2015年、Googleに死角なし

2015年も始まりましたが、今年もGoogleはその圧倒的な存在を検索や広告市場はもちろんそれ以外の分野でも示し拡大していけるのでしょうか?ネイティブ広告の台頭でGoogleのシェアが弱まるという話もあったりします。今回はGoogle評論家といえばこの人、SEO Bookによる大変興味深い分析記事を紹介します。Googleの進む道を理解せずしてSEOのみならず、ウェブマーケティングにも勝利なし。 — SEO Japan

Googleは検索業界で頂点に立っている。しかし、検索以外の分野においては無能なのだろうか?

数週間前、テクノロジー戦略の専門家のエン・トンプソンがGoogleはピーク時のIBMとMicrosoftと同じ道を歩み、恐らく、検索広告はネイティブ広告に圧倒されるのではないかと示唆していた。

Forresterによると、デジタル広告の支出は、2、3年後にTV広告の支出を上回るようだ。確かに、ここ最近スポンサードコンテンツの台頭は目立つものの、ネイティブ広告にはカテゴリーすら与えられていないのが現状だ。

ネイティブ広告は曖昧であり、広告かどうか分からないアイテムもある。明らかな広告もあるが、その場合でもYouTubeの動画広告等、複数のカテゴリーにまたがる場合もある。 また、比較的新しく、規模が小さ過ぎるタイプのネイティブ広告もある。Amazonは支払いサービス & プライム配送契約を第三者の企業のサイト(AllSaints等)にも拡大し、このようなサイトの在庫をAmazon.comに表示し、CPCベースでトラフィックを売っている。この取り組みはネイティブ広告に含まれるのだろうか?また、在庫をメタ検索サイトに同時配信するチケットの仲介業者やホテル予約サイトもネイティブ広告に含まれる可能性がある。

このように、ネイティブ広告には曖昧な部分が多い。また、Googleは既にDoubleClickでネイティブ広告の管理機能を提供し、BuzzFeed等のネイティブ広告で成功しているサイトと提携を結んでいる。

検索におけるペニーギャップがもたらす影響

Timeは来年全てのメジャーなメディアで有料制をテストし、第三者と協力して、People.com等のサイトにアフィリエイト広告を統合する。

因みに、上の文の2つ目のリンクは、ペイウォール(有料)記事に向かう。Twitterでウォールストリートジャーナルの記事に向かうリンクをクリックすると、有料の記事に到達することが多い。有料の記事に記載された重要な情報が瞬く間に広がることもあるが、通常は、有料記事の内容をレポートする、競合する無料サイトの方がシェアされることは多い。また、無料サイトの記事は、ソーシャルメディアでさらに拡散され、Hacker News等のフォーラムやディスカッションサイトで取り上げられ、TechMeme等のアグリゲータで注目を浴びる。その結果、より多くのリンクを獲得し、SERPで上位にランクインし、当該のストーリーのデフォルト/正規のソースになる。

コストの食い違いが生じることで、大幅に金銭的なコストを上回る点が、ペニーギャップの問題点の一つとして挙げられる。支払いに注目を集めることが出来るなら、至るところで少しづつユーザーに課金するよりも、ユーザーの行動を観察し、収益化する方が、通常、多くの収益を得られる。

有名なサイトは無料版を提供しなければ、マーケットのポジションを確保することは出来ない

様々なサイトに対する購読を盛り込むサイトも存在するが、その一部はHighbeam Researchのように、記事の一部のみを表示して、残りの記事を読む料金を請求していた。しかし、この手のサイトは、パンダによって壊滅的なダメージを受けていた。コンテンツにアクセスする障害が大き過ぎると、エンゲージメントはごく僅かになり、ペナルティーを科される可能性がある。一部のサイトにおいては、一般的な登録プロセスであってもアクセスする際の障壁となる。GoogleはGoogleに表示されるコンテンツをエンドユーザーにも見せるべきだと要求している。この要求が満たされていない場合、クローキングを行っていると見られてしまう — ただし、Googleが提供するコンテンツに鍵をかける消費者調査を使って収益化している場合、特別扱いしてもらえる。

各種の第三者のコンテンツに対して、継続的な購読料金を要求することが可能な需要を得るには、ある程度の規模が必要となる。この規模に達することが出来るのは、どんなビジネスなのだろうか?例えば、楽曲を提供する少数のビジネス(Apple、Spotify、Pandora等)、そして、動画を提供する少数のビジネス(Netflix、Hulu、Amazon Prime)が挙げられる。この手のサービスを除くと、大半の購読サイトは、金融等のニッチなトピックに限られ、規模は小さい。その上、ペイウォールによって蓋をされたコンテンツは、無料で見ることが可能な公開されている広範なマーケットと比較すると、見てもらえる機会は圧倒的に少ないと言わざるを得ない。

購読ベースのモデルがうまくいく広範なニッチの業界に属していても、Googleとの戦いには苦戦を強いられる可能性が高い。Googleの最高事業責任者がSpotifyの経営陣に加わったことで、SpotifyはGoogleから睨まれずに済むはずである。ただし、何やら雲行きは怪しい…

プレミアムコンテツに対するGoogleの影響

私は以前から、Googleが好都合なメディアの契約を得るために、著作権侵害を活用してきた点を指摘してきた(このインフォグラフィックの2つ目のポイントを見て、確認しておこう)。私の考えを皮肉と取る人もいたが、著作権を侵害する行為との「継続的な戦い」にGoogleが言及した際に、真っ先に挙げたのは、広告ユニットを増やす取り組みであった。

無料のオプション、有料のオプション、そして、その中間のオプションもある。GoogleとYouTubeは後者を採用し、その一方で、ビジネスモデルをテストし、有料のオプションへのトラフィックの流れを収益化している。

「テクノロジー企業は長期に渡るプレミアムコンテンツの価値を認めていない」 — ジェシカ・レシン

大きな価値のズレが生じており、その結果、多くのビジネスが何度も何度も戦略を練り直さなければならない状況に直面している。グレイエリアは常に変動するためだ。

多くのビジネスの利鞘は10-15%程度だ。オンラインパブリッシングを生業とする会社は、トラフィックの20%が消えると、持続可能であったビジネスモデルが、一夜のうちに自転車操業に陥る。一方、思い通りにオンラインのトラフィックを動かす/向きを変えることが可能な企業は、「支配者」になる

ドイツでは、一部のパブリッシャーがGoogleに対してインデックスへの掲載料を取ろうとした。その結果、Googleはこのパブリッシャーのリスティングの近くにスニペットを表示しなくなった。さらに、ニュース検索を通常の検索結果に統合する方法を見直し、Reddit等のソーシャルサイトを含む広範囲のソースを盛り込む決断を下した。すると、Google検索のトラフィックは40%落ち、さらに、Google ニュースのトラフィックは80%落ちたため、アクセル・シュプリンガー(インデックス料を求めた企業の一つ)は以前の状態に戻してもらいたいとすぐにGoogleに要請せざるを得なくなった。その結果、同サイトのスニペットは再び掲載されるようになったものの、「ニュース内」の変更は撤回されなかった

弱者に与えるGoogleの影響

Googleは大手メディアのアクセル・シュプリンガーに対して大きな影響力を持つ。それでは、その他の規模の小さい、弱いビジネスに対しては、一体どれぐらいのインパクトを与えることが出来るのだろうか。

この問いに対する答えを知りたいなら、Demand Mediaが直面したシチュエーションを振り返ると良いだろう。

Demand Mediaはピーク時に19億ドル以上の価値があると言われていた企業だ。同社は、ドメイン名の管理部門をRightside Groupとして切り離したものの、コンテンツ部門は事実上全く価値がないと見なされるほど落ちぶれてしまった。現在、Demand Mediaは4000万ドルの現金および現金等価額を持つ。今年の始め、同社はSaatchi Artを$1700万ドルで買収し、昨年はEコマースサイトのSociety6を9400万ドルで買収していた。前四半期の収益が発表されると、株価は16.83%値下がりし、先週の木曜日にはさらに6.32%下落し、時価総額は1億200万ドルになった。

最近の業績報告で、Demand Mediaの重役は次のように説明していた:

  • 2014年の年末までには、良質な視覚素材とリライトによって5万本以上の記事が改善される。
  • 品質を重視する取り組みを実施中であり、第4四半期中に18億ドル相当のパフォーマンスの低調な記事を削除する。
  • 最高のユーザー体験を作り出す取り組みとして、既に2つの広告ユニットを削除し、1月1日までに3つ目のユニットを削除する。
  • (上の2点に関して)この変更によって、収益にネガティブな影響が出ると見ており、年換算で約1500万ドルのEBITDA(利払い・税金・償却前利益)を調整した。
  • 第3四半期を通して、コンテンツの修正に1100万ドルを投資し、第4四半期にはさらに100万ドル、そして、来年の第1四半期と第2四半期には200万ドル~400万ドルの投資を見込んでいる。
  • ビジター数を確認すると、モバイルの領域が成長していることが分かるが、その結果、モバイルに関連するCPMが低下している。また、デスクトップでは価格帯の縮小が起きている。
  • 広告の密度が高過ぎるサイトは、オーディエンスを怒らせるだけでなく、検索インデックスのランクに関してペナルティーを科される可能性もある。

Googleは2011年の4月にeHowを抹殺した。3年以上が経過した今も、Demand MediaはGoogleに戦略を決めさせており、場合によっては過去の投資を取り消すために多額の支出を行っている。

しかし、Googleの検索結果を見ると、Googleは全く反対の戦略を実施しているように見える: 第三者のコンテンツをさらに盗み、広告ユニットの増加 & 拡大を行っている。

盗んで、販売するプログラム内のソースのリンクは薄い灰色であった。あるジャーナリストが青いリンクに関するストーリーを取り上げて初めて、色を青く変更したのであった。

ブレンド

検索結果は一部の領域を調和させ、その一方で一部を目立たせる。また、定期的に色を変え応答率を好きなように変えることが出来る。

パブリッシャーはページに掲載する広告を追加して、CPMの低下を食い止めると、バナー広告は酷評されるうようになった。Googleインフラ稼働していれば、大量のバナー広告を繰り出している(そして、計測している)。

検索広告のパフォーマンスは、バナー広告とは異なり、低下していない。

唯一、Googleが苦戦を強いられたのは、AdBlock Plusの人気が高まった時のみであった。このサービスは検索広告をブロックするため、GoogleはAdBlock Plusを禁止し、その後、第三者サイトの広告をブロックする一方で、料金を支払い、Google上では広告を表示する契約を結んだ後、最終的に復旧させることに同意した。

検索自体が究極のネイティブ広告プログラムである。

Googleはホテル等の分野において3連のローカルリスティングを優先し、ローカルカルーセルを廃止している。ホテルのリスティングのいずれかをユーザーがクリックすると、Googleは当該のホテルに対してナレッジグラフを差し込み、さらに検索結果に予約用のアフィリエイトリンクを組み込むため、自然な結果は押し下げられてしまう。

上のグラフィックをご覧になれば分かるように、通常のテキストを用いる「Website」リンクがページの右側に掲載され、そのすぐ傍に画像が配置されることによって広告のように見える。実は、広告に見えるように意図的に配置されているのだ。そのために無視されてしまう。一方、実際の広告は左側に掲載され、通常のテキストのリンクのようみ見える。広告と表示されているが、この表記と実際の広告の間には2行の線が引かれており、紛らわしさを増している。

Googleはこのような極端な形式でレイアウトを変える権限を持っている。しかし、その他の全ての領域においても、誰が敵で、誰が味方なのかを特定することが出来る。SEO業界は様々なマーケティングの手法における「倫理」に関してチマチマと話し合っているが、その一方で、Googleは目標の達成に力を入れ、SEOのエコシステム全体を消し去ろうとしている。

Googleが広告と自然なリスティングをナレッジグラフで混合する*以前*に、そもそもユーザーは両者の違いを区別することが出来ない。これが、バナー広告とは異なり、検索広告の利用が低下を免れている大きな理由の一つだ。

モバイルも同じ考え方で再編されている。Googleの取り組みは上部に配置され(そして、収益化され)、残りは下の方に追いやられる。

「ナレッジ」と広告の境界線が曖昧であるため、Googleは次々とカテゴリーでテストを行い(例えば、検索結果から直接医師に電話をかける機能) & Googleがデータを集める一方、各種のテストに対する料金を広告主に要求している。

また、Googleは第三者のサイトから情報を収集する一方で、収益化する機会を得られるなら、当該のサイトのリスティングに表示する情報を減らすことが出来る。2009年、Googleはスポンサーではないリスティングからマップ上の電話番号を削除していた。そして、今回の3連のリスティングに至っては、上半分のコンテンツは全て収益化されている…

「その一方で、3つのリスティングを表示するオリジナルの検索結果には、合理的に考えて、ユーザーが求めるであろう情報が欠けている:

  • 電話番号
  • 住所
  • 地図
  • レストランのウェブサイトへのリンク

大半のユーザーが求める情報は意図的に隠されている、もしくは、クリックをしなければ到達することが出来ない」 – デイブ・オレムランド

Googleはユーザーを優先していると主張し、「盗んで、置き換える」プログラムを正当化している。しかし、収益を増加させる機会を得るために、意図的に一部の情報を隠している。Googleは現在隠されている基本的な機能の一部を再び加えるかもしれないが、スポンサーのローカルのリスティングの一部に限定されるだろう。

結局 – 全ての問題を解決するには広告を出す必要がある

検索結果内のブランドのバナー広告は反応率が低いだろうか?あるいは、広告主は多額の資金投入に難色を示しているだろうか?その場合、Googleはテストを終了させ、代わりに検索結果に製品カルーセルを盛り込み、トラフィックをGoogle Shoppingにもたらす可能性がある。

「これはGoogleによる新たな収益化の手段だと私は見ている。クライアントは通常PPC ブランド広告のクリックと比べて、商品リスト広告のクリックに400-500%多く料金を支払っている。Shoppingのキャンペーンでは全く同じキーワードをネガティブに指定するつもりだ。」 – バーブ・ヤング

Googleによる収益化の取り組みは事実上無制限に行われる。

クリックカジノ

キーワードは部分一致がデフォルトとなった。さらに、キャンペーンの「強化」が行われ、広告主はモバイルデバイスで質の低いクリックを受け入れなければならなくなった。

続いて、曖昧な完全一致のターゲティングが登場し、具体的に特定の用語にターゲットを絞ったキャンペーンを実行するためには、広告主は品質の低い検索のバリエーションを購入し(そして、不要な新しい解釈を引き続き受け入れざるを得なくなり) & 多数のネガティブキーワードを加えなければならなくなった。

過去、一部のPPCの専門家は、自然検索の曖昧化を問題視していなかった。「所詮他人事」だと考えていたのだろう。

しかし、楽観視し過ぎていたようだ。

言うまでもなく、Googleは広告を競売にかけるだけでなく、支出を管理するSEMプラットフォーム化を望んでおり & 自動入札機能の「メリット」を活用するべきだと提案している。

広告主はGoogleの自動入札機能を強烈に非難している: 「やっと1回クリックしてもらえた。このクリックに362.63ドルも費やした」

唯一このパフォーマンスを上回るのは、子供向けの無料モバイルタップゲームに掲載されるバナー広告だけだ。

干渉を強める

先程、Googleは自分の都合の良いようにAdBlock PlusのエクステンションをPlayストアで配信禁止にした、と伝えた。Googleは繰り返しDisconnect Mobileの配信も禁止した。配信を携帯電話に頼っているなら、Googleを回避することは不可能に近い。さらに、Googleはパフォーマンスのデータを集め、密かに競合するアプリをローンチし、そして、第三者のアプリに力を入れる。その上、広範なネットワークにおける各種の広告料金をコントロールする権限も持つ。

「それなら、検索とモバイルを避けて、Eメールを利用すればいいじゃないか」と考える方もいるかもしれない。しかし、結局同じ問題に遭遇することになる。GmailではソーシャルのEメール、あるいは、プロモーション用のEメールはほとんど見てもらえない場所に追いやられてしまうためだ:

「規模が大きなオンラインストアは、ネックになり得るものの、Googleにも同じことが言える…事実、Googleは毎日投稿するブログの記事をプロモーションフォルダに誤って送信していた。しかも、(この記事を除けば)この誤りを指摘する手段が私にはない – セス・ゴーディン

1年前、ある四半期の成果が芳しくなかった原因として、GrouponはGmailのタブを挙げていた。スタートアップに対する、このフィルタリングのインパクトはさらに強烈だ。オーディエンスの目に触れる機会が少し変わるだけで、成長率は1を下回り、自然に広めるのではなく、知ってもらう機会に資金を投じなければならないためだ。

このタブの他にも、スパム扱いされる、あるいは、セキュリティの警告を受ける等、多くのリスクが存在する。Search Engine Land等、大勢のGoogleの従業員がチェックしているサイトでさえ、ニュースレターがGmailで警告を受けていたことがあった。

Googleはさらに

  • 検索ランキング、バーティカルの検索結果での置き換えを行い、(先程も触れたように)事業に関連する情報を隠している。さらに、検索クエリを提案し、ウェブブラウザを利用して消費者の意図を転換することで、ウェブサイトへの干渉を強めている。
  • 広告の視聴を自然の視聴としてカウントし、関連性の判断基準を変更し、競合するチャンネルを調査している。さらに、契約の一環としてオーディエンスに見てもらえる機会を優先することで、YouTubeの動画への干渉を強めている。 YouTubeは視聴数の半数以上が、スクリーンの小さなモバイルデバイスに集中しているため、Googleによるランキングの好みが変化すると、クリックの分布に大きな変化が現れる。
  • デフォルトバンドリング契約を用いて、Googleのアプリをデフォルトに設定することをメーカーに条件として突きつけることで、モバイルアプリへの干渉を強めている。
  • そっくりなバンドリングベースのビジネスモデルを禁止することで、ビジネスモデルへの干渉を強めている(バンドリングはGoogleのみに許される取り組みである)
  • その他諸々。

自然の検索キーワードのデータを隠すキーワード(not provided)の導入は、自然な検索に対する干渉である。Google がHTTPSをランキングシグナルとして公表した時、 Netmegは「これは広告ターゲティングを行うため、そして、ユーザーのプロフィールを作る権利を主張するための行動に過ぎない。この点を良く覚えておいてもらいたい」と言っていた。

Facebookが広告プラットフォームのAtlasを再び立ち上げると発表するや否や、Googleはデータへのアクセスを取り締まり始めた:

Googleは、Krux、BlueKai、そして、Lotame等のデータ管理会社と今週協議を行い、特定の広告におけるピクセルの利用禁止を宣言した。デジタル広告内に埋め込まれたピクセルは、マーケッターがターゲティングを行う上で、そして、特定のユーザーが広告をインターネット上で見た回数を把握する上で役に立つ。

「GoogleはGoogleのディスプレイネットワークを通じて、データ管理プラットフォームが提供する広告で、そして、購入したインプレッションでのみピクセルの利用を認めている。つまり、Googleは狭い範囲に利用を限定している」と、Kruxのチーフ・ソリューション・オフィサーを務めるマイク・モローは述べている。

同時期、Googleはデータ共有の取り締まりも始め、様々なデバイスで消費者のターゲティングを実施する機能の提供を開始し、広告主が特定のウェブサイトを訪問するオーディエンスに狙いを絞ることが可能なカスタムアフィニティの導入を発表した。

Googleは情報を整理する(曖昧にする)特別な役目を持つだけでなく、アナリティクスを通してマーケティングの効果を計測する取り組みも行っている。そのアナリティクスは定期的に新しいレポートを導入しているが、過剰に自ら貢献をアピールし、その一方で、その他のチャンネルの貢献を低く見積もることで発生する、アクティビティバイアスから収益を得ている。ラストクリックアトリビューションが検索広告への支出を決める目安として常習的に利用されており、数年前からディスプレイ広告の価値を落とす要因となっている。

競合者への投資

Googleはエコシステムのランキングを決めるだけでなく、積極的に投資も行っている。

GoogleはYelpの買収を試みた。Facebookのゲームの人気が爆発的に高くなると、Googleは疑わしい経歴を持つZyngaに投資し、データにアクセスしていた。Grouponが、60億ドルの買収提案を受け入れないことが分かると、Googleは10社以上のGrouponの競合者と手を組み、検索結果内に新たなオファーの広告ユニットを作成した。

YouTubeのエコシステム内部においても、MachinimaやVevo等の一流のパブリッシャーの株式をGoogleは保有している。

投資が特別な扱いを受ける疑わしきは罰せずの原則を受ける、あるいは、公開されていない情報にアクセスする事態が実際に生じている。

例えば: 「Baiduのマップアプリでは、アプリを内でホテルを見つけ、部屋の空き状況をチェックし、予約することが出来る。つまり、検索エンジンを去る必要がない。」これはパブリッシャーにとって恐ろしいシナリオである。

実は、この恐ろしいシナリオは既に表面化している。Googleの即日発送サービスの統括者がUberに移り、GoogleはUberの集荷と見積もりをモバイルマップアプリに加えた。

当然、GoogleもUberに投資していた。Uberが成功していることは疑いようもない。ただし、勝ち名乗りを上げる者がいる一方で、悔しい思いをする者もいる:

Googleはまるでディスプラションこそが長所とでも言いたげにディスラプションに投資し & 内部のデータを活用して投資を動かしている:

「計測、数値化することが出来ないなら、ソリューションに取り掛かることなど夢のまた夢だ。Googleは世界最大級のデータセットにアクセスすることが可能であり、クラウドコンピュータのインフラは史上最大の規模を誇る。勘に頼って投資を行うのは愚かだ」とGoogle Venturesのマネッジングパートナーを務めるビル・マリスは指摘している。

検索エンジン、ウェブブラウザ、アプリのストア & モバイルOSから利用データを組み合わせると、あらゆるビジネスに関して圧倒的な情報を得られる。

Googleはデータのためだけにマージンの少ない領域に数十億ドル規模の投資を行える数少ない企業の一つだ:

Googleの重役は公のクラウドにおいて、Googleのアプリを動かすデータセンターと同じぐらいのパワー & スピードを実現するようにエンジニアに要請している。 この取り組み、そして、その他のセールスおよびテクノロジーの戦略は、増加するクラウドの収益を手に入れるためだけに行われるのではない。このようなサービスから、次にどんな製品を作るべきか、どの会社を購入するべきか、そして、消費者のその他の好みに関する重要なデータを得られるとGoogleの経営陣は確信している。

Googleは5億ドルもの資金を投じて買い物の即日配送サービスを宣伝している。

そして、現在、Google Fiberでは事業向けインターネットサービスを推進している。イーロン・マスクは元Googleの従業員と手を組み、衛星インターネットサービスの提供を計画している。

大詰め

現在、Googleは他のどの企業よりも連邦政府のロビー活動に力を入れている。Googleの経営陣が副チーフテクノロジーオフィサーチーフテクノロジーオフィサー、そして、特許商標局の局長に就任している。Googleのソフトウェアエンジニアがオバマ大統領に次のような提案を行うほどGoogleの勢いはとどまるところを知らない。

  • 政府の職員全員に年金を全額与えて退職させてしまおう。
  • 管理の権限をテクノロジー業界に委譲しよう。
  • エリック・シュミットをアメリカのCEOに任命しよう。

このエンジニアは常軌を逸しているか、注目を集めたいだけなのかもしれないが、この悪夢ようなシナリオが現実にならなくても、特定の会社の職員が規制する側に回れば、Googleが規制によってダメージを受ける可能性は限りなく低くなる。

オバマ大統領はオープンなインターネットの重要性を指摘している:「インターネットサービスのプロバイダーに、最高のアクセス環境を制限させることも、サービスとアイデアにおける市場の勝ち組と負け組を決めさせることも認めてはならない。」

Googleの職員が政府で重要な役割を与えられているなら、Googleに関する重要な不満は聞き届けてもらえらないはずだ。

先日、Fortune誌はラリー・ペイジをビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出した:

「ペイジが自分自身が描く未来のビジョンを周りに押し付ける典型的な例だ。ラリー・ペイジが挑戦する様々な取り組みは、他社を寄せ付けないものがある。このようなビジネスのリーダーが誕生したのは、GEのトーマス・エジソン、または、HPのデビッド・パッカード以来のことだ」 — ベン・ホロウィッツ(アンドリーセン・ホロウィッツ社)

Financial Timesに掲載されたラリー・ペイジの最新のインタビューから際限のない野望が感じられる:

  • 「世界最強のインターネット企業は検索を牛耳ることで得たキャッシュを引き換えに、次世代のテクノロジーにおける金塊を掘り当てようとしている」…「野心がなければ何も達成することが出来ない — そして、その野心こそが世界に不足している。」
  • 「世間はディスラプションに遭遇しているものの、前向きなものとも、生活を一変させるものとも考えていない…自分が参加していると感じないことが問題だと私は思う」– ラリー・ペイジ
  • 「仕事におけるディスラプションが発生しても、短期間においては、必要とする物事のコストが引き下げられることで穴埋めされるかもしれない。この点は重要であるにも関わらず、議論されていない」– ラリー・ペイジ
  • 「資本主義のシステムでは、テクノロジーを通して効率の悪さを除去することは、当然、行わなければならない」– ラリー・ペイジ

しかし、同時に暗い面、つまり、テクノロジーの夢想家ならではの副作用も存在する。

例えば、ユーザーを処方箋が必要な調剤に釘付けにして、思考の流れを増強 & 収益化することも考えられる:

例えば、気分を反映するキッチンの壁によって、抗鬱剤の広告が導かれ、ウェブでも付きまとわれるケース、従業員の精神状態を雇用者に通告するケース、もしくは、Facebookのページに表示するケースは、容易に思い浮かぶ。書籍「コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年」の著者、ロバート・スコブルとシェル・イスラエルによると、Facebookはニーズを推測するシステムを作りたがっているようだ。

もしくは…

Googleの貯蓄は、リフキンが提唱した第三次産業革命において重要な意味を持つ。と言っても、単純に、消費者製品の価格を下げるポテンシャルを持っているからではなく、– 生産性を上げるために人間の労働力を増やす — 資本主義社会の大原則を初めて根本から覆すためだ。また、生産が労働力から解放されると、資本主義は思想的にも、そして、現実的にも成立しなくなる、とリフキンは説いている。

ただし、テクノロジーが原因で「誰もが損をする」わけではない。大きな成功を収める者も現れる。

ミシェル・ファンはYouTubeでの人気を活かして、メイクアップ購読サービスをスタートさせ、8400万ドル/年間を稼ぎ出している。

層の一番上にいる者はテクノロジーによってさらに勢いを得ることが出来る。このような極端な成功を収めた人物はオフラインの世界で宣伝を行い、さらにプラットフォームにビジターを引き寄せることが出来る。

Googleは日本のYouTubeクリエイターをテレビ、インターネット、そして、印刷媒体の広告で大々的に宣伝している。さらに大勢のビジターを獲得しようと目論んでいるのだろうか?

「人気ベース」の報酬システムはほんの一握りのユーザーを裕福にするものの、その他大勢のパブリッシャーは作業に力を入れても金銭的なメリットは得られない。最悪なのは、「バイラル化」のサクセスストーリーは多額の広告予算によって作られていることだ。

Googleは、アテンションエコノミーにおける収入の不平等を調査によって把握していた – しかも、この調査はブランドの優遇を始める前に行われていた。

次々にカテゴリーが商品化され、次々にプラットフォームにGoogleから資金が流れていく。そして、最終的にプラットフォームで仕事をしている従業員は、クラウドソースならではの宿命ではなく、違法な談合によって給与が引き下げられていた時代を切望するようになる:

代わりに、従業員は移動の自由、そして、活動時間を自分で自由に決めることが出来ると言う上辺だけのメリットを得るようになった。しかし、健康保険を支払うことが出来ない状況でも、あるいは、次にヒットする製品が幾ら支払ってくれるのか分からない状況でも、そして、実際にいつになったヒットするのか分からない状況でも、その価値はあるのだろうか?アプリの利用規約が、労働契約とほとんど変わらない状況でも、仕事の注文がスマートフォン経由で行われ、すぐに応答しなければ二度とチャンスをもらえない状況でも、そして、仕事について誰にも話をすることが出来ず、最低限の賃金を稼ぐために休みなしで作業をこなさなければならない状況でも、その価値はあるのだろうか?

人が商品化されるように、価値のその他の層も商品化されている:

SEO業界では、以前から大勢の専門家がブランド化を万能薬として推奨してきた。しかし、上半分に掲載され100%収益化されるホテルの検索結果を考慮すると — ブランドを持っていたとしても、参加するための費用を支払わなければならない。現在、Google ショッピングの広告が、ブランドのナビゲーショナルクエリでテストされているケースを考慮しても同じ結果が見えてくる。

Googleはさらに収益化する固有名詞に対して広告のターゲティングを行う技術の特許を取得している。

ブランドを作るために資金を投じ、Googleに再び資金を渡さなければ参加する権利すら与えてもらえない。

Googleの広告製品を回避し、広告費と売り上げの差で稼ぐ方法を控える手もあるが、Googleは収入を得るためには喜んで不公平な条件を突き付けてくるだろう。

例えば、イギリスで商標用語[cheapflights]を検索すると、一般的な検索用語の[cheap flights]に転換される。公式サイトは自然なランキングでは2位につけているものの、左側の列で、このサイトの上には、クリック可能なページが19ページもある。

ブランドは強みだが、誰かがそのブランドを探す際に毎回表示してもらうために料金を支払わなければならないなら、負担になる

モバイルアプリを使ってGoogleを回避することが出来るかもしれないが、GoogleがOSを所有しており、メーカーとのバンドリング契約を介して、広範な分野でGoogleを自らをデフォルトのサービスとして確実に配置させることが出来る点を覚えておくべきだ。また、モバイルに関しては、OSに付属する新しい通知機能がアプリを切り離している点、そして、Googleが様々な分野に直結しているGoogle Now等のアプリを持っている点を肝に銘じておこう。

SEO業界は長年Googleのエコシステムを採用するべきだと推奨してきた。しかし、Googleが創り出す価値よりも多くの価値を占拠するようになると、SEO業界はGoogleのエコシステムを推奨していては利益を得られなくなる。Googleの

  • 資金力
  • ロビー活動
  • 政府の要職にいる元従業員
  • 動画、モバイル、アプリ、マップ、Eメール、アナリティクス(と検索)への支配
  • 広範な投資対象

…を考慮すると、Googleがピークに達しつつあるとは言い難い。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Peak Google? Not Even Close」を翻訳した内容です。

基本Googleに批判的なSEO Bookではありますが、三歩下がって読んだとしてもGoogleの圧倒的な力を改めて感じられる内容でした。検索にしろ、広告にせよ、または携帯電話であれ、やはりプラットフォームを押さえていると強いですね。途中で日本のユーチューバーCMの話が出てきましたが、いわれてみると、確かに「サクセスストーリーは多額の広告予算によって作られている」側面もありますし。Google大帝国の成長はどこまで続くのでしょうか。 — SEO Japan
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