いい加減に消え去ってほしい議論が無意味なSEOの10トピック

公開日:2014/03/03

最終更新日:2024/02/16

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SEO界隈で昔から何度も何度も話の話題になるトピックが存在します。ページランク、ブラックハット vs ホワイトハット、ランキングを追うことの意味、などなど。。。今回はSEO業界の陰の重鎮、SEO Bookのアーロン・ウォール先生がそんなぬるま湯議論を立て続けにブッタ切る爽快な記事を。 — SEO Japan

SEO業界は、常にグラウンドホッグデイのような状況である — 巣穴から出来たグラウンドホッグ(小型の動物)が、自分の影を見て、巣穴に戻ったら、冬が続き、そのまま外にいたら、春がすぐにやって来る。同じトピックについて何度も話し合ったとしても、ほぼ定期的に同じ問題がブログ/ソーシャルメディアで再び登場する。そして、この問題が取り上げられる際、書き手は変わるものの、指摘、そして、反論は全く同じである。

この悲しい状況を踏まえて、この手の問題/議論をまとめることにした。下のリストを見て、刺激を受けたら、あるいは、このような議論を始めようとする計画を頓挫させたら、この取り組みは成功したことになる。

それでは、SEO業界で特に迷惑なディスカッションのトピックを挙げていく(順番は関係ない):

ブラックハット vs. ホワイトハット

このトピックは、何度も何度も議題に上がっているものの、いまだに自らこの議論に参加するものの、自分の、そして、反論する人の意見は変わらない、と言う当然の気分を味わう人が後を絶たない。自分達が別の取り組みを行っていることを理由に、モラルの問題を引き合いに出し始めると、嫌気が差すようになる。二度と議題に上げないことを条件に、もう一度だけ、この問題を見直していく — 基本的には、SEOの戦略に道徳的(ホワイトハット)も非道徳的(ブラックハット)もない。

通常、ここで、クライアントのサイトへのダメージが引き合いに出されるが、この主張は、現実的ではない。まず、ホワイトハットは何か、そして、ブラックハットは何かに関して、議論が分かれている。この二つのコンセプトの定義は、とても流動的であり、時間の経過とともに変わっていく。定義が流動的になる理由の一つは、グーグルが、常にゴールポストを動かしていることだ。かつては、純粋なホワイトハットの手法と考えられ、あらゆるSEOの業者によって推薦されていたものの(プレスリリースの投稿、ディレクトリの利用、ゲスト投稿)が、次の日には「ブラックハット」、「非道徳的」扱いされてしまうのだ。また、グーグルのウェブマスターガイドラインに従わないものは、何もかも「ブラックハット」に該当すると主張する人達までいる — まるで、このガイドラインは、怒る神によって、石版に刻まれたルールのように考えられている。

このコンセプトが、いかに現実的ではないかを分かってもらうため、あるシナリオを想像してもらいたい。ある企業、例えば、Ebayが、ルールのリストを作成し、その中の一つが、Ebayで商品を売りたいなら、GumtreeやCraigslistで売ることは認めないと規定していると仮定する。 別の会社が競争を阻害しているからと言う理由で、商品の顧客候補の人数を減らそうとするだろうか?検索から利益を得ていないなら、グーグルがその分得をする。もちろん、反対のケースもあり得る。

モラルと言うよりも、問題はクライアントの犯罪的過失である。リスクを取るかどうか、そして、クライアントと自分自身に対して、誠実であるかどうか、さらには、このアクティビティやあのアクティビティを実施する上で発生する危険を把握しているかどうかである。競争におけるマーケティング戦略において、「モラル」を語る資格を持つ者はいない。リスクを取るつもりがないなら、それでも構わない。ただし、リスクが高過ぎると判断したなら、リスクを受け入れる人達を犯罪者扱いすることは許されない。

「ホワイトハット」支持者をあざ笑う「ブラックハット」支持者にも同じことが言える。毎回大量のコメントスパムリンクを介して、ビジネスを再編する取り組みを好まない人達もいる。 それで問題ない。そのサイトほど早くランクを改善することは出来ないかもしれないが、上位にランクインしたら、ブラックハットな手法を用いたサイトよりも、その順位に長くとどまる可能性はある。ブラックハットとホワイトハットは、異なる戦略であり、どちらも筋が通っている。あらゆるエコシステムに、この2つの戦略が存在しており、品質よりも量を優先する戦略を「r」戦略、そして、少ない数の子供により多くの投資を行う戦略を「K」戦略と呼ぶ。

象は、ネズミを非道徳的呼ばわりしないはずである。

ランキングのチェックは無意味/誤っている/誤解を招く

この議論は、長年この業界に存在しており、醜い主張を行う人が、時折現れる。とりわけ、自分自身でランキングをチェックしたため、もしくは、第三者のプロバイダーからランキングに関するデータを買ったため、SaaS業者が、サービスの一部を諦めざるを得ない状況をグーグルが作り出した結果、この議論が再燃する機会が増えた。「我は汝よりも神聖である」と指摘する人達が続出し、主な、もしくは、唯一のKPIとしてランキングを報告するSEO業者に天罰を与えるべきだと、声を上げるようになった。まずは、ブラックハット vs ホワイトハットの議論のように、専門家に任せるべきである。クライアントへの報告の手段が適切だと考えているなら、是非、その手法にこだわってもらいたい。「これが私のやり方です。クライアントも気に入っています」と堂々と主張すればよい。しかし、他の人達にあれこれ指導する行為は、慎んでもらいたい。

この議論の大半は、SEO業者が、ランキングを主に、または、ランキングのみをKPIとして利用している、と言う架空の設定に基づいている。SEO業界に入って12年間が経過しているが、有能なマーケッターが、「キーワードの…でランキングが上がりました」と報告するケースを私は今まで見たことがない。2002年に遡ると、SEO業者がクライアントに提供していたレポートには、最適化のターゲットとして明示されたキーワードの章が別に用意されており、クライアントのサイトが、上位にランクインしたものの、トラフィック/コンバージョンが著しく増えなかった際は、キーワードが、マーケティング計画から排除されていた。

最終的にコンバージョンが増えていないなら、ランキングは大して重要ではないことは、誰にでも分かりそうである。ランキングのレポートとモニタリングが、重要だと私が考える理由をここで挙げていくつもりはない。素人相手に議論を吹きかけるつもりなら、本当にその必要があるかどうかを見直した方が良い。

ページランクは終わった/重要ではない

これも素人相手の議論である。ツールバーのページランクのみを基にリンクを構築していれば、上位にランクインすることが出来ると本気で信じているリンクビルダーがいるなら、連れて来てもらいたい。2002年にSEOから足を洗った人ぐらいしか、そんなことは言わないはずだ。皮肉にも、ページランク、つまり、グーグルのランキングの要素として最も身近に見ることが出来るアイテムの利用を非難する人達は、他のマーケティング会社が作り出した独自の計測基準を自由に使い、グーグルでさえ定義することに苦労している難解なコンセプト、例えば、関連性やオーソリティの、非の打ち所がない代用品と呼んでいる。同じようなケースは他にも考えられる。例えば、PR 6のリンクをPR 3のリンクを得るために提供するSEOの関係者がいたら、連れて来てもらいたい。

発表の5秒後に「グーグルのXXXアップデートがSEOに与える影響」をブログで投稿する

グーグルのスパム対策を統括するマット・カッツ氏が、次のウェブマスターセントラル用の動画を撮影するためにTシャツを着替える前に、新しいアルゴリズムのアップデート/ペナルティ/インフラの変更/ランダムなアイテムが、日常生活の習慣に与える影響に関する記事、そして、安全地帯に逃げる方法に関する記事が、ブログで多数投稿されている。

このような多産のライター達は、アップデートの名前のみが分かった状態で、ペナルティを回避する方法、あるいは、名誉を挽回する方法を提案している。この傾向は、パンダ初期に明確に表れていた。2回目のアップデートが展開される前に、アルゴリズムのアップデートから復帰する方法に関する「体験談」を語り、回復の嘘の証言、または、ランキングの変更に関する誤った解釈(疑わしい点を有利になるように解釈)が続出していた。

タイプする手を止めて、事態が収拾するまで待つべきである。また、アルゴリズムの開発、もしくは、実装の関係者を知らないなら、一週間または二週間は静観しよう。その後、観察した結果を記事にまとめることが出来る。すると、この記事は、妥当と見なされる、あるいは、新しいアルゴリズムに関する興味深いレポートと考えてもらえるようになるかもしれない。それよりも早くレポートを提供する人は、「もう少し時間が経過するまでは、XXXアップデートの内容は良く分かりません」と言うお決まりのセリフで終わるブログの記事を使って、注目を集める話題に便乗することを望む、無知な、ページビューを増やすことしか考えていない人物だと位置づけられてしまうだろう。当たり前のことを、わざわざ言う必要はないのだ。

アドワーズは自然のランキングを上げる効果がある

これはヒドラ神話に近い — 頭を切り落としても、新しく頭が現れる。この疑問には、検索エンジンおよびSEOコミュニティ出身の大勢の人々が、何度も答えている。今さらこのトピックを取り上げるなら、別のトピックを取り上げることを回避し、このトピックで偽装しているのではないか、と私なら疑う。もちろん、グーグルウェブマスターセントラルの動画のことだ。これが*本当に*最も刺激的な質問なのだろうか?「not provided」、または、パーソナライズされていないランキングでのオーサーシップの役割、もしくは、オーサーシップがリンクを介して流れていくのかどうか、あるいは、その他のより適切で、興味深く、誰も答えを出していない疑問を差し置いて、この疑問を優先する理由がサッパリ私には理解できない。

インフォグラフィック/ディレクトリ/コメント/フォーラムのプロフィールのリンクは役に立たない

これはブラックハット/ホワイトハットの議論に似ており、「博士号取得者がゴロゴロ溢れるグーグルなら、当然、アルゴリズムでこの手の戦略をとっくに無効にしているはずだ」と言う指摘で裏付けられることが多い。これは典型的な「不信感が生み出す議論」であり、大学院の学位を知性と創造力のリトマス紙のように美化する人達が、陥ることが多い。このような主張をする人達は、多くの競争の激しい分野の被リンクプロフィールを見たことがないか、もしくは、博士号の取得を目指す、または、持っている人達を知らないかのいずれかに該当する。前者を軽視し、後者を過剰に評価する傾向が見られる。

リンクはリンクであり、唯一の違いは、リンクプロフィールにおける、各タイプのリンクが占める割合のみである。面白いことに、タイプ Xのリンクは役に立たないと指摘する人達は、完全に自然で、無料のリンクを提供してくれた、正当で信頼されているサイトに対して、リンクの削除を要請している。不思議としか言いようがない。

「グーグルに行ったことがある誰々が…て言っていたよ」

その人は「not providedが、リファラーデータの最大10%を占めるようにしろ」と命令しただろうか?あるいは、「今年、ページランクのアップデートはないはずだ」と言っていただろうか?あるいは、「クロールしてもらいたくないnofollowのオフサイトのリンクを使うべきではない」と指摘していただろうか?それとも「でも、被害が出るわけではない」と語っていただろうか?

グーグルの従業員が、一日中、SEOの仕事を支援することばかり考えている、と思っている人達が、いまだにいる。サイトへの訪問を積極的に阻止する企業が与えるアドバイスを基に、ビジネスを確立することなど出来るのだろうか?ナイキのマーケティングチームが、スニーカーをもっと売るために、アディダスの本社で、トレーニングを受ける姿が想像できるだろうか?

次のフレーズを声に出して読んでもらいたい — グーグルは友達ではない。自分で考えるべきである。自分の経験を利用してもらいたい。テストを行い、自分の目で確かめる必要がある。

もともとキーワードのデータなんて必要なかった

これは大好きなトピックだ。昨日まで、リンク構築、ランディングページの最適化、ランキングレポート、コンバージョン率の最適化、そして、その他のオンラインキャンペーンのあらゆる取り組みをリファラーのキーワードデータに依存していた人達が、突然、手の平を返したように、キーワードのデータは重要視していなかったと伝える必要性を感じたのだ。SEO業界は、過去のトレンド、未来のトレンド、ランディングページ、そして、第三者のデータを基にしたデータを引き出して、闇雲に同じことばかりを繰り返していた方が、遥かに良い。

たまには「今回ばかりはグーグルにこっぴどくやられた。進み具合を計測する方法に大きな影響が出るよ」と言っても良いのだ。何か良くないことが起きるわけではない。面目を失うわけでもない。SEOの各種の領域に対して、他にも有益な計測基準はあるものの、車を運転していて、急にブレーキが利かなくなった時に、「止まるのは負け犬のすることだ。前に進むことが出来るのに、誰が車を止めたいと思うんだ。今まで、ブレーキなんか一度も使ったことないしね。車の運転で最も重要なことは、ヘッドライトがちゃんと点くかどうかだよ」と言い出すのは、さすがに無理がある。

SEOを実施することが出来なくなるのだろうか?そんなことはない。適応能力は、SEOに要求されるスキルの中でも特に重要であり、今までと同じように、今回もきちんと適応する。 100%「not provided」になっても、全く痛くないなどと、自分自身、そして、他の人達にデタラメを言うべきではない。

「SEOは終わった」説に応じる

「SEOは終わった」説は、ジワジワと苦しみながら滅亡する必要があることは、明白である。 素人のジャーナリストが、SEO業界を檻の外からつつく度に、大勢のSEOが立ち上がり、SEOは、滅びるのではなく、今も健在であり、さらに勢いを増している点を説得、いや、証明することを、ここでは問題視している。実は、私はこの件に関しては有罪である。(短い主張ではあるものの)この愚かなトピックを取り上げたことがある。しかし、一体、何度、同じ状況で、同じ主張を繰り返せばいいのだろうか?16年もの間続いているこの主張を新たな視点で取り上げることなど出来るのだろうか?また、独自のアイデアを加えることが出来ないなら、もともと出された際に美味しくなかった料理を温め直して、出すだけでは、業界全体の知識を高めることは出来ない。代わりにランキングをチェックするべきである。

No. 10はない

しかし、それでも大勢の人達が、「…する10の方法」系の記事を投稿している。リンクベイトになる数字に達するまでに、無理やり例を増やしているのだ。確かに「9の方法」や「23の方法」を読みたいとは誰も思わない。この考え方も消え去る必要がある。注目を集めると思うことではなく、言いたいことを記事にまとめるべきだ。マーケティングは化粧だが、素顔が可愛いことが前提である。うわべだけ綺麗にまとめたいなら、話は別だが…。


この記事は、SEO Bookに掲載された「SEO Discussions That Need to Die」を翻訳した内容です。


No.10はご愛嬌ですが、SEOに詳しければ詳しい程、筆者の知識レベルの高さはもちろん、文章の面白みが味わえる記事でした。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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