絶好調のInstagram、設立者に聞く成功の秘密(インタビュー)

本日、Instagram2.0のリリースに合わせてSEO Japanでもインフォグラフィックを公開しましたが、続けてInstagramの設立者にその成功の秘密をインタビューした興味深い記事が入ってきましたので紹介します。 — SEO Japan

アプリの世界がいかに広くても、写真の共有アプリ、インスタグラムほどの成功を収めているアプリは数えるほどしかない。2010年10月に立ち上げられたインスタグラムは、わずか3ヵ月間で100万回ダウンロードされた実績を持つ。アップルのアップストアでしか入手することが出来ないにも関わらず、現在、900万人以上が登録しており、10万回以上ダウンロードされている。

アプリがあまりに素晴らしいと、間接的であれ、そのアプリが常に話題に上る。例えば、ザ・ネクスト・ウェブでは、インスタグラムのウェブベースの代用品に関するエントリを投稿し、PicPlzに対抗するアプリとしてインスタグラムを取り上げ、インスタグラムの優れたスクリーンセーバーに注目し、インスタグラムを早い段階で採用した10のブランドを調査し、インスタグラムを補う5つのアプリを発見し、そして、iOSのみで提供されているインスタグラムのアンドロイドの代用アプリを見つけている。

ザ・ネクスト・ウェブは、9月16日にロンドンで行われたフューチャー・オブ・モバイル・カンファレンス、そして、続いて行われたケビン・シストロム氏のキーノートスピーチに参加し、この写真の共有アプリに関する重要な情報を獲得した。

まずは、インスタグラムの過去に注目する価値がある。シストロム氏による説明は実に面白かった。

インスタグラムのストーリーから得られる教訓は多く、時には小さな – 細かいこと – が成功と失敗を左右することを物語っている。

「アプリを全ての人々に受け入れてもらえるレベルに成長させ、様々な社会に利用してもらえるにはどうすればいいのか?」と言う疑問は、インスタグラムを立ち上げる前に、設立者達が答えを出しておこうとした疑問であった。これは簡単な疑問ではなく、インスタグラムの前身まで遡る必要がある。誰でも始めのうちは失敗すると言われるが、インスタグラムにもこの点は当てはまる。

インスタグラムの前身: Burbn

インスタグラムが生まれる前、Burbnが存在した。このサービスは、簡単に言うとフォースクエアのHTML 5版のようなサービス – ユーザーが居場所、そして、写真等のその他のコンテンツを共有することが可能なソーシャルチェックインアプリであった。小規模なユーザベースではあったが、ユーザーからは割と好評であった。シストロム氏は、このアプリを「分かりにくく、差別化されておらず、そして遅かった」と表現している。そのため、完全にアイデアとして劣悪だったわけではないが、新しさをもたらしたわけでもなければ、多くの問題を解決したわけでもなかった。「私達はワクワクする分野に身を置いていたが、あまりにも大き過ぎた」とシストロム氏は述べている。「数名のユーザーが何度も使ってくれたが、その他のユーザーはすぐに去ってしまう状況であった」ようだ。

しかし、Burbnが何らかの役目を果たしたとしたら、それはテストベッドの役目であった – 意図的ではなかったが、大きな成功を収めることになるアプリの地ならしとなった。このテストにより「意外な行動」を特定し、シストロム氏が意図した使い方とは反対の使い方をユーザーがしていた点に注目したことが鍵を握っていたようだ。シストロム氏は、出会い系のマーケットを目指す動画ウェブサイトとしてスタートを切ったものの、ユーザーが猫の可愛い仕草を撮影した動画をアップロードするようになり、すぐに方向転換したユーチューブになぞって説明していた。

シストロム氏と仲間達は、「Burbnのコアの機能を維持したら、どうなるのか?」と自らに問いかけた。写真を共有するためにBurbpnが利用されることが多かった。そのため、写真共有機能を持つロケーションベースのアプリであったBurbnは方向を転換し、優れたロケーションベースの機能を搭載する写真共有アプリに姿を変えることになった。つまり、何もかも投げ捨てるのではなく、スポットライトの位置を変え、写真とは関係のない多くの機能を捨てる決断を下したのだ。

方向転換: 解決策ではなく問題に焦点を絞る

シストロム氏は「アップストアの90%はソリューションベースのアプリ」だと述べている。「しかし、実際に問題を解決しているのだろうか?」これは良い質問だが、この懸念こそがインスタグラムの土台を構成する要素であった。「ソリューションではなく、問題に焦点を絞る」は、Burbnが踵を返し、インスタグラムへと転身する際の方針であった。

「Burbnでは、私達はソリューションから始め、Uターンした。」とシストロム氏は話していた。しかし、「これは誤りであり、問題から始め、そこから前に進まなければならない」ようだ。

ここが重要なポイントだ。ソリューションベースのアプローチで立派な機能を持つ製品を手掛けるのではなく、実際に何を解決するのかを究明する必要がある。何も解決しないなら、誰も使わないだろう。そのため、インスタグラムのチームは「写真において人々が持つ最大の問題な何か?」と自らに問いかけたのだった。そこで、インスタグラムは、問題をリストアップし、そこから解決するにはどうすればいいのか考える作業を始めた。

しかし、彼らは他のアプリが自分達が向かおうとしている場所に辿りついている点は十分承知していた。「私達が一番恐れたのは、他の写真アプリの歴史に注目したときだ。」とシストロム氏は述べ、「私達は、例えば、資金を獲得したものの、結局失敗に終わったレイダー等の他のアプリの状況を把握した。しかし、失敗したアプリに注目しないわけにはいかない。また、誰かがしたことと同じことをするのではなく、新しいことをしなければいけない」と続けた。

それでは、インスタグラムが解決に乗り出した問題とは何だったのだろうか?どうやら大きな問題が3つあったようだ。

美しさ…

ケビン・シストロム氏は、当時、携帯電話の写真は通常質が低いことに気づいていた。「劣悪だった。」とシストロム氏は述べている。「そこで、“この問題をどうすれば解決することが出来るのか”を問うた」ようだ。また、アップストアのトレンドに注目し、その他の人気の高いアプリの重要な機能を確認した。フィルターは人気が高かったものの、インスタグラムのチームは、既存のアプリは価格が高く、格好悪いと感じたようだ。

スピード…

写真の美しさに加え、インスタグラムのチームはスピードに焦点を絞ろうとした – 写真を早くアップロードするだけでなく、写真を撮影した後にフィルターをすぐに加えることが出来るようにした。

当時の通常の写真共有アプリは、シストロム氏曰く、アップロード/ダウンロードのスピードがとてつもなく遅かったようだ。そして、インスタグラムはこの問題に対するとても単純な解決策を見出した。「アプリの開発者は、単純な解決策が必要な場合でも複雑な解決策を求める傾向がある。」とシストロム氏は話している。「アップロードのスピードを上げるにはどうすればいいのだろうか?」そこで、インスタグラムは基本的にiPhone 4に合わせてアプリを最適化したようだ。

iPhone 4の最大解像度は612 x 612ピクセルであり、インスタグラムはこのデバイスを考慮して開発された。つまり、巨大なファイルは必要なかった。シンプルにすることにこだわり、それでいて、ユーザーが必要としている十分な質を提供した。また、シストロム氏は遅さを“隠す”ことに成功した仕組みにも触れていた。この点は極めて重要である。つまり、インスタグラムは、タグ付けを始める前に、アップロードをすぐに始めることで、遅延時間を隠しているのだ。ユーザーがアップロードする準備が整うまでに、既に水面下でアップロードが行われる。「高度な技術ではない」とシストロム氏は述べている。「常識であり、単純なことであり、細かいことが重要」なのだ。

配信

インスタグラムのチームが特定した3つ目の問題は配信であった。シストロム氏はこの問題を「この写真を共有するためにどのアプリを使えばいいのか」問題と呼んでいた。非常に多くのアプリやプラットフォームが写真共有機能を用意しているが、ユーザーは共有するネットワークを一つしか選べなかった。そのため、インスタグラムはアプリ内で複数のプラットフォームで写真を共有することが出来ない問題の解決に乗り出した。これは過小評価するべきではない問題であった。事実、「人々は配信に最大の価値を見出している」とシストロム氏は述べている。インスタグラムは価値を揺るぎないものにし、選択性を維持することに成功した。このソリューションは口コミの形成に貢献した。

現在、インスタグラムのウェブサイトには400万人のユーザーが訪問している。「適切なウェブサイトを早く公開したい。400万人のビジターは最高の何かに姿を変えるだろう。」とシストロム氏は期待を寄せている。

大半のデジタルサービスは、成功の秘訣に触れると、必ずタイミング運の要素を挙げる。インスタグラムにおいては、iPhone 4のカメラが同社の成功において大きな役割を果たした。質に関して本当の意味でステップアップを実現し、インスタグラムにとっては利用する絶好のタイミングであった。.

結果: 「何をしないかが、製品を決める」

この3つの問題を特定することで、インスタグラムは、本当に重要なポイントに焦点を絞ることが出来た。不要なお飾りを捨て、ユーザーが本当に臨むコアに集中した。インスタグラムが3つの問題のうち一つでも解決することに失敗していたら、このアプリは不発に終わっていただろう。「何をするか重要なのではなく、何をしないかが、製品を決める」とシストロム氏は強調していた。

このポイントにおいても、以前の製品がどのようにして問題を解決することに失敗したのかを把握し、同じ過ちを犯さないために、インスタグラムは何をすることが出来るのかと言うポイントに絞り、過去の製品に注目する必要があった。その結果、インスタグラムのチームは、自分達が取り組む製品が良い製品だと言うことに自信を持てるようになった。

製品の立ち上げ: 立ち上げ前、マーケティング、そして、厚かましい行動

問題だらけの写真共有アプリと競争する上で、インスタグラムが成功を勝ち得るために残された最後の障害は、インスタグラムに注目してもらうことであった。100名のベータ招待制から始め、デザイナー、クリエイティブな人達、そして、ツイッターのジャック・ドーシー氏等のインフルエンサーを招待した。新しい製品を宣伝する試みを行う際、シストロム氏は、有名なインフルエンサーにターゲットを絞ったとしても、製品を気に入ってもらえなかったら失敗に終わると言う重要な点を心得ていた。「私達はドーシー氏にBurbnを紹介した。ドーシー氏は1日Burbnを使っただけであった。」とシストロム氏は述べ、「インスタグラムに関しては、ドーシー氏は毎日使っていた」と続けた。

インスタグラムは、今年明けに複数の投資機関から合計約700万ドルの資金を確保していたが、そのうちの一人は当初からこのアプリのファンになっていた節がうかがえるジャック・ドーシー氏であった。インスタグラムは資金を土台につぎ込み、問題を解決しようとする姿勢が最終的に“ベータ愛好家達”の目に留まったのであった。

インスタグラムは、PR企業に任せるのではなく、自らプレスに直接連絡を取ったようだ。シストロム氏はこの取り組みは非常にうまくいったと述べていた。情熱的なクリエイターが自らが良質な製品を売り込み、その結果、ローンチに向けて、ポジティブな報道を数多くしてもらえたのだった。「私達は製品を気に入ってくれそうな人達に厚かましくも大胆に連絡を取った」とケビン氏は話していた。「しかし、この厚かましい行為が実を結んだ。ニューヨークタイムズ等のメディアに連絡を取る意味はなく、時間の無駄だと言われたこともあった。しかし、ニューヨークタイムズから連絡があっただけでなく、記者を私達のもとに派遣してもらえた」とシストロム氏は明かしていた。

2010年10月のローンチ当日、報道がほぼ同時期に一斉に行われ、サーバーに大きな負担がかかった。「インスタグラムの@リプライは勇気が湧くものではなかった」とシストロム氏は当時を振り返っていた。自分のしていることを分かっているのか人々は疑問視しており、大きなチャンスをふいにしてしまったのではないかと考えたようだ。

単一の小さなサーバーは、熱心なアーリーアダプターの顧客ベースに必死に対処し、シストロム氏も「無事にこうして話をすることが出来ている」と述べたようにこのピンチを乗り切った。

ワンプラットフォームのアプローチ

インスタグラムに対する不満の中で最も大きな不満は、一つのプラットフォームでしか提供されていない点である。つまり、アップルのデバイスを持っていない人は、インスタグラムがいかに素晴らしいかに関して他の人達が話しているのを聞くしかない。それでは、なぜインスタグラムはアンドロイドや他のプラットフォームでリリースされていないのだろうか?「2つのプラットフォームで初日からアプリを提供する理由はない」とシストロム氏は述べている。つまり「まずはうまくいくかどうかを把握しなければならない」のだ

一つのプラットフォームで最高のアプリを作る点に集中することで、うまく動作させる取り組みに注目し、調整を行い、ユーザーからのフィードバックに応じ、そして、市場をテストすることが出来たのだろう。また、一つのプラットフォームのみで存在することで、チームをコンパクトに保つことが可能になり、その他の方法でアプリを成長させる点に意識するようになった。例えば、インスタグラムは、世界で人気が高まっている点に気づくと、早い段階で外国の言葉に翻訳する決断を下していた。

ザ・ネクスト・ウェブがケビン・シストロム氏に直撃インタビューを敢行

ザ・ネクスト・ウェブは金曜日にロンドンで行われたザ・フューチャー・オブ・モバイル・カンファレンスでケビン・シストロム氏に接触した。私達は、なぜ初めにコミュニティマネージャーを採用したのか、700万ドルの投資を何に使っているのか、インスタグラムと他のスタートアップの違いは何か、iOS 5のリリースに合わせてどんな機能を用意しているのか、そして、誰もが知りたいであろう「いつインスタグラムはアンドロイドにやって来るのか?」と言う疑問を同氏に投げかけた。

ソース: イメージ

ライター紹介

ポール・サワーズはザ・ネクストウェブの英国在住のエディターである。ツイッターなら@TGW_Paulで、eメールならpaul(at)thenextweb.comで、もしくは個人のブログ ザ・グッド・ワードで連絡を取ることが可能だ。


この記事は、The Next Webに掲載された「Kevin Systrom on Instagram’s meteoric rise…and when IS it coming to Android? [Interview]」を翻訳した内容です。

一度、別のサービスで失敗した後に立ち上げたものだったんですね。しかし前のサービスと比較して見事な転換を遂げて成功に導いた洞察力と決断力、行動力はスゴイです。「アップストアの90%はソリューションベースのアプリだそうだが、実際に問題を解決しているアプリはどれ位あるのか?」という問いかけはアプリ運営者なら一度は自問自答してみたいですね。「何をしないかが、製品を決める」という発言もまさに名言クラス。最後のインタビュー、動画になっていますが、Instagramのアンドロイド版はいつ出るのか?という質問に対してはプランはあるが、いつリリースできるかはまだわからない、ということでした。 — SEO Japan
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