過去にも言ったことがあるが、私はこれまでに数多くの過ちをおかしてきた。幸運にもそれらの過ちの大部分は小さいもので、私自身や私のビジネスに大きな危害を加えることはなかった。しかし、ある時私がおかした過ちは、私のビジネスの1つをつぶしただけでなく、私をほとんど破産にまで追い込んだ。
私がおかした100万ドルの過ちのストーリーはこうである。
目次
初期
高校生活も終わりの頃、私は自身最初の本格的なインターネットビジネスを始めた。そのビジネスは、アドバンテージ・コンサルティング・サービス(ACS)といい、インターネットマーケティング戦略に基づいた小中企業のコンサルティングだった。
初めのうちは、多くのビジネスと同じようにACSも苦戦した。しかし、ブログや業界のイベントでの演説や、勧誘電話により、私とビジネスパートナーはASSを稼ぎ頭に成長させることができた。
ピーク時には、高い利益幅で何百万ドルの収益を上げていた。ACSがうまくいき始めると、私とビジネスパートナーは事業拡大を決めたが、私たちは良い意味での拡大をしなかったのだ。
多くの起業家は中核となるビジネスを拡大して成長を加速しようとする。しかし、私たちは多くの起業家とは違った;自分達はみんなとは違う、中核となるビジネスとは関連のない新しいベンチャーを展開しよう、と決めたのだ。
ちょっと貪欲な日々
私たちが行った最初の投資の1つが、Fruitcastと呼ばれる会社だった。Forty Mediaからジェームズ・アーカーという名前の人がやって来て、彼が持っている素晴らしいアイディアを私たちに売り込んだのだ。彼のビジョンはOvertureとGoogleアドワーズと同様の市場で、複数の企業が特定のポッドキャストに広告を載せるために名乗りを上げていた。
例えば、GMのような会社がFruitcastを始めれば、私たちのポッドキャストの全リスト(私たちがパブリッシャーから獲得したもの)を見て、自分で選んだポッドキャストに広告を載せることができる。
しかし、これにはいくつか問題があった:
- 効果的ではない – Fruitcastは、ポッドキャストの最初と最後に広告を配置していた。これらの広告は効果的ではなかった。なぜなら、真ん中に置くようには、ポッドキャストに組み込まれていなかったからだ。ホスト自身がショーの中で広告主について話をしない限りは、私たちにはポッドキャストの中に広告を組み込むことなどできなかった。いくつかのポッドキャストの番組にはこれをするように説得することもできたが、前もって広告主を揃えることができなかった。
- 投資利益率がない – 私たちは広告主に多く請求しすぎていた。ポッドキャストが広告を流すたびに5セントを請求していた。高額には思えないかもしれないが、それがすごい速さで加算されていくのだ。
- 急ぎ過ぎた – Furitcastでの一番大きな過ちは、ジェームズに小切手を書く前に十分な質問をしなかったことだ。その会社のためにジェームズにお金を渡した時、私たちは彼がFruitcastでフルタイムで働くつもりはないということを知らなかったのだ。これは決してジェームズの失敗ではない。彼に聞いておかなかった私たちの失敗なのだ。
ちょっと賢いアイディア
Fruitcastへの投資で失敗した後、私とビジネスパートナーは、サービスとしてのソフトウェアの世界にお金を使う方が賢いだろうと決断した。
その時私たちはソフトウェア会社についてあまりよく知らなかったが、インターネットマーケティングについてはかなり知っていた。そのため、私たちはSiteblimpとCrazy Eggという2つの解析の会社を作ることに決めた。
SiteblimpはGoogleアナリティクスのように無料の解析ソリューションとなる予定だった。その時の私たちの主な競合はStatcounterだった。しかし、私たちがSiteblimpを立ち上げる計画をしていた数カ月前に、GoggleがUrchinアナリティクスを買収してそれを無料化し、Googleアナリティクスとしてリリースしたのだ。
それが理由で私たちはSiteblimpのプロジェクトを廃止し、それ以上お金を投資しないことを決めた。
一方、Crazy Eggは、他のどんな解析ソリューションよりも詳細なウェブサイトを提供する予定だった。そして徐々にそのアイディアはヒートマップ機能にまで拡大した。
多くのビジネスと同じように、Crazy Eggも最初は苦戦を強いられたが、幸運にも数年後には好転し始めた。そこに到達するまでには時間がかかったが、今日までCrazy Eggは走り続け、うまくいっている。
バカなアイディア
私たちが投げ捨ててきたお金のせいで、そのうちに私とビジネスパートナーは火の車になった。ACSはうまくいっていたが、Crazy Eggのようなビジネスを生かしておくためには山のようなお金が必要だったし、悲しいかなSiteblimpとFruitcastのような投資に多くのお金を無駄にしていた。
人生のこの時点で、私たちは、ビジネスの歩合と引き換えに現金をくれる外部の投資家を探し始めた。
私たちは投資家への売り込みに6カ月を費やして何も得られなかった。そのため、私たちは次にできることをした。自分の家族や銀行からお金をもらったのだ。
銀行にある程度のお金が入ると、私たちはSiteblimpにもう一度注入することを決めた。しかし、この時私たちはGoogleアナリティクスとは競争しないようにすると決め、やり方を変えてクリック報酬型の管理ソフトウェアを作ることに集中した。
しかし、Crazy Eggとは違って、ソフトウェアの制作に社内の従業員を使わず、もっと安い請負業者を使うことにした。
私たちは、We Break Stuffというポルトガル国外の企業を雇った。そしてFruitcastの経験と同じように、いくつかの問題に陥った:
- コミュニケーション – アメリカ国外を拠点としたオフショア開発会社とのコミュニケーションは難しかった。8時間の時差があったために十分なコミュニケーションが取れず、動きが遅くなった。
- 手を広げ過ぎた – 私もビジネスパートナーも他のことに忙しく、恐らく誰もWe Break Stuffとの関係を管理することができなかった。
- 怠惰 – 物事がとてもゆっくりと進んでいたため、私たちはプロジェクトの目標を見失い、We Break Stuffチームに働きかけることもしなかった
- 無知 – Fruitcastの時と同様に、この新しいSiteblimpの製品でも私たちはよく理解していなかった。
そしてその他の過ちと同じように、Siteblimpの失敗はWe Break Stuffのせいではない。その失敗は私たちのせいである。
100万ドルの過ち
これまでに述べたベンチャー(Crazy Egg以外)は私にお金を失わせたが、100万ドルを失うようなことはなかった。その代わり、それらは、私が100万ドルの過ちを犯すことにつながる手助けをしたのだった。
ドラム音をよろしく・・・
先に述べたベンチャーが失敗した後、私は教訓を得て新しい業界に手を広げることを止めたと思うだろうか?私とビジネスパートナーは、自分達のお金のほとんどをウェブホスティングの分野への進出に使うことを決めたのだった。
Media Templeがどうやって2006年にグリッドシステムをリリースしたか覚えているだろうか?そう、私たちは彼らがそれをする1,2年前に同じものをリリースしようとしていた。その会社はVision Web Hostingと呼ばれる予定だった。
これが私たちの失敗だ:
- ロケーション – 私たちはテキサス州ロックウォールで3人の優秀な従業員を見つけた。彼らがロックウォールを拠点としていたという理由で、私たちはカリフォルニア州オレンジカウンティからは少し離れたその場所に拠点を置くことに決めた。このことが物事を管理するのを少し困難にした。
- パートナーの衝突 – この3人のうち2人がお互いに結婚した。こういう類の力関係がある場合、ビジネスパートナー間の争いは非常に扱いにくくなることがある。しかもその上全ての人が同じ家に一緒に暮らしている場合、本当にやっかいになるのだ。
- お粗末な金銭管理 – この人達の誰もが金銭的に裕福ではなかった。私とビジネスパートナーは彼らのビジネスをサポートしただけでなく、彼らの生活日まで支払わなければならなかった。これは、養育する子どもが4,5人いた時にはものすごい加算となる。
- フィーチャー・クリープ(機能マニア) – ロックウォールにいる管理チームは、私たちの製品提供の改善のための方法を頻繁に思いついた。これがたくさんの追加費用を生み、会社の立ち上げを遅らせた。
- コミュニケーションの乏しさ – 私たちは、3000平方フィートのロックウォールの家の外でVision Web Hostingを運営していたため、後になって彼らがその家を所有していないことに気が付いた。家のオーナーはその状況をよく思っていなかったため、私たちはそれをおよそ200,000ドルで購入しなければならなかった。
- ノーという時期が分からなかった – 人に少し与えると、その人はもっと多くを要求し始める。そのうちに私たちは彼らの医療費や食費やガソリン代、車のローンまで支払っていたのだ・・・
2年以上が経ち、これが100万ドル近くにまで加算された。しかもその支出に関して悪いことは、それが仲たがいして終わったことだ。
終わりの方になって、私とビジネスパートナーはロックウォールにいる3人にビジネスを破たんせずに続けることはできないと伝えなければいけなくなった。私たちは毎月何千ドルも失っていて、それがものすごい速さで加算していたのだ。
そして結局、私たちは彼らが仕事を見つけるまでの数カ月間、彼らを経済的にサポートすることを決めた。そして、その間私たちは購入した全てのハードウェアを売り払って少しでも損失を取り戻そうとした。しかし、私たちのハードウェアを買収した会社の1つが、間違ってオレンジカウンティではなくロックウォールに高額の小切手を送ってしまったのだ。
これによって、ロックウォールにいたパートナー達は不正に小切手を現金化し、故意に家を損傷し、私たちに何の知らせもなくロックウォールを去ることとなったのだ。
まとめ
私が犯したような大きな過ちをあなたが犯さないことを願っているが、あなたにもその可能性は大いにあるだろう。しかし、本物の起業家とまがい物の起業家を分けるものは、本物の起業家はあきらめないということだ。
もし私があきらめていたら、私はおよそ100万ドルの借金を抱えたまま、家族や銀行に返すことはできなかっただろう。しかし、私は前に進み続けたために、物事は良い方に向かい、徐々に返済ができるようになったのだ。
あきらめないこと!自分の過ちから学び、邁進し続けるのだ!
この記事は、QuickSproutに掲載された「My Million Dollar Mistake」を翻訳した内容です。
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