SEOとCROの両立は可能か?共に取り組む意義とその障害とは

Webページ改善には、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)があります。
SEOが「検索エンジン」に対して、Webサイトを最適化する取り組みならば、
CROは「ユーザー」に対して、Webサイトを最適化する取り組みと言えます。

Googleをはじめとした検索エンジンが、ユーザーを満足させることを望んでいるのならば、究極的にこの二つの考え方はどこかで交わりを持つはずです。

しかし、この二つを同時に実現することは本当に可能なのでしょうか?
「ABテストって、SEO的に考えるとクローキングにならないの?」
「SEOでは見出しにキーワードを含めるけど、ユーザー体験としてはどうなの?」
世界のエキスパートは、この問いにどう答えるのでしょうか。

— SEO Japan

SEOとCROの交点

読者の方々は、CRO(コンバージョン最適化)とSEO(検索エンジン最適化)の相性は良いはずである、と思っているだろう。

理論的には、コンバージョン最適化が狙いとしているのはユーザー体験(UX)の改善であり、ありがたいことにGoogleが検索トップの結果で実現したいと思っていることでもある。そのため、サイトのテストと改善を行えば行うほど、検索順位も高くなるだろうということなのだ。まるで終わりのないホッケーのスティック型のようなサイクルの中で、トラフィックやコンバージョンが増加し、収益も増えるだろうというわけだ。

もちろん、ことはそこまで単純ではない。

CROとSEOとの間の矛盾はどこにあるのかというマーケターからの質問を耳にしたことがある。加えて、チームの役割が明確化され、予算に制約がある環境では、CROとSEOのどちらに投資をするかについて、取捨選択しなければならない場面もあるはずだ。最終的にはウェブサイトのテストと最適化をどのように実行するのか重要なのだ。

そこで、私はCROとSEOの交点はどこにあるのか探るべく、成長と最適化において長い経験を持つ人たちに、「トラフィック獲得とコンバージョン最適化のバランスをどのようにとっているか」という質問をしてみた。

CROとSEOは完璧なパートナーなのか?

CROとSEOの相性は完璧なはずで、矛盾などはないはずである。

Googleにとって、ユーザーにとって最適な検索結果を提供することは自己利益のうちだ。そのため、アルゴリズムを宗教的なまでに熱心にアップデートをしている。また、最近の傾向では、UX要素のほうがキーワード密度など従来の要素よりも重要視されている。管理者によってページ読み込み速度が速められると、同様に検索結果も改善される。なぜなら、読み込みが速いページは人々に好まれるし、Googleもそれがより良い体験につながることを知っているからだ。

ほとんどのケースでは、CROがSEOと矛盾することはありません。むしろ、お互いを補完し合う存在なのだ。

この古典的な例が、「人間向けに書くか、それともGooglebot向けに書くか」という問題だ。Googleのアルゴリズムも進化してきているので、両者はかなり同じレベルに達しています。ありがたいことに、キーワードスタッフィングはGoogleから見ると(そして読む人にとっても)愚かな行為となっており、自分が売っている商品を買ってくれる人向けに書くべきなのだ。

俯瞰してみても、SEOとテスティングに矛盾はもともと存在しない。Googleには独自のテスティングツールがあり、A/Bテストも行っている。Googleが、自分たちでサービスとして提供しているものに対してペナルティを与える理由はないだろう。

Googleはより良いUXにペナルティを与えたいわけではない

SEOとCROの相性が良いというのは直感的には理解できるであろう。それでも、これを信じられないというマーケターは少なくない。あるいは少なくとも、テストやSEOの技術的な側面については懐疑的に感じているマーケターはいるようだ。

VWOの創設者であるパァラァ氏が、Quoraでこの問題について答えてくれた。彼によると、A/BテストがSEOに影響を与えることはないそうだ。

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「Google自体がA/Bテストをしていて、またそのためのツールも持っているのだから、Google側でも他社が同様にA/Bテストを行うことは十分想定していると考えられるだろう。

そのため、Google(ほかの検索エンジンも同じように)がA/Bテストを行っているウェブサイトにペナルティを与える可能性はとても低い。万が一に備えて、テスト結果から検索ボットをフィルタリングしたいというのはあるかもしれない(でも、検索エンジンのほとんどはテストのバリエーションではなくオリジナルのページだけを見るので、これもあまり必要ないだろう)。」

基本的にはとてもシンプルな「とあるルール」を守っているならば、A/Bテストによってせっかくの検索順位が台無しになるという心配は無用だ。

Googleのテスティング「ルール」に従う

昨今では減少傾向にあるものの、かつてA/Bテストによって検索結果に悪影響があるのではないかという声は多くあった。多くの場合、心配されていたのは次の4項目だった。

  • コンテンツクローキング
  • URLとコンテンツの重複
  • リダイレクトの誤り
  • ウェブページの読み込み問題

第一に、JavaScript経由で要素を大幅に変えるA/Bテストの実行は、コンテンツクローキングではない。コンテンツクローキングとは、1990年代において効果的で一般的だったSEO手法であり、Googleボット向けに大量のキーワードを詰め込んだバリエーションが作られていた。そして、実際の訪問者にはそれとは違うよりユーザーフレンドリーなバージョンを表示するようしていた。もしあなたがA/Bテストを行っているなら、コンテンツクローキングとみなされる心配は不要だ。Googleがあなたに求めているのはダイナミックな体験を提供することであるのだから。

第二に、コンテンツの重複も問題ではない。パァラァ・チョップラ氏の数年前の記事投稿を見てみよう

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「ここで注目したい重要ポイントは、検索エンジンからのペナルティがあるのは、異なるドメインからコンテンツを盗んだり転用したりしたときだけだということだ。バリエーションページすべてが自分のサイト上でホストされていて、なおかつそのコンテンツが「自分の」ものなら、何をしても良いのだ。

現在、ダイナミックウェブサイト(ショッピングカートやディレクトリなど)の多くが、さまざまなフォーマットで同じコンテンツをホストしている。あるコンテンツがそのドメイン内だけに置かれているものであれば、検索エンジンがそうしたサイトにペナルティを与えることはない。A/BテストURLについても同様である。コンテンツを盗んだわけではないので、悪いことは起こらない。すべてあなたのものなのだから!」

もし心配なら、canonicalタグを使うと良いだろう。

第三に、301(恒久的な)リダイレクトを避け、302リダイレクトを使おう。

最後にページの読み込み速度だ。これが唯一、懸念事項と呼べそうなものであるが、ほとんどの場合これも大して重要ではないと言える。

まとめると、テスティングには問題なく、それどころか推奨されているくらいだが、次の基本ルールは守らなければならないということだ。

  1. クローキングしないこと
  2. rel=”canonical”を使うこと
  3. 301リダイレクトではなく302リダイレクトを使うこと
  4. 実験は必要なときだけすること

クライアント側、サーバー側どちらの実験をしているかも問題になるのかという問いについては、マット・カッツ氏がノーと言っている。マット氏は数年前、HackerNewsのスレッドに、「A/Bテストはサーバー側、クライアント側どちらの技術でも可能だ。ただどちらのケースでも、Googleボットだけ違う扱いはしないようにした方が良い。Googleボットをほかのユーザーと同じように扱い、我々のユーザーエージェントやIPアドレスをはじいたりするためにコーディングを行うのはやめてほしい。」と書いていた。

ほかの点については、A/BテストについてのGoogleの公式声明を読んでみるとよい。基本的なルールに従っていれば心配することはほとんどない。

コンバージョンを伴わないトラフィックは無意味である

vanity metrics(=無益な指標)
の内容と、これを避ける方法はよくご存じだろう。

コンバージョンや収益がなければ、Twitterのフォロワー数もダウンロード数も、ページビューも意味を成さない。

そのため、SEOが効果的ではなく、よりインパクトのある「現在のトラフィックへの最適化」に集中すべきケースもあるだろう。

例を挙げるとすると、ランク入りしているキーワードがバリュープロポジションとまったく関係がない場合、少なくともページ単位でみると最適化しづらいミスマッチが潜在的に存在する。これはたいていSEOのトラフィックのコンバージョン率が、他の流入チャネルよりかなり低いときに見られるケースである。テストを実行していて、オーガニックでのみ上昇が見られない場合、キーワードのインテントは低くなっていると言える。

ところで、無関係なトラフィックが必ずしも悪いものということではない。収益への悪影響がないからだ。しかし、それがテスト実行を通じたRPV(1人当たり売上高)を増やすうえでの障壁になることがあってはならない。

さらに、オーガニック流入が最もコンバージョンしやすいチャネルであるという点も押さえておいてほしい。Googleがそのアルゴリズムをますます洗練させているため、インテントとマッチは非常に高くなってきている。

トラフィックとコンバージョントラフィック

出典

では、SEOとCROはどこで矛盾するのか?

Googleの検索順位で1位から陥落したらどうなるだろうか。ビジネスを成長させる上では、間違いなく阻害要因となるだろう。検索順位1位のではトラフィックの33%を得られるとされていることからも分かるように、見込み客の多くを失う可能性がある。
Percentage of Traffic by Google Result Position

出典

さて、これまで見てきた通りSEOとCROの間に矛盾はないはずだ。しかし、実際には矛盾が存在している。ランド・フィッシュキン氏に聞いてみたところ、矛盾はごくまれに発生するとのことだ。

Rand Fishkin

ランド・フィッシュキン氏

「確かに矛盾はあるが、それはほんのわずかだ。SEOに関していうと、ページ上でキーワードや文言を、検索者が使う言葉に合わせて賢く用いること(たとえば、「あなたの本の収納に関する問題を解決します」よりも「ランドの本棚」のほうが賢明と言える)は今でもとても大切だ。

ときにCROテストによって、あまり明確・ダイレクトでない言葉のほうが実際のコンバージョン率が高い、という結果が出てくることが稀にある。そうはいっても9割以上のケースでは、ちょっと妥協すれば良いバランスを見つける方法がある(たとえば、「ランドの本棚はあなたの本の収納に関する問題を解決します」など)。」

リアルな世界の例としてLawnStarter Lawn Careを挙げてみよう。LawnStarterは地元の芝生ケア会社を検索する人々から多くのSEOトラフィックを得ているので、Googleでの牽引力を失うというのは同社の顧客獲得において悪影響をもたらすことになる。より顧客対し価値をもたらすバリュープロポジションを見出しでテストすることは可能だろうか?答えは、イエスである。しかし、H1タグに特定のキーワードを含めなければならないという条件の下で、かつ明確で価値提供型の見出しへと変更する場合、トラフィックを失う可能性は現実にある。

LawnStarter Lawn Care

出典

LawnStarter Lawn Care創設者のライアン・ファーリー氏が語ってくれたところによると、Googleのアルゴリズムは確かにある一定の流れでは進歩しているかもしれないけれど、完璧なUXと一致しているとは言えないそうだ。

Ryan Farley

ライアン・ファーリー氏

「SEOとは可能な限り訪問者に合わせてにウェブサイトを作るべきであると、SEOコミュニティ界隈ではよく言われている。それが本当なら、SEOとCROはぴったり合うはずだ。しかし、実際にはそれほどうまくはいかない。

現実では、GoogleのアルゴリズムはまだH1タグ内やbodyテキスト内のキーワードなど、非UX系のシグナルに大きく依存している。H1タグ内にキーワードを入れていなければ、SEOでは負けを喫することになるだろう。そうでなければページを適切にカテゴライズできないからだ。

たとえば、当社のJacksonvilleのページを見てもらうと分かるように、Adwordsでもっとコンバージョン率の高い見出しがあったとしても、見出しに「芝生サービス」や「Jacksonville」というキーワードを含めないわけにはいかない。

検索順位のブーストから得るものとコンバージョンで失うものとを計算しなければならないのだ。」

コンバージョンの最適化だけに焦点を絞ってしまうと、この2つのバランスを取って十分な情報に基づく決定を下すのは難しいことだ。たとえば、検索順位が上がったことによって得られるトラフィック量とコンバージョン量の増加の方が、コンバージョン率を高めることよりも、収益の増加に寄与するのならば、収益が高いほうに徹するべきなのは非常に明白だ。

Optimize Smartのヒマンシュー・シャーマ氏は、「本当の意味で収益を最適化するには、マーケットセグメント、製品カテゴリ、その他成果のポートフォリオごとに、平均注文額(AOV)とトランザクション数を増加させる必要がある。」と話している。

しかしご存知の通り、コンバージョン「率」最適化は行うべきではない

それでもランド氏も言及しているように、簡単な妥協方法はおおよそ常に(90%以上のケースにおいて)存在する。クリエイティブに考え、検索エンジンと顧客の両方を満足させることが求められる限り、二者択一で済む話ではない。

テストアセットは残しておくべきである

実際、「テスト実施時にSEOトラフィック量をもたらしている要素を、新しい要素を配置する代わりに削除した場合、トラフィックを失うリスクがあるのではないか」という懸念はある。

これに対し、Mozの記事ではこのように書かれている

「SEOの観点から言うと、たとえばきれいなモデルよりもトラフィック量の多い私の画像などを削除した場合、Googleに対して空白を生み出してしまう。そこでGoogleが削除されたアセットを再スキャンしようとすると、サーバー側が404エラーが表示し、そのページまたは画像、動画は存在しないとGoogleに伝えてしまう。

テストに使った商品画像がGoogleの画像検索で1位に表示され、それで月間100人の訪問者が生まれるかもしれない。そのため、画像を削除すればGoogleもそれを検索結果から削除をするので、100件のユニークユーザーが失われるということになる(そして訪問者がその商品を探している場合、売上もかなり落ちるだろう)。

こうした理由から、私自身はほとんどのテストアセット(動画、画像、音声)を残すようにしている。唯一の例外は、単純にテストのためだけにユニークページを設定し、あとで消去して301リダイレクトで元に戻す場合だ。それはもちろん、Googleにこのようなテストページに注意を払ってほしくはないからだ。テストアセットを消去するというのは、私にとっては戦略的目的というよりはクリーンなシステムをキープしたいという強迫観念に近いものがある。URLの正規化とnoindexの使用をしっかりしていれば問題ないだろう。」

もう一度言うが、少なくともアーカイブと学習が目的なら、テストアセットは残しておくべきである。しかし、SEO的な見方からすれば、正規化とnoindexの使用が万全であれば、心配することは何もないと言えるだろう。

製品レビューがコンバージョンに悪影響を与えている場合

これは私が今まで考えさえもしていなかった問題だ。Experiment Engineルイス・センチネリオ氏が、この分野にはたまに矛盾が生じることもあると教えてくれた。

Luiz Centenaro

ルイス・センチネリオ氏
「多くの人びとが論じてこなかった問題の一つに、製品レビューがある。製品レビューはSEOとCROに効果的だといつも言われている。しかし次の場合はどうだろう?製品詳細ページ(PDP)で複数のバリエーションのテストを行ったとする。その結果、コンバージョンや1人当たり売上(RPV)に貢献していた、レビューやソーシャルプルーフなどを削除したバリエーションが最も良い結果であったとしよう。

それを実装するだろうか。それとも構造化マークアップや、製品レビューを設置することで得られるSEOメリットを失うというリスクを負うだろうか。

月間数千件の訪問を生み出す30件以上の製品レビュー(リッチコンテンツを含む)が、裏でコンバージョン率を10%低下させていたらどうだろうか。それでも成果の高いバリエーションをキープするだろうか。

その答えは各eコマース企業によって異なるが、SEOトラフィックを頼りにしている場合、製品レビューを削除してまでそのバリエーションを実装することはないだろう。」

しかし、私自身はこのケースに関してはやり方次第だと言いたい。レビュー内容がひどく、レビューによってコンバージョンが低下しているならば、駄目な点を修正して、さらに良いレビューを得るべきである。それを価値のある定性データとして利用すれば良いのだ。

そして、もしそれが何らかの理由によって邪魔になってしまっているなら、もっとうまく実装しなければならない。レビューを使ってコンバージョンを増やす方法はそれこそ星の数ほどあるのだ。

バランスを取ること

RoverPassの成長部長のベンジャミン・ベック氏は、コンバージョン最適化やSEOに詳しい。ベンジャミン氏は、過去には大企業に勤め、長期成長を最大化するためのトレードオフまたはバランスがあるのではと考えた。ベンジャミン氏に聞いてみよう。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「通常、SEOとCROは企業が成功するためのワンツーパンチ的存在だ。SEOはコストを掛けずにトラフィックをもたらし、CROはそのコンバージョンを行う。

SEOとCROの間には適切なバランスがなくてはならない。どちらか一方に偏りすぎると、もう一方は劇的なダメージを被ってしまう。

CROに偏りすぎてSEOが犠牲になる例:

  • コンバージョンに注力しすぎて、コンバージョンが行われない限り価値を得られないページ。たとえば、フォームに入力しなければ価値のあるレポートが見られないなど。ページそのものに価値がないと、フォームページを自然検索結果でランクインさせることは難しい。
  • ページ(特にタイトルやURL)に主なキーワードが含まれていない。

SEOに偏りすぎてCROが犠牲になる例:

  • コンテンツにあまりにも多くのキーワードを入れようとする。商品を買うのはロボットではないので、人間によるコンバージョンを得られるようなキャッチコピーを書くこと。
  • リンクを含めたことにより、ユーザーがコンバージョンする代わりにページを離れてしまう。

どうすればCROとSEOが相性良く機能するようになるのか

たとえ大規模でセグメント化された組織内であったとしても、CROとSEOのワンツーパンチが相性良く機能する方法が存在することは明らかだ。大企業と中小企業の両方でコンサルタントとし勤務したことのあるベンジャミン氏が、これは通常どのように行われるのか、自身の経験を披露してくれた。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏

「私がさまざまな企業と関わった経験からすると、たいていトラフィックに従事する部門とコンバージョンに従事する部門に分けられており、両方を担当していることはあまりなかった。

  • SEO - トラフィックがゴール
  • ソーシャル - トラフィックがゴール
  • コンテンツ - トラフィックがゴール
  • Eメール - コンバージョンがゴール
  • PPC - トラフィックとコンバージョンがゴール(コンバージョンへの投資対効果を見る)

チームがゴール別にセグメント化されているということでOKだろう。しかし、これは全体の成長にとっては良いことだろうか。悪いことだろうか。利害衝突が生じることはないのだろうか?

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「利害衝突が起こるのは良い考えとも、必須であるとも思わないが、コンバージョンユーザーの元をたどるのはとても大変だ。

PPC広告はたいていランディングページを隔離させており、オン・オフの切り替えができるので、追跡したり辿ったりすることは簡単だ。

ソーシャル、Eメール、SEOなどはすべてコンバージョンに貢献しうるが、どのチャネルがコンバージョンをもたらすかは企業によって大きく異なる。

RoverPassの場合は、Facebookチャネルが多くのユーザーをもたらすものの、コンバージョンには至らない。しかし、そうしたユーザーのEメールアドレスを取得してまとめると、将来のコンバージョンにつながる。それでも半分はソーシャル(Facebookコミュニティ)によってもたらされたものと考えなければならない。」

セグメント化されたチームの外に出てみると、SEOとCROの共存はさほど想像に難くない。我々はこの2つがお互い助け合っている例を目にしている。どちらか一方を無視しないことが大切になってくる。ランド氏も次のように述べている。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「SEOは今でもウェブ上で最大のトラフィック流入元の一つである(SimilarWebによると、ウェブ上の口コミによる全アクセスの最大28%は検索によるもの)ので、訪問者を得たいと考えているものにとって、検索で良い順位を取るのは必須である。ここではCROが助けとなる。というのは、GoogleはポジティブなUXと有望なクエリを非常に重視しており、CROはこれに強いのだ。検索で訪問者を獲得し、CROでコンバージョンさせるというのが基本である。」

ところで、SEOチームとCROチームがしっかりと意思疎通を取れているなら、障壁を取り除いて双方で成功を収めることが可能だ。例としてV9SEOが、コンバージョン最適化につなげるための3つの主要なクエリの使い方について説明してくれた。

「SEOとしてはクエリを非常に重視している。クエリには主に3種類あり、それぞれが別々のユーザーインテントによって支えられている。

  • ナビゲーショナル(案内型)クエリ - ウェブサイト名の検索に使われる。インテントは特定のウェブサイトへのアクセス。
  • インフォメーショナル(情報型)クエリ - 特定のトピックについて情報を検索する。インテントはあるトピックについての情報取得。
  • トランザクショナル(取引型)クエリ - 購入する製品やサービスについて検索する。インテントは購入すること。

これら3種類のクエリはコンバージョン最適化に影響力を持つ。コンバージョン最適化を行うならば、(1)最適なコンバージョンアクションは何か、(2)コンバージョンを引き起こすコンバージョンアクションは何か、(3)コンバージョンに至るようユーザーを説得するための最適な方法は何か、を知るために特定のページにランディングしたユーザーのインテントを理解しなければならない。」

CROとSEOはいろいろな面でつながっている。分断されたチーム内の溝を埋め、上で説明したような情報を共有することにより、双方のマーケティングテクノロジーを育てることができる。

SEOとCROの未来

自然の摂理では、このブログ記事も短命だ。Googleのアルゴリズムは常にアップデートされていて、2年以内(または2カ月以内)には上で挙げた問題の多くが存在しなくなっているということもあり得るだろう。また、新しい問題が生じてくる可能性もある。

しかしSEOと最適化の現状すら、大変に楽観的なものである。ランド氏にSEOとCROはどのようにお互いを補完しているのか聞いたところ、希望を持てる答えを返してくれた。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「CROは質の低い文言やユーザービリティー、良くないUXの識別に役立つ。これらはすべて、検索者にとってのより良いエクスペリエンスにつなげることができ、すると検索エンジンでもパフォーマンスが良くなる。すばらしい相互利益サイクルが生まれるのだ。」

私は何も未来を透視しているのではない。毎年数百件もの記事が投稿され、さまざまな業界について新しい予測を披露しているにもかかわらず、物事がどこへ向かっているのか確実に予想することは、誰にとっても不可能なのだ。

そうは言っても、「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ばれるもの全体の方向性については、今日でもそのヒントを示してくれるものがいくつかあるようだ。

これは大まかに言ってしまえば、SEOとCROとの間の矛盾が少なくなっていき、一方にとってのメリットがもう一方にとってもメリットになるということだ。ベンジャミン氏も、物事がそちらの方向に向かっているのが見えると述べている。また飽和によってSEOが混雑した高額なチャネルとなるため、将来的にはコンバージョン最適化への投資が増えるとも確信しているそうだ。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「SEOとCROは今後もどんどん密接になっていくと思う。

SEOは通常「無料のトラフィック」として見られているが、検索順位とトラフィックを得るための時間とコストは甚大なものになるだろう。SEOの競争が激しくなり続ける限り、コストをコンバージョンによって相殺しなければならないPPCのようになっていくであろう。

そのため、企業は多くのオーガニックトラフィックを獲得できているページから、より多くの利益を得るためにCROへの投資を増やしていくと思う。」

検索体験最適化(Search Experience Optimization)

今年の2月にForbesに記事を寄せたマイク・テンプルマン氏は、検索エンジン最適化の時代は終わったと述べている。その代わりに、SEOの略語の代わりとしての意味を含めて台頭してきているのが、「検索体験最適化(Search Experience Optimization)」最適化だ。その理由がこちらだ。

Mike Templeman

マイク・テンプルマン氏
検索エンジンがロジックを書き、大量のユーザー行動指標に基づく機械学習アルゴリズムを統合し始めことによって、ウェブサイト上のUXはどうあるべきかということが予想されるようになった。

現在測定されている基準としては、サイト読み込み速度やモバイル最適化、サイトの構造、コンテンツ、そして検索ユーザーがウェブサイトに期待しているものを得られているかの大量のシグナルなどがある。」

テンプルマン氏の未来予想には、「質問に対して答えを提供する」「モバイルを重視する」ということが含まれている。これは一般的な顧客体験にとっては良いことになるだろう。テンプルマン氏は例として、「スノータイヤ」という検索用語が「2008 Ford F150にとって最適なスノータイヤはどれか」に進化したことを挙げてくれた。

そのため、顧客からの質問に答える企業は検索順位も勝ち取っている。これは、サイト内でのキーワードの言及回数について悩むのをやめ、代わりに顧客が探しているものを見つけるためのサポートにより集中するべきだということである。

結論

必ずしも共にあるとは言えないコンバージョン最適化と検索エンジン最適化は、敵同士などではまったくない。事実、コンバージョン最適化への投資によって検索順位は上がるはずだし、実際そうしたことはよくあるのだ。同じように、SEOへの戦略的なアプローチによりコンバージョン量やターゲット訪問者の数も増加する。

H1タグ内のキーワードや、コンバージョンには悪影響だが SEOには効果的なレビュー、テスト要素の欠落といったわずかな問題も、簡単に解決することができる。それに加え、A/BテストによってSEOが犠牲になる可能性を恐れる合理的な理由はないのだ。むしろ、より良いユーザーエクスペリエンスの提供は、Googleにも推奨されていることだ(そしてそれこそがGoogleがユーザーに届けたいサービスなのだ)。

最大の障害となるのは、結局のところ組織的なものだろう。ゴールが別々でコミュニケーションが不足しているチームなら、せっかくのポテンシャルを発揮できない可能性もある。成長の最適化に対し、双方の面からアプローチを取れば、コンバージョン獲得と流入獲得の両方で成功することができる。


この記事は、CXLに掲載された「The Intersection of SEO and CRO (and How to Maximize Long Term Growth)」を翻訳した内容です。


おわりに

弊社アイオイクスはSEO黎明期よりサービスを提供して参りましたが、Googleのアルゴリズムの進化に合わせ、より深くユーザーの分析に踏み込んだCROサービスの提供を開始いたしました。

そのような中でこの度、DLPO株式会社様と共同で海外CRO最先端事例セミナーを開催することとなりました。
日本ではまだ一般的ではないコンバージョン改善のフレームワークや、米国CRO業界を牽引してきたトップストラテジストが語るベストプラクティスをご紹介いたします。
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