ゲーミフィケーションが顧客との関係構築の鍵を握る時代が来た

ソーシャルゲームが大流行なのは海外でも日本でも同じですが、最近海外で大注目されている分野が「ゲーミフィケーション」。ゲームデザインの仕組みをゲーム以外の分野に応用していこうという試みです。特にソーシャル全盛の今、ゲーム要素を通じて企業がユーザーとの関係構築を深めていこうという試みが注目を浴びており、様々なベンチャー企業も誕生しています。今回はそんなゲーミフィケーションの可能性について初心者でも理解できる記事を初登場のソーシャル系ブログThe Social Customerから。 — SEO Japan

ゲームは人気がある。そして調査報告によると、それはさらに人気が出る構えであるようだ。

  • 調査会社Nielsenによると、ゲームは、アメリカ人にとってソーシャルネットワークに続き2番目に頻度の高いインターネットアクティビティである。メールを超える人気だ。アメリカ人は、毎月およそソーシャルネットワークに9億600万時間、ゲームに4億700万時間、Eメールに3億2900万を費やしている。
  • 調査会社M2 Researchは、ゲーミフィケーション(Gamification)市場は2011年の1億ドルから2015年には16億ドルにまで成長するだろうと報告している。
  • そして、調査会社Gartnerは2015年までにはイノベーション・プロセスを扱う組織の50%以上がそれらのプロセスをゲーム化(gamify)し、2014年までにはグローバル2000にランクインした会社の70%以上が少なくとも1つのゲーム化されたアプリケーションを持ち、消費財市場と顧客維持のためにゲーム化されたサービスはFacebookやeBayやAmazonと同じ位重要になると強く主張している。

さらに、最近のロサンゼルス・ゲーム・カンファレンスで発表された驚くべき統計がある。今はゲーマーの50%が女性で、ゲーマー人口の30%が45歳以上で、アメリカ国内には4000万人のアクティブなソーシャルゲーマーがいて(最低でも1週間に1時間はプレイする)、Facebook上には2億人以上のゲーマーがいるのだ。

これらの発見は、ブランドにとってはどうやってゲーミフィケーションを最も効果的に自分達のロイヤルティ・マーケティング戦略にフィットするべきかという観点から大きな意味合いを持っている。マーケッターが理解すべき大切なポイントは、ゲームで遊ぶことはもはやエンターテイメントに収まらないということだ。ますます多くのマーケッターが、将来ブランドのファンを惹きつけ、開拓し、維持するためにゲーミフィケーション、もっと具体的に言うとゲーミフィケーションの心理を利用している。

中には、ゲーミフィケーションは単にウェブサイトにバッジやポイントを追加するだけだと考える人もいる。確かに、Foursqueareのようなチェックインプログラムを小学生レベルで使用したブランドもあるが、彼らは目的とする行動を―長期的に―真に動機付けるための価値のある機会に欠けている。その理由の中核にあるのは、ゲームが、私達に行動を起こさせ興味を持たせ続け関わらせ続ける心理的な引き金をうまく活用することによって、人々の行動を修正するということだ。

最近のブログ記事の中で、Lithiumでアナリティクスの主任研究員をしているMichael Wu博士が、ゲーミフィケーションの裏にある科学と心理について述べている。Wu博士によると、ゲームダイナミクスのゴールは、ユーザーが望む行動を予想通りに駆り立てることだ。それ故に、ゲームダイナミクスを理解するためには人間がどう行動するかを理解しなければならない。スタンフォード大学の実験心理学者B.J.Fogg教授によって開発されたFogg Behavior Modelを使って、Wu博士は、どんな期待する行動も、動機、能力、引き金の3つの必要不可欠な因子に分類され、それらは同時に点火されければならないと説明している。つまり、ゲームプレイヤーには、行動をする動機(感情的投資、報酬の約束など)と行動を完了する能力(能力とはスキルを意味するが、時間やゲームの選択肢を持つことも意味する)と引き金(きっかけ)が与えられなければならないのだ。

引き金のタイミングが非常に重要だ。適切な時の適切な引き金が予測通りの行動を導き、その人物がそれをすることに関して気持ちよく感じさせる。一方、不適切なタイミングの引き金は、望ましい結果を生み出さないかもしれないし、その人物を苛立たせたり、うっとうしく感じさせたり、その行動についてマイナスの感情を持たせるようになるかもしれないのだ。

Wu博士は、以下に示す理由から、タイミングが正しい時にはゲームのメカニクスおよびダイナミクスがつまらない作業を望ましい活動に転換する魔法の力を持つと強く主張している。

1. ゲームダイナミクスは、ユーザーのモチベーションを築きあげるためにポジティブなフィードバック(例えば、ポイント、バッジ、前進、カスタマイズ、サプライズ、ソーシャル・ファクターなど)を使用する。  

2. ゲームダイナミクスは、難しい作業をよりシンプルで扱い易いものにすることでユーザーの知覚能力を増強する。   

3. ゲームダイナミクスは、ユーザーが自分の過剰能力を感じる時に動機付けされたユーザーの引き金を置く。つまり、ユーザーに行動を促す引き金は、動機と能力と引き金を集めて同時にもたらすようにデザインされているのだ。 

例としてダイエットプログラムで有名なWeight Watcherを見てみよう。私達は、メンバーが健康的な食事と定期的な運動を学んでいるために体重を減らしていることは知っているが、人々の心に最も響いているのはプログラムのその部分ではない。もしあなたがWeight Watcherのメンバーに彼らの減量成功について尋ねたら、彼らは、ポイントやレベルやチャレンジやリーダーボードなど、減量のためのこの企業の“ゲーム”アプローチに関するトピックについて興奮して話すことだろう。彼らが体重を削った理由に最も強く重ね合わせているのは、食事と運動による生活の変化ではなく、ゲームをすることなのだ。ここでも、ゲームが彼らの行動を修正することに成功している。

さらに、ゲームは、ミルウオーキーを拠点とするハンバーガーショップ、AJ Bomberでも用いられ成功している。彼らはFoursquare(ロケーションベースのモバイルアプリ)をしばらくの間上手く利用していた。ゲームをすることで、ゲストはレストランで“チェックイン”し、チェックインの頻度をはじめとする様々な要因に基づいてバッジを獲得する。共同経営者のJoe Sorgeは、Foursquareで宣伝したメニュー内容の売上げがこのサービスを利用し始めてからおよそ30%上がったとLoyalty360 に報告した。

しかし、Bomberは、Mayor(別名Jim Simon)が孤高のトップに立っているということを発見した。そして、それはJimにとってもFoursquareへの継続的な熱中にとっても問題である。Sorgeは、Jimは毎月約16回のチェックインに応じているため、彼を失脚させるのは非常に厳しいと説明している。“その困難さが、Foursquareユーザーである私達の一般客にちょっとしたチェックインへの疲労感を引き起こしている。なぜなら、彼らが、自分はこのプログラムの報酬を一生得られないように感じるからだ。”

この状況を改善するため、Sorgeは“Loyalty Royalty”というプログラムを導入した。ここ30日の間に最もチェックインの多かった3人のFoursquareユーザーを追跡するためにダッシュボードユーティリティを使用するのだ。そして、その次の月に、それらの客はその月のLoyalty Royaltyメニューを作ることができる。“彼らはAJ Bomberを訪れた時にいつでも、彼ら自身によって、彼らのためだけのメニューを作ることができる。さらにボーナスとして、その月の1日を選んで全ての客にそのメニューを提供することもできるのだ。それが、一般的に意識を広めFoursquareの導入を増やすのをさらに助けることになる。”とSorgeは説明する。

大手ホテルチェーンのStarwood Hotelsもゲーミフィケーションをロイヤリティプログラムに取り入れている。彼らのウェブサイトによれば、Starwood Preferred Guest (SPG) プログラムのメンバーは、SPGアカウントとFoursquareアカウントをリンクすることによって“Foursquare上のバッジ以上のものを集めることができる”。チェックインごとのボーナスポイント250点や隠されていたFree Resort Night Awardを解き放つチャンスのような素晴らしい特典を獲得するのだ。

そして、Starwoodへの利益が膨大であることも知っておくべきである。SPGメンバーがFoursguareプログラムに登録する時、Starwoodは顧客のトラベルアクティビティに関する無数の情報―どの都市に頻繁に行くのか、どのホテルを選ぶのかなど―にアクセスすることができるのだ。これこそが、Starwoodがロイヤリティマーケティングの取り組みを強化するのを手助けする顧客中心の情報なのだ。


この記事は、The Social Customerに掲載された「Gamification is More Than Just Fun and Games」を翻訳した内容です。

冒頭の「ゲーミフィケーション市場は2011年の1億ドルから2015年には16億ドルにまで成長する」という予測にまず驚きました。どこからどこまでを数字に含めるんだという話はあるでしょうが、いずれにしろ今後伸びていく分野であることだけは間違いないと思います。後半は既にゲーミフィケーションに取り組んでいる企業の事例が多数紹介されていましたが日本でも一部の外資系企業など確か同様の取り組みを始めていますよね。ざっくりと割り切って考えるとポイントプログラムなどの従来のインセンティブプログラムをさらにブランディングや動機、心理面からも強化した取り組みがゲーミフィケーションという感じでしょうか?ソーシャル全盛の現在、ワントゥワンに限らずゲーミフィケーションによる他者への波及力という側面も相当ありそうですし、今後顧客のロイヤリティプログラムに取り込んでくる企業が急速に増えてくるのが時代の流れかな、、という気もしますね。 — SEO Japan
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