SES London 2010 : リアルタイム検索からダイナミック・ディスカバリーへ

本日2つ目のセッション。まさに旬な話題です。原題は「From Real-Time Search to Dynamic Discovery」。パネルディスカッション形式によるセッション。昨日も登場したOMSのアーロン・ケイロウ氏がモデレーター。NovaRisingのロブ・ウォーク氏。Workdigitalのウィリアム・フィッシャー氏。easelTVのビル・スコット氏が少しずつ話して最後にディスカッションする形式。

まずはアーロン氏が一言。

・毎日2億3千万のコンテンツがユーザーによって生成されている
・サーチの40%がリアルタイム性を含んでいる
・現在の検索エンジンはリアルタイムに情報をカバーするようにできていない

現状の検索エンジン(google含む)は、リアルタイム検索に課題がある。検索結果の即時性と品質、更新され続ける情報と、ある程度保たれる検索結果、、、検索エンジンがリアルタイム検索をどう取り込んでいくかは、大きな課題となっている。

次に各氏が自社が取り組んでいるサービス・技術を紹介。

まずはロブ・ウォーク氏。

ソーシャルネットワークの情報をセマンテック解析する検索エンジンを紹介。Google、MySpace、Facebook、Twitter、YouTube、Last FM等、多くのソーシャルネットワークを対象に解析し、上位1,000の楽曲名を抽出している。

http://bbcindex.novarising.com/

単純なキーワード数の抽出ではなくセマンテック解析を行い、データをカテゴライズしたり、関連性を見出したりしている。タクソノミーベースの分析では不十分で、タクソノミーを定期的に更新していくアルゴリズムが必要。

。。。日本でもこの種のエンジンを研究開発している所はありますよね。ブログ中心とは思いますが。。。解析技術はともかく、TwitterやSNS、特にリアルタイム性のある情報をどこまでカバーできるかが課題なのかな。

次にeaselTVのビル・スコット氏。デジタルTVにウェブコンテンツを配信する技術を開発しているそうです。TVでパーソナライゼーションされた配信が可能になる、と。BBC等のテレビ局と提携して実験をしている状況。200ポンドでセットボックスを販売しているそうで。2012年のロンドンオリンピックでオンデマンド配信をしたい、そこでブレイクさせたいとのこと。ワールドカップで3D TVを普及!みたいなものですか。

またTVでコンテンツを見る場合は、PCと違って、時間をかけて探す、と言う行動は考えにくいので、いかにパーソナライズされたオススメコンテンツを配信できるか、操作しやすいメニューを提供できるかが重要だと考えている、と。

TVを使って検索する場合もあるだろうが、「サジェスション」の要素が重要と考えている。キーワードは「Serendipity」(偶然による幸せな出会い)。ユーザーにいかにTVを通じてより満足してもらえるコンテンツを提供できるかがカギ。

レコメンデーションの技術も重要。過去にユーザーが見たプログラムを参考にすることもできるが、ユーザーの住んでいる地域、テレビを見ている時間など様々な属性を参考にしたい。

ユーザーにとっては「Suggested Discovery」、サジェスションを受けながら新しいプログラムを発見する経験を与えたい。

。。。Last FMの進化版みたいなものかな。しかしこういうことを真面目に考える時代に来ているんですね。スケジュールに基づいてTVを見ると言う行動はいつか変わる日が来るのでしょうか。
最後にサーチのカンフェレンスらしく、テレビのSEOは?と言うテーマで少し話を。

・メタデータが全て
・B2BよりB2C
・ページではなくビデオコンテンツ自体
・既存のTVプログラムのスケジュールと融合されていく
・配信側が提供する情報とユーザーのフィードバックを元に検索結果が決められる
・ターゲティングとプロモーション、広告宣伝が可能な強力なメディアにTVがなる
最後は自分たちの技術でTVメディアが復活する!と言う話でした 笑

次にWorkdigitalのウィリアム・フィッシャー氏。セマンテック検索、特にクラシファイド広告の分野に特化した検索技術を開発する会社だそうです。特に仕事検索の分野に特化しているそうで。理由は広告市場が大きいから。分かりやすくていいですね。

ユーザーが仕事を検索するメディアは、2013年頃までに下記のようになっていると推測。

企業サイト 15%(直接アクセス)
転職サイト 35%
ソーシャルネットワーク 20%
雑誌 30%

ソーシャルネットワークでの仕事検索に着目している。現在、多くの企業がTwitterで求人募集を行うようになってきている。ユーザーが全ての企業のフォロワーになることは不可能で、Twitterの仕事情報の検索技術の価値が出てくる。

ここで自社が開発しているTwitterの仕事検索技術(TwitJob Search)を紹介。

毎日4,000万程度あるTwitterの投稿データを解析し、仕事情報だけを抽出している。Twitterのキーワード検索では情報が整理されておらず実用性は低い。セマンテック検索を行うことで、結果をユーザーにとって意味がある情報に加工して提供できる。例えば投稿した内容に含まれる職種名や場所、企業名をメタデータとして解析。一般ユーザーが使える様々なフロントインターフェースを開発中。

。。。確かにありと言えばありな技術ですよね。Twitterの投稿を毎日解析するだけでもそれなりに大変そうですし。

リアルタイム検索のディスカッションと言うよりは、開発中の新技術の紹介、と言う内容でした。「リアルタイム検索からダイナミック・ディスカバリーへ」って、テーマですしね。後半の2社は中々興味深かったですね。

次にディスカッションですが、Q&A形式にした所、質問がほとんど出なかったために(セマンテック検索の話が多く、マーケッターにとっては何を質問したら良いか、ちょっと分からない、、と言う雰囲気でした)幾つかコメントだけピックアップ。

・「Suggested Discovery」のコンセプトは面白い。別名、「Lazy Discovery」(怠惰な人のための発見)とも言えるが・・・笑

・抽出したデータに関連性を見出し、ユーザーに最適な情報を提供できるかが重要。一歩間違えるとスパムになるので注意も必要。

・複数のデータソースをミックスしてそこに関連性をどこまで見出せるか、価値がある情報を引き出せるかが重要。

・いかに「即時性」がある情報を提供し、かつ「ノイズの排除」を行うかは、今後大きな課題となる。
ここで余りに質問が出ないので会場に質問。特定の新商品の情報を調べたい時、GoogleとTwitterどっちを使うか?。。。大半がGoogle。気になる事件が起きた時は?GoogleとTwitterは半々。

明らかなのはリアルタイム検索に関しては、Googleで全て解決できる状況ではない。ただしTwitterの検索機能もまだまだ不十分。だから色々な技術が研究開発されている、と。会場もなんとなく納得。
。。。ソーシャルメディアの普及で様々な情報がリアルタイムで配信される現在、リアルタイムの情報をいかに検索するか?最適な形でユーザーに提供するか?と言う分野は、大きな課題でもあり機会でもあるのかな、と改めて感じました。

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