ソーシャリンピックの時代 : スポーツとソーシャルメディアの密接な関係

公開日:2012/07/28

最終更新日:2024/02/18

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ロンドンオリンピックもいよいよ開幕、日本も世界も盛り上がっていますね。同時にかつてないレベルでソーシャルメディアやモバイルデバイスが普及した中で始まった今回のオリンピック、TwitterにFacebook、ブログにInstagram、はたまたPinterestまでオリンピックに関する情報で既に溢れ返っています。今回はそんなスポーツとソーシャルメディアの関係について考えてみた興味深い記事をConvince & Convertから。 — SEO Japan

スマートフォンとソーシャルメディアの到来よりずっと以前から、人々はスポーツをし、観客はスポーツを楽しみ、メディアはスポーツを報道してきた。しかし、ソーシャルプラットフォームの発展が、スポーツをしたり、楽しんだり、報道したりするあり方を変えたということに疑いの余地はない。Twitterは新しいスポーツ速報メディアだ。Facebookはファンのための新しいハブだ。試合の数分後にはYouTubeにハイライトが投稿される今、一体誰がESPNのスポーツセンターを聞く必要があるというのか?新聞の地元スポーツ欄は投げ捨て、お気に入りのブロガーが書くスポーツコラムを読むためにiPadに飛びつく。Nike+は、ランナーが経過を記録したり、競争したり、お互いにやり取りする方法に革命をもたらした。スポーツはがらりと変わり、とても刺激的になっている。

7月27日から8月12日までの2012年ロンドンオリンピックは、世界史上最も報道されるスポーツイベントになるだろう。そこには従来のメディアもあるが、ソーシャルメディアとブログがメディア急増の主な原因になる。Twitterは、London Gamesを用いたイベントトラフィックの急騰に備えている。オリンピックの他にも、ソーシャルと新しいメディアがいろいろな意味で“ゲーム”にプラスの(時にはマイナスの)影響を与えている。

選手のニュース発信

Texansのランニングバック、Arian Fosterは、周知の通り、自分の故障したハムストリング筋のMRIをツイートした。他の選手たちも後に続いてX線をツイートしたり、自分の負傷の報告をツイートすることによってメディアを回避している。選手レベルでのメディアの問題としては、チームの秘密が相手チームに暴露される可能性がある。もっと重要で良いことは、これが選手たちに声を与えるということだ…特に、個人のパーソナリティを見せることが金銭的な罰を受けるNFLのようなリーグでは。従来メディアはもはやソースではない…ソーシャルに熟達した選手たちがソースなのだ。もしスポーツニュースが事実をレポートすることであるなら、ドリブルをコントロールしてスポーツを表現している人以上に良い立場の人がいるだろうか?

新しいキャリアの構築

Chad Ochocincoは、NFLで最も熱心なTwitterユーザーの1人として知られている。彼には300万人以上の熱狂的なTwitterフォロワーがいる。最近、彼はハーレムにあるシルビアのソウルフードレストランで200人の後援者団体を組織した(もちろん、支払いは彼がした)。個人サイトというよりはニュースやインタビューを目的としている彼のウェブサイト は、日々たくさんのトラフィックを獲得している。普段はフットボールチームで最も自己中心的な選手であるワイド・レシーバーが、ソーシャルメディアを最も楽しむユーザーを作っているのだ。Chadの場合、彼のソーシャルメディア感覚が、強力で面白いブランドを築くためのプラットフォームをもたらし、結果的にテレビ契約とたくさんのスポーツ以外のプレスを招いた。

新しいメディア団体が誕生

SBNation.comは、このソーシャルメディア時代に登場した新しいメディアスポーツ団体の良い例だ。有名なベンチャーキャピタル企業、Wizards/Capitals/MysticsのオーナーであるTed Leonsisとその他のソースによって資金提供されたSBNationは、ブログネットワークのコンセプトを別段階へと移行させた。彼らは今、様々な地域からのスポーツニュースと意見記事を取り上げた地域的なウェブサイトをいくつも持っている。2012年4月のComScoreランキングによると、SBNation.comはユニーク・ビジター数で10位に入っている…それは、サンフランシスコを拠点とする競合相手のBleacherReport.com(地球上で最も優れた超ターゲットを絞ったEメールマーケティングをいくつか実施し、2012年6月に2億ドル以上でTurnerに買収されたと報告されている)より1つ上の順位だ。ESPNやUSA Todayのような成功者は、独自のブログネットワークを展開することによってブログネットワークのコンセプトを受け入れた。

ソーシャルを動力とする従来メディア

ESPNのSportsNationは、口コミで広まったスポーツビデオとインタラクティブな一般投票を呼び物にしているテレビ番組だ。ラジオのスポーツトーク番組のホストは、EメールよりもTwitterを介してリスナーと会話をする方が早い。新聞業界は、ソーシャルウェブに適応するのが遅れているために、リーダーシップが大きく低下している。しかしながら、ニュースルームのスポーツ部門はTwitterを採用することに積極的になっている。大部分のスポーツコラムニストは、Twitterアカウントを使っているか、それを使うアシスタントを持っている。

否定的側面:もっと提供すべきだというプレッシャー

否定的側面もある。スポーツとメディアの融合は、ニュースの内容を乏しいものにすることとなった。正直言って、これに苦しんでいるのはスポーツメディアだけではない。ツイートされる全ての便利なニュースの詳細には、使い物にならない推測や憶測、スポーツメディアの類によってツイートされる得体の知れないソースの言及がたくさんあるのだ。これは、保守的なメディア人がスポーツブログやマイクロブログの正当性を批判する時に指摘する点だ。この乱雑をふるいにかける秘訣は、HootsuiteやTweetdeckのようなフィードコラムプラットフォームを使って自分のお気に入りのスポーツコンテンツクリエーターのTwitterリストを結合するなど、新時代のキュレーションメソッドを使うことだ。

Google+とインディペンデントのスポーツブロガー

著者の影響力を位置付けるためにGoogleが選択する重みによって、rel=“author”の開発がスポーツメディアにおける検索順位に大きな影響を持つ。質の高い一貫したコンテンツがあれば、インディペンデントブロガーがスポーツの新しいメディアランドスケープの中で強い声を確立することができるのだ。ESPN、Yahoo、SBNation、Bleacher/Reportは、数年にわたって前途有望なブログやブロガーを採用してきた。rel=“author”は、この採用プロセスの中でインディペンデントの著者により力を与えるだろう。rel=“author”に関する詳しい情報は、ここC&CでMcGinnisが書いた最近のブログ記事を読もう。Google+について言うと、タイガー・ウッズがハングアウトを主催して、それに続くトーナメントに勝つのを見た人は?

私はこの記事の大半を、NABJ 2012の最中にニューオーリンズのホテルの部屋で書いた。エビのビスクでお腹がいっぱいになった私は、スープとデザートをシェアした何人かの若くて最先端のESPNの才能あふれる人とのディナーに関する点を追加しなければならないことに気が付いた。その席にはBomani Jones (SBNation + Around The Horn)とJemele Hill (First Take + Around The Horn)とMichael Smith (Numbers Never Lie)がいた。3人とも聡明で、ソーシャルと新しいメディアを使って自分たちのパーソナルブランドを育ててきた。デジタルスポーツ界で卓越する方法について彼らが話をするのを聞くのは素晴らしいことだった。スポーツとソーシャルメディアの繋がりを楽しみ続けよう。それは、ますます強く、ますます信用できるものになるのだから。


この記事は、Convince & Convertに掲載された「Socialympics: How Social Media and Blogging Has Boosted Sports Media」を翻訳した内容です。

情報の中でも速報性が極めて要求されるスポーツメディア、モバイルデバイスとソーシャルメディアの普及でリアルタイム性においてはかつてない程の変革が起こっていますし、そこで従来のジャーナリストだけでなくファンやそして選手自身も情報発信がリアルタイムでできてしまう驚異の時代になりました。

オリンピックでも個人的ツイートが人種差別的だと追放になった選手が早速いたようですが、スポーツとソーシャルメディアの親和性は間違いないと思いますし、ロンドンオリンピックを起点に今後さらに進化していくのでしょうね。今回のオリンピック、まずは日本人として日本人選手の活躍を楽しみたいですが、瞬間ツイート数の記録が更新されるかどうかも微妙に気になっている私でした。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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