かつて150億円で評価されたNo.1ソーシャルブックマークDiggが4000万円で安売りされた日

最終更新日:2024/03/06

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ソーシャル時代の幕開け以前に一世風靡したサービスの一つがソーシャルブックマーク。インターネット上で話題になっている情報を瞬時に見られる従来のサイトとは違う新しい仕組みとして、日本でははてなブックマーク、海外ではDiggを筆頭に大人気となりました。特にDiggは一時はGoogleも買収ターゲットにしていたと噂され、100億円、150億円で買収される、なんて噂が常日頃出ていたのですが、Diggの話題を最近聞かなくなったと思ったいたら、先日、ついに買収されたというニュースが飛び込んできました。買収はともかく、驚いたのはその4000万円という低すぎる売却価格。あのDiggがなんでそんな安売り状態に、、、その謎に迫った記事を。 — SEO Japan

あんなにも多くのインターネットマーケッターやサイトオーナーやブロガーが上位表示を得て思う存分の大量のトラフィックをもたらすために、Digg.comが引っ張りだこのソースだった頃を覚えているだろうか?確かに覚えているが、そんな日々は遠い昔のことだ。私自身はDiggを使うことに夢中にならなかったことを認めるが、たくさんの友人がそれによって得た成功やストーリーを覚えている。

私が覚えているのは、2006年にBusiness Weekの表紙に登場した創業者のケビン・ローズと“How this Kid Made $60 Million in 18 Months(この青年はどうやって18か月で50億円を稼いだのか)”という見出しだ。Diggは当時1億6000万~2億ドルの評価額を持ち、Googleからの買収が見込まれていた…しかし、他の多くの会社と同じように、彼らは売らないことに決めた。

あれから6年後、Digg.comはかつての評価と比べるとほんのわずかばかりの50万ドル(4000万円弱)で売られた。この売却を分析して1,600万ドル(12億5000万円)という最終価値を示す記事が他にある。それは50万ドルよりはずっとましだが、それでも過去の最高の評価の10%にしかならない。このサイトは、今も毎月700万以上のビジターを獲得しているが、それは以前と比べるとちっぽけなものだ。Diggにおける利用数と興味の低下は、主にFacebookとTwitterの大きな成功が原因だ。

なんでもっと早く売らなかったの?

過去を見て、“なんで売らなかったのか”と言うのは簡単だが、実際にはそれはあなたが遭遇するかもしれない難しい決断の1つだ。うまくいっている時には、他の追随を許さないように感じ、常に向上することを求めている。しかしながら、インターネットの世界では、永遠に続くものは存在しないし、トレンドはすぐになくなる。

私はこれを個人的経験からも証明することができる。ケビン・ローズが表紙のこの雑誌が登場したのと全く同じ時期に、私は自分の最初の100万ドルのウェブサイトの1つを作る過程にいた。このサイトは最初の年に100万ドル以上を生み出し、しばらくの間はお金を稼ぎ続けた。しかしながら、Diggのケースと同じように、FacebookとTwitterが成長し続けて、MySpaceを使用する人が少なくなり、それが私の成功に影響を与えたのだ。

私は後にこのサイトを数百万ドルで売る機会があったのだが、サイトを買おうとしていた会社には酷い歴史があり、購入した全てのサイトを破壊していた。さらには販売するのが理にかなわない業績/補完プランが設定されていた…このことが、私にTo Sell or Not to Sellという記事を書かせた。

売った人と、その機会を逃した人

先に述べたように、ビジネスとインターネットの進化は、私たちが慣れている従来の価値と数字とは全く同期しない。Digg.comには今も数百万人のユーザーがいて、彼らのサイトからはお金を稼ぎ続けることができるにも関わらず50万ドルで売られ、Instagramは一銭も稼いでいないのに10億ドルで売られているのだ!

もう一つの良い例は、もともとはルパート・マードックに7億ドル(550億円)以上で購入され、最近3500万ドル(27億円)で売られたMySpace.comだ。全く逆のシチュエーションでは、マーク・キューバンがBroadcast.comを膨大な金額でYahooに売って、億万長者になった。

例を挙げればきりがないが、売ることに決めた人がいれば最後まで続けることを決めた人もいる。私の別の記事、Should You Take the Money and Run?で、FacebookやMySpaceやGrouponやTwitterの人達が最終的に行き着いた場所をチェックしよう。

もしあなたが流行りのテック企業を所有していたら、売るだろうか?

この記事は、Zac Johnsonに掲載された「What Digg.com Selling for $500,000 Can Remind Us About Business on the Internet」を翻訳した内容です。

米国、特にテック系企業の場合は将来性を評価されて値がつきますから、実際のビジネス以上の値がつくことは普通にあると思いますが、そこで売り抜けず、かつ成長に失敗した場合は、Diggのようなケースになってしまうんですよね。記事でも様々な事例が挙げられていますが、それもまた運命。
企業売却に興味がある方は全米トップのIT投資家による会社を売るタイミングの記事も是非。
【追加】思ったよりこの記事が人気だったので誤解を招き過ぎないように補足します。記事にも少し書いてありますが、今回のサイトの買収以前に、Diggは、元々新聞社のワシントンポストに開発チームを(彼らの別サービス開発のために)8億円弱で売却しています。さらに先日、LinkedInに幾つかの特許を2億~3億円で売却しているようです。そして今回の最終的な4000万円のサイト売却で合計12億円前後のお金が動いたようです。いずれにしても一時の価格の10分の1なのは悲しい事実ではありますが。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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