Yahoo!やAOLなど巨大ポータルサイトを苦しめる4つのWEBのトレンド

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先日、米国Yahoo!がいよいよ買収されるのではという現在進行形の噂が流れましたが、Yahoo!といえばGoogleにその座を奪われるまではネットを代表する大企業でした。AOLにしても一時はあの超巨大メディア企業タイムワーナーと合併したりと米国をかつて代表していたこの2社。もちろんまだまだデジタル時代の一大ネット企業であることには変わりはないのですが、最近のソーシャルブームや今後のウェブの方向性を考えると、その将来は決して明るいものではなさそうだ、というニュースが届いていたので紹介します。 — SEO Japan

大規模なポータルは広告収益を伸ばせず

印刷媒体のドル単位の広告収益から、デジタル媒体の10セント単位の広告収益に移行しているとは言え、TVの広告は今もなお好調であり、強固である。印刷媒体の落ち込みと同様に、ブランドの広告収益の流れは巨大なサイトさえも省略し、ポータルサイトは、オンラインメディアへのシフトチェンジを活かすことに失敗している。

様々なカテゴリーでヤフー!は今でも競合者をリードしているものの、直接的な広告製品の販売には苦戦しており、その多くを補填/残り物として販売されている。AOLもこの問題の影響を受けている。ハッフィントンポストを買収し、広告をCPM=$1000と言うインチキなレートで堂々と売っているにも関わらず、今でも資金を失っており広告収益は僅かしか増えていない

株式市場は大きなポータルサイトの価値を認めず

大きなポータルサイトの一部は、TVスタイルのウェブの視聴率広告の売り上げを増やすと期待しているが、私は疑っている。そして、マーケットも同様に疑問視している。AOLの株価は先日の反発の前の1ヶ月間で50%落ちていた(そして、残りの半分は現金である)。最近のAOLの株価の復活は、同社が買い戻しを発表したためだ。そして、手元の現金と外国資産での投資を見合わせた際にヤフー!は基本的に$1ドルの価値もないと評価されていた。

ポータルが成長できない理由

大きなポータルサイトの広告収益が伸びない理由の一つは、モバイル(現在広告クリックの12%に該当する)、フェイスブック、そして、ソーシャルメディアに対する過剰な宣伝である。“格好よく見せる”ために費やされたブランドの広告収益は、新しいブームとトレンドにうまく便乗している。

ソーシャルメディアでの過剰な宣伝の波に乗り、現在、アドワーズの広告ですらソーシャルな要素を取り入れている。

ポータルに影響を与えている問題は(後ほど取り上げる)、他にも広告のリターゲティング、独自の統合型メディアバイ、そして、トラフィックの質の混合等が挙げられる。

このようなトレンドが大規模なポータルに深刻な影響を与えている仕組みを考える上での基礎として、以下の点を考えてもらいたい…

… しかし、eHowの四半期ごとのトラフィックは、第一四半期とほぼ変わらず、収益は前年と比べて32%増加している。検索を優先して配信する戦略を採用し、パンダの鉄槌を下され、そして、大量のコンテンツを削除したにも関わらず、ディマンドメディアは今もなおAOLやヤフー!よりも遥かに早いペースで成長しているのだ。そのため、ヤフー!& AOLが投資家のコミュニティからあまり良い評価を受けていないのは当然である。

1. 広告のリターゲティング

コンテクチュアルな広告のターゲティングと広告のリターゲティングにおいて、広告主は有料の広告インベントリの料金を払うことなく、関連性の薄い場所で広告を掲載し、オーディエンスに接触を試みる多くの選択肢を持つ。

広告のリターゲティングは、インベントリを巡って競争するための別の広告の経路として、CPMを上げる効果があると当初私は考えていた。編み物やセレブのゴシップに関する小規模なサイトは恐らくCPMを上げることが出来るかもしれないが、値段が高い“プレミアム”なメディアには逆効果をもたらす。最初、大きなポータルではなく、Bリストのサイトに打撃を与えていたが、時間の経過とともにこの傾向が強まり、最終的に大規模なポータルを直撃した。

グーグルは広告のリターゲティングをメジャー化させた。当初、広告主は、認識されている価値を基に、故意にこのトラフィックを求めて高い値で入札していた。しかし、広告主は大部分が自分自身と競合/入札しており、そして、広告がどこにでも表示されたため、現在、大半の広告主は入札額を大幅に削っても、十分に表示される点に気づいている。

一部のeコマースサイトは、ウェブサイトを訪問した人々への広告のリターゲティングだけでなく、見た、またはカートに移した個々の製品のターゲティングにまで手を広げている。いつも購入しているような製品を求めて買い物しているなら気づいていないかもしれないが(私達は、アイデンティティの印として、通常自分が好きなものを普通、そして、実際よりも人気があるものと認識する傾向がある)、あまり一般的ではない製品を探しているなら、自分を追ってくる広告の存在は遥かに目立つ。

私はくだらない贈り物を買うことがある。期待をわざと裏切るため、そして、様々な反応を見るためだ :)

私が妻に4年目の結婚記念日のプレゼントを買うためオンラインで買い物をしているとき、私はゼールズ(ダイヤモンドの販売店)の一部のアイテムがあまりにも醜く、派手過ぎると友達と冗談を言い合っていた。すると、このゼールズの製品がバナー広告内で私を付け回すようになったのだ。

アイテムを買い物かごに入れる人を見るよりも、既に購入した実際の製品を見る方が価値が高い。アマゾンは関連する製品をウェブページで提案し、個人に特化した“気に入るかもしれない製品”を並べたeメールを送信し、そして、データを活用して分散型広告ネットワークを構築している:

アマゾンは同社の莫大なデータを使って、見た製品または小売業者のウェブサイトで購入した製品に基づいて、消費者を動かしているのだ。同社は、行動に基づくターゲティングを行ったディスプレイ広告を使って、あらゆるURLに向かわせることで、広告主がメディアのターゲティングを用いて消費者に接触する試みに手を貸すだろう。

リターゲティングを行うためのテクノロジーやビジネスモデルは他にも多数存在する。一部の企業は第三者のウェブサイトにピクセルを貸す試みを行い、一部の分析サービスはクッキーを蘇らせ、そして、アカマイのCDNはピクセルフリーの追跡サービスを提供し、フェイスブックのいいねボタンはクリックしていなくてもデータを集め、そして、第三者のソーシャルメディアの“加える”ボタンは同様のデータを集め、販売している。

モバイルへの転換は、広告のリターゲティングをさらに高度化させる。デジタルレシートはさらに普及しつつあり、そして、エリック・シュミット氏は、グーグルを財布に変えようとしている

2. 統合メディアバイ

WebMD

WebMDは、情報から自己評価クイズに進むセクションを直接病気に関連するオリジナルの統合型広告チャンネルで収益化している。

ブログのスポンサーシップ

ペイパーポストはブログでの露出を選び、マーケティングのアプローチにおいて恥ずべき行為に及んでいる。レビューミー(私が設立に関わり、株式を随分前に売却した会社)は多少無難な道を選ぶ意図を持っていたが、少なくとも初期においては望んでいたほどブランドの注目を集めることは出来なかった。

最近は、多くのブログコミュニティが独自に広告ネットワーク化している。母親層に接触したいだろうか?P&Gは女性向けのブログコミュニティのBlogHerと提携している。この取り組みの人気は高まり、ブログのエントリや動画で取り上げられている。


ユーチューブ

砂糖とインシュリンに関する動画を見た直後、ユーチューブに追われる体験を私は味わった。動画上に広告が掲載され、そして、関連する動画のユニットが右側に表示されていたのだ。

「広告ユニットではなくコンテンツを作ろう」と言う方針をさらに追及し、ユーチューブは、任天堂用の独自の広告を作成した。この広告では、ユーチューブのウェブサイト全体のインターフェースがゲームに関連する。

Tipp-Exも多くの注目を集めたバイラル化したユーチューブの広告を作成した。

グーグルのニケシュ・アローラ氏は、プレゼンの中でWillItBlendは$5,000でプロダクトプレイスメントをブレンドしていると述べていた。


3. ネットワークの質が下がる

一部の広告ネットワークは、インチキな“インベントリ”で埋め戻す取り組みを実施している(ヤフー!検索やルックスマートは、「検索」広告で便宜を図っていることで知られている)。

この低俗なトラフィックが混合されると、さらにネットワークの価格が下がるだけだが、上述したその他の変更により、とても大きな問題に発展する。広告ネットワーク上の不正な“インベントリ”が魅力的な理由の一つとして、上等な広告インベトリを購入する際の広告業者による利幅が遥かに高い可能性がある点が挙げられる。

「34兆回の広告インプレッションを提供します…そしてその他のコストの5分の1の値段です」と言うメッセージは、とても効率よく、そして、魅力に溢れているように思える。彼らはプレミアムなアイテムよりも、ゴミのようなアイテムでのマージンをなぜか上げることが可能であり、十分な広告リターゲティングを全体に織り交ぜるため、パフォーマンスの出所は特定することが出来ないが、全体としては問題なく見える(徹底的に調べればボロは出る)。

これはeメールの共同登録や質の高いSEO & PPCで得たリードに有料のリードを含める戦略と全く同じである。ゴミで埋めてボリュームを増しつつ、質の高いアイテムを十分に混ぜて、実施する価値があるレベルまで全体的なパフォーマンスを高く保ち、一方で既存のブランドの力とリターゲティングによる付加的な利益との価格差で稼いでいるのだ。

4. ステルスウェブポータルとしての検索エンジン

ローカルが欲しいなら、グーグルプレイスを使おう。動画が欲しいなら、グーグルのユーチューブを視聴しよう。買い物をしたいなら、検索結果に掲載されているアイテムを見てみよう。株価を知りたいなら、検索結果を確認しよう。

巨大なポータルを支えてきた広範な総合的なトラフィックの多くが、現在、検索結果にさらに多くのデータを直接掲載するようになったグーグルやビング等の検索エンジンに吸収されている。このトレンドは表面上に現れているよりも、実は遥かに深刻であり、検索結果で稼いでいる企業への投資(ホエールシャークメディア等)、独自の形式の広告やリード生成経路の検索結果への導入、そして、現在構築されているバーティカルの改善のテスト(旅行、割引、ゲーム、そして、グーグル+等のソーシャルネットワーク)を考慮しているなら尚更である。

5. オーサーの特定と優秀な才能の維持

Klout等のサービスは、個人の影響から通貨を作ろうと試みている。そうすることで、広告主は誰に声を掛ければいいのか分かるようになる。

ある程度ドメインのオーソリティを重要視するグーグルの方針により、新しいサイトが収益を得るためには欠かせない初期の勢いを得るのが困難になり、オーサーの独立を阻んでいる。グーグルはrel=authorをオーサーランキングシステムを作る実験を行う手段として導入した。成功すれば(そして、オーサーの評価を公開するようになれば)、高い評価を得たオーサー達には作品を投稿するネットワークでの影響力がもたらされ、その結果、オーサーが離脱し、自分の好きな行動を取りやすくなり、大きなポータルサイトをさらに弱体化するだろう。

オンライン広告技術は引き続き進歩しているが、後塵を拝する多くのメディア企業は、優れたタレントが流出する問題に直面するだろう。彼らは以前も何が起きるか分かっていたが、変えることは出来なかった。

「[AOL]は間違いなくコアの資産を持っているが、「絶対に欠かせない人物」と描写するような人物を見つけるのは難しくなるだろう。」とオムニコムグループ社に属するメディアバイグループのPHDでチーフデジタルオフィサーを務めるクレイグ・アトキンソン氏は述べている。 – 情報源


この記事は、SEO Bookに掲載された「What is Killing AOL & Yahoo!?」を翻訳した内容です。

Googleの話題じゃないせいか、SEO Bookにしては珍しく冷静な分析記事でしたが、その内容もまるでどこかの優秀なアナリストが書いたような(というかそれ以上ですね)業界にどっぷり使っている私も改めてナルホドと納得できる素晴らしい内容でした。リターゲティングなどの技術的進化から広告ネットワークの分散化、検索エンジンのさらなるバーティカルポータル化などネットの進化の方向性、また人材流質など(日本でも最近大手メディアサイトからの人材流出の話が少し話題になりました)様々な問題を抱えているのは事実ですよね。

とはいえ、Yahoo!も様々な分野でトップの位置にいるサービスを持っていますし、AOLもコンテンツプロバイダーとしてその立ち位置を転換中ですし、悲観的な話だけでもないのも事実。ついつい新興ソーシャル企業に注目が集まりがちですが、老舗ネット企業、Google、新興ソーシャル系企業、そして今後さらに登場するであろう次世代企業が入り乱れて今後のネットを動かしていくことでしょう。私も少しでもその場に参加出来るように頑張りたいところです。

話は変わりますが久々にコンテンツファーム「ディマンドメディア」の話題が出ましたが、トラフィックにさほど変化はないものの(パンダ後にも関わらずこの事実はある意味スゴイ?)順調に収益を伸ばしているようで何より(?)でした。 — SEO Japan

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