問時のメディアの方が価値があるのでは?または各メディアを少しずつ評価することも重要。例えば5回の訪問後に、コンバージョンが行われたとしたら100%のコンバージョンを20%ずつ各訪問時に使われたメディアに分配するなど。その内訳を変えて分析することも可能と。

。。。確かに余りまだ行われていないアプローチですよね。

例えばある企業の評価例:

メール クリック 20% $15.0
Yahoo!バナー クリック 5% $3.8
MSNホームページ クリック 12% $9.0
Google PPC クリック 18% $13.5
アフィリエイト クリック 7% $5.3
Bingオルガニック クリック 20% $15.0
Yahoo! PPC クリック+コンバージョン 18% $13.5

それっぽくも見えるが、聞いてみると何となくメディア毎に評価を分けている。この数字を信用していいのだろうか?と。アビナッシュさんのお勧めは、最後の訪問をより重要視すべきと言うこと。

・最後のアクセスを誘導したメディアが75%のクレジットを得る。
・25%は、それ以前の3-5前の訪問まで評価。
・前の訪問は7~30日前まで。

この視点で分析する方がより正しいデータが得られるのでは、と考えている。

そして最後に紹介したのが、広告を出す際に関連性も気をつけよう、と言うこと。キーワードに関連したページだからと言って、あくまで自分のサイトでは、と言うだけでユーザー視点から見ると全くそうでない場合も多い。細かく全部見ることは大変なのでページ毎の離脱率を分析することが重要、と解説。

最後に、サーチマーケティングがこれだけ普及しても、未だにブランド重視でPPCを運用しているユーザーが多い。それがいけないとは言わないが、ロングテールはもっと実験する余地がある。是非実験しよう!と熱く語って終了。

かなり早口&情熱的に次から次に様々な話題を語る人でついていくだけで精一杯でした。。。ポイントポイントで考えさせられる発言もあったので、そのニュアンスが伝われば。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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