SES London 2010 : ソーシャルメディアは次世代のサーチか?

公開日:2010/02/15

最終更新日:2024/02/17

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初日の最初のキーノートセッション。題名は「Is Social Media the Future of Search?」面白そうなタイトルです。今日は正確に言うとSESの初日を使ってOnline Marketing Summit(OMS)と言う別のイベント会社がヨーロッパのオーディエンス向けに特別なセッションを行う、と言う内容。OMSはアメリカでは結構有名なカンフェレンスですね。SESとは微妙に違うせいか、月曜なのもあってか参加者は100名ちょっと。アメリカだとありえない人数ですね。

ちなみに日本人って言うかアジア人は、見た所、僕一人だし。ま、わざわざアジアからヨーロッパのSESに参加する人もまれでしょうが。。。ヨーロッパのアジア系でネットの仕事してる人って少ないのかな?アメリカ、特に西海岸じゃ考えられませんが。。。

余談はともかく、キーノートのスピーカーはOMSの運営会社であるOnline Marketing ConnectのCEO、アーロン・カーロウ。最初にどんな人が参加しているかアーロン氏が聞いたのですが、大体ですがネットマーケティングの初心者15%、既存メディアの人15%、ネットマーケティングのエキスパート70%(ソーシャルメディア20%、サーチマーケティング45%、メールマーケティング5%)と言う比率でした。ま、どこでもこんなものですかね?ソーシャルメディアが思ったより少し多いのかな。

アーロン氏がまず話したのは今日OMS全体のテーマ。

・顧客を理解する
・課題を明確にする
・解決策を考える

細かいテクニックも重要だが、基本を忘れずに、と言う定番の話から。分かっちゃいるけど再度納得。ここで見せたのが、「若年層はTVより圧倒的にインターネットに時間を使っているのに広告費は未だにTVの方が多い」と言う統計資料。何故こんな(おかしな)状況が続くのか?と問う。企業のマーケティング活動がユーザー行動に追い付いていないだけだが、大事なのはユーザー行動が変化していると言うことを強調。

人の行動パターンが変化する

コミュニケーションに対する期待が変化する
(例:メールやTwitterへの返信など)

購買サイクルが変化する

マーケティング手法が変化する

ビジネスが変化に対応するのは時間がかかるもの。ただし忘れてはいけないのは、インターネットの普及でユーザー行動が変わってきた、変わっていると言う事実。インターネット自体も進化してきた。携帯やノートパソコンからブラックベリーへ。そしてIM(インスタントメッセンジャー)へ。そしてFacebookへ。現在のインターネットでソーシャルメディアが最先端であり最重要なのは間違いない。

ソーシャルメディアの重要性は改めて問う必要も無い。口コミは42.6%の購買行動に影響を与えている。ソーシャルメディアを活用したオンラインのバイラルマーケティングが重要なのは当たり前。1995年のBBS・掲示板の現代版とも言えるが、当時よりはるかに重要。最新のメディア影響力の統計を見ても明らか。

最新のメディア影響力(註:対象・出典元は不明)

インターネット 39%
TV 18%
ラジオ 12%
雑誌 3%
新聞 2%

またインターネットではソーシャルメディアが普及し、Twitter、Facebookのステータス更新等で、ユーザー間で双方向にリアルタイムの検索が行われている。ここで考えたいのは、ソーシャルメディアに存在する顧客とはどういう種類かと言うこと。考えると幾つかに分類することができる。

アクティブvsパッシブ
パッシブなユーザーが大半だが、ソーシャルメディアの普及で発言・行動共にアクティブなユーザーが増えている。

ロイヤルvsアドボケート
ロイヤルな顧客は大事だが、アドボケート(提言)してくれるユーザーは影響力も強く特に注目する必要がある。

コンスーマーかコントリビューター
ほとんどの人が消費者なのは変わらない。コントリビューター(貢献者、、、実際にコンテンツを投稿する人)は少し。

またインターネットを利用する人は年齢層問わず増えたが、ソーシャルメディアに関してはGen Y(18歳-26歳)の15%がブログを書いているなど(その上のGen Xは4%)、若年層の利用率が非常に多い。今後彼らが成長するに従い、ソーシャルメディアの利用率はより幅広い層に普及していくだろう。またソーシャルメディアにいる顧客、言葉で言えば「ソーシャルカスタマー」には下記の特性があると考える。

・何かを言いたい
・言いたいことがあれば言う
・役に立つことがあれば教えてあげたい
・逆に間違ったことがあれば知りたい
・間違ったことがあれば教えてあげたい
・営業マンと話したくない
・自分で決めたい、自分のペースでモノを買いたい

・・・

ソーシャルメディアの普及とソーシャルカスタマーの出現を検索ビジネスにあてはめるとどうなるか?現在のインターネットで重要なメディアには下記がある。

・ブログ
・フォーラム
・ソーシャルネットワーク
・WIKI
・ビデオ共有
・Twitter

ブログ
ユーザーによるコンテンツが中心。コンテンツマーケティングには最高のツール。

フォーラム
ブログ以上に積極的なディスカッションが行われる。ディスカッション中心だが、ユーザーによりコンテンツも作られる。

ソーシャルネットワーク
ユーザー同士が特定の関係によって集まり成り立っているソーシャルストラクチャー(社会構成)。

WIKI
複数のユーザーが参加してコンテンツを作り上げる情報の集合体。

ビデオ共有
ユーザーがビデオ映像を投稿し、共有しあう。マーケティングに余り利用されていない。

Twitter / リアルタイムサーチ
・現在、最も注目されているメディア。
・「リアルタイムサーチ」= Twitterと言っても過言ではない(SNSの情報更新通知機能も該当するが)
・毎日、2億3千万の投稿が行われている
・90%のコンテンツが10%のユーザーによって作られている
・74%のコンテンツが5%のユーザーによって作られている

この5%がユーザーの代表的な意見かどうかは分からないので、Twitterのコンテンツをそのまま鵜呑みにするのは危険。現在、かつてない程の大量の情報がリアルタイムに大量に生み出されている。

Twitterのコンテンツを検索する際、検索とコンテンツの関連性は、現在の関連性と時間軸の中での関連性で考える必要がある。今日、関連性があるコンテンツが明日関連性があるとは限られない。投稿が多い。現状、GoogleはTwitterのコンテンツを非常に重要視している。Twitterの投稿を検索結果にどのように融合していくかは今後の課題。

マーケッターにとってTwitterの使い方は下記がある。

・今何が起こっているか、そして時間軸でトレンドがどう変化するか?
・ブランドのモニタリング
・ライブイベント(ハッシュタグの活用)
・シンディケーション効果によるコンテンツマーケティング

駆け足で最新のネットメディアのトレンドを紹介した上で、ネットをビジネスに生かすには今後下記が重要と説きます。

・自分たちのオーディエンスは誰か?再度考えよう。
・彼らは何を欲しがっているか?
・彼らの会話に自分たちも参加したいか?
・ブログの目的は何か?
・他のマーケティング手法の中での位置付けを明確にして効果的に利用する

そして下記のデータを上げた後に、

・Web2.0ブームから様々な新技術とメディア(ブログ、SNS、Twitter)が普及した
・ブロードバンドの普及率が急激に増加した
・インターネットの利用者が急激に増加した

最後に一言。

ソーシャルメディアとサーチの進化でインターネット上のカンバセーション(会話)は加速化している。統計的にもブログを書いたり読んだり、SNSに参加する人はよりアクティブで購買活動も比較的積極的と言うデータもある。カンバセーションに参加するかは貴方次第だが、企業マーケッターであればしないといけないのでは?
・・・

1時間でネットの最新状況、特にユーザー行動の変化について幅広く語る内容でしたが、初日最初のキーノートにはちょうど良い内容でした。正直、タイトルにあったソーシャルメディアとリアルタイムサーチの関連性にはもう少し深堀りしてほしかったのですが、、、最初だしこんなものですかね。少なくとも僕ももう少しTwitterを活用しないといけない気にはなりました。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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