急成長するリターゲティング市場に関する最新調査

最終更新日:2024/02/16

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この数年で日本でもすっかりお馴染みとなったリターゲティング広告。リターゲティング市場でも日本を先行してきた米国の最新状況をレビューした記事を今回は紹介します。 — SEO Japan

Chango SOTI 1 New Data: Retargeting Industry Facing New Challenges as Growth Continues

リターゲティングは、成長を続けているが、新たな難問に直面しつつある。これは最新のChango/Digidayによる調査によって得られた見解だ。この調査では、400名のメディアバイヤー、エージェンシーの重役、そして、ブランドの重役に対して、どのようにリターゲティングを利用し、どのように成果を計測したのか尋ねている

この業界の関係者にとって幸いだったのは、リターゲティングの予算が増え続けており、オンライン広告の支出の大部分を占めるようになりつつある点である。

また、この調査は、ブランドの49%、および、エージェンシーの68%が、ディスプレイからリターゲティングに予算を移し始めている点も明らかにしている — リターゲティングの大半が今も尚ディスプレイ広告をベースにしている点を考慮すると、当然の結果だと言えるだろう。 エージェンシーの10%とブランドの9%は、リターゲティング専用の予算を用意しており、リターゲティングが、マイナーからメジャーな存在へと脱皮しつつあると言える。

大半のブランドとエージェンシーは、サイトリターゲティング(88%)と検索リターゲティング(65%)を実施している。しかし、クリエイティブリターゲティングを実施しているのは、エージェンシーの33%とブランドの22%のみである。因みに、利用しているツールとしてEメールリターゲティングを挙げたのは、回答者の25%のみであった。

Chango SOTI 4 New Data: Retargeting Industry Facing New Challenges as Growth Continues

リターゲティングが成長を続ける理由について、様々な説明が出来るものの、単純に、リターゲティング業界が、成果の計測を改善させている点を挙げることも可能である。リターゲティングが生まれて間もない頃は、クリックスルーに依存していた — この計測基準は信頼できないこともある — しかし、現在、回答者の57%は、クリックスルーとビュースルーのアトリビューションを組み合わせて利用していると明らかにしていた。ビュースルーはクリックしたかどうかに関わらず、オンライン広告を見た後コンバートしたユーザーの人数を計測する。

リターゲティングが、最先端のテクノロジーに根差していることを考慮すると、目的に関して、保守派による利用が進んでいる状況を示唆する調査結果は、意外な気がする。事実、大半のブランドやエージェンシーは、新たな顧客の獲得、ブランドアウェアネスの構築、または、直接的な収益の獲得のみに利用している。

しかし、大胆な行動を取っている会社も存在する。ブランドの11%、そして、エージェンシーの7%は、競合者の顧客を獲得するためにリターゲティングを利用していると答えていた。

この調査の総括として、日産のインタラクティブ & ソーシャルメディアマーケティングを統括するエリック・マークス氏は、日産が有料征服戦略を追求する決断を下した理由を明らかにしている。

「コストが嵩むことは間違いない。リターゲティングのメッセージを送ると、邪魔になってしまいがちだが、これは試行錯誤の取り組みの一環だ。我々はトライすることを望んでいる。現時点では、この試みを行っている企業は少ない。そして、現時点では、リターゲティングの効果を我々は信じている」とマークス氏は述べている。

征服戦略の他にもリスキーな取り組みは存在する。最もリスクが高く、そして、最も刺激的で、最も今後のポテンシャルが高い取り組みは、モバイルで発生している。回答者の8%は、モバイルリターゲティングで目標を達成することに「大いに成功している」と答えていた。 29%は「成功している」、そして、45%は「ある程度成功している」と答えている。

リターゲティング業界は、モバイルに信頼のおけるクッキーが欠けている短所を回避する方法を探しており、今後もモバイルリターゲティングは、難問としてマーケッターの前に立ちはだかるはずだ。しかし、面白いことに、FacebookのFBXやTwitterのTailored Audiences等、ソーシャルメディアのアドエクスチェンジ経由のリターゲティングは、この短所のソリューションとして台頭している(特定のプラットフォームにログインしている限り、デバイスに関わらず、ユーザーに狙いを定めることが可能)。

「今まで以上に有料ソーシャルキャンペーンを実行する方法が増えつつあるため、モバイルリターゲティングの重要性は高まってきている」とThe Media Kitchenのバリー・ローウェンタール氏は指摘している。

2012年の9月にローンチされたばかりにも関わらず、バイヤーの67%が現在FacebookのFBX エクスチェンジをリターゲティングに利用している点は、注目に値すると言える。一方、FBXのデビューの1年後に登場したTwitterのTailored Audiences エクスチェンジは、巻き返しを図ろうとしている。それでも、バイヤーの38%がTwitterのエクスチェンジを既に試したと明かしている。

Chango SOTI 5 New Data: Retargeting Industry Facing New Challenges as Growth Continues

今後、恐らく、ソーシャルエクスチェンジにおけるモバイルリターゲティングの信頼性を脅かすテクノロジーが台頭することになるだろう。今回紹介したChango/Digidayの調査は、エクスチェンジが、そして、この業界全体が、今も成長段階にある示唆している。


この記事は、Convince & Convertに掲載された「New Data: Retargeting Industry Facing New Challenges as Growth Continues」を翻訳した内容です。

リターゲティング広告の専門家ではない私ですが、日常的に各事業でリターゲティング広告を活用しその効果も感じています。市場が成長している米国の動向には納得ですが、大企業やブランドによる利用が思った以上に進んでいるようですが、さて日本は今後どのように利用が進んでいくのでしょうか。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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