スタートアップ支援プログラムの未来は”学習+集中 = 価値創造へのアクセラレーション”

公開日:2012/06/26

最終更新日:2024/02/18

ブログ

世界的なスタートアップで米国はもちろん日本でも多数のスタートアップアクセラレータ(スタートアップ支援プログラム)が登場しているようです。もちろんそこから実際に成功を勝ち取るスタートアップもあるでしょうし、より多くの成功者を出す支援プログラムもあれば、結果を出せない支援プログラムもあることでしょう。今回はそんなスタートアップ支援プログラムの未来について考えた記事を自らスタートアップ支援プログラムを運営する筆者が語ります。 — SEO Japan

私は大した予言者ではないのだが、最近、Wall Street JournalのSarah Needlemanが私に電話をかけてきて、スタートアップ・アクセラレータについての私の考えを尋ねてきた。

彼女は、私が書いたブログ記事(How to Maximize the Value of Mentors in Startup Accelerators)を見つけ、彼女が書いていた記事に関して私の意見が欲しかったのだ。

不思議な話だが、私はちょうどミシガン州で行われたリーンスタートアップのカンフェレンスで、Year One Labs(註:筆者が運営するスタートアップアクセラレータプログラム)での自分の経験とそれ以来の他社との関わりを未来に向けたケーススタディとして使って、アクセラレータについて話し終わったところだった。

それは素晴らしいイベントで、本当に面白かった…

残念ながら、私のコメントはSarahの記事には使われなかった。

しかし、それはいいのだ。Sarahと話をするのは同じように面白かった。その記事はここにある:Start-Ups Crowd ‘Accelerators’

この記事の中には私のコメントがないため、私は、一般的なアクセラレータに関するいくつかの私の考えと、私が未来がどこに進んでいると見ているのかを共有しようと思った。

アクセラレータはお金を稼がなければならない。

私は、過去にこれについて書いたことがあり、今もそれがアクセラレータにとっての基本的基準であると信じている。ただ一つ気を付けなければならないのは、投資収益率があまり重要ではない、教育により焦点を合わせたアクセラレータやプログラム(私はThe Next 36のようなプログラムを考えている)かもしれない。

今現在、多くのアクセラレータにある問題は、彼らが教育もしくは結果としてお金を稼ぐことを第一に焦点を合わせていないことだ。

その代わりに、彼らは、“コミュニティ構築”―特にノン・スタートアップハブの中に作ること―に焦点を合わせる。私はこれを過ちとして見ている。なぜなら、あなたはこの方法でコミュニティを作ることはできないからだ。

あなたは、エグジットし、いくらかのキャッシュとノウハウがエコシステムに戻ってくる成功する(そして大きな!)会社を作ることに焦点を合わせる必要がある。

シリコンバレーは、巨大な成功を収めた会社とそれらの会社を作った起業家の支援によって作られた。

全てのアクセラレータが同等に作られるわけではない。

私は、この点について指導に関する投稿ではっきり述べた。

私がSarahに言ったことはその一部だ:“アクセラレータが成功したプログラムのフォーマットをそっくり真似たからと言って、それも成功するとは限らない。” 全てのエコシステムは異なるし、プログラムは自分の環境に順応しなければならない。簡単な例として、大学について考えてみることだ。

トップの学校(ハーバード、スタンフォードなど)があり、中くらいの学校があり、底辺の学校がある。その中には、サイエンスでは順位が低いが、アートでは中くらいかもしれない学校がある。アートは中くらいでもその他のことがトップの学校もある。同じことがアクセラレータにも当てはまるのだ。

良いものもあれば、非常に優れたものもあり、まあまあのものもあれば、悪いものもある。資金調達を手助けするのを得意とするものもあれば、他のことに優れているものもある。

まだかなりの初期段階にある。

私たちの知っているアクセラレータは、まだ出てきて間もない。たとえドットコム時代のインキュベータを考慮するとしても、まだ10年かそこらだ。成熟して、意義のある量的な結果を示すにはもっと時間がかかる。

それでは、私たちは財政的に成功したアクセラレータをたくさん目にすることになるのだろうか?分からない。なぜなら、私たちはまだその証拠を十分に持っていないからだ。私が知っていることは、現在の成功の基準(アクセラレータを去った後の資金調達)が実際の成功を全て物語っているわけではないということだ。

私たちが知っての通り、お金を集めることは成功ではなく、スタートアップがする1つのことにすぎない。

今は、それはみんなが使っている基準ではあるが、私たちはもっとエグジットを求め(今後3~5年で)、その方法で成功を測定すべきである。

多くのエグジットは、会社が始まって7~10年で起こる…あなたは始めに戻って直線を引くことができるだろうか?

アクセラレータの消滅。

アクセラレータの数は今も増えているが、それは永遠には続かない。徐々に私たちはアクセラレータが減るのを目にするだろう。中には財政的に成功しないものがあったり、継続した財政支援受けられなかったりする。

十分なクオリティのスタートアップを排出しないがために、未来の起業家が参加を躊躇することもあるだろう。私は、ゆっくりとした自然消滅のプロセスを見ている。

私たちは、爆発して地球上全てのアクセラレータが一晩にして消えるバブルの中にはいない。大部分のビジネスを考えるのだ。現実に彼らは失敗している。

クセラレータが例外だとは思えない。

アクセラレータの特殊化。

私たちはすでにアクセラレータプログラムの特殊化を目にしているし、私はこれが続くことを期待している。それは理にかなったことだ。

成功するためには、アクセラレータはローカルエコシステムの全ての側面が必要なのだ:質の高い志願者(起業家精神を持ったたくさんの生徒を含む)、エンジェル&シード投資家、ベンチャー投資家、パートナー、顧客、買収者。もしこれらすべてが地理的地域に存在していなければ、成功するアクセラレータを築くのはずっと難しくなる。

中には特定のことのエコシステムが整っている都市もある。

例えば、モントリオールにはかなり大きなゲーム業界がある。そこで特化するのは理にかなっている。

その一方で、モントリオールでB2Cビジネスを築くのは、かなり難しい。なぜなら、“フードチェーン”全体がとても弱いからだ。

アクセラレータの差別化。

特殊化を超えて(例えば、とあるバーティカル周辺)、もっと差別化も目にする必要があると思う。様々な長さや、より明確に定義したゴール(全てのアクセラレータが資金調達を目的とすべきではない)や、ユニークな機会(起業家をバレーに連れて行くような)や、整備されたパートナーシップなどのプログラムがあるべきだ。

アクセラレータは、自分たちの唯一無二の価値命題を探す必要がある。そうすれば、差別化して目立つことができる。

起業家は、それぞれのアクセラレータの唯一無二の価値を探して、どれが自分たちとってベストなのかを決める必要がある。

Sarah Needlemanは、インタビューの中で、アクセラレータに参加しようとしている起業家への私からのアドバイスを尋ねた。

最も簡単なアドバイスは、以前の参加者と指導者と話をすることだ。その経験が自分たちにとってどんなものになるのか、プログラムがどう機能し、どんな価値をもたらし、強みと弱みがどこにあるのかを探るのだ。完璧なアクセラレータもなければ、成功が保障されているアクセラレータもない。

私は、あなたにこの経験から2つのことを求めてほしい:学習と集中だ。それらは数値で表すのは難しいが、あなたがスタートアップで早い段階で得ることができる最も大切なことだ。アクセラレータは、(資金調達ではなく)学習と集中を最大化するためにデザインされるべきなのだ。

学習+集中 = 価値創造へのアクセラレーション

あなたの学習と集中が早ければ早いほど(そして集中し続けながら学び続ける)、あなたが勝利するのは早くなる可能性が高い。アクセラレータは、自分達にとってそしてスタートアップにとって持続可能な成功を築きたいのであれば、学習と集中に関連することを最適化してプログラムをデザインすべきである。


この記事は、Instigator Blogに掲載された「The Future of Startup Accelerators」を翻訳した内容です。

もちろんプログラムや担当者毎に様々な違いもあるでしょうし、中にはひどい内容のものもあるのでしょうが、スタートアップ創業者も支援プログラムはあくまで「支援」をしてくれる存在とある程度割り切りそれに依存しすぎない姿勢もまた必要かと思います。スタートアップブームの到来と共に日本でも数多くのスタートアップ支援プログラムが立ち上がりましたが、さて、3年後に結果を残せているプログラムはどれ位あるでしょうか? — SEO Japan

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。