シリコンバレー伝説の投資家ロン・コンウェイの秘密

公開日:2012/07/11

最終更新日:2024/03/01

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最近定期的にアンドリーセン・ホロウィッツの記事を紹介しているSEO Japan、アンドリーセン・ホロウィッツが最近米国No.1といわれる投資実績を誇るVCであることは繰り返し書いていますが、個人レベルで考えた場合、シリコンバレーで最も有名なエンジェル投資家といわれる一人がロン・コンウェイです。様々な伝説と噂に満ちた彼ですが、実はアンドリーセン・ホロウィッツにも投資をしているということで、今回アンドリーセン・ホロウィッツの創業者自らがロン・コンウェイについて語ってくれた記事を紹介します。シリコンバレーで最も成功しているエンジェル投資家の考え方・行動規範という意味で日本の方にも参考になる点が多いのでは。 — SEO Japan

If you slipping in Hollywood and you get your chain snatched
I know some n*&%!@ that owe some n*&%!@
I’ll get your chain back
—The Game, Cali Sunshine

誰に会う必要があるのかな?きっと私は知っているよ。
—ロン・コンウェイ

ロン・コンウェイが世界のトップテクノロジー企業に多大な投資をしてきたことはほぼ誰もが知っていることだが、起業家は何故ロンが良い投資家なのかとよく尋ねる。私がベンチャーキャピタリストと話す時、彼らはロンが重要であることは知っているがその理由を分かっている人はめったにいない。Gary Rivlinは、ロンに関する本を書いているが、ロンがしていることを全く理解していない(だからこの本は最悪で読む価値がないのだ)。起業家として話すと、もしも私が今日から会社を始めて一人だけ投資家を持つことができるとしたら、それはロン・コンウェイだ。この記事では、その理由を説明する。

その前に、いくつか重要な発表をする必要がある。ロンはアンドリーセン・ホロウィッツに投資している。私は、ロンの新しい基金に投資している。ロンは私の好きなチャリティ(Via Rehabilitation Services)に大きな寄付をした。私はロンの好きなチャリティ(UCSF Medical)に大きな寄付をした。ロンの息子のロニーは、アンドリーセン・ホロウィッツに勤めている。ロンは、Loudcloud/Opsware (私が創設した会社)の投資家だった。ロンとアンドリーセン・ホロウィッツは、多くの企業に共同投資してきたし、さらに多くの会社に共同投資することを計画している。

ちょっと話がそれたので、本題に戻るとしよう。人々はロンを誤解していることが多い。なぜなら、彼が他のエンジェルやベンチャーキャピタリストと違うからだ。彼をReid HoffmanやRoelof Bothaと比べることは、リンゴとバスケットボールを比べるようなものだ。

ロンのネットワーク

ロンはネットワークの管理者だ。ロンのネットワークでは、ノードは重要なビジネス関係者で、ロンはその呼びかけを統制しルートを決める。そのネットワーク上で呼びかけをするには、あなたは重要な要件を満たさなければならない:

  1. ロンと関係を持っていなければならない。“関係”とは“会ったことがある”や“知っている”とは違うと言っておこう。この違いは後で説明する。
  2. 呼びかけがあるときには答えなければならない。 ロンは、呼びかけがあった場合には全てのノードが参加することを要求することで、彼のネットワークの非常に高い信頼性を確保する。
  3. ロンと良い状態でなければならない。ロンからの投資を受けることは、関係を確立して、テクノロジーにおける最も重要なビジネスネットワークで呼びかけをする資格を得る最もシンプルな方法だ。

ではこれはどのように機能するのか?ある日、友人のDavid Weidenと私は、これについて議論していた。そして、彼がロンのネットワークの価値を完璧に説明する素晴らしいストーリーを教えてくれた:

エンジェルとVC投資家に関する私の見解は、ドットコム崩壊の後にTellmeと呼ばれるスタートアップで収益を得ようとして第一線にいた私自身の起業家としての経験によって形作られている。

特に記憶に残っているのは、ある晩の11時、私が財務部長のアルフレッド・リン(現ZapposのCOO)と一緒にオフィスにいた時のことだ。

私たちは、アメリカの大手通信業者との最大の契約のチャンスを失ったばかりで、途方にくれていた。普通なら、“失うこと”が私たちの心を乱すことはなかった。“失うことは勝つことに向かっている道筋の1つのステップにすぎない”というのが私たちのモットーだったのだ。しかし、この時は、顧客がその週の後半に競合相手との長期的な契約にサインすることになっていたため、私たちは本当にピンチに立っていた。すでに部署の責任者には働きかけていて、CEOか会長に話を持ち上げるしかなかった。すでにVC契約は底をついていた。アルフレッドが冷やかに指摘するように、もしこの顧客を失えば、固定費を上回る収益を一定期間内に得ることができる可能性はなかった。私は、自分たちのエンジェル投資家はどうなのかアルフレッドに尋ね、彼らを調べたが、誰もこれを成功させることが出来そうもないように思えた。

“それなら、他に投資家がいるよ。ロン・コンウェイだ。”と、アルフレッドは言った。私は当時ロンを知らなかったし、彼の投資はかなり少なかった。しかし、そこに手を伸ばすことで私たちが失うものはなかった。午後11時過ぎ、私はロンにこんな内容のメールを書いた:“こんにちは。あなたは私のことを知らないですが、私はあなたが投資している会社の幹部で、今週中にこのFortuneトップ 50企業のCEOに直接会う必要があります。もしできないのであれば、それは構いません。でも、私たちは倒れることになるかもしれません。ごめんなさい。”ロンは2分後に返信をしてきて、ロンの特徴的なEメールスタイル(迅速で短く全て大文字)で、“AM ON IT(やるよ)”と言った。次の日の朝、ロンはそれをやった。Tellmeは、9ケタの契約をもたらす8ケタの契約を勝ち取ることになった。それは、夜中11時の会ったこともない人からの必死のメールから出たお金としてはものすごい額だ。

Tellmeはその後およそ8億ドルでMicrosoftに買収された。スタートアップを築くことに関する私の見方は、それは不可能とほぼ不可能の間のどこかにあるため、獲得できる助けは全て欲しいというものだ。TellmeのVC(The Barksdale Group、Benchmark、Kleiner Perkins)もとても助けになったし、カスタマー・コネクションの支援を含め、彼らなしではTellmeが成功することはなかったと思っている。しかし、私の個人的意見では、ロンなしで私たちがそれを成し遂げられたかどうかは分からない。

ロンがユニークな理由

ロンの価値を理解した今、良い質問はなぜもっと多くの人がロンのようなネットワークを管理しないのかということだ。なぜロンはユニークなのか?私の見解では、ロンのビジネスには4つの重要な構成要素がある:

  1. バカがつくほど仕事熱心 – ロンは起きている時は常に仕事をしている。パーティーにいても、スーパーボウルを観戦していても。ロンは常に仕事モードで、そのネットワークは常にオンの状態だ。
  2. 純粋な動機 – ロンは、人々がビジネスに成功するように手助けすることが好きだから、自分のやっていることをやる。彼は、自分が稼いだお金の大部分をチャリティに寄付するため、強欲が彼のビジョンや使命を曇らせることは決してない。実際、投資の目的は彼の本来の目的とは別のところにある。
  3. 超人的な度胸 – 彼は人を恐れず、絶対に電話を恐れない。あなたがロンに助けを求める時には、彼がコネクションをウォームアップするのに1週間待つ必要はない。ロンのネットワークは常にオンなのだ。
  4. ビジネスをする手段 – これはロンの成功における暗黙の秘訣だ。彼はありきたりの意味で性急に判断を下すことはないが、関係の中で相応しい行動をするということになると非常に先入観を持って行動をする。もしあなたがこの点においてロンの基準以下の行動をすれば、あなたは参加することを許されないだろう。その結果として、ロンのソーシャルネットワークは、ビジネスを行うための最高の場所だ。誰もが礼儀正しく、適時で、率直だ。ロンは不和を取り除き、自分のビジネスパートナーが重要なことに焦点を合わせることができるようにしているのだ。

今度誰かがあなたに、“なぜ私はロン・コンウェイから投資を得ることにチャレンジすべきなのか?”と聞かれたら、“シリコンバレーに滑り込んで、契約をひったくられるなら・・・”と知らせよう。


この記事は、ben’s blogに掲載された「Ron Conway Explained」を翻訳した内容です。

投資家であれ起業家であれビジネスパースンであれ、記事に書かれているようなネットワークなり行動規範を持っている人は多いと思うのですが、多分それが限りなく常人の想像を超えて徹底的に徹底しているのでしょうね。ここまでストイックな生き方をする自信も気持ちも私にはありませんが 汗、方向性やエッセンスは適度に参考にしたいとは思います。後は投資家に関わらず何かの分野において圧倒的な成績を収めている人は考え方にしても行動にしても彼に通じる部分が多くあるんだろうな、、とも感じる記事でした。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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