設立1年を迎えたニューヨークの起業家12人から学ぶ

公開日:2011/11/21

最終更新日:2024/02/17

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シリコンバレー以外でもニューヨークのスタートアップシーンが熱いという記事は過去に何度か紹介してきましたが、今回は実際に2010年に投資を受けて1年以上活動してきたニューヨーク発のスタートアップの経営者12人にインタビューを試みた興味深い記事をThe Next Webから紹介します。 — SEO Japan

昨年のニューヨーク・シティのテックコミュニティでの生活は、波乱万丈だった。しかし、私達は失敗よりも多くの成功を目にしてきたし、それが私達を走り続ける気にさせた。私達は、ピボット、パートナーシップ、大規模な雇用、大きな買収、迅速な資金調達を目にしてきた。私達は、TechStarsDreamIt Venturesのようなアクセラレーターを歓迎し、Gramercy Labs CollectivePrehypeのような新しいインキュベーション・モデルをいじくり回した。

2010年は、コーヒーショップやワンルームマンション発の企業を数百と持つニューヨーク・シティのスタートアップシーンにとって活発な年だった。彼らを受け入れるために、WeWork LabsやGeneral AssemblyやDogpatchのような共同のワークスペースが登場した。このビジネスを初めて1年が経ち、私達の起業家たちも1つか2つは学んだと言って差し支えない。彼らは、ハッスルする方法を学んだ。雇用する方法を、ユーザーと話す方法を(そして、ユーザーを維持する方法を)学んだ。いつピボットする時なのか、いつ身を粉にして働いて他のみんなを無視する時なのかを学んだ。お金を集める方法やそれをブートストラップする方法を学んだ。友情について学んだ。

私達は、今年で1年を迎えた会社を運営する12人のニューヨークの起業家をつきとめ、彼らの知恵を私達に授けてくれるように頼んだ・・・

AdaptlyのNikhil Sethi

Adaptlyは、ブランドが1つのメディア購入でFacebook、Twitter、LinkedIn、StumbleUponを含む様々なソーシャルネットワークを活用するのを手助けしている。この企業は2010年4月にNikihil SethiとGarrett Ullomによって法人化された。2人はそれぞれ、23歳と22歳である。Adaptlyは、フィラデルフィアにあるDreamIt Venturesから生まれ、現在はニューヨーク・シティを拠点とし、30人の従業員がいる。

“0~10人の従業員規模から会社を経営することは、20~30人規模からするのとはかなり状況が異なる。あなたが家族意識を求めて採用しない限りは、家族意識を維持するのは難しい。私達のチームは、MITやCalTech出身の一流のデータサイエンティストから高校中退者までの幅があり、かなり‘ゴチャゴチャの状態’だ…さまざまな立場の人達がいる。私達は、社内のほぼ誰一人として広告経験のない広告会社だ。だから私達は、先入観なく、革新することや限界を押し広げることができるのだ。”

Sethiは言う。

“私達がチームに加わる人を探す時は、やる気の要素だけを基にする。履歴書さえも見ない。チームの原動力にフィットしないことが理由で本当に賢い人を拒否したこともある。”

2010年8月の立ち上げの最初の24時間以内で、Adaptlyは400以上のブランドや代理店にそのプラットフォームを使わせることに成功した。この会社は、クライアントに直接提供するサービスと、広告代理店とPR代理店を介したホワイトレーベルサービスとして、今年1,000万ドルを上回る収益を期待している。Adaptlyのクライアントには、PepsiCo、Diageo、News Corp、Razorfishをはじめ、その他100社以上がいる。

他の若い起業家に対してSethiからはどんなアドバイスがあるのか?

ワーク・ライフ・バランスはスタートアップの世界では完全にむちゃくちゃだ。私が学んだ本当のことは、あなたのためだけでなくあなたの会社全体のためのワーク・ヘルス・バランスだと思う。私達はチーム全員に毎時間腕立てと腹筋をさせている。”

これまでの資金調達: これまでに、First Round Capital、Charles River Ventures、Lere Ventures、kbs+p Venturesを含む投資家から270万ドル。

AdstrucのJohn Laramie

Adstrucは、ある1つの使命を持って、2010年8月15日にニューヨーク・シティで立ち上げられた。屋外広告業界を崩壊させることだ。この会社は、アメリカ国内で利用可能な屋外広告の70%の掲載を誇りにしていて、そのプラットフォームに1日1,000単位の屋外産業を追加している。

“自分が会社をどこに導いているのか、常により大きなビジョンに焦点を合わせるが、必ず1週間ベースで達成できる目標を設定するようにすることが大切だと思う。スタートアップとは、週に1度は裏通りに連れていかれて強盗にあうようなものだ。そんなことが起きるのだ。だから、週ごとに達成する必要があることを持つことが、自分のチームと投資家とコミュニケーションを取るために重要なのだ。”

– Adstruc CEO John Laramie

今年始め、ADstrucは、BA RepsSpread ArtCulture MagazineJWT New Yorkとのパートナーシップの後援の下、 “Billboards for Everyone”というタイトルのキャンペーンをリリースした。このキャンペーンを通じて、Adstrucは、Shepard FaireyやRon Englishのような屋外のストリートアーティストと共に仕事をしてきた。さらには、“Gary V”として知られる有名なビジネスマン、Gary Vaynerchukと壮大なマーケティングキャンペーンをローンチした。次は、職業上Trustocorpとして知られているアーティストによる有名なリアリティTV番組とフューチャリングしているニュージャージーでのBillboards for Everyoneキャンペーンである。

これまでの資金調達: 2010年9月、Adstrucは、DFJ Gothamによる110万ドルのシリーズA投資にこぎつけた。RRE、 Founder Collective、Jeff Clavier、David Cohen、Kal Vepuri、David Tisch、Social Leverageが参加した。

ArtsicleのAlexis Tryon

2010年11月に法人化されたArtsicleは、新進アーティストを紹介し、ごく普通のアート愛好者に美術品を安く貸し出している。Artisicleに加わることによって、モダンアートシーンの最新情報を入手したりチェルシー周辺をブラブラする時間のないあなたや私のようなユーザーが、今日のトップクラスの新進アーティストを見つけて、自宅で彼らの作品を見せびらかすことができるのだ。ユーザーは、月額たったの50ドルでオリジナルの作品を借りることも、500ドル~1,000ドルの価格帯のアートを購入することもできる。

今、Artsicleのサイト上には、52人のアーティストがいる。最初はたった10人のアーティストしかいなかった。Eメールリストは、友人や家族だけだったのが4,000人以上の登録者を持つまで成長した。常時75以上の作品があり、年度末にはこの3倍になるとCEOのAlexis Tryonは言っている。“現在は毎月およそ2倍に増えていて、おかげさまで私達は、アーティストのために販売とレンタルで10,000ドル以上の収益を上げてきました。” と、彼女は言う。

“去年を振り返って見ると、私は2つの大切なことを学んだ。1つは、資金調達は、功績ではないということ。それはプロセスに欠かせない部分ではあるけれど、それがあなたを成功に近づけるわけではなく、ある意味でそれはあなたを失敗に近づけることができる。なぜなら、それがあなたに成功の錯覚を与えるから。もう1つは、私達は自分達の顧客と話したが、1日目からもっと彼らと話していれば良かったということ。私達は、本当は必要なかったものを作ることとなってしまったのだ。ユーザーと話す時間が無駄なことは決してないと言える。

Artsicleを始めた当初、Tryonは、文字通り外に出て見知らぬ人に話しかけ、友達の友達に会い、そして、“喫茶店で声をかけていた”と、彼女は語る。サイトの最初のバージョンをローンチすると、彼女はライブチャットで顧客に接触し始めた。“ライブチャットは、最も価値のあるUXツールだったわ。それが、人々が見つけられないもの、彼らが持っている疑問、彼らのブラウザ上で機能しないものを教えてくれた。”と、彼女は言う。さらにTryonは、1週間に100通のカスタマーサービスメールを送信して、新しいユーザー、特にパワーユーザーに接触した。その中の12~20%がフィードバックを返してくれたのだと彼女は言う。

現在TryonはCTOで恋人のScott Carleton(上の写真)と一緒にArtsicleを運営しているが、2人は年度末までに5人の正社員を採用するつもりだ。そして、アートの世界の他の組織とは異なり、Artsicleは従業員に完全な福祉手当を提供する。それは非常に大きな恩恵だ。

これまでの資金調達: 丸1年のブートストラッピングとラーメン地獄の後、Artsicleは390,000ドルの資金調達に成功した。今ではバター味のパスタを食べられるが、彼女とCarletonの合わせた稼ぎは、彼女が前職のアメリカン・エクスプレスで稼いでいた額よりも少ないとTryonは言っている。Artsicleに関するオリジナルストーリーはここで読もう。

BillGuardのYaron Samid

2010年4月に立ち上げされたBillGuardは、世界最初の請求書用の人力のアンチウィルスシステムだ。この会社は最新のユーザー数を共有していないが、ユーザーカードの20%以上で不要もしくは不正な請求が少なくとも1つ見つかっており、合計で25万ドルが打撃を受けている。BillGuardの予測アルゴリズムは、ユーザーに隠れた手数料や悪徳商法やクレジットカードの請求書の詐欺のような不要な請求を警告する。さらに、あなたのクレジットカードへの請求と同じものが他の人によって警告されていたり、ウェブ上で苦情が来ている時にも警告する。

“これは、私の3つ目の会社だが、1つ決して変わらないことは、会社を作るという素晴らしい冒険に関して私が常に新しいことを学んでいるということだ。会社とは、関わっている個人それぞれの知性と創造性とエゴと感情を持つ盛衰する生命体だ。そのオーケストラを運営することは、芸術であり科学だ。今回は、より上手に委任する方法を学んでいる。それはCEOにとって本当に大切なことだが、UXに夢中の製品中心のCEOである私には特別に難しいことなのだ。”

-BillGuard CEO Yaron Samid

若い起業家に向けてSamidはこう言っている:

“うわさになっている情報やパーソナルブランド、ネームドロッピング、スタートアップシーン、過剰成長と過剰資金調達や、セレブのエンジェル投資家、ステルスモード、その他テックブログが好んでする全てのうわさ話に捕らわれないこと。普通の人間が実際に求めていて、それについて友人に伝えるであろうものを作ることに焦点を合わせるのだ。それがこのゲームの全てなのだ。シンプルでエレガントに、そして、お金ではなくその製品への愛をにじみ出すことだ。”

これまでの資金調達: The NYCとTel Avivをベースにしたスタートアップは、Khosla Ventures、Founders Fund、 Innovation Endeavors、Bessemer Venture Partners、Chris Dixon、Ron Conway、IA Ventures、Howard Lindzon 、Yaron Galaiを含む数多くの有名な投資家から合計で1300万ドルを集めた。BillGuardに関するもっと詳しい話はこちら

BirchboxのKatia Beauchamp

Birchboxの創始者Katia BeauchampとHayley Barnaは、ハーバードビジネススクールでの1学期の間に隣同士の席になったことで知り合った。1年後、彼らは、会員の玄関先に誰もが欲しがる美容品サンプルを毎月届けるオンラインサービス、Birchboxを立ち上げた。月間10ドルの登録料(送料込、今のところアメリカ国内のみ)で、NARS、Benefit、Laura Mercier、Stila、Korres、Cargoといったトップブランド43社の製品サンプルを4~5つ届ける。去年9月の正式に設立し、現在Birchboxには、50州全てにわたって合計45,000人以上の登録者および顧客がいる。

Katia Beauchamp(下の写真右)は、起業家がマーケットフィードバックのために素早くローンチするためには、アイディアを出来る限りシンプルにするべきだと考えている。:

“実行可能な最小限のアイディアに絞ること。これであなたは製品を手にするまでに半年もしくは1年を待たずにローンチすることができるわ。それから、業界や消費者がそれに対してどう思うかを知ることができる。市場は、あなたが自分のアイディアを製品に変える方法を理解するのを助けるためにそこに存在しているの。”

現在、BeauchampとBarnaは、45人のチームを率いて、45,000人の登録者のためにチョコレートやお茶やスナックのようなその他のカテゴリにまで拡大している。さらに、“Brides to Be”や“Just Because”など、特別の日のための一回限りの配達となる限定版ボックスも開始した。事業を始めてたったの1年で、Birchboxは、ドイツ、ヨーロッパ、オーストラリア、ブラジルなど、世界中でこれを模倣した企業を目にしている。ママ用のBirchbox、男性用、子ども用などを目にしてきた。(『登録サービススタートアップが今アツい』を読もう。

これまでの資金調達: 1,200万ドルと、最近、First Round Capital、Harrison Metal、Forerunner Ventures、Lerer Ventures、Sam Lessin、Consigliere、Gary Vaynerchuck、Dave Morin、Stanford University Endowment、Andy DunnとのAccel Partnerによって1,050万ドルのシリーズAラウンドを手にした。

ExFmのCharles Smith

昨年の夏、3人の音楽ギークが一緒にGoogle I/OでExtensionFMをローンチした。彼らの製品は、ウェブ上の無料音楽を検索して再生するのを100倍も楽しくするGoogle Chromeブラウザ用のシンプルな拡張機能だった。その時以来、このチームは従業員7人にまで成長し、exfm名前を短縮した

その迅速なピボットを考えて、創始者兼COOのCharles Smithはこう言っている:

“私達は、Chromeオペレーティングシステムがネットブックに力を注ぐつもりであるという前提のもとに最初の会社を作ったため、私達の戦略はGoogleが後押しする予定のオペレーティングシステムのための音楽ユーティリティになることだった。そんなことは起きなかった。最大の困難は、それをあきらめることと、私達が不備のある前提をもとにして会社を立ち上げた大きな理由の1つに気が付くことだった。私は絶対に間違いたくなかった。しかし、私達は考えを根本的に変えなければならなかった。あっという間に18ヶ月が過ぎ、そんなわけで私達はウェブベースの“ボタン1つで再生する”体験に至っているのである。”

これまでの資金調達: Spark Capital、Betaworks、Founder Collective、Dave Morganから125万ドル。

GojeeのMike LaValle

ニューヨーク・シティを拠点とするレシピのスタートアップ、Gojee上にあるよだれが出るような写真は、メアリー・ケイト・オルセンを腹ペコにできるほど美味しそうである。自分のキッチンに何があるかをGojeeに教えると、またたく間に作成されたレシピがポップアップする。160人のフードライターから手作業で選んだ10,000以上のレシピを調べるのだ。このサイトは、あなたが好きな物や嫌いな物をもとにレシピを届けてもくれる。

しかし、Gojeeは常に興味をそそられるものだったわけではない。この会社は、2010年6月に日用品店のMint.comとして正式に立ち上げられた。誰もそれを求めていなかった。その後、創始者のMike Lavalle、Veronica Chan、Brian Borgerは、食べ物のためのTwitterを作った。“私達はそれにあまりに多くの機能を投げ込みすぎていて、良い製品を作っていなかった”と、La Valleは言う。

LaValleは、みんなが食品のTwitterでのレシピ機能を気に入っていたのだと説明する。“それはとても感情的な反応だった。私達がそれを人々に見せると、みんなそれを気に入っていた。私達はこれに、食べ物の感情的体験とコンテンツ発見を繋げる新しい波を見たのです。”4カ月後、今のGojeeが誕生し、FoodilyPunchForkのようなサイトと味覚の戦いのさなかにある。

“私達の成功を導いた1つ確かなことは、感情的な製品に焦点を合わせることとデザインにこだわることです。人々は、人的要素を忘れていた。そして、私達はそれを中心に持ってきたのだ。”

と、彼は言う。

今、この会社は従業員が2人から7人に増え、世界199カ国にメンバーを持ち、25,000人がGoogle Chrome Web Appに登録し、Chrome Web Storeの最高評価のアプリの1つになっている。

これまでの資金調達: サンフランシスコのKapor Capitalによる120万ドルのシードラウンド。

GroupMeのJared Hecht & Steve Martocci

GroupMeは、2010年7月に設立された無料のグループ・テキスト・メッセージのスタートアップで、去年立ち上げられたニューヨークのスタートアップで最も成功しているかもしれない。今年夏の1周年の数週間後、うわさ通りの8500万ドルでSkypeに買収されたことを発表した。

GroupMeの共同設立者は、スタートアップのベテランJared HechtとSteve Martocciだ。以前はGilt GroupとTumblrで働いていた。この1年間のハイライトについて尋ねたところ、“ほぼ毎日がハイライトだった。私達はこの波に乗り、自分達が出来ると思っていた以上に強く強く押し続けた。私達にとっては、ドラマチックで素晴らしい1年だった。”とMartocciは言った。

“SXSWは私達にとって本当に特別な瞬間だった”とHechtは付け加えた。買収後の変化に関しては、“出張が多くなったこと以外は、ほとんど何も変わっていないよ!”とHechtは言っている。

“他の起業家へのアドバイス?楽しんで。出来る限り楽しんで、出来る限り学ぶ。私は、この1年間で自分が思っていた以上のことを学んだ。自分自身の周りを本当に本当に素晴らしい人で固めることで学ぶのだ。あなたが信頼できる面白い人でね。”

と、Hechtは言う。

これまでの資金調達: Skypeに買収される前、GroupMeは2つのラウンドを集め、General Catalyst Partners、First Round Capital、Lerer Ventures、betaworks、SV Angelを含む追加の投資家からの参加と共にKhosla Venturesによって1140万ドルを集めることに成功した。

Of A KindのClaire Mazur

2010年11月、“世界最初のTumblrストア”として私達はOf a Kindを取り上げた。その時から、ニューヨーク・シティのファッションスタートアップは、ハイエンドで排他的なファッションをソーシャルメディアに持ち込んでいる。“Tumblrはビジュアルコンテンツの配布に好適だと私は思う。Tumblrに続いて登場している過激なファッションがある。そして、それは新し物好きをターゲットにしている”と、2人の共同創設者のうちの1人、Claire Mazurは言う。

Of a Kindは、ストーリーテリングと排他性を混ぜ合わせ、口コミで素早く広まるウェブツールの力をつかむことによって35,000人のフォロワーを魅了してきた。この会社は週に二号をローンチし始めて、Hard Candy Shellと一緒に大きなデザインの見直しが進行中である。来年頭には、Of a Kindは、そこで取り上げたデザイナーが自分達の製品をサイトにアップロードできる機能を開始して、品数と収益を著しくアップする予定だ。

私はOf a Kindのローンチ以前にMazurと会い、彼女が自分の会社についてばかり話していたことを覚えている。まだ駆け出しの起業家に向けて、Mazurはこう言っている:

“あなたがしていることをみんなに伝えること。そのアイディアを大切にしまっておかないこと、秘密にしておかないこと。あなたは、これから自分が誰に会うのかも、自分を助けてくれる人を誰が知っているのかも分からないのだ。自分が欲しいものを求め、それについて恥ずかしがらないこと。人々が何をあなたに与えてくれるか決して分からないのだ。”

これまでの資金調達: 友人、家族、そしてエンジェル投資家のRick Webbから275,000ドル。

SavoredのBenjamin McKean

最初はVillageVinesと呼ばれていたSavoredは、日替わりクーポンのシーンにかなり異なるアプローチを取った。それは日替わりクーポンサイトのように見えるかもしれないが、実際はそうではない。有望な美食家たちが、まるで自分達が6ケタの給料を稼いでいるかのように食事をする気取らない高級ダイニングクラブなのだ。メンバーは予約を取るために10ドルを支払うと、アルコールを含む全会計の30%割引になる。割引は食後に自動的にこっそりと会計に適用されるため、割引クーポンを見せる恥ずかしさを避けることができるのだ。過去6カ月間だけで、このサービスは予約を335%増加させている。つまり、レストランと客にとってお互いにメリットがあるのだ。

VillageVinesは最初、6人の従業員で2010年9月に立ち上げられた。Savoredとなった今、42人の従業員と500,000人のメンバーがいて、全国650軒のレストランから選ぶことができる。今年、Savoredはレストランパートナーによる収入で2,500万ドルを売り上げるだろう。

“自分のプリンシパルに中核的であり続けること”と、CEOのBenjamin McKeanは言う。“私達にとって主に中核となるプリンシパルは、レストラン側の立場に立つことと、そのレストランの代弁者となることだ。それは、外に出て行ってできるだけ多くの客を集めることではない。あなたが多くの失敗している日替わりセールサイトで見てきたことは、彼らの中核となるプリンシパルではなかったのだと思う。たとえ他のみんなが違うことをしているとしても、自分の中核となるプリンシパルを変えないことだ。”

ニューヨークに加えて、このサイトはワシントンD.C.(創設者達はジョージタウン大学卒)、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ボストン、フィラデルフィア、アトランタ、マイアミ、デンバーでも活動している。

これまでの資金調達: Hearst CorporationとGrand Banks Capitalによる400万ドルの支援。

VYouのSteve Spurgat

私達が初めてVYouについて書いたのは、去年11月の立ち上げの時だ。それは、Justin.TVFormspringYouTubeTwitterを組み合わせたようなソーシャルビデオネットワークである。VYouは、ユーザーに時間がある時に気軽に友人や専門家とメッセージをやり取りさせてくれるのんびりとしたビデオ会話だ。設立以来、ニューヨークを拠点とするこのスタートアップは5,000万以上のビデオ視聴を提供してきたし、iPhoneアプリQuoraスタイルのモンタージュをローンチした。ネットワーク機能は、Bob VilaDeepak ChopraLadytronGrafitti6を含むXYouメンバーに気を配った。12月頭にVYouの大きなアップグレードを予定している。

ベンチャーキャピタリストFred Wilsonの言葉を言い換え、VYouの創設者Steve Spurgat は、初期段階の企業はガッツと共に進み、その後の段階の企業はデータと共に進むと言っている:

“私達は今、確実にデータの段階にいる”とSpurgatは言う。

“しかし、スタートアップをビジネスというより実験として扱うことが本当に大切だ。あなたは、ユーザーからのフィードバックにしろデータにしろ、起きていることに常に反応している。外に出て資金を集める前に、自分の製品を市場に持ち込むのだ。私達にとっては、資金調達の前に製品を立ちあげてけん引することが、より良い評価とより良い条件をもたらしたのだ。”

“パートナーシップは最高だが、彼らにあなたの製品プランに口出しをさせないことだ。自分のビジョンに忠実であること。たとえそれが大きなブランドからのオファーを断ることを意味するとしてもだ。”と、Spurgatは続ける。

これまでの資金調達: RRE VenturesとHighland Capital Partnersからの300万ドル。

YipitのVinicius Vacanti

2010年2月、Jim MoranとCinicius Vacantiが共同でYipitを立ち上げた。Yipitは、1日1,000ものセールをトラックする日替わりクーポンのアグリゲーターで、自分の欲しいものだけを自分の受信箱に届けてくれる。始めた当初は、2,000人ユーザーがいて、市場にある20個の日替わりクーポンサイトを集めていた。今では、登録者リストはアメリカとカナダの100都市に300,000人にまで増えている。今このサービスは、アメリカ国内にある800以上の日替わりサイトの大部分を集めている。

2010年、Yipitの利益は0ドルだった。今では、年間100万ドル以上の利益のある企業となっている。立ち上げ以来、Yipitは数え切れないほどの模倣企業を目にしている。その中には彼らのデザインをすっかりコピーしたものもあるのだ。

過去1年で、世界中のほぼ全ての国で日替わりクーポンサイトの人気が出て、その一方でFacebookはそれをしようとして失敗したのをYipitは見てきた。去年、YipitはGrouponが9億5000万ドルを売上げ、30ドル~100億ドルの範囲の評価を受けているのを目にした。そして、ちょうど昨日、GrouponのIPOはGoogle以来2番目に高い評価、127億ドルとなった。

Vacantiは言う。

“会社を作る最初のステージは、けん引力を得るものを作ることなら何でもすることだ。それが、本当の問題を解決し、消費者が何に興味があって何にワクワクするのかをきっぱりとあなたに教えてくれるだろう。次のステージでは、製品を作らなければならないのはもはやあなたではない。あなたは外に出てその製品を作ることになるチームを見つけなければならない。そして、それは難しくて恐ろしい切り替えだ。もしあなたがネットワークを作ってこず、人々のことを知らず、採用が得意ではなければ、あなたは苦労することになる。そして、あなたが雇用しようとする時には、第一に求めるべきクオリティは、情熱だ。”

これまでの資金調達: Highland Capital Partners、RRE、DFJ Gotham、IA Venturesからの730万ドル。

今年ニューヨークで創立1年を迎えたその他の素晴らしい企業には、1年の間に200以上の国々から400万人の旅行者を引き出したWanderflyや、最近、シリーズCラウンドで3,000万ドルの資金調達に成功した美食家に喜ばれるオンライン販売サイトの?Lot18、DCMとFirstMark Capitalからこの夏600万ドルを調達した、ライフスタイルとウェルネスとラグジュアリーのカテゴリ内でのショッピングに焦点を合わせたAHAlifeもある。他にも私達が忘れている企業があるだろうか?コメント欄で教えて欲しい。

最後に、みなさんそれぞれの創立記念にお祝いを述べたい。

使用画像: Shutterstock/Matthew Benoit


この記事は、The Next Webに掲載された「Lessons from 12 New York entrepreneurs after a year in the business」を翻訳した内容です。

知らなかったサービスが半分以上でしたが、最初のAdaptly、若干22歳と23歳の若者が立ち上げたサービスにも関わらず大手顧客を多数抱え既に売上10億円突破も目前だそうです。。。アメリカはホント次から次に新しい起業家が出てきますね。後はどこも億単位で資金調達している事実にも改めて驚きでした。しかし皆さん、設立1年の会社の経営者の割にはベテラン投資家みたいな名言を吐きまくってくれていますね 笑 だてにスタートアップで資金調達に成功している皆さんじゃなさそうです。

3年後に全く同じこの12人の行く末を再度調べてほしいですね。終了、売却、着実に成長、奇跡の大成長まで色々な結果が待っているとは思いますが、様々なサービスが次から次に立ちあがって頑張っているのはシリコンバレーだけじゃないのは確実のようです。日本のスタートアップシーンも負けじと頑張っていきましょう!

最後に、ここに出ている顧客リストを見て思いましたが、設立1年未満の数名のスタートアップのサービスを大手企業が積極的に利用しまくっているのも失敗を恐れないアメリカの起業文化の強みと思います。私も20代の時、アメリカで自分の家でパソコン1台で仕事をしていたことがありますが、運良く大手の仕事を取れそうになった時、そこの責任者がわざわざ「オフィス見学」に自宅までやってきたことがありました。「信頼0だし絶対無理だな。。」と思いましたが何故か仕事はもらえて驚いた想い出があります。日本も起業支援の動きが始まっていますが、(アプリブームもあると思いますが)スタートアップの多くはB2Cが多すぎる気もします。大手企業が積極的にスタートアップのサービスを活用するような土壌も作ることができたらよりスタートアップシーンも盛り上がりますし、大袈裟ですが日本経済の活性化にも少しは貢献する気もするのですが。大企業が協賛し、例えば実際に優勝したサービスを利用する所まで確約したようなスタートアップコンテストがあっても面白いかもしれませんね。ソーシャルブランディングにも相当イケてる気がしますが、いかがでしょう? — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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