Google Mapsの訴訟を担当する弁護士は何といった?

最終更新日:2024/03/15

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前回紹介したGoogle Mapsの道順を頼りに歩いていったら事故にあったのでGoogleを訴えた人がいた、という話を紹介しましたが、今回、担当弁護士がなんとサーチエンジンランドの単独インタビューに答えてくれました。 — SEO Japan

誤ったルートに導かれた結果、ハイウェイで車にひかれたの責任の一部はグーグルにあるとして、ある女性が訴訟を起こした。私はこの件を担当する弁護士に話を聞くことに成功した。この弁護士は、この訴訟がここまで大きな注目を集めるとは思ってもみなかったと述べ、責任の一部をグーグルに課す根拠を少し説明してくれた。

前回の記事、Google Mapsで交通事故に遭った女性がGoogleを訴えた件で、私はローゼンバーグ原告がユタ州パークシティーの2つの地点の間を歩いている際に車にひかれた経緯を説明している。ブラックベリーを介して、原告はグーグル・マップ、および、同サービスの「ウォーキング・ディレクションズ」機能を使い、ルートを作成した。このルートは原告を州道224号線、別名、「ディアーバレードライブ」と呼ばれるハイウェイに導き、ローゼンバーグ原告はこのハイウェイで自動車にひかれたのだ。

ローゼンバーグ氏を担当するヤング、ケスター & ペトロ法律事務所のヤング弁護士に私は、この記事を読んでいる人の多くが疑問に感じたであろう大事な疑問を投げかけた。原告は、この道路を歩き始めた際に歩行者にとって危険である点に気付かなかったのだろうか?

「朝の6時でした。当時はあまり混雑していなかったのです。ローゼンバーグさんは反対側には歩道があると考えたのです」とヤング弁護士は述べた。

しかし、実際には、ローゼンバーグ原告は反対側に辿りつかなかった。メインストリートの終点からディアーバレードライブ/州道224号線の反対側に向かおうとして横断している最中に自動車にはねられたのだ。グーグル・マップに掲載されている問題の交差点の写真がこれだ:

「ローゼンバーグさんは、一度も訪れたことのない場所にいました。辺り一面は漆黒の闇で、街灯は全くありません。そこで彼女はグーグルに頼り、道を渡り、歩道に降りようとしたのです」とヤング弁護士は話した。

「皮肉にもローゼンバーグ原告は渡るように指示されていなかったら、原告は自動車と逆行するものの、道路から離れた土の道を歩き続けていたでしょう。」とヤング弁護士は続けた。これがグーグルに責任の一部を負うよう求める理由の1つである。

「グーグルはこの道の角の写真を用意していました。この写真を見ていたら、分かっていたはずです」とヤング弁護士。

ヤング弁護士が話していた写真とは、上に掲載したような「ストリートビュー」のストーリートレベルの写真である。当然ながら、グーグルは実際にストリートビューの写真を見て、「歩く」ルートの安全性を確かめているわけではない。そうではなく、私の知る限り、グーグルは、既知の歩道やその他のデータを基に推測を行うアルゴリズムを利用している。2008年7月にグーグルがこのサービスの告知を行う際に、記述しているように:

ウォーキングディレクションズ(歩行者用のルート)は、新しい機能であり、個人的にはとてもワクワクしていますが、まだ粗削りであり、「ベータ」でリリースせざるをえません。ウォーキングディレクションズは、都会での短距離の移動には役に立ちますが、道路に歩道があるのか、もしくは交通量の多い道路を渡るための歩道橋が設けられているのかどうかを常に把握しているわけではありません。私たちが知らない歩行者用の道路はまだまだたくさん存在し、見つけることが出来れば皆さんの命を救う可能性があります。私たちはこの機能を徐々に改善し、出来るだけ効率よく皆さんを目的地に案内することが出来るように、歩道の新しいデータを収集し、フィードバックを効果的に促す方法を考えています。

…. 気をつけて下さい。そして、交通量の多いエリアでは特に細心の注意を払って下さい。自動車を運転しているときのように、交通標識や信号に従い、歩行に向かない道路を的確に判断して下さい(歩行者用の安全に関するアドバイスを提供している便利なウェブサイトがたくさんあります)。

それでもなお、グーグルはサービスを実際に提供している。先日説明したように、不名誉な誤ったルートを紹介してしまうくらいなら、もしくはまさに現実になっているように訴訟に発展するようなら、いっそのこと、明らかに誤っている可能性がある歩行用のルートを提供するべきではない。

「私たちはそのルートを見ており、彼ら(グーグル)がユーザーに目的地を告げるなら、そこに行くべきではない点を警告する責任があるのです」とヤング弁護士は考えている。

グーグルは現在歩行ルートが「ベータ」であり、以下のように警告している:

注意してください – このルートには歩道もしくは縁道がない可能性があります。

しかし、これは通常のウェブサイトを利用している人によって生成された情報である。グーグル・マップのモバイルバージョンを利用している場合、このような警告は表示されない。私は金曜日にiPhoneで試してみたが、やはり警告は表示されなかった。また、ヤング弁護士は、2009年1月19日に車にぶつけられた際にブラックベリーで警告を受けなかったと主張している。さらに、当時グーグルは通常のウェブサイトでも警告を提示していなかったようだ。

グーグルが明らかに遅ればせながら警告をグーグルに追加した理由や時期は把握していない。私はこの点およびその他の質問に対する答えをグーグルから待っている。

ヤング弁護士は、ユタ州では、部分的に責任を認めたとしても、陪審員は原告に不利な見方をする可能性があると話した。そのため、ヤング弁護士曰く、例えば、グーグルには事故に対してたった5%の責任しか認められないと判断する可能性があるそうだ。こうなると、ローゼンバーグ原告が勝った場合、グーグルには賠償の5%のを支払う責任が発生する。原告は最低$10万ドルの損害賠償を求めている。

さて、今回の訴訟において、常識は重要視されるのだろうか?当該の交差点には、ヤング弁護士も認めているように、横断歩道がない。しかし、ローゼンバーグ原告自身には、安全に歩く場所または渡る場所を判断する責任はないのだろうか?

「私は、陪審員は、原告を自動車でひいたドライバーの過失、そして、グーグル自体の過失に加え、原告の過失を問うだろうと伝えてきました。」と弁護士。

この訴訟自体に対して、ヤング弁護士は、多くの関心を集め、また様々なメディアに取り上げられたことに驚きを隠せないと話していた。

「私はグーグルとほとんど話をしていません。告訴したばかりです。今後、この訴訟がどのような論争を引き起こすのか私にはさっぱり分かりません」とヤング弁護士は困惑気味だ。

また、同弁護士は、ユタ州のソルトレイクシティーのスノー、クリステンセン & マーティノー弁護士事務所で明日の9時にプレス向けの声名を発表することになっている。この弁護士事務所はこの訴訟とは関係ない。ただ単にこの事務所の会議室を利用するだけだ。

追記: グーグルのPR部門からeメールが届いた。その内容は以下の通りだ:

私たちはサービス開始以来、警告文を提示しています。デスクトップでは2008年の7月から、モバイルでは2008年の11月から提供しています。スクリーンの大きさにより、モバイル版のベータでは、警告が短縮されますが、「ウォーキング・ディレクションズ(ベータ):注意して利用して下さい」と言う警告は読めるはずであり、通常はルートのリストの最初の手順で表示されます。

グーグルから届いたスクリーンショットによると、ブラックベリーのユーザーには以下のように警告が表示される:

これこそがiPhoneでチェックした際に私がルートを見逃した理由である。私は地図上のルートの隣に警告を表示してもらえるとばかり思っていたのだ。しかし、実際にはルートを案内するテキストをクリックすると表示される仕組みなっている。

グーグルは、この類の訴訟はいまだかつて起きたことがないと述べている。今回の訴訟自体に関する感想として、以下のコメントが寄せられた:

私たちはまだ訴状を受け取っていないので、特定の実体に関するコメントは控えさせていただきます。しかし、一般的に、私たちはユーザーに注意して利用し、判断をしてもらうためにベータの警告を掲載しています – また、デスクトップではルートの下には、計画するためにだけ利用して欲しい旨を追加の注記として記載しています(例えば、赤信号では止まって下さい、または、カープールのみのレーンでは運転しないで下さいと指示しているわけではありません)。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Attorney In Google Maps Lawsuit: It Was Dark; She Thought Google Was Leading Her To Sidewalk」を翻訳した内容です。

This article on Features: Analysis first appeared on Search Engine Land.
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弁護士がインタビューに答えてくれたのは良かったですが、内容はいかにもアメリカ的な。。感じですね。Googleはこういうことも想定して?ベータ版であり注意して使うべき、と常に表示していたのでしょうが、それでもGoogleが悪い!という人と弁護士事務所はいるようです。これでGoogleが敗訴したり途中で和解してお金払った日には・・・多分ないと思うというかそうあってほしいですけど。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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