Facebookの株価低迷の戦犯はザッカーバーグなのか?

公開日:2012/10/22

最終更新日:2012/10/22

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インターネット界隈で2012年最大の出来事といわれていたFacebookのIPOですが、上場後の株価はイマイチさえないようです。それまで世間が久々のネットバブルに浮かれすぎていただけのか、Facebook自身に問題があるのか様々な意見があると思いますが、今回はCNNのテク系レポーターが語ったFacebookの現状、課題と可能性について。 — SEO Japan

アナリストである私は、「フェイスブックの株価の下落の原因はザッカーバーグ氏にあるのか?」と尋ねられることが多い。事実、CNNが先週投稿したザッカーバーグ氏、フェイスブック、そして、ウォールストリートに関するストーリーでも同じ質問が投げかけられていた。これはもっともな質問であり、CNNのヘザー・ケリー氏はこの件に関してバランスの取れた、思慮深い記事を綴っている。これは今後議論されるであろう問題の一つに過ぎないが、専門性、愚行、そして、内部の問題等はさておき、フェイスブックは事業、従業員、さらに今後は、投資家に対しても力を入れていかなければならない。

これは長期的なtarget=”_blank”>取り組みである。その点は誰もが心得ている。それでも、私達は短期的に考える傾向がある。そこで今回は、CNNの記事では一部しか利用されていなかったが、ケリー氏との会話を余すところなく皆さんと共有したいと思う。フェイスブックのスタッフの誰かがこの記事を読み、いいね!をして、他のスタッフや投資家とシェアしてくれるかもしれない。

CNNのヘザー・ケリー: ザッカーバーグ氏がCEOを辞めるべきかどうかに関する先日のレポートを読んだ私は、もっと時間が必要なだけなのか、同氏が介入し、実施するべき特定の取り組みがあるのか、もしくは、パフォーマンスが芳しくない場合に本能的にCEOに責任を求めているだけなのか分からなくなりました。

ネガティブな状況ではスケープゴートを、ポジティブな状況ではヒーローを探す行為は自然に行われます。残念ながら、フェイスブックのIPOは、出だしから問題を抱えています。マーケットは責任を求めて誰かを指さす習性があり、そして、これは「いいね!」を表すサムズアップではありません。マーク・ザッカーバーグ氏はまだ若く、目立つ企業の経営者としてはとても物静かな人物だと言えるでしょう。責任を押し付ける対象としては完璧なのです。しかし、フェイスブックは、決して低調なパフォーマンスを見せているわけではありません。また、製品としてのフェイスブックもまた低迷しているわけではないのです。10億人近いユーザーを抱え、これは世界のインターネット人口の38-42%を占めています。また、7月26日の時点で、フェイスブックは第2四半期の収益は32%増加して11億8000万ドルに達したと発表していました。これはアナリストの予測を若干上回っていたのです。そして、8月23日、フェイスブックは改善されたiOSアプリをリリースしましたが、マーケットはこの製品に対して軒並みポジティブな反応を示しています。さらにインスタグラムの買収が認められたことにより、フェイスブックはさらに効果的に収益化を行うために、モバイルのユーザーエクスペリエンスの改善に力を入れることが出来るようになりました。

友人でありテクノロジーインベスターでもあるシェルビン・ピシャバー氏は「私は人間関係について楽観的であり、フェイスブックに対しても楽観視している。」と述べています。

CNN: 現時点で、ザッカーバーグ氏に対する最大の批判は何でしょうか?

まず何よりも、マーク・ザッカーバーグ氏は、利益を上げる事業を行うよりも、世界中をつなげる行為に専念する理想家のCEOと見られています。

ザッカーバーグ氏は、経験、そして、株式会社をポジティブな領域に導き、さらに投資家のコミュニティに自信を植え付けられるだけの力を持っているか疑問視されることがよくあります。また、ザッカーバーグ氏がIPOの直前に行われたフェイスブックの過大評価に関わったと言う疑惑が持たれています。その他の批判は些細なものが多いでしょう。年齢が若いことが、未熟であり、株価を重要視していないと言う批判に結びついています。また、スティーブ・ジョブズ氏と同じように、ザッカーバーグ氏も誰に対しても心を開くようなタイプの経営者ではありませn。

CNN: CEOとしてザッカーバーグ氏はこの状況に対して、何をするべきでしょうか?コストおよびフェイスブックの運営費がどのように利益に結びつくかをさらに詳しく明かす必要があるのでしょうか?もっとコミュニケーションを取ればそれで済むのでしょうか?あるいは黙っていた方が得策なのでしょうか?

この質問には正しい答えはありません。マーク・ザッカーバーグ氏は、投資家や批評家よりも製品を重要視するアプローチにおいてスティーブ・ジョブズ氏にとても良く似ています。ジョブズ氏は常に成功していたわけではありません。ジョブス氏もまた財政的な困難および製品の失敗に直面した時期がありました。ザッカーバーグ氏は、デバイスおよび接続スピードが異なる大勢の様々な消費者に対して、最高の製品およびユーザーエクスペリエンスを提供することに焦点を絞っているのです。これは簡単な仕事ではありません。

しかし、フェイスブックは投資家が自信を得られるようにもっと時間を割いて説明することも出来たのではないでしょうか。株式を公開する会社になったため、推測はプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります。アップルは、ポジティブな推測を新製品のリリースの宣伝に活用する取り組みをマスターしています。しかし、現在、推測はフェイスブックにとってマイナスに作用しています。これは、利益ではなく、株価でフェイスブックを計測していることが原因であり、これもまた問題の一つだと言えるでしょう。投資家達はフェイスブックを熟知しているわけではないため、フェイスブックについてどのように考えればいいのか分かっていません。リンクトインを使って、フェイスブックは子供のためのソーシャルネットワークだと勘違いしているのではないでしょうか。そして、この誤解が大きな問題に結びついています。リーダーとしてのマーク・ザッカーバーグ氏の力量に関する推測もまた問題の源になっているでしょう。沈黙を守り、このような重要なトピックを避ける戦略は薦められません。スティーブ・ジョブズ氏によると、マーケットの判断が「正しい」または「誤っている」際にアップルですら声を上げる必要があったようです。

CNN: ザッカーバーグ氏のCEOとしての経験不足は克服することは不可能なのでしょうか、あるいは、ザッカーバーグ氏は設立者であり、ブランドにとって重要であるため、CEOの座に据えておくことは必要なのでしょうか?

フェイスブックを成功に導いているのはザッカーバーグ氏のビジョンです。世界最高の開発者達をまるで教祖のように従わせているのはハッカーウェイに対する同氏の熱心な姿勢です。シェリル・サンドバーグ氏と働くことで、ザッカーバーグ氏は、同氏が「出荷」と呼ぶ作業に専念することが出来ます。投資家にも同じことが求められています。しかし、信頼することが出来る組織内の人物からの発言もまた必要とされているでしょう。

CNN: フェイスブックのビジネスモデルに変化は必要とされていますか、あるいは、従業員と投資家とのコミュニケーションを活性化させ、現在のビジネスモデルへの信頼を高めれば済むのでしょうか?これはソーシャルメディアサイクルの一環なのでしょうか?(マイスペースやフレンドスターのようにメンバーの関心が失われる)?

マーク・ザッカーバーグ氏は常にユーザーにとって使う意味のあるサービスにするために戦っています。それが同氏の使命なのです。そして、投資家が理解していないのもこの点です。マイスペースとフレンドスターは、投資家や株主の要求を満たすために経営陣に“適切”な人物を配置しようとしたことで、もともとのビジョンを失ってしまいました。また、マイスペースとフレンドスターは有効性に対する競争… つまりユーザーエクスペリエンスを改善することを考えなくなってしまったとも言えるでしょう。フェイスブックは現在モバイルに力を入れており、そして、モバイルこそがフェイスブックの向かうべき場所なのです。格好良さを失わずに、ユーザーにさらに共有を促す継続的な取り組みと組み合わせることで、ユーザーは何度もフェイスブックに戻って来ることになるでしょう。なぜなら、そうする価値があるからです。この経験をブランドに対する収益化の機会と調整することで、どちらの側の経験にとってもプラスに働きます。マーク・ザッカバーグ氏はスティーブ・ジョブズ氏のように、執念を燃やし、そして、集中力を傾け、このような問題、そして、今後発生する問題を孤独に解決していくことになるのではないでしょうか。

CNN: 従業員のモラルの低さは危険だと思いますか(売却禁止期間が終了し、彼らが株をさらに売りさばいたら、フェイスブックに大きな影響を与えるのでしょうか)?

モラルはテクノロジー関連のあらゆる株式会社に付きまとう問題です。36ドルで取引していたと思ったら、次の瞬間には19ドルに値下がりしてしまうこともあります。このような劇的な値下がりが起きると、従業員の資産は大幅に低下してしまいます。マーク・ザッカーバーグ氏は、お金ではなく、ハードワークに対するインセンティブが重要視される会社の雰囲気を作るために出来る限りのことを行ってきました。IPOを行う直前には、同氏はハッカソンを行っていました。ザッカーバーグ氏は、出荷、そして、ユーザーエクスペリエンスを大事にしています。従業員に対して、“信じる”と言うミッションを与えています。フェイスブックは、この世界でポジティブな役割を担っており、そして、このより重要な意図こそが、モラルを破壊するのではなく、良い影響を与えているのでしょう。少なくとも私はそう願っています…

フェイスブックのIPOが行われる前に行われたアルジャジーラの取材で答えたように、「デジタルダーウィニズムの時代では、リアルタイムよりも早いと言われるくらい、リアルタイムで消費者が考える有効性を巡って競争しなければらないのである」。


この記事は、Brian Solisに掲載された「Is Zuckerberg to blame for Facebook’s slumping stock?」を翻訳した内容です。

ここまでの知識を持って鋭い分析ができるレポーターがCNNにいるというのがまず単純にスゴイな、、、と思ってしまった私でした(日本の大手新聞社やテレビ局にいるでしょうか?)。

色々いわれているマーク・ザッカーバーグですが、記事でも比較されていましたがあのスティーブ・ジョブスも初期のAppleの成功から数々の苦難を乗り越えて(一時はそのAppleから追放されて過去の人になった時さえあったわけで・・・)伝説の人となったわけです。株価や業績はともかく、Facebookがユーザー至上主義であることはある種ジョブスの製品デザインへの揺るぎないこだわりに近い部分も感じますし、マイスペースやフレンドスターとは違う何かは感じます。きっと今後まだまだ私たちに新たな驚きを提供してくれることでしょう!

いずれにしても始まったばかりのFacebookの公開企業としての歴史、今後の活躍に期待したいところです。その意味では、もちろん日本のmixiにもまだまだ復活のチャンスはあるわけで、同じく、というか、それ以上に応援したいですね。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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