SEOに優れたコンテンツとは?コンテンツの価値をどのように計測するのか?

公開日:2013/01/28

最終更新日:2024/02/16

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ウェブマーケターなら誰もが知っているキーワードとなりつつあるコンテンツマーケティングですが、いまだによく聞くのが「優れたコンテンツを作る必要があるというけど、優れたコンテンツって何?」という疑問。もちろんケースバイケースでその意味も内容も変わってくるわけですが、今回はその質問に答えを出すことにチャレンジした記事をサーチエンジンランドから。SEO視点ではあるので「※ただしコンテンツSEOに限る」とでも注釈をつけた上で読んでもらった方が変な突っ込みをせず素直に学べるかもしれません。 — SEO Japan

SEO業界に関して、私が特に気に入っている点は、多くのエキスパートが忙しいスケジュールの合間を縫って、他の人達に進んで手を貸す雰囲気である。利益度外視で支援の手を差し出し、無料でブログのコンテンツを投稿し、公のSEOの会合に出席している。

ワシントン州のピュージェットサウンド地区では、Seattle SEO ネットワークが2つの月例会を開催している。一つはプロのSEO向けの会合であり、アイデア交換や学習の機会を提供し、もう一つの会合では、SEOのプロ、そして、オンラインマーケティングの世界に足を踏み出したばかりで、ローカル検索のサイテーションの「title」タグすら知らない地域の会社の関係者が一堂に会している。

プロのキャリアの時間の大半を業界のユーザーグループに注いできた私は、時間の許す限り(つまり、あまり頻繁に顔を出すことが出来ない)、シアトルの会合に参加するようにしている。毎回、新たな出会いがあり、現在のオンラインマーケティングの問題に関する新しい見解を聞くことが出来る。

最近の会合で、新顔の一人が、参加したプロのSEOに鋭い質問を投げかけていた。この人物は、「優れたコンテンツを配信」するべきだと言う、大ざっぱな提案を何度も受けたことがあると話していた。

しかし、この人物が知りたがっていたのは、「優れたコンテンツ」とは厳密に言うと、何を指すのかであった。

この質問は単純ではない。参加していたSEOが出した様々な答えは、目覚ましく、そして、興味深かった。そのため、今回、答えに関心を持つ新しい読者のために、その答えを幾つか紹介することにした。

優れたコンテンツの定義は、見解によって異なる。見解として、何で構成されているのか、どのように利用されるのか、そして、どのようにその価値を計測するのか等が挙げられる。それでは、それぞれの見解で“優れたコンテンツ”を定義していく。

優れたコンテンツは何で構成されているのか?

まず、優れたコンテンツにおいては、ウェブサイトを閲覧する人が、容易に読むことが出来る点が前提である。しかし、それで終わりではなく、あくまでも、初めの一歩に過ぎない。

優れたコンテンツは、検索エンジンのクローラーを含むコンピュータが、容易に読むことが可能でなければならない。通常、クローラーは知能において柔軟性に欠けるため、実際に消化することが可能なコンテンツを食べさせてあげる必要があり、テキスト形式で提供しなければならない。

テキストと言っても、スクリーン上の文字や数字の外観を意味しているわけではない。良質な旧式のASCIIテキストのことである。JavaScript、フラッシュ、またはシルバーライト等のリッチインターネットアプリケーション(RIA)技術を使ってコンテンツを表示すると、気取ったデザインになり、また、通常は疑うことを知らないクライアントの目には、デザイナーを優秀な人物に見せる効果がある。しかし、しばしば、少なくとも検索クローラーにおいては、厄介な存在でしかない。

ご存知かもしれないが、検索エンジンは、このようなタイプのリッチテクノロジーで埋められたコンテンツを正確に読むことは出来ない。イメージ内、動画内、アニメーション内等で提示されているテキストにも同じことが言える。重要なテキストがバイナリファイルに埋められてしまうためだ。

実を言うと、グーグルは、時々、光学文字認識(OCR)技術を使って、アクセスすることが出来ない技術が隠す、埋められた秘密のメッセージを解読する試みを行っている。この取り組みは、JavaScriptの一部を読むことに関しては(徐々にではあるが)進展しているものの、クローラーに情報を与える上で最適の手段とは言い難い。

クローラーはテキストを求めている。そのため、RIAや可愛いテキストのグラフィックを使う代わりに、CSSテクノロジーを使って、テキストの見た目を良くしつつ、ページを検索クローラーが容易に消化することが出来るように心掛けてもらいたい。

YouTube Preview Image

重要なアドバイスをここで提供する: 心から、けばけばしく、チカチカする、やかましい、色とりどりの、あるいは渋いRIAコンテンツが好きなら、ウェブサイト、そして、けばけばしい、チカチカするテキストが好きでないエンドユーザーのために便宜を図り、RIAのコンテンツをダウンレベルのユーザーがアクセスすることが出来るように工夫しよう。ダウンレベルのユーザーとは、ブラウザのプラグインをインストールしないユーザー、昔の、または互換性のないブラウザーを利用していウェブサーフィンを行っているユーザー、そして、シンプルな検索クローラーを指す。

このようなユーザーのために軽い、二次的な経験を提供するプロセスは、グレースフルデグラデーションと呼ばれ、若干面倒ではあるが(そして、チカチカするテキストほどセクシーではないが)、当該のページのコンテンツを、検索で確実にインデックスするためには重要な取り組みである。

コンテンツこそが隠し味

The SEO secret sauce

検索の隠し味とは?

ページのテキストに注目することは重要だが、検索の秘密のソース – オンページのメタタグ、別名 ページ上のコンテンツに関するコンテンツの作成も忘れないでもらいたい。

<title>タグおよび<meta>デスクリプションタグに対して、優れた、固有の、そして、最適化されたテキストを作成する作業を怠ると、人間のユーザーおよびクローラーに対して、ページのテーマを特定してもらう貴重な機会を失うことになる。

このアドバイスは<h1>タグと<img> altテキストにも当てはまる。<title>タグと<meta>デスクリプションは、通常、検索エンジンの結果ページ(SERP)のリストで用いられる(<title>テキストは青いリンクのテキストで表示され、 <meta>デスクリプションのテキストは、青いリンクのテキストの下に掲載される記述的なスニペットとしての役目を果たす)。

<h1>は、当該のページに対するオンページの見出しの役割を務め、 <img> altテキストは、イメージをテキスト形式で特定することが出来る(また、単なるイメージの記述ではなく、altテキストをページに関連させる効果もある)。

最大の長所は、<title>タグ、<h1>タグ、そして、<img> altタグ内のテキストは、ページのキーワードを特定する質の高いソースとして認められている点である。

結論: 人間が消化するための素晴らしいコンテンツを作成する必要があるものの、読者の大半を、コンピュータスクリーンリーダーのアプリケーションに依存する人間と考えるべきである。コンピュータが読み取ることが可能な優れたテキストコンテンツを作成すると、サイトも読者も得をする。

優れたコンテンツはどのように利用されるのか?

優れたコンテンツは重要な役目を果たす: ページのトピックに関する情報を読者に伝えるのだ。優れたコンテンツを賢く作り、戦略的に利用すると、以下のタスクを容易に実現することが出来る:

  • 訪問者がトピックを理解しやすくなる
  • 当該の話題の自分だけの専門知識または見解を実証する
  • 訪問者をサイトに戻り、再び読みたくさせる
  • 自分のウェブサイト、ブログ、ソーシャルネットワークのフィード等から他の人達もアクセスすることが出来るようにリンクを張ってもらう
  • 訪問者に以下の行動を取ってもらえる:
    • サイト上で何かを買ってもらう
    • 文書、ファイル、あるいはアプリをダウンロードしてもらう
    • レビューや推奨コメントを書いてもらう
    • サイトのRSSフィードを購読してもらう
    • 作者のツイッターのアカウントをフォローしてもらう
    • 作者のフェイスブックのページでいいね!してもらう
    • ページをスタンブルアポンやレディットに投稿してもらう
    • eメールアドレスを投稿して、定期的なニュースレターを購読してもらう

ウェブがもともと促進するつもりであったのが、優れたコンテンツである。知っていることを取り上げ、説得力のある文章に仕上げると、読者(そして、検索エンジン)はそれ相応の反応を示す。当然ながら時間がかかるかもしれないが、バイラル化するコンテンツも、この行為を経ているのだ。

優れたコンテンツを作るには

優れたコンテンツは…優れている。しかし、当然ながら、比較の上に成り立つ可能性もある。例えば、同僚と一緒に森を歩いていたら、突然不機嫌なクマに出会うケースを想像してもらいたい。クマに追いかけられたら、クマよりも早く走る必要はなく(クマから逃げ切れることを願っている)、同僚よりも早く走ればいいのだ。

このクマの話は曖昧なメッセージを持つが、だからこそ、他の人達を同僚として登場させたのだ。結局、私情を挟んだらビジネスには負けてしまう。

優れたコンテンツが欠けている点が、SERPで競合者に差をつけられている原因なら、手抜きの取り組みだけでは、競合者を追い越すことは出来ないだろう。必要としていることが分かっている、優れたコンテンツを作るために力を入れなければならない。上位に簡単にランクインさせることが出来るなら、SEO業者は要らないはずだ。

それでは、とらえ所のない優れたコンテンツを作るには、何をすればいいのだろうか?サイトのページのコンテンツを読み、次の質問を自分自身に投げ掛けてもらいたい(正直な答えを得られるように、サイトに肩入れしていない人に尋ねるのが理想である):

  • コンテンツは有益か?
  • 当該のトピックにおいて、信頼することが出来るか?
  • 面白いか?
  • 良質な文章が綴られているか(完全な文章を書くことも大事だが、退屈な文章よりも、親しみやすい文章を作ることも重要である)
  • 長いコンテンツは分割され、見出しを使ってよくまとめられているか?
  • コンテンツはビジュアルの要素を巧みに、そして、興味をそそる方法で利用しているか?
  • 恥ずかしいスペルミスや文法のエラーのない文章が綴られているか?
  • 意図したオーディエンスに向けて、適切な内容が提供されているか?
  • コンテンツには業界用語がなく、代わりに読者が利用する(そして、検索する)用語に的が絞られているか?
  • 適切な場合、コンテンツでは、ユニークな意見、さらには、ユーモアが提供されているか?

1回でもNoと答えたなら、そのアプローチを見直し、やり直すべきである。

コンテンツの価値をどのように計測するのか?

出来るだけ質の高いコンテンツを提供することは立派な目標だが、そのために必要なリソースがなかなか手に入らないこともある。小さなニッチのマーケットでサイトを運営しているなら、検索におけるオンラインの競合者を詳しく調べてみることを勧める。競合するサイトが退屈で、面白味に欠け、つまらないなら、少なくともしばらくの間は、少し上回るだけで勝てる可能性がある。

しかし、クマが腹を空かしているなら、早歩きするだけでは追いつかれてしまう可能性がある。あるいは、複数のページで気の抜けた「競合者よりも少しだけ良い」作品を投稿するいい加減な態度では不十分かもしれない。初めはそれでも問題ないが、今後も競争は続いていくのだ。手抜きの最適化は、とりわけ長い目で見ると、成功する上で効果的な方法とは言い難い。

それでは、オンラインの競争が過熱し、激しくなり、上位のページと競らなければいけない場合はどうすればいいのだろうか?その際は、検索エンジンが、人と同じように優れたコンテンツを好む点を理解する必要がある。

ウェブサイトは、会社を宣伝するため、製品やサービスを販売するため、もしくは、専門的な作品を見せびらかすための手段と考えられることが多く、ページのコンテンツの作成は、通常、最後の最後に行われる。退屈な作業であり、ページの余白を埋めるジャンクに過ぎないと考えられている。このような考え方は、とりわけサイトのオーナーが検索結果でサイトを見つけてもらいたい(そして、上位にランク付けしてもらいたい)なら、大きな誤りであり、ウェブの真意を理解しているとは言えない。

優れたコンテンツは、初めのデザインのプロセスに含めるべきである。ウェブサイトを使って、ストーリーを語り、自分のサイトおよびビジネスがなぜ優れているのかを表現するのだ。これが優れたコンテンツのエッセンスである。

イメージ: ライセンス契約の下、Shutterstockを利用

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「What Is The Secret Sauce In Good Content?」を翻訳した内容です。

人によって意見が違う部分もあるとは思いますが、特にSEO、さらに集客した訪問者を最終的にアクションに導く、という観点では、基本を網羅した良い記事だったと思います。特に途中のチェックリストはコンテンツ作成時の参考になりそうです。

また最後に出てきた「優れたコンテンツは、初めのデザインのプロセスに含めるべきである。」という一文は非常に深いものでした。SEOも効果的に行うにはサイト完成後ではなくプロセス内に含めるべきとはよくいいますが、コンテンツの場合、「ウェブサイトを使って、ストーリーを語り、自分のサイトおよびビジネスがなぜ優れているのかを表現する」為の主役であり、多くのサイトがネット経由で新規顧客を開拓することが最重要課題であることw考えた場合、本来、もっともっと重要視されるべき存在なんですよね。

なんとなくなブームではあるコンテンツマーケティングですが、その本質的な価値がどこまで認められ活用されていくのか、それは私たちウェブに関わる者たちの努力次第といったところでしょうか。 — SEO Japan

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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