ジャーナリストはコンテンツミルと検索を永遠に理解できないのか?

これまでSEO Japanで何度か取り上げてきたコンテンツミルの話題ですが、最近多少日本のウェブメディアでも取り上げられるようになってきました。米国ではeHowなど数百億円の売上を上げているような企業も登場し、メディアで取り上げられる回数が徐々に増えているようです。そんな状況にSEO Bookのアーロン・ウォールが一言。 — SEO Japan

最近、コンテンツファームに関する否定的な記事が多く見受けられる。

コンテンツファーム、つまり、デマンド・メディアの「eHow」、そして、似たような低コストのコンテンツ配信サイトが、現在、この業界で“問題視”されている。“業界”とは従来の配信業界のことで、問題視されているのは、競合するからである。

インターネット・コンテンツ・シンジケーション・カウンシル(ICSC)と言う業界団体が、「ウェブコンテンツ生成者の台頭へのカウンシルの対策」と言う文書を配信している。彼らは“仕事を失う危機にあるジャーナリスト”や“コンテンツのスタンダードの低下”と言う話題を文書の中で取り上げている。労働者階級が「印刷機」を手に入れるとこのような反応が起きるのだ :)

評論家達もまた介入している。とても多くのジャーナリストが意見を出している。個人的にはあまりにも多すぎると思う :) その中には、SEO業界から多少なりとも教訓を得てもらいたい人物も何人かいた。

まず、グーグルが“良質”な結果を返すと言う、誤った前提を基に話を進めている人がたくさんいる。いったいいつからグーグルは“良質”な結果を出す取り組みを重要視するようになったのだろうか?グーグルの目的は、検索する側が関連すると思うリンクを提供することである。

質と関連性は完全に同じものではなく、質と関連性を同一の用語として独断的に捉えていると、グーグルの本質を誤解してしまう。

例えば、英語に不慣れな検索者が、一般的な風邪に関する疑問に対する簡単な答えを求めているときに、このトピックの博士論文と比べ、同じ立場の人が作成した分かりやすい箇条書きされた回答は、関連性が低いのだろうか?この回答が事実ならば大いに役に立つだろう。しかし、当然ながら、作成コストが低いと言う理由だけで、コンテンツミルが誤った情報を提供していると決めつけることは出来ない。上位にランクインすることを狙っている場合は、よりユーザーの役に立つ形で正確な情報を提供している可能性が高い。

グーグルにとって実用性は大きな意味がある。グーグルは価値をエンドユーザーに提供する必要がある。そして、“質”の価値観は見る人によって異なる。

また、グーグルがアドワーズ – 広告 – をコンテンツだと主張している点も忘れてはならない。アドワーズもまた関連性アルゴリズムによって見返りを得ている。恐らくカウンシルは広告が近い将来質の高いコンテンツになり得るとは思っていないだろう。

ところでとは何を意味するのだろうか?誰が定義するのだろうか?ICSCのエリート達の主張は容易に想像することが出来る – 彼らは質を心得ており、彼らが定義するのだ。本当に理解することが出来るなら、それはすごいことだ。

コンテンツ危機の解決策

この「コンテンツ危機」と呼ばれるピンチに対して、ICSCが提案している解決策を1つ紹介しよう。それは、インターネットのコンテンツ、もしくは同時配信するコンテンツの認定プロセスに対する公的な一連のガイドラインを作成することだ。

なるほど。

数年前に話題になったSEOの“ベストプラクティス”が脳裏をよぎった。結局、今回も同じ結果になるだろう – 自分達の仲間で構成されるオーディエンスに話かけるだけで終わってしまうのだ。他の人たちはコンテンツを作成する作業に集中するだろう。

「私たちが懸念を抱いているのは、これらの新しいコンテンツの配信者がリンクベースの質の低いコンテンツを作成している点だ」と先日ICSCの常任理事に就任したティム・ダンカン氏は述べている。
「このようなコンテンツの目的は検索で上位にランクインすることだ。その結果、質の高いコンテンツが下位に追いやられてしまう。」

当然ながら、ウィキペディア、そして、正当なSEO業者は納得できないだろう。コンテンツに対するランクと関連性は共存させることが出来るのだ。しかし、これもまたグーグルの狙いである。

ICSCのメンバーの中には、グーグルに働きかけ、検索結果においてコンテンツの質をもっと重要視するようにアルゴリズムを調整させるべきだと推奨する人物もいる。

これは笑える。ICSCが考えるコンテンツは必ず質が高いとでも言いたいのだろう。グーグルに毎週小切手を送ってもらえればそれで満足するのではないだろうか。編集上のスタンダードに対する懸念よりも、結局お金が彼らを動かしているのだ。皆さんは大手メディアが提供するゴミのようなコンテンツに目を通したことがあるだろうか?

これらがICSCの言う良質な作品なのだろうか?

結局、質に関する議論は無意味なのだ。ジャーナリスト志向のニュースとQ&Aスタイルコンテンツの対決構造は支離滅裂であり、エンドユーザーが受け入れ、料金を支払う質のレベルを決めるのは、エンドユーザー自身である。パブリッシング、そして、メインストリームのメディアが直面している本当の問題は、彼らのビジネスモデルが崩壊している点である。彼らのコンテンツ作成にかかるコストが単純に高過ぎるのだ。そして、現在、賃金の低下を余儀なくされている。人々がより価値の高いもの求めていると考えるなら、答えは簡単だ – その質の高い作品とやらを作り、ビジターに決めてもらえばいい。

そして、その作品がうっかり埋もれないように、良質なSEOのアドバイスをもらう。

Googleも参加?

グーグル自身もまた得意のコンテンツミルに参加する機会を窺っており、さらに問題をこじれさせる可能性がある。「不適当な検索コンテンツを識別」と言う興味深い特許があり、これは、検索の需要があるものの、関連するコンテンツのレベルが低いキーワードの分野を特定する。これはまさにデマンド・メディアのサービスそのものだ。グーグルが既存のすべてのバーティカルでパブリッシングに進出しない(することが出来ない)場合、この情報を公にすることが最善の策と言えるだろう。

とりわけアドセンスの大勢のユーザーには生唾ものの情報である ;)

コンテンツミルを成功に導くには

マスメディアのジャーナリストや議会を組織したがっているクレーマーは無視しておこう。

グーグルが関連するコンテンツを求めている点を意識しよう。“関連”しているかどうかを決めるのは、検索する側である。“医者の給与水準”を検索する人がたくさんいて、“医者の給与水準”を紹介するページを提供しているなら、関連するコンテンツを作成していることになり、グーグルから見返りを得ることが出来るだろう。

グーグルは、間違いなくビジターが情報をどれだけ関連していると思っているかを計測しており、この点を特定する各種のシグナルが存在する。このようなシグナルは、エリートが集まったカウンシル、つまり自己本位のオールドメディアには見当たらない。シグナルは、ユーザーのアクティビティおよびユーザーの投票パターンを基に決定する。シグナルとは、リンク、アクセス数、適時性、推薦、登場する頻度、引用される回数等でり、測定可能でなければならない。

コンテンツの奥深さや精度等、「質」の向上は、エンドユーザーの投票によって決まる。ユーザーが検索した質問に関する詳細な答えを求めているなら、グーグルに答えをもらうことも出来るし、グーグルを諦めて他のサービスに頼ることも出来る。ICSCもそうするべきなのかもしれない – 自分の検索エンジンを作ってしまえばいいのだ ;)

とは言ったものの、大量の単調でつまらないコンテンツはやがて消えさるだろう。なぜならグーグルは結果ページで多様なコンテンツを提供することを望んでいるからだ。そのため、コンテンツを差別化する方法を見出す必要がある。(気まぐれな)質は差別化の数あるポイントの1つに過ぎない。そこで、アクセスのしやすさ、読みやすさ、関連性、そして、新鮮さ等の局面に焦点を絞ることを勧める。

エンドユーザーのことを常にしっかり意識しよう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Content Farming – SEOs Get It, Journalists Don’t」を翻訳した内容です。

アメリカでも既存勢力の人たちはこういうことをいいだす人たちがいるんですねぇ。。ここで論じられているように質と関連性は全く違うことですし、「コンテンツの認定プロセスに対する公的な一連のガイドラインを作成」なんて聞いただけでも恐ろしい話ですね。そもそも機能しそうもないですし。もちろんコンテンツミルによって検索ユーザー目当ての適当に作られたコンテンツで検索結果が独占されてしまっては問題があるのでしょうが、いずれリンクグラフやソーシャルグラフの進化で解決されていきそうな過渡期の問題にすぎないとは思うのですが。 — SEO Japan

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