ロンドン発で注目される5つのファッション系ウェブサービス

公開日:2012/06/11

最終更新日:2024/02/18

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ファッションに関する様々なスタートアップも登場していますが、ファッションといえば忘れちゃいけないのがロンドン。今回は、ロンドンを軸に最近誕生した5つのファッション系ウェブサービスを紹介します。 — SEO Japan

ロンドンは常に国際的なファッションシーンの巨大な貢献者であり続けてきた。Paul Smith、Stella McCartney、Vivienne Westwood、Alexander McQueenのような世界的に有名なデザイナーから、Kate Moss、Lily Cole、Agyness Deynのようなランウェイを美しく飾るゴージャスな顔ぶれまで、ロンドンは最も記憶に残るブランドとアイコンの一部を生み出してきた。

実際、オンライン小売店のデジタル化を導いた2つの最も良く知られたサイト、Net-a-PorterASOSもロンドンを拠点にしている。業界を破壊し進化させている次のイノベーションを垣間見るために、ロンドンのファッションに焦点を合わせたテクノロジースタートアップに目を向けることは自然なことのように思える。

OSMODA: 新興ブランドがeコマースサービスを急速に拡大するのを可能にする

2012年4月に新しくローンチされたOsmodaは、デザイナーが自分たちのビジネスを素早く拡大することを手助けする強力なeコマースソリューションを提供することによって新興ファッションブランドとパートナーになる。Bora SksuやCraig Lawrenceのような世界の最もエキサイティングな有望なブランドの多くは、たくさんの国のブティックで販売し、毎月何千回とGoogleで検索されているが、巨大ブランドのオンライン支配が原因でeコマースのプレゼンスはほとんどないのである。

Osmodaは、苦痛のない販売、在庫管理、ハイエンドな写真、流通、支払プロセスを呼び物にしたプラットフォームをデザイナーに提供し、彼らが自分達が最も愛すること―美しいコレクションを作り出すこと―に焦点を合わせることを可能にしている。さらに、Osmodaは、ブランドが常に顧客に可能な限り最高のオンライン体験を提供できることを保証してeコマースにおける技術的なトレンドのトップに居続ける。

Osmodaは売り上げの1パーセントを徴収する。販売されたアイテムごとに収益を最大限にするモデルだ。共同創設者で元投資銀行家のWill McQuillanは、これは小売プラットフォーム以上のもので、最もエキサイティングなブランドの一部と長期的なパートナーシップを形作り、彼らの成長の仲介者となる機会であることを強調する。“私たちは、ブランドと一緒に取り組み、リスクと報酬を共に共有すべきだと考えている”と、彼は言った。

“このモデルには、世界中の消費者に向けてブランドが急速に拡大するのを目にするために、双方においてコミットメントと投資がある。”

このプラットフォームには現在4人のデザイナーがいて、毎月さらに追加される予定だ。Osmodaは、ファッション業界がもたらした商売のチャンスに引き付けられたMcQuillanとJonathan FrenとAlex Philip Goughによって創設された。“私たちはみんな、生まれつき好奇心が強く、習得が早い”と、以前に法律家として勉強したGoughは言った。

“その上、流通会社を構築し経営するために必要とされるスキルは、法律と金融から自然に流れ出る。‘ファッション’面は、学習曲線であるが、私たちは、自分たちをサポートする適切な人を見つけることに高いスキルを持っている。”

Osmodaは、デザイナー、プロのバイヤー、その他の業界エキスパートを彼らの顧問機関に入れている。

Lyst: ソーシャルにキュレートされたハイファッション

Lystは自身を“あなたが自分に一番合うファッションを発見するのを手助けするソーシャルショッピングサイト”として説明している。Chris Morton、Sebasjan Trepca、Devin Huntによって創設されたこのプラットフォームは、ランウェイに登場したアイテムがいつ購入することができるようになるのかをユーザーが把握するのに役立つ。ユーザーは、デザイナー、特定のアイテム、ブランド、コレクション、ランウェイショー、そして他のユーザーをフォローして、自分にとって魅力的なアイテムのフィードをカスタマイズすることができる。このサイトは、2011年5月にベータ版がリリースされた。

共同創設者とCEOのChris Mortonにとって、フラグメンテーションはファッション業界が直面する大きな課題の1つだ。“人々がオンラインで物を購入するための場所は多数ある。もしあなたがそれらを全て知っているとしても、あなたはそれらを個々に訪問しなければならない。”と彼は言った。

“Lystは、そういった全ての情報を1つの場所に集め、あなたが様々なアイテムを追跡することを可能にし、セールを活用するのを簡単にするのだ。”

もう一つの大きな問題は発見だ:膨大な量の在庫はかなり厄介であるし、どのアイテムが購入者にとって理にかなっているかを理解することは、複雑でどうしようもない。例えば、Googleの画像検索で“青いセーター”と入力すると、あなたは何十万もの結果を目にするだろう。“人々は、行動となると理性的というよりは社会的に影響を受けるため、Googleのような真のアルゴリズムには限りがある”と彼は説明した。

“ユーザーは、似たようなテイストやスタイルを持ち、あなたが興味があるかもしれないものを発見するのに役立つような他の人をフォローすることができる。”

“この‘ソーシャルフィルタリング’が、私のコミュニティが利用可能なコンテンツをキュレートし、最も関連のある情報を私に示すことを可能にする―それがLystがファッションのためにしていることだ。”

2010年11月、Lystは、Ventrex、SPA、Accel、さらにニューヨークとロンドンのいくつかのエンジェルから950,000ポンドのシードラウンドを調達した。

Mortonは、スタートアップをローンチする時のロケーションの重要性と、彼のチームがロンドンではなくニューヨークを拠点とすることがもたらす恩恵についてじっくり考えた理由に触れた。“ロンドンはスタートアップにとってはヨーロッパのテクノロジーの中心で、他のウェブ系スタートアップと同様にたくさんのVCがあり、私たちにとってとても価値があった支援エコシステムを作っている。”と彼は言った。

Mortonは月に最低2回はニューヨークに行くが、2つの大きな理由からロンドンが勝利を収めた:それは、パリやミラノなどの他のファッションハブへのアクセス性(どちらの都市へも短いフライトで行くことができる)と人材へのアクセス性だ。“私たちは、EU(スペインとスロベニア)周辺から比較的簡単に開発者を得ることができた。優れた技術的な人材を獲得することが困難で時には悪夢にもなり得るニューヨークの状況と比べれば。”

コミッションベースのビジネスモデルを運営するLystは、パートナーが何百万ドルもの売り上げを達成することを助けてきた。この会社は、過去4か月間だけで800%の成長と、“何万という”ユーザーベースを報告した。

Stylistpick: 登録ベースのキュレーティッド・ショッピング

Stylistpickは、それぞれのユーザーのスタイルプロフィールにマッチするように注意深く選択されたキュレーティッド・アクセサリーのセレクションを届ける登録ベースの小売プログラムだ。メンバーは、自分のスタイルの好みを特定するためにアンケートに記入し、Stylistpickのスタイリストとエキスパートがその人の好みにマッチするアイテムのキュレーティッドリストを作る。メンバーは、39.95ポンドで1つのアイテムを選択することができる。都度払いか、VIPイベントへのアクセスと翌日の無料配達、トレンドレポートが与えられ、5回に1回の買い物が無料になる年間登録から選ぶことができる。それはソフトな登録アプローチである。と言うのも、メンバーは何か購入することを説得されることがなく、特定の期間内にその月の買い物をスキップすることができるのだ。

2010年11月にローンチした際、創設者でありCEOのFelix Leuschnerは、登録ベースのキュレーションをプライベートセールプッシュモデルへの自然な追加として見ていた。Vente PriveeやGilt Groupeといった他のビジネスモデルを見て、彼は販売されるグッズのパーソナライゼーションが“eコマースの進化における次のステップ”になると気が付いた。Leuschnerは、顧客はこの登録モデルにもポジティブなフィードバックをしたのだと言う。“顧客は固定価格のコンセプトを気に入っている。支出をコントロールするのがとても簡単になるからだ。”と彼は言った。“彼らは、私たちの美しい包装と、月ごとのお楽しみというアイディアを気に入っている。”彼は、サイトの600,000人のメンバーのための主要な呼び物としてファッションスタイリストのチームの専門的アドバイスの重要性を強調する。

2012年2月、StylistPickは1100万ドルのシリーズBによる資金を獲得した。それは、さらなる市場の拡大と同様ビジネスの成長を促進するために使われる。

Leuschnerは、ロンドンのeコマース市場の規模(ヨーロッパで最大)が彼を魅了したのだと言った。

“大きな市場があるのだ。つまり、たくさんのファッション会社と一緒に、あなたはビジネスを成長させるために理想的な環境にするとても強いインフラを持っていることを意味するのだ。”

Covetique: 中古高級品の流通市場

Covetiqueは中古高級品の流通市場だ。全ての高級品販売者は、Covetiqueに自分の製品を送り、それらは売れるまで委託品として保管される。品物を保有することは、全ての高級品が本物であることを確認し、アイテムの品質が良いことを保証し、一貫した写真を提供し、価格が市場と一致するようにし、24時間以内の素早く安定した配送を保証することができるという利点をCovetuqueに与える。これが、購入者と販売者の両方に満足とストレスフリーな取引をもたらす。購入者は、品質のよい品物を購入していることを安心して知ることができるし、販売者は取引をまとめる業務で煩わしい思いをする必要がない。

CEO兼共同創設者のNicola McClaffertyにとって、シームレスな取引は今日のオンライン市場において必要不可欠だ。“高級なアイテムのオンライン購入者と販売者は、とても教養がある。彼らは、自分の所有物から価値を引き出すこと、自分の買い物に使うお金を最大限にすることに賢くなっている。”と彼女は言った。

“特にイギリスでは、購入者は高い期待を持っている。彼らは、たとえ自分が正規の価格を支払わないとしても、オンライン購入体験に関して妥協するつもりはないのだ。”

CEOで共同創設者のNicola McClafferty

Covetiqueは、販売者がプロフィールを作ったり、購入者が特定のアイテムやブランドや特定の服のサイズをフォローできる能力をはじめ、いくつかのソーシャルキュレーション機能も持つ。 これが、個々の方法で新しいアイテムを発見したり共有したり買い物したりすることを可能にする消費者体験にコミュニティの要素を追加する。

共同創設者でCOOのBobby Devisと共に、McClaffertyは、景気の低迷の後に目にした新たな消費者の動きが原因で、高級ブランド向けの中古市場に魅了されたのだと言った。“人々は、自分の財産について異なる風に考えている。彼らは、自分が所有している物から取り戻す価値を最大限にしたいと思っている”と彼女は説明した。

“eBayは明らかにグローバルなプラットフォームだが、ある種の購入者や販売者にとっては適切なものではない。私たちは、Covetiqueが中古高級品の流通市場になるように設定したのだ。“

McClaffertyは、ファッションを軸として展開する革新的なアイディアのスタートアップコミュニティに真の勢いを見ていると言う。“特に、ニューヨークと比べてここイギリスでは新しいコンセプトだが需要があると見ている委託品にとっては”と彼女は言う。加えて、Net-a-Porterのような会社があるロンドンの歴史は、オンラインで買い物をしたり販売したりすることに慣れ親しんでいる価値の高い販売者をたくさん生み出してきた。

“これらの会社と取引したことのある個人のネットワークがあるため、強い小売市場を作る親しみやすさがある。ロンドンは面白い次のアイディアの優れたハブなのだ。”

Covetiqueは今月終わりまで公式ローンチしないが、2011年11月にサイトをテストローンチした。“それはとても注目に値する”とMcClaffertyは言った。“バーチャルでほとんどマーケティングせずにテストローンチして、私たちはすでに大きな国際的な興味を目にしているのだ。私たちは、製品をアメリカ、アジア、ヨーロッパ各国に送った。”

EDITD: 大量のデータを使用してファッショントレンドを分かりやすく説明する

EDITDは、企業が消費者の購入したいアイテムをストックする(もしくは作る)のを手助けするデータに焦点を合わせたエネルギッシュな組織だ。“これは、ファッション業界が常に苦労してきたことだ”と共同創設者でディレクターのGeoff Wattsは言った。

“この業界は常に、誰が顧客なのかを正確に理解することやどんな影響が彼らの特別なブランドに重要なのかを理解することと同様に、ビジネス・インテリジェンスから学んだことを自分の中に取り込むことに問題を抱えていた。なぜなら、製品ラインはあまりに頻繁に変化するからだ。”

それがEDITDが参入した場所だ。注意深いデータ分析とトレンド追跡と予測を通して、クライアントはより良い意思決定を後押しするのを助ける見解を得ることができる。“私たちの顧客は、アメリカにいる顧客がアシッド・ウォッシュド・スリム・ジーンズに支払う覚悟がある価格点を正確に理解することができる。もしくは、ぺプラムの流行が次の四半期によく売れるかどうかとか。オンライン販売者が通常いつ靴のプロモーションをするかとか。”とWattsは言った。“小売店、デザイナー、卸売購入者、マーケティングをする人にとってそれは必要不可欠になっている。”

Wattの共同創設者であるJulia Fowlerは、ファッション業界に大きなデータを融合する莫大なチャンスを見たファッションデザイナーだ。この創設者たちは共に、オーストラリア出身で、ロンドンへ移ることは良く考えた上での行動だった。“ロンドンかニューヨークがこれをできる世界で2つの場所。ロンドンには他のヨーロッパ諸国への玄関があるし、技術的なシーンも強力だ。そして、何世紀もの間、芸術と科学と同じく芸術と商業を融合させてきた”とWattsは説明した。“私たちはここにいることをうれしく思っている。もうすぐニューヨークでもオープンするつもりだけれど。”

EDITDは株式非公開であるが、20人を超えるチームに素早く成長している。2年の間に、この会社はイギリス、ヨーロッパ、アメリカ、南アフリカ、オーストラリアにわたるクライアントと仕事をしてきた。

画像クレジット:r.nagy(shutterstockより)


この記事は、The Next Webに掲載された「London fashion: Meet 5 startups re-shaping the industry」を翻訳した内容です。

ファッションブランドの運用支援プラットフォームからキュレーションサービス、中古品マーケットプレースにビッグデータ解析によるトレンド分析まで、様々な種類のウェブサービスがありました。スタートアップ、ウェブサービスというと、どうしてもシリコンバレーやニューヨークに目が行きがちですがロンドンも頑張っているようです! — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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