あなたのマウス操作が検索結果と検索広告(SEO&PPC!)に影響を与えている秘密

最終更新日:2024/02/17

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これからのSEOはカノニカルと内部リンクでサイトのインデックス力アップだ、いややっぱり今でも外部リンクだ、とSEOの話になるとサイト内SEOかサイト外SEOかの話に終わりがちですが、ちょっと前、特にソーシャルがブームになる前は検索結果上のユーザー行動(クリック率、飛び先の滞在時間など)の順位への影響もそれなりに取りだたされていましたよね。現状でも密かに一定の影響はあると思われるこれらの要素ですが、さて今回はSEO by the SeaからなんとGoogleがユーザーのマウスの動きまで検索順位のアルゴリズムに取り込んでいるかも、という驚きの話題をどうぞ。 — SEO Japan

検索する人が、マウスのポインタを検索結果の様々な部分に動かす場所に関する情報、そして、広告およびグーグルワンボックスに動かす場所に関する情報が、検索エンジンによって集められている可能性がある。検索クエリがどれだけ用語と関連しているのか特定する判断材料として、ランキングシグナルの一つに用いられているかもしれないのだ。

ウェブページのコンテンツを見るとき、私はマウスのポインタを見ている部分に動かしている。理由は幾つかある。見ている部分に集中しやすくなるのもその一つだ。また、ポインタが閲覧しているコンテンツの近くにあると、面白いと感じたリンクをクリックしやすいことも理由の一つである。

グーグルによると、このような行動を取っているのは私だけではないようだ。グーグルは、検索結果ページでのマウスの動きを追跡し、検索結果に表示されているページの格付けに活かし、検索結果内のスポンサー付きの広告の質を特定するため、そして、地図や定義やニュースや株価等のワンボックスの結果を表示することが、検索クエリに対して適切かどうかを判断するために利用している可能性がある。

グーグルがウェブページのランクを決める際、グーグルは、ページが検索者によって用いられたキーワードとどのぐらい関連しているか、当該のページに寄せられたリンクの本数と質、そして、ページに関して集められたユーザー行動のデータ等の広範なランキングシグナルを考慮する。
グーグルが申請した多数の特許およびホワイトペーパーを参考にすると、グーグルは、私たちがウェブページをどのようにブラウザしているのかに関する、ユーザー行動のデータをかなり集めていることが分かる。例えば、どれぐらいの時間ページを閲覧しているか、ページのどこまでスクロールダウンしているか、検索結果でどのページをクリックする可能性が高いか、どのページをクリックしない可能性が高いか、ページを訪問した際にどのリンクを辿る可能性が高いか、ページを印刷、ブックマーク、もしくは保存しているか等だ。

新たにグーグルに付与された特許は、私たちがどのように検索結果ページでマウスのポインタを動かすのかを、グーグルがランキングのシグナルとして注視していることを示唆している。

クリックスルー率における問題点

ユーザーが検索を検索エンジンで行った際に選んだページ、そして、選ばなかったページに着目するのは、ユーザー行動をベースにした検索結果のランキングメソッドの一つである。しかし、このアプローチには潜在的な問題がある。

バラク・オバマ大統領の誕生日をグーグルで検索し、上位の結果が誕生日をグーグルのスニペット内に表示しているとする。この場合、クリックスルーの必要はなく、情報を得るニーズは満たされる。グーグルは恐らくこのページのランクを維持したいのだろうが、クエリに対するページの関連性をクリックスルーに依存すると、ページのクリック数の欠落により、関連性が薄いと見なされてしまうだろう。

その代わりに、ユーザーが大統領の誕生日を含むスニペットの上にマウスのポイントを乗せた後、全く異なる検索を始めた点にグーグルが注目すれば、このクエリに対するページの関連性は非常に高いと見なされるだろう。

この検索結果が、検索結果の3ページ目または4ページ目のリスティングに格付けされているものの、ユーザーの大半がスニペット上にマウスのポインタを乗せ、別の一連のクエリの検索を始めた場合、グーグルは当該の検索のリスティングのランクを再び考慮し、検索結果のもっと目立つ場所に、あるいは1ページ目のリスティングに移動させる可能性もある。

以下にグーグルの特許の情報を掲載する:

ポインタのアクティビティのモニタリングを通して、結果の関連性を調節するシステムおよびメソッド
考案: Taher H. Haveliwala
付与先: Google
米国特許出願番号: 7,756,887
公開日: 2010年7月13日
出願日: 2005年2月16日

要約

様々なユーザーの閲覧アクティビティを介して、検索結果の関連性を調節するメソッドおよびシステム。クライアントのコンピュータのモニターに常駐するクライアントのアシスタントが、ウェブブラウザでユーザーが制御するポインタの動きを追跡する。例えば、ポインタが所定の領域へと動くとき、または、所定の領域から動くとき。

次にサーバーは、所定の領域に関連する情報アイテムと検索クエリの関連値をポインタが乗っていた時間を基に割り出す。検索結果への新しい検索結果の応答を準備する際、サーバーは特定した情報アイテムをそれぞれの関連値に沿うように並び変え、より関連するアイテムを関連性の薄いアイテムよりも上位に表示する。

また、サーバーは関連値を、検索クエリに関連するワンボックス結果のコンテンツを特定するため、そして、調整するためにも利用する。

マウスの動きと配置の価値

一連の検索結果を見ているとき、グーグルは結果ページでのマウスの動きを追跡している可能性がある。そうすることにより、以下の点が判明する:

マウスのポインタ(またはその他のあらゆるポインティングインディケータ)をターゲットの情報アイテムの上、もしくは周辺で動かし、その間にアイテムの情報(例: タイトルやスニペット)を読み、その後、リンクをクリックする、または別のアイテムに移る行為は、典型的なユーザーの行動である。

ユーザーが検索クエリに対する複数の情報アイテムを調査し、ポインタをそれぞれの情報アイテムの近くに動かすこともある。このような各種のポインタのアクティビティは、特定の情報アイテムに対するユーザーのフィードバックを評価するための手段を提供する可能性もある。

この特許は、マウスのポインタの動きによって解釈される仮定を幾つか挙げている:

例えば、結果の上に長時間マウスを置いていると言うことは、クエリに対する結果ページのリスティングの関連性について、ポジティブに評価していると言う仮定だ。

そして、マウスのポインタをスニペットの行全体に通常の読む速度で動かしている場合、ポインタが一か所にとどまっているときよりも、もしくは適当に動かされているときよりも、当該の結果への注目度が高いと言う仮定である。

そのため、マウスのポインタの動きの早さ、そして、検索結果ページにマウスが置かれた場所は、検索者の注目が、異なる検索結果にどれだけ集まっているのかを特定するために追跡される。あるスポンサー付きのリスティングもしくは広告の上にマウスを置き、他のリスティングの上には移動しなかったなら、マウスを上に移動した広告により高い注目および興味が注がれていることを意味する。地域の地図、定義、もしくはその他のワンボックスの結果が表示され、ページを閲覧している検索者がワンボックスの結果の上にしばらくマウスを乗せている場合、それは地図、定義、またはその他のワンボックスのリスティングが役に立つことを示唆している。

クライアントの注目データ

この特許は、マウスのポインタの動きの情報を、「クライアントの注目データ」と呼んでいる。なぜなら、この類の閲覧アクティビティの計測は、検索エンジンに対して、検索結果ページの異なる部分に集まる関心の量、ビジターがそれぞれの部分に注ぐ注目の量に関する判断材料を与えるからだ。ページを利用する閲覧者の人数について同様のパターンが見られるなら、そのデータは検索エンジンに活かすことが可能な意義深い情報を与える可能性がある。

また、この特許は、マウスのポインタの動きに対する関連性を特定する際に、結果の異なる領域に基づいて、異なる重要度を与えている可能性がある点を示唆している。つまり、検索結果のタイトルの上にマウスを乗せた場合と結果のスニペットの上に乗せた場合では、重要度が異なるかもしれないのだ。

結論

この特許は2005年に申請されており、グーグルが描写されているメソッドを利用していない可能性があり、また、検索者の結果ページでの注目を追跡する方法としてテストしたものの、その後、別の方法に切り替えている可能性もある。しかし、現在、グーグルがこのマウスのポインタの動きを用いたシグナルを利用している可能性も捨てきれない。

ユーザーがマウスのポインタをページ上で動かす経緯に注目することで、ユーザーがクリックする、もしくはクリックしないアイテムに注目するよりも、より有益な情報を検索エンジンは手に入れることが出来る。この特許で紹介されているメソッドほど、ユーザーの特定のタイプの行動を計測し、解釈する点にこだわった特許は滅多に見ない。

この特許はグーグルがユニバーサル検索を導入する前に申請されており、ワンボックスの結果とは、その他のデータのレポジトリとは異なる、地図、ニュース、株価等、検索結果に混じって表示されるのではなく、上部にまとめて表示される特別な結果のことを指している。そのため、マウスのポインタを追跡するアプローチは、検索結果の上部ではなく、その他の場所に掲載されていた場合にどれだけ効果があるのか、もしくは役に立つのかを確認するために用いられる可能性もある。

あるスポンサー付きのリスティング、または広告の上に多くのユーザーがマウスを当てているなら、広告の配置に反映されるべきだろうか?これは、スポンサー付きのリスティングに対するユーザーの行動の質のスコアの一部なのだろうか?

追加1 : アクイティブログが6月2日にベルギーで行われたアイトラック UXでグーグルのシニアユーザーエクスペリエンスリサーチャーのAnne Aula氏が発表したプレゼンを面白い角度で紹介している – 視線データおよびマウスの動きとの相互関係

追加2 : スイスのジュネーブで来週行われるSIGIR’10で、エモリー大学の研究者が発表するホワイトペーパーも詳しく見てみる価値があると言えるだろう – 買うつもり?それとも見てるだけ?ウェブ検索者を特定: インタラクションデータを介した目標。このホワイトペーパーは、検索結果ページでのマウスの動きやスクロール等のユーザー行動のデータが、検索の意図を理解するために用いられる仕組みを説明している。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「Where you Point Your Mouse May Influence Google Search Rankings, Advertisement Placement, and Oneboxes」を翻訳した内容です。

どこまで実装されているかは永遠の謎ですが、ホント検索エンジンのアルゴリズムって面白いですね。冷静に考えればGoogle自身のユーザビリティ向上(広告クリック率アップ?)のために検索結果ページ上のマウスの動きはトラッキングしているでしょうし、影響力のレベルはともかく、検索順位の要素になっていてもおかしくはないですよね。マウス操作はともかく、検索結果の順位も重要ですが、検索結果表示情報の最適化も改めて重要だな、と思わされた記事でした。

余談になりますが、その昔iMode全盛時代に検索結果で表示された特定の結果をクリックしまくって順位を上げるという、昔からSEOをやっている人には信じられないサービスがあったことを噂話を聞きましたが、この技術の影響力が強ければ特定のマウス操作を会員に強いて検索プレゼンスを高める新たなビジネスが誕生するかもしれません?!Mouse Movement Optimization、略してMMO。全員で同じ動きだとGoogleのフィルターにかかりそうなので、3人に1人は動かす順番変えたりして(ここ大事)。MEO、逆SEOなどなど、次から次に”ユニーク”なSEOビジネスを考え出して荒稼ぎする皆さん、次のネタにいかがですか? — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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