アドテクノロジー黄金時代を証明する7つのトレンド

最終更新日:2024/03/06

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先日、アドテクノロジーの来たるべき黄金時代という記事を紹介しましたが、今回はその元ネタとなった記事を改めてad exchangerから。今回はIT分野に特化した投資会社のトップ自らが語るアドテクノロジーの現状と可能性について。 — SEO Japan

メディア業界のメンバーが綴る「データ・ドリブン・シンキング」は、メディアにおけるデジタル革命に関して新鮮なアイデアを提供するコラムである。

本日のコラムを担当したのは、デジタルメディア分野に特化した投資顧問会社のLUMA パートナーズの設立者であり、CEOでもあるテレンス・カワジャ氏である。

アドテクノロジーの時代は終わった。この分野はあまりにも競争が激しく、ベンチャーキャピタリスト達は既に別の分野に鞍替えし、本当のアクションは別のテクノロジーの領域で起きている。

デジタルメディア業界の関係者なら、このセリフを耳にしたことがあるのではないだろうか。まったくのデタラメである。事実、私はこの業界が黄金時代を迎えていることを証明できる。データをベースとしてテクノロジーは、広告だけではなくマーケティング全体に影響を与えるため、アドテクノロジーと言う表現がそもそも適切ではないのかもしれない。コンテンツ管理、コンテンツマーケティングおよびコンテンツ配信、CRM、eコマース、さらには製品デザイン等のその他の分野も、消費者のデータが活用され、再定義されている。当然ながら、エコシステムは崩壊しており、合理化、そして、統合を行う必要がある。さて、 ベンチャー資金は引き締められているが、これは良い傾向である – 自分の考えだけでは降参することが出来ない会社を諦めさせ(本格的に)、マーケッターおよびパブリッシャーに対して包括的なソリューションを提供することが可能なより有能な柔軟な会社が増え、その結果、消費者にメリットがもたらされるためだ。

このように、データベースのテクノロジーのマーケティングやメディアへの適応を活用する大きな機会が存在する。それでは、アドテクノロジー業界において有望な7つのトレンドをこれから紹介する:

  1. データの活用。 アドテクノロジー業界では、多くのプレイヤーがデータを活用している: DSP(ディマンドサイドプラットフォーム)、DMP(データマネージメントプラットフォーム)、SSP(サプライサイドプラットフォーム)、アドネットワーク等。 しかし、デジタルマーケティングキャンペーンの効果を大幅に改善する多くのテクノロジーを基に柔軟なデータ構造を確立している企業が少ないながらも存在する。広告を任意の経費から、製品販売のコスト(そして、一部のケースでは収益の源)に変えつつあるのが、まさにこのような企業である。
  2. ダウンファネル。 リアルタイムでのメディアの取引は大幅に増加している – 2009年にはゼロに等しかったものの、2012年には20億ドルに膨れ上がると見られており、毎年、50%ずつ増えていくと推測されている。その大半は、特定のオーディエンスにターゲットを絞るダイレクトレスポンス広告であり、最高のROIの一部はリターゲティングを経由している。 この傾向は続くと思われるものの、リターゲティングは表面的な症状のみを抑え、根本的な問題 – つまりマーケッターのウェブサイトでのコンバージョンの不足 – が解決されるとは私には思えない。しかし、最近、コンテンツのパーソナライゼーションやクッキーの統合に関するイノベーションにより、最初の訪問でのコンバージョンを著しく改善することが出来るようになった。顧客が初めてコンバートする場合でも、もしくは後に見つけてコンバートする場合でも、デジタル広告業界にとってはプラスに働く。
  3. アップファネル。 多くのイノベーションがダウンファネルで起きているものの、技術者達は、デジタルチャンネルに対する広告予算の割合を増やすために必要とされるブランドの目標に力を入れるよう求められている。 サプライサイドでは、テクノロジーは、パブリッシャーが直接的および間接的にプレミアムインベントリを売る取り組みを助けるために用いられている。
  4. ソーシャル CRM。 ソーシャルデータおよびコンバージョンは、顧客関係管理において重要な要素になりつつある。ここ数ヶ月の間に、立て続けに取引が行われ、SaaS企業(今のところアドビ、オラクル、そして、セールスフォース)はソーシャルマーケティングを強化するため、この機能を手に入れている。結果的にソーシャルがCRM、メディアバイイングにとって重要な要素になる場合、さらに多くの取引が行われるはずである。
  5. モバイル。 今年はモバイルの年である。2012年、このお馴染みのスローガンがついに実現するかもしれない。デバイスの普及、そして、ネット接続されたモバイルデバイスの利用におけるユーザーの習慣の変化(特に目立つのがiPad)により、モバイルマーケティングの機会が急速に拡大している。現在、モバイルを優先するアプリやPC以外のデバイスに向けてデザインされたフォーマットが増えつつある。ミレニアル・メディアの価値が、この分野への進出に対する投資家達の欲望を示唆しているなら、今後さらに多くのアクティビティが行われるだろう。
  6. デジタルビデオ。 デジタルとTVの中間は、主要なブランドの広告スポンサーによる巨額の支出(米国だけで700億ドルを超える)を考慮すると、魅力的に映る。 革新的な企業は、デジタル動画の配信、収益化、そして、分析を基にソリューションを生み出しつつある。いつか現在のTVの配信の構図が逆転することを期待して、この傾向は今後も続くと見られる。
  7. クロスチャンネル。 多くの企業が特定のチャンネルの内部でメディアを最適化することに奔走しているものの、現在のチーフマーケティングオフィサー達はもっと大きな問題を抱えている。全てのチャンネルのデータソースを活用して、最適化し – さらに「マーケティングの支出」を総体的に計測する必要があるのだ。 オフラインのデータが利用可能になり、全てのメディアのチャンネルがデジタルに管理することが可能になることで、この取り組みの難易度は増している。しかし、実績に基づいて最適な組み合わせが決まると、これは実装へのきっかけとなり – 誰もが欲しがる戦略的な役割を持つ。

広告業界のエコシステムが崩壊し、参入障壁がなくなった結果、イノベーションが至る所で起きている。アドテクノロジー業界を引っ張る企業と新たに参入した企業が機会を構築している。通常、この状態では、有機的ではない成長の選択肢が、苦労して得られる結果よりも、理想的だと考えられる。私達はうまく統合化の波に乗っており、この傾向はしばらくは続くと見られる。強い企業が弱い企業を吸収する取引も幾つかあるが(最近では、33アクロス/Tynt、SAS/aiMatch、DG/Peer39、OpenX/LiftDNA、パブマティック/モビプリモ、ルビコン・プロジェクト/モブスミス、そして、シンカプス/クリッカブル)、エコシステムにとっては健全な展開だと言えるだろう。それよりも興味深いのは、バイヤーの世界が拡大している点である。常連(グーグル/アドメルド、グーグル/ミーボ、ヤフー!/インタークリック、バリュークリック/グレイストライプ)以外にも、メディア、マーケティング、ソフトウェア、データ & コミュニケーションのその他のセクターの大手が、アドテクノロジーの力に関心を抱いている。 最近では、ソフトウェアの大手による買収が行われ(アドビ/エフィシェント・フロンティア、セールスフォース/バディメディア、IBM/コアメトリクス)、多くの企業がこの領域を注目しており(SAP、EMC、HP、Dell、Acxiom、エクスペリアン、コムキャスト、そして、AT &T)、また、様子を窺っている大企業もいる(アマゾン、アップル、サムソン)。そして、莫大な資金を持ち、広告ビジネスを拡大する必要のあるフェイスブックもチャンスを待っている。今後、この分野では多くのアクティビティが行われるだろう。

ツイッターでテレンス・カワジャ氏(@tkawaja)、LUMA パートナーズ(@LUMA_partners)、そして、アドエクスチェンジャー(@adexchanger)をフォローしよう。

この記事は、AdExchangerに掲載された「The Golden Age of Advertising Technology」を翻訳した内容です。

私もLPOツールで上記の1&2には深く関わっていますし、アドテクノロジーの進化はこれからが本番という気はしています。今年に入って加速化する様々なプレイヤーが参加している米国での巨大買収劇を見ていると、筆者がいうようにアドテクノロジーという言葉の範疇を超えた、マーケティングテクノロジーという言葉の方がふさわしい局面に来ていると思います。さてこれからこの世界がどこまで進化し続けていくのか、傍観者としても興味を持って見届けていきたいですし、1プレイヤーとしてもその中で何ができるか考え実践していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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