SMX West 2010 : マイクロソフトのスティーブ・バルマーがBingを語る。

最終更新日:2024/03/18

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さてさて、始まりましたSMX(Search Marketing Expo)。先々週ロンドンで行われたSESに参加したばかりですが、興奮、と言うか時差ボケ冷めやらぬうちにアメリカ西海岸はシリコンバレーで行われるSMX Westに参加です。GoogleやYahoo!の本社もあるネット企業の総本山で行われるSMX、今年最初のSEM関連の最大イベントと思われますから参加しないわけにはいきませんでした。

初日のキーノートはなんとマイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマーが登場。検索関連のイベントに登場するのは初めてじゃないでしょうか。Yahoo!との検索エンジンのパートナーシップもアメリカ、ヨーロッパで法的に認められたばかりで、いよいよGoogleとの全面戦争?!前夜を予感されるまさに旬な時期に登場。時差ボケによる睡眠不足でテンション低めですが、気合いで早速レポートしていきます。

サリバン:
まずはマイクロソフトとYahoo!の検索パートナーシップについて教えてくれる?

バルマー:
マイクロソフトとYahoo!の検索ボリュームが統合することで、スケールのあるデータを解析できる。検索結果の質をより高めていくことができる。これはユーザーに対してもよりメリットのある検索体験を提供できると考えている。

サリバン:
検索の世界に大きな変化は起こるか?全てを変える「ゲームチェンジャー」は現れるか?

バルマー:
ゲームチェンジャーが何かを探している所だ。

サリバン:
Bingは米国でNo.1になれるか?

バルマー:
それについて正しい答えはない 笑 Yesと言っても何か言われるし、Noと言っても何か言われる。。しかしここではYesと言っておこう(拍手)。しかし我々がやらなければいけないことは大量にある。競争は簡単ではない。

サリバン:
No.2のポジションでも満足できるか?

バルマー:
明日No.2からNo.1になれるわけではない。長期的なゴールでNo.1になりたいと思っている。

サリバン:
Yahoo!は検索サービスにおいてプレイヤーとして意味を持って残っていけるのか?

バルマー:
我々の検索エンジンがそれを助けるだろう。検索シェアを徐々に上げていくことを期待している。

サリバン:
でもマイクロソフトを同じことをやろうとしているんじゃないのか?

バルマー:
BingがNo.1になればそれでいい。

サリバン:
Googleに関して法的に問題があるサービスが色々あり問題になっているがそれについてどう思うか?

バルマー:
マイクロソフトが考えることではなく、最終的に法によって決められていくことだ。

我々としては極端な話、ユーザーや広告主にプラスになるのであれば様々なデータをGoogleと共有しても良いと思っている位だが、Googleはそれはやらないだろう。ただデジタル書籍にしてもGoogleがその圧倒的なポジションを利用してマーケットを独占することに関しては懸念している。

。。。。それって自分たちのことでは。。。汗

サリバン:
過去数年でBingの提携パートナーを多数獲得してきたと思うが、iPhoneについてはどう思うか?

バルマー:
Bingも対応させたいと思っている。とにかくBingのパートナーをたくさん増やすことが大事だと思っている。

サリバン:
Bingの検索数は他のモバイルプラットフォームより既にiPhoneが最大と聞いているがそうなのか?

バルマー:
商用的なキーワードに関して言うとそうだ。iPhoneは携帯電話など他のモバイルとは違う使われ方をしている部分はあると思う。

サリバン:
モバイルのサーチについてはどういう印象を持っているか?

バルマー:
利用率は毎年増えていくだろう。PCを超えるまで成長するかは分からないが。モバイル特有の検索ニーズはあると思うし、特有の検索行動はもっと増えていくだろう。

サリバン:
Googleとマイクロソフトで検索に対して会社としての姿勢の違いがあるか?カルチャーに違いがあると良く言われるが。

バルマー:
僕はGoogleで働いていないので分からない。Googleのカルチャーについて良くポジティブに取り上げられるが、マイクロソフトも負けないくらい優秀なスタッフがおりイノベーションを起こしている。

サリバン:
マイクロソフトは検索で利益を産んでいくことができるのか?

バルマー:
何年かかるか分からないが、そうなるよう努力している。5年~10年後にもしかするとマイクロソフトがNo.1になっているかもしれない。でも検索エンジン自体が5年~10年後にどういうビジネスになっているかは誰も予測できない。とにかく取り組んでいくだけだ。

サリバン:
検索のビジネスモデルについてはどう思うか?

バルマー:
広告主、特にオークション型広告にサポートされたビジネスと言うのは非常に面白い。広告主間で競争を産む極めてダイナミックなモデルであり、素晴らしい。

サリバン:
検索ビジネスにどれ位力を入れていきたいのか?

バルマー:
7-8の主要ビジネスと、付随する多数の関連ビジネスがある。次のフロンティアとなるビジネスが何になるか常に模索している所だ。検索もそうだし、デジタルテレビも可能性がある。リアルタイム検索も面白い。バスケットボールの結果を知るにはTwitter以上のツールはない。

サリバン:
Twitterと言えば、Twitterを買収する気はないのか?

バルマー:
買収するのが良いのか何とも言えない。我々は既にTwitterと関係を持っているし、何でも買収するのが良いわけではない。独立性を持った会社の方が上手くいくこともある。

ちなみにバスケットボールのつぶやきをするための秘密のアカウントも持っている 笑

サリバン:
検索して最近最も役に立った経験は?」

バルマー:
「キーライムパイ」だね。妻に言われて検索したんだけど。特に今のBingは便利だよ 笑(レシピ検索のこと?)

サリバン:
子供にBingって名前を付ける気がある?

バルマー:
それは微妙だが、、、50年後に子供がBingを使っていることを願うね。

サリバン:
Bingをこれ以上改善していくのに何が必要か?

バルマー:
色々考えているアイデアをもっと統合していきたい。また検索結果についてももっと品質を上げていきたい。特にロングテールのテールの部分はかなり改善されてきていると思うがもっと質を上げていきたい。Bingをサービス提供する国も拡げていきたい。

サリバン:
検索で最大のビジネスチャンスは何だと思うか?

バルマー:
最大のチャンスはユーザーがしたいと思うことに答えてあげる、と言うことだ。例えば僕が国の負債について検索したいと思っても、現状は様々な結果が出てきて本当にほしい負債情報が中々見つからない。ヘルスケアについて調べようと思っても同様。検索結果はまだまだ混乱した情報の塊だ。もっと整理された使いやすい結果を提供していきたい。

まとめると最大の検索ビジネスのチャンスは下記の2点:

1.
ユーザーの検索意図を理解する

2.
整理されていないデータをいかに整理するか

これがどこまでできるかが大きなビジネスチャンスを産むし、まだまだできることは多い。

。。。なるほど。シンプルながら分かりやすい。

。。。キリが良い所で、会場とのQ&A。

会場:
モバイルのWindows 7はかなり高性能だと思うが、それを有料で売るライセンスビジネスに固執するのはどうなのか?Googleのように長期的な視点で例えば無料で提供するなどできないのか?

バルマー:
例えばAppleにしても基本的にライセンス費でかなり収益を上げている。とは言え検索結果の広告費等で成立させるモデルも無くはないだろう。色々ミックスしながらビジネスモデルを考えていく。

会場:
シルバーライトについては今後どうなのか?

バルマー:
今後も普及の努力をしていきたい。モバイルもPCも同様。とは言えAdobeとの協業も考えていきたい。

会場:
モバイルで検索広告が成り立つのか?僕は全く使わないが。

バルマー:
現状のPC型の形がそのままモバイルで成り立つとも思っていない。それがユーザーにとって有益な内容であれば、広告を表示することが悪いわけではない。デザインやインターフェースなど今後進化していくだろう。

会場:
ユーザーのプライバシーについてはどう思うか?

バルマー:
ユーザーのプライバシーやニーズに対する意識は、サービスの進化と共に常に進化している。ユーザーが情報を公開することで、より便利なサービスを受けられることもある。非常にセンシティブな問題だが、常にユーザーの意識を気にしながら取り組んでいくべきだろう。

。。。以上でした。

ひたすら、サリバンとバルマーがQ&A形式で会話していったので、追うだけで手いっぱいでした。ちなみに上の文章はかなり要約していますので実際の発言と思わないでください。意図は間違っていないと思いますが。

感想としては、何か大きな発表でもしてくれるかと思いきや、正直余り対した話も無かったのですが 汗 、検索のビジネスチャンスを2つで言い切る辺りは流石だな、、、と思いましたね。しかし後半モバイルの話が多すぎました。逆にアメリカだとAppleのiPhone、iPad含めて注目されている分野なんですかね。

ま、マイクロソフトのCEOが検索マーケティングのイベントに出る時代になったと言うこと自体が凄いですけど!

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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