エンタープライズSEOの効果を証明する難しさ

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エンタープライズSEOの記事を定期的に配信しているSEO Japan、今回はエンタープライズSEOを実施する際の難しさについて考えた記事を。せっかくの努力を無駄にせず、きちんと評価し次につなげるためには何が必要? — SEO Japan

結局、金である。

現実を直視してもらいたい。重役からの支持や文化的な変化、そして、期待の管理を話題に上げることも可能だが、経営陣がROIを認めない限りは、SEOが企業で生き残る道はない。

従って、SEOのアクティビティを計測し、正当性を裏付ける手段が必要になる。

その ためには、2つの難題に挑まなければならない:

  1. アトリビューション: SEOは自然なクリックを生成する。自然なクリックで始まる訪問はサイト外部へのアクセスで終わることが多い。とりわけ、常に小売りを意識していな大型のサイトでは尚更この傾向が強い。どうにかしてアトリビューションのループを閉じなければならない。
  2. イラストレーション: どのようなデータを提供しているにせよ、5秒以内に伝わらなくてはならない。5秒を超えると、失敗する。

全ての大企業で、これらの問題がSEOの前に立ちはだかる。その他の問題は、解決することが出来れば納得してもらえるはずだ。収益を上げるSEOを実施すると、次のような現象が起きる:

  • SEOがITチームの優先事項になる
  • クリエイティブチームがトップから明確な指示を受ける
  • コンテンツが突然投資する価値のある存在になる
  • 今後も給与をもらえる

小さな会社も例外ではない

皆さんの考えていることはお見通しだ。それって、規模に関わらずどんな企業にも言えることではないのかと考えているのだろう。

必ずしもそういうわけではない。小さな企業のCEOは、幸運にも直感で突き進むことが出来る。定期的にSEOチームに会い、ランキングとトラフィックレポートに目を通し、そして、SEOの取り組みにおける感覚を基に決定を下す可能性が高い。

しかし、大きな組織では、CEOはこのような行動はとれない。そもそもSEOキャンペーンに注目する時間が取れないはずだ。CEOにとっては、SEOは数多く存在する取り組みの1つでしかない。即ち投資を行い、利益を得ることが全てなのだ。

小さな組織では、優れたSEOのデータは根拠を確定する効果があるが、大きな組織では、それ自体が根拠なのだ。

アトリビューション: e-コマース

仮にeコマースサイトを運営しているとしよう。ペンチを販売していると仮定する。全ての顧客は「ペンチ」を検索しており、ランキングでサイトの存在を知り、オーガニックなリスティングをクリックし、そして、すぐに購入を行う。これは簡単に分析することが出来る: 1度目のクリックが販売につながるため、容易にコンバージョンを追跡することが出来る。

この場合、アトリビューションは簡単である。なぜなら全ての売り上げが100%オーガニックな検索結果に起因しているためだ。この類の分析しか存在しないのが理想だ。

現実はそんなに甘くはない。実際のデータは非常に複雑である。通常の売り上げは次のような経緯で起こる可能性がある:

  1. フランクはブログを介してサイトを見つけ、サイトにアクセスし、一旦サイトを後にした。
  2. フランクは名前で製品を検索し、有料検索結果をクリックし、サイトを訪問するものの再び去った。
  3. フランクはタイプで製品を検索し(ペンチ)、オーガニックのランキングを見つけ、サイトにアクセスし、ページをブックマークして、去った。
  4. その後、フランクはブックマークをクリックし、製品を購入した: $300ドルの金めっきのペンチ

1度目のクリックのアトリビューションを採用すると、ブログが功績を独占する。最後のクリックを用いる場合は、“ブックマーク”あるいは“ダイレクト”が功績を独占する。これではSEO(そしてPPC)は冷遇されてしまう。

SEOがこの取引の一部である点を証明しなければならない。幸いにも、分析プロバイダーはSEOの苦労を分かってくれている:

  • グーグルアナリティクスのマルチチャンネルファネルを使うと、売り上げに他のチャンネルが“貢献”した場所を確認することが出来る。
  • コアメトリクスは、全てのチャンネルに対する30日間分のアトリビューションを表示するため、過去1か月間の売り上げの貢献をチェックすることが出来る。
  • オムニチュアやその他の分析サービスも程度はそれぞれ異なるがアトリビューションのサポートを提供している。一部のサービスはユーザーによる設定を必要としているが、そうではないサービスもあるため、プロバイダーを選ぶ前に尋ねてみよう(そして、証拠も貰おう)。

アトリビューションを完全に把握すれば、オーガニックの検索が有料検索に影響を与えたポイントを把握することが出来る。その一例を挙げる:

attribution analysis

自然な検索と有料検索の重なり

上の図を見せるだけでもマーケティング部門のVPにどれだけ多くの売り上げがPPCで行われても、SEOが必要である点を納得してもらえるかもしれない。

しかし、CEOも説得しなければならない。そして、他にももう一つ問題がある。

アトリビューション: リードベースのサイト

ここまではeコマースに関する話である。しかし、リード生成を基にしているサイトを運営している場合はどうなのだろうか?誰かがサイトを訪問し、フォームに記入し、セールズフォースやシーベル CRMソフトウェアに移動し、その後、完全に異なる部門に向かった場合、アトリビューションは複雑化する。

ビジターが電話をかけたなら、さらに難しくなる。

しかし、それでもアトリビューションを確認することは可能だ。

そのためには、3つのデータが必要である:

  • 顧客を生み出したウェブリードの数
  • 顧客のライフタイムバリューの平均値(LTV)
  • リファラーのソース、電話も含む

サイトにフォームを用意しているなら、それぞれのリードが生成された時点でフォームの入力完了を記録する。次に以下の公式にそれぞれの値を当てはめる:

生成されたリード * リード:顧客のコンバージョン率 * LTV = 生成された価値

従って、10,000のリードを生成し、そのうちの10%が顧客となり、また、それぞれの顧客のライフタイムバリューが100ドルの場合:

10,000 * .1 * 100 = $100,000

これらのリードの10%がSEOを経由しているなら、SEOは10,000ドルの価値があることになる。

電話で全てリードが生成されているなら、追跡するフォームが存在しない。その場合は、複数の電話回線を用意しよう(企業ならば増やせるはずだ)。リファラーに基づいてサイト上の電話番号を変更し(自然な検索、有料検索等)、次にCRMソフトウェアに届いた時点で電話を追跡するのだ。こうすることで、リードとしてそれぞれの電話を記録し、同じ公式を利用することが出来る。

リードベースのサイトは、eコマースサイトよりも複雑である。しかし、それでも追跡を行い、SEOに投資する正当性を証明することは可能である。計算する必要があるだけだ。

イラストレーション: CEOの注意が持続する時間

私はCEOだ。私の注意力はあまり長くは持続しない。クライアント、財務報告、ミーティング、そして、ランチを犠牲にして向き合わなければならない状況に追われており、データを見る時間はきっかり5秒間しかない。

それでも私の会社はとても規模が小さい。

大きな企業のCEOと議論するつもりなら、速度制限の標識について考えてもらいたい:

speed limit signs

標識を作った人達は、時速60キロまたは時速50マイルで運転している際にメッセージを分かってもらえる点を心掛けていた。シンプルであり、分かりやすく、注目を掴む。それだけだ。

SEOのデータでも同じことを心掛けてもらいたい。アトリビューションを全て終えたら、出来るだけシンプルな図表を利用しよう。何をするにせよ、スプレッドシートに頼るのは危険だ。なぜなら誰にも読んでもらえらないからだ。私はアーティストではないが、次のような図表が役に立つことを発見した:

sales from seo

最後のクリックとアシストされたクリックを示すシンプルな図表

この図表が功を奏する理由を挙げていく:

  • スタッツが表示されている。売り上げの合計。最後のクリックの売り上げ。“アシストされた”売り上げ。最悪の場合、これらの値の意味に関する要点を提供しなければならない。
  • プロジェクターで映し出されたら成功するだろう。最小のフォントサイズは30ポイントである。そのため、誰かが図表を利用し、許可なくパワーポイントで表示した場合でも、読むことは可能である。
  • 全体像が伝わる。私なら売り上げの合計を省くかもしれない。その方が見た目が良い。しかし、誰かが計算しなければならない状況は好ましくない。
  • 後に説明する機会を持つ。特別質問されない限りは、具体的なキーワードやSEOの変更等を気にする必要はない。しかし、VPやマーケティング部門、もしくは直属の上司/クライアントにはこのデータを提供する必要がある。

難題

ご覧の通り、かなり複雑なプロセスである。計算等が必要になるのだ。しかし、大規模なサイトで多額の予算を必要としているなら、回避することは出来ない。さぁ、今すぐに取り掛かろう!

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Challenge Of Justifying Enterprise SEO」を翻訳した内容です。

アトリビューションとイラストレーション、わざと韻を踏んだかは分かりませんが、確かに共に課題ではありますね。アトリビューション分析を丁寧に行うことで、SEOに限らずマーケティング予算をより効果的に分配できるとは思いますし、もちろん企業規模が大きければ大きい程、的確に上司にその効果と成果を報告する必要性は出てきます。中小企業と違ってターゲットは社外だけでなく社内にもいる大企業、マーケッターの仕事は大変です。 — SEO Japan

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