次世代SEOの行く末 – アルゴリズム中心のアプローチは死ぬか?

公開日:2012/12/13

最終更新日:2024/02/18

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パンダにペンギン、大量アラート警告に他諸々の度重なるアルゴリズム改良、、、2012年はGoogleが過去5年?以上の歴史で初めてSEOスパム撲滅に本格的に取り組んだ1年といえるかもしれません。これまでのSEO戦略に大幅な方向転換を求められたウェブマスター、そしてSEO業者共々多かったと思いますが、さて2013年以降のSEOはどうなっていくのでしょうか?ご存じSEO Bookがそんな次世代SEOについて考えてみた記事をじっくりどうぞ。 — SEO Japan

ウェブマスターワールドに「Next Generation SEO」(次世代 SEO)と言う名前がつけられた面白いスレッドが立っている。このスレッドでは、パンダとペンギンがもたらす不安を感じている多くのウェブマスター達が、今後、どのようなアプローチがプラスの効果をもたらすのか考えを巡らせている。

SEOBookでは、強固なマーケティングベースの戦略の一環としてSEOを実施するアプローチを以前から提唱してきた。ただし、技術面 – つまりアルゴリズムの操作 – の効果がなくなったわけではない。事実、この効果は今も健在である。

それでは、双方のアプローチを確認し、どのように融合することが出来るのか調べてみよう。

SEOの原理

SEOの原理はシンプルである。検索エンジンのアルゴリズムが贔屓する要素を見つけて、その要素に力を入れる。見返りとして、上位にランク付けしてもらえるようになり、その結果、トラフィックが増える。

理論上は、検索エンジンおよびSEOのインセンティブは同じである。SEOは、検索エンジンが何を求めているのかを解明し、求めているものを検索エンジンに与えるのだ。

しかし、現実はそう甘くはない。

検索エンジンは、検索エンジンを作っている人達ほど賢くはない。操作されやすいのだ。グーグルの生みの親であるセルゲイ・ブリン氏は、数年前、「スパムは存在しない。アルゴリズムがひどいだけだ」と示唆したこともある。ウェブスパムチームが実在する事実こそ、アルゴリズムが今でも多くの助けを必要としている点を物語っている。

インセンティブに関して言えば、問題はアルゴリズムだけではない。検索エンジンは、検索結果の関連性で利益を得ているわけではなく、広告の関連性で利益を上げている。検索エンジンの力の均衡が取れていない状態では – 長い間、競合者はグーグルの独走を許している – 検索結果は「まあまあ」であればそれで許されてしまうのだ。検索エンジンは、本当にメインの検索結果で最も関連するコンテンツをユーザーに発見してもらいたのだろうか?ビジネスはそこまで単純ではない。だからこそ、アルゴリズムを操作することに標準を絞っていると苦戦することになる。

次に、検索エンジンは、SEOに使われる資金をPPCに使ってもらいたいと願っている点も重要なのだ。PPCを実施するよりもアルゴリズムを操作する方が遥かに安価なら、PPCをわざわざ実行する人はいなくなる。そのため、SEOは検索エンジンの広告ビジネスにとって脅威である。ウェブマスターにとっては、マーケティングのコストを減らすことがインセンティブである。そのため、検索エンジンにとっては、SEOのコストを上げることがインセンティブになるのだ。

アルゴリズムの操作

検索エンジンのアルゴリズムが、検索エンジンを運営する人達ほど賢くない点を踏まえ、検索エンジンは、アルゴリズムを調整する取り組みと不安を煽る行為を組み合わせて、SEOの効果に対抗している。最近、検索エンジンは双方の取り組みを活発させていることから、「積極的」なSEOは大きな問題と見られていると考えて問題ないだろう。

やはり、SEOは効果があるため、大きな問題と見なされているのだ。

何かがあまりにも大きな効果を上げるようになり、その方法があまりにも幅広く浸透してしまうと、通常、検索エンジンは介入し、ゲームをリセットする。このリセットにより、「簡単に達成可能な」- 安価に実行可能で、幅広く知られており、よって幅広く実施される手法が影響を受ける。

リンク構築を例にとって考えてみよう。リンクの本数が、ランキングに影響を与えることは周知の事実である。先日、グーグルはこの分野に着手し、調整を行って不安を煽ることで、リンクを購入する人達を追い払った。その結果、リンクを削除するためにウェブマスターが資金を投じなければならないと言う信じられない現象が起きている。グーグルの“ウェブの品質”チームが笑い転げている姿が容易に想像できる。その一方で、リンクを削除するための手数料を要求する、所謂家内工業のような商売が横行するようになってしまった。

ウェブマスターが削除しようとしているリンクの多くは、問題を引き起こしている。

ただし、リンクの購入は今でも効果がある。完全一致のアンカーや明らかな有料リンクネットワーク等、あからさまな“手っ取り早く目標を達成”する手法を避ける必要があるだけだ。SEOBookでは、リンクが原因でペナルティを受けたサイトと受けなかったサイトを比較してみたが、リンクグラフの違いは僅かだった。有料リンクは問題ではない。有料リンクのみを提供するのが問題なのだ。

また、コンテンツもSEOにとって重要な要素の一つであり、大量のコンテンツを持つことがネガティブに働く点を示す証拠は見当たらない。問題はコンテンツが掲載される場所である。 ドメインが強固なリンクの構造を持っているなら、コンテンツの重要性は落ちる。サイトに優れたリンクグラフが欠けているなら、魅力的なコンテンツを持つことの重要性は増す(すぐに戻るをクリックされる確率が減る)。

前に進む

アルゴリズム中心のアプローチの問題は、アルゴリズムが変更されると、アプローチも変更しなければいけない点である。アルゴリズムを追いかけることが好きな人達にとっては問題ない。しかし、そのために必要な時間と資金を持っていない人達、あるいは、大幅にアプローチを変える余裕がない人達にとっては最善の方法とは言えない。

「次世代 SEO」は、検索エンジンをしっかりと意識した上での事実上の「マーケティング」を意味する。これは以前と同じである。単純に一部の人達が焦点を見失い、トラフィックに執着しているだけである。

問題と機会を発見するために内在するビジネスに注目することが重要である。ビジターのニーズに焦点を絞り、高いコンバージョン率を確保することが重要である。要するに、ユーザビリティ、コンバージョン、そして、関連性を考慮して最適化を行う必要があるのだ。

トラフィック、ジュース、そして、認知のためにリンクを構築しよう。ネットワーク、とりわけソーシャルプラットフォームでのネットワーク作りに励むべきである。人が集まる場所に行く必要があるからだ。と言うことは、モバイルの利用の拡大にも注意するべきである。また、アマゾン等のバーティカルにも注目するべきである。事実、検索エンジンからユーザーが移動している、あるいは以前ほど使わなくなった点を示唆するデータが存在する。

つまり、SEOはクリックされた回数に応じて料金を支払うことなく、ペイパークリックのようなアプローチを採用することになるのだ。

ミックス & マッチ

と言っても、上述した取り組みを実行せよと呼びかけているわけではない。ページを配信して、リンクをページに向ける取り組みは今でも十分に効果がある。しかし、その他にも最適化することが可能な領域が存在する。ウェブを最適化する取り組みは、少なくとも、直接的なトラフィックを求めて、グーグルが頻繁に実施するアルゴリズムのアップデートを追うよりも楽しく、そして、有望である。

SEOは比較的新しい業界である。検索エンジンがトラフィックを運ぶルートである限り、SEOを行う人達は消えないだろう。SEOへの参入の障壁は高くなっており、難易度も、そして、コストも上がっている。その結果、競合者の数は少なくなるが、総合的なマーケティング戦略を採用しているSEO業者は今後も生き残るはずだ。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Next Generation SEO」を翻訳した内容です。

Googleの検索アルゴリズムに対してのみサイトの内部・外部環境を最適化していくアプローチはそろそろ限界に来ている、、、SEOの未来の話をすると常に出てくる話題ですが、実際そうなのでしょう。SEOに限らず、ディスプレイ&サーチマーケティングソーシャルメディアマーケティング、ユーザビリティ、LPO、コンバージョン最適化、諸々、ウェブマーケティングの各手法単体だけで勝負できる時代は既に過去のものになりつつあるのですけどね。

だからこそインバウンドマーケティング的な全てを融合させたシームレスなアプローチに注目が集まるのでしょうが、実践することの難易度はそれなりに高いのは事実ですし、単体レベルの手法でできることからやっていくというのもまた現実的な話かとは思います。

とはいえ、検索アルゴリズム対策のみを追求するSEOは逆にペナルティ等リスクが増えているのも事実ですし、それを機に、SEO+αでコンテンツマーケティング、ソーシャルメディア、LPOなど他分野と連動したウェブマーケティングにより本格的に取り組んでみるのもまた良い機会のではないでしょうか。 — SEO Japan [G+]

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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