ロンドンで語られたデジタルマーケティングの未来【2012年版】

最終更新日:2024/02/20

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今年6月にロンドンでFuture of Digital Marketing 2012とえらく大げさな名前のカンフェレンスが行われていたようです。そのイベントに参加した同じくロンドンのウェブマーケティング会社Datadialで仕事をする筆者がその内容をまとめた記事を。ヨーロッパが考えるデジタルマーケティングの未来とはいかに? — SEO Japan

デジタルマーケティングの未来

私は先週、Future of Digital Marketing Conferenceに行った。そこでのバカ話は全てはぎ取って、読者に関連がある情報を蒸留した一口サイズのレジメをあなたに提供する。

そのカンファレンスに行く前、私は、売り上げを促進するためにFacebookとTwitterを活用する様々な方法について誰もが話すものだと思っていた。最終的にFacebookが注目を集めることは1日の中でほとんどなかった。

ハウス・オブ・フレーザーのAndy Hardingは、マルチチャンネルマーケティングにおけるソーシャルの活用は、小売店がいまだにその価値に確信を持てないために、不明確であると言った。

“最初はFacebookの「いいね!」を獲得するための争奪戦があったが、私たちは終わりのないレースを走る羽目になり、なぜそれをやっているのか理由さえも分からなくなっていた。”

これがFacebookマーケティングの私の見解であることを知っている人もいるだろう。私は、数えきれないほどのクライアントが、それをする理由やそこから何を得ることを期待するのかも考えずにFacebookページをセットアップするのを見てきた。Datadialにいる私たちでさえ、この罪を犯しているかもしれない。

イベントのテーマ

今年は、モバイル技術、インテグレーション、パーソナライズが繰り返し発生したテーマだった。それらのことについてもう少し詳しく見ていこう:

1. デジタルマーケティングの未来はパーソナライゼーションである

パーソナライゼーション―ここ最近、多くのマーケッターは、複数のタッチポイントからデータを集めて‘シングル・カスタマー・ビュー’を作ろうと奮闘している。

これは社内で反映され、すでに私たちはマーケティングとセールスを連携させる動きを目にしてきたが、テック部門が功績を認められ影響力を持つようになるのをますます目の当たりにしている。私の意見では、これは良いことでしかない。

2. 公正とパーソナリティが機能する

https://www.lingscars.com/ は成功を収めたサイトだ。嫌いな人もいれば好きな人もいるが、それはパーソナリティを持つことによってユーザーを引き込む。パーソナリティを持つサイトは少ない。これは、Ashley Friedlenが閉会の辞の中で取り上げた点だった。彼は、Appleのようにオフラインの実店舗とオンラインで同じブランド体験を提供することはできるのか、という質問をした。

多くの人がテクノロジーについて話したが、本質的にはFODMは、マーケッターが様々な分野にわたる新しいスキルを採用し、感情に訴えることを忘れずに、パーソナリティを見せて、顧客の道筋の全てのステップに価値を追加する必要性を示した。

ソーシャルは、誇大広告の先を見てパーソナライズされたサービスを推し進めるために顧客に心から関与する大きなブランドと一体になって、ここ1年でセールスサイクルにおけるインテグレーションに向かう大きな動きも見ている。

3. モバイルが十分な成長をした

モバイルとそれに付随するテクノロジーが今年はかなり取り上げられた。ここでも、消費者からの需要は、ウェブサイトがモバイル、ウェブ、TV、タブレット上で摩擦なしで機能することだ。

これらは、モバイルに関してされた様々なコメントの一部である。

モバイルサイトを所有しているブランドはたったの20%だ。それは、彼らが大きな直帰率とページ滞在時間の減少を目にする可能性が高く、モバイルを介して何かを販売しそうもないことを意味する。

  • サイトがモバイルデバイスに取り組まなければ、あなたのビジネスが苦しむことになる、ということは考えるまでもない。しかし、これを導入する方法に関してはたくさんの考え方があるため、あなたは私に電話して話し合う必要がある!
  • モバイルサイトを持っている企業でさえも、乏しいコンテンツしかなかったり、使いにくかったりすることがある。
  • モバイル最適化されたサイトも検索ランキングに影響を与えるかもしれない。
  • Googleは、モバイルサイトはAdWordsとランキングで良い実績を収めるだろうと言っている。だから、サイトが最適化されていなければ次第にあなたは検索順位を下げることになるかもしれない。

上記全てのことは真実かもしれないが、モバイルに飛び付く前に、まずはアナリティクスで自分のトラフィックを確認して自分のサイトで実際に起きていることに基づいて投資決定をすることだ。

4. 誰のコンテンツも王様になり得る

はっきりと力強く伝わってきたことはコンテンツだった―それをどのように作り、それをデジタルマーケティングの目的でどのように使用し、それを管理すること。それらは私に新しい専門用語を生じさせた―コンテンツ・キュレーションだ。

Googleがコンテンツを愛するということはあなたも知っているはずだ。長年、私たちはクライアントにコンテンツ戦略を持つことをアドバイスしてきた。これに取り組んだクライアントは数少なかったが、それをしているクライアントは検索エンジンでとても良い結果を出していることに気が付いている。コンテンツ・キュレーションは、適切なコンテンツ製作戦略を持ってこれが自分のウェブサイトだけでなくブログやオンラインフォーラムや印刷媒体にどのように発行されるかを管理することに関係する。

今の重要な違いは、古いブログ記事をたたいて、それについているリンクをいくつか選ぶことができた以前よりも、このコンテンツのクオリティがずっと高くなる必要があることだ。Googleがゲームを始めたら、あなたもそうしなければならない。

コンテンツを追加してキュレーターとクリエイターの両方の評判を強めるキュレーションの能力がますます重要になっている。

ますます多くのマーケティング部門が、コンテンツマーケッターを探しているとともに、より多くのビジネスが出版の分野に参入している。コンテンツを発行することだけでは十分ではない。あなたは、それを適切な人が見ていること、つまり、種をまいている場所、協力的な共有が出てくる場所を確実にしなければならない。

私たちは、PinterestのLikeでこれを多く目にしているし、このトレンドは上昇している。

コンテンツ・キュレーションの秘訣

コンテンツ・キュレーションを定義する方法はたくさんあるが、ここではその中の1つを紹介する:

1. アグリゲーション:特定のトピックに関する最も関連のある情報を1つの場所に集める。

2. ディスティレーション:最も重要もしくは関連するアイディアを共有してより単純化した形式で情報を提示する。

3. エレベーション:オンラインに投稿された日々の小さな物思いからより大きなトレンドや見解を識別する。

4. マッシュアップ:新しい視点を生み出すために存続既存コンテンツが使用して、唯一無二の配置をする。

5. クロノロジー:特定のトピックの進化していく理解を示すために時間に基づいて時系列に情報を整理する。

5. HTML5

それは、ページ上のコンテンツを記述する新しい方法だ。デザイナーとしてよりたくさんのレイアウトを手にするために便利で、Googleはよりコンテンツを理解することができるために順位が上がるかもしれないし、cross compatibilityを可能にする。

Andrewsは、HTML5は企業が自分たちのウェブサイトを作る方法を変えるため、かつてないほどに重要になるだろうと言った。HTML5はそれぞれのデバイスで同じコードを使うことによってコストを節約することができるため、ブランドはモバイルやFacebookアプリをいかに築くかにも目を向ける必要がある。

それは、ユーザーがデスクトップを持っているか、タブレットを持っているか、スマートフォンを持っているかに基づいて異なって表示するため、反応性の良いフレキシブルなウェブサイトを作って、同じサイトをあらゆるデバイスで機能させることができる。

注目すべきテクノロジー

いつものように、私たちは、新しいテクノロジーへの関心をかき立てられた。

1) 拡張現実 (AR)

何人かがこれについて話しているが、しかし、それが私たちの生活をどう変化させるのか私にはまだ分からないので、これはパスする。詳しいことを知りたい人は、https://www.blippar.com/を見よう。

2) 音声インターフェース

音声認識は、Siriで目立ったが、最初の溢れんばかりの熱狂の割には、それほど盛んになっていない。良くはなっているものの、いまだにタイプする方が、早いし簡単だ―それにそれほどバカに聞こえない。

3) NFC

NFC (Near Field Communications/近距離無線通信)の決済プラットフォームが増え続けている。今では多くのモバイルデバイスに導入されていて、携帯電話をかざすだけで支払いをすることが可能になっている。

Visaはロンドンオリンピックでこの技術を実験することを計画している。

それはQRコードが成し遂げることを成し遂げるが、アプリを開く必要がない。それはとてもシームレスな体験で、今はとても安いので、NFCチップをどこでも置くことができる。広告ポスターやバス停や店頭で導入されている。消費者は、NFC機能付きのスマートフォンをチップにタッチさせるだけでコンテンツにアクセスすることができる。

しかし、どれが普及しているのだろうか?

この4つの中では、NFCが最も広く採用されそうであると、彼は示した。

注目すべきアプリ

いつものように、前途有望なアプリがいくつかある―突き出るものもあれば、そうでないものもあるだろう。

1) WRAPP

これは、友人に割引券を送ることができるかなり面白いアプリだ。小売店が低い入口で足音を生み出すのに効果的だ。Good for retailers to generate footfall at a low entry point.それは素晴らしくバイラルで、割引券を与える人と受け取る人の両方にたくさんの価値を提供する。私たちがもっと目にするようになる優れたコンセプトだ。

2) ZEE BOX

TVを見て、Zeeboxを使って同時に番組とやりとりする。Twitterにはまっている人なら、かなり面白い。しかし、試しに使ってみたところ、それは常に2,3分遅れているので、テニスの決勝やフットボールや議論番組のようなことには役立たない。

注目すべきサイト

Shopcade – https://www.shopcade.com/ 商品を勧めることでポイントを稼ぐ。私は、20分かけてこのサイトを探求したが、それがどう機能するのかいまだに一つとして分かっていないので、これが人気が出るとは思えない。

Pinterest – Pinterest.comは、アメリカで人気急上昇し、イギリスでもそれに続いている。利用者は25歳から55歳の女性が圧倒的に多い。

マーケッターは、彼女たちを“Boomers & Boomerangs”と“Babies & Bliss”と“Families Matter Most”のグループ層に分けている。それは一時的な成功者になるのだろうか?誰か実際にPinterestでビジネスをしているのだろうか?成功に程度の差はあっても、Pinterestでのプレゼンスを設定している企業はたくさんある。

ハウス・オブ・フレーザーによる基調講演

顧客と連携する

  1. バイ&コレクト – 去年の最も重要な開発の1つ。顧客は、店舗で品物を受け取ることができるという選択肢を気に入っている。
  2. 今、私たちのストアはたくさんのデジタルを取り入れている。あなたは、商品に関する情報をTVに繰り返させることによって商品の売り上げを増やす。QRコードとiPadの使用もパーソナライズした体験を消費者に与えることの鍵である。
  3. オンラインはproduct and rangeの担当だったが、オフラインはよりブランドと商品体験だった。

パーソナライゼーション

  • デジタルを使用した買い物体験のパーソナライゼーションが“未来に必要不可欠だ。なぜなら消費者は今、それを期待しているからだ。
  • オンラインでのパーソナライズした買い物体験を小売環境に持ち込むことができれば、その結果は素晴らしいものになるだろう。

小売店におけるソーシャル

  • マルチチャンネルにおけるソーシャルの使用は、リテイラーがその価値をまだ理解していないため、不明確である。
  • 最初はFacebookの「いいね!」を獲得するための争奪戦があったが、私たちは終わりのないレースを走る羽目になり、なぜそれをやっているのか理由さえも分からなくなっている

この記事は、datadialに掲載された「The Future of Digital Marketing 2012」を翻訳した内容です。

イベントで聞いたこと見たことを個人の考えも含めて一気にメモしたような内容でしたが、ヨーロッパのシーンを理解する際の情報として参考になりました。内容自体に特にヨーロッパならではの内容を感じませんでしたが、逆に世界規模でデジタルマーケティングはある程度共通言語で語れるのですかね。。。文中にもありましたがロンドンオリンピックを通じてNFCなどディスラプティブな技術がどのように認知され普及していくのは気になります。

しかしこのサイト、ここまでくると明らかに意図的なのでしょうが、記事にもあるようにデザインやユーザビリティを超えるパーソナリティのパワーを感じる見事なサイトです!しかもこのメインキャラクターのお兄ちゃん(中国系移民のようです)、今回のイベントで基調講演したみたいです。基調講演の動画がこのページの最下部で見れますが、まさに究極のパーソナルブランディング。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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