コンバージョン最適化は世界を救えるか?

公開日:2010/11/29

最終更新日:2024/02/17

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SEM始め様々なウェブマーケティング手法に取り組んでおられる読者の皆様とは思いますが、集客手法以上に重要なのがコンバージョン率の最適化ですよね。分かっちゃいるけど中々予算も時間もさけられていないのがこの分野、サーチエンジンランドが警鐘を鳴らします。 — SEO Japan

私たちはとてつもなくラッキーだ。なぜなら近代のビジネスの歴史のなかで最も規模の大きな変革に貢献することが出来るからだ: “昔のマーケティング”から“新しいマーケティング”への変革である。私たちはこの変革における大きなテーマを既に心得ている – スピード、敏しょう性、テスト、透明性、計測、信頼性、消費者の中心性、マイクロターゲッティング – ウェブ、検索、ソーシャルメディア、そして、モバイルによってイノベーションの波が押し寄せている。

しかし、超高速で進化する私たちの世界でイノベーションを次々に実行していくと、築き上げようとしている未来の重要性を思わず見失ってしまいがちである。そのため、時には、私たちは一歩下がって、展望を見つめ直す必要がある – インスピレーションに火をつけ、方向性を確認するためだ。

そのため、今回は注目を浴び始めているコンバージョンの最適化の技術の「全体図」に関する3つのアイデアを皆さんと分かち合いたいと思う。

目次

テクノロジーを駆使したマーケティングの現在

マーケティングの歴史をひも解くと、テクノロジーの分野とは無縁であった。当然だが、マーケティングは新しいチャンネル、メディア、そして、戦術に便乗し、これを支えたのがテクノロジーであった。しかし、マーケティングの戦略および管理は、テクノロジーの詳細については全く考慮していなかった。過去30年間、マーケティングは、テクノロジーのニーズにおいては、ほとんどITおよび外部のベンダーに頼ってきたのだ。

しかし、これが急速に変わりつつある。マーケティングで利用されている多数のソフトウェアアプリケーション同士が – コンバージョンの最適化およびランディングページの管理はほんの一部 – 多数のウェブ、ソーシャル、そして、モバイルのプラットフォームと組み合わせて用いられており、世界中のオーディエンスのためにクリエイティブな経験を作り出している。つまり、マーケティング部門は突然テクノロジーに周囲を囲まれてしまったのだ。

そして、ご存知のように、コンバージョンの最適化を実施する者として、マーケティングからテクノロジーを切り離すことは出来なくなっている。両者は絡み合っているのだ。コンバージョンの最適化は、マーケティングに対する見識およびクリエイティブなアイデアがテクノロジーの知識と混ざり、素早く且つ経済的に実行およびテストされたときに本領を発揮する。つまらない意地を張っていては部門全体に浸透させることは出来ない。同じことがSEO、データを主体とした広告、マーケティングの自動化等にも言える。

マーケティングとテクノロジーの知識を併せ持った新たなプロ – マーケティングテクノロジスト – が現れ、マーケティング部門でテクノロジーおよびエンジニアリングの才能を発揮し始めている。コンバージョンの最適化においては、皆さんはこのタイプのハイブリッドと既に共同で作業を行っているか、あるいは皆さん自身がハイブリッドの可能性が高い。そして、これらの役割が、経営陣を含む、組織により統合されていくと(詳細はチーフ・マーケティングテクノロジストの場合で確認)、テクノロジーが主要なマーケティングの広範な取り組みをリードすることになるだろう。

料金は創造性とコンバージョン次第

先月、私は2つの全く異なるマーケティングのセミナーで講演を行った: コンバージョン・カンファレンスは、コンバージョン最適化の業者を対象としており、ピボットは、クリエイティブなブランドマーケティングに焦点を絞っていた。コンバージョン・カンファレンスでは、コンバージョン率を上げることで、パフォーマンスに対して料金が支払われる業者が大半を占めていた。ピボットに参加した業者は今でもメディアの販売 – クライアントのために広告を購入する量で料金が決まる – を主な収入源としていた。

まさに正反対であり、私は驚きを隠せなかった – と言うよりもショックだった – 一部の大企業の考え方があまりにも遅れていたからだ。

この類のアプローチの一つが優勢になりつつある。コンバージョンの最適化サービス、そして、より広範なペイ-フォー-パフォーマンスのマーケティングサービスが台頭しているのだ。クライアントごとに、彼らは“広告代理業者がいまだに着想することすら出来ていない”方法で成功を収めている。また、コンバージョン主体の収入はクライアントに提供される本当の価値と直接関係するため、成長するためのインセンティブは適切に用意されている。

そして、もう一方のアプローチは壊滅寸前である。確かに広告代理業者は創造性と戦略を基に多大な価値を提供することが出来る。しかし、彼らはデジタルの分野で進化を妨げてきたメディアの購入にいまだに収益を依存しているのだ。そして、メディアと広告がマスコミュニケーションのチャンネルから、的を絞り、個人に特化した交流にシフトチェンジしていくと、内在する経済的な原動力は危機を迎える。そして、基礎的なインセンティブの不均衡さが、最後の審判の日の到来を早めてしまうのだ。

先日、ミッチ・ジョエル氏が、代理業者の未来は…と言う素晴らしいエントリを投稿し、代理業者の未来は今日のデジタルな代理業者を反映すると主張していた。私はさらに一歩踏み込み、パフォーマンス(コンバージョン等)を価値ある提案に直接結びつけているデジタルな業者が、最も良い位置につけていると言いたい。

コンバージョンの最適化は、ランディングページを改善することが全てではない。マーケティングを大幅に改善することが重要なのだ。これこそが代理業者の未来である。

大勢の起業家が集う大国

最後に、米国やその他の国々が不況に苦しんでいる今こそ、解決策が過去とは大きく異なる点を理解してもらいたい。最終的に、高収入の人々から、低収入の人々に仕事を回していくと、行き詰る: 世界は限りがあるのだ。同様に、所謂金融”業界”は、頭の重い砂上の楼閣が崩れる前に、(何度も何度も)他人の仕事の表面をかすめ取っていくのが精いっぱいである。

この経済的な熱死から逃れるには、史上類まれな規模のイノベーションおよび起業家精神が必要になる。

ここでもコンバージョンの最適化が私たちを正しい方向に導いてくれると私は信じている。組織的に新しいニッチを探し出し、そのニーズを徹底的且つ誠実に満たし、そして、効果的に交流を有益なビジネスの関係に変えるのだ。大胆な新しいアイデアを試し、すぐに有望なアイデアを繰り返す必要がある。うまくいかなかったら、すぐに目を覚まし、別の新しいアイデアを試す。これは、起業家精神およびコンバージョンの最適化に共通するコンセプトである。

大半の企業や職業が苦労を抱えた過去数年を振り返ると、コンバージョンの最適化を行う事業が急激に成長し、顧客に2桁、そして、3桁のROIを提供していた。この事実は私たちに勇気を与える。そして、これは決して偶然ではない。模範としては悪くはない。

個人的には、コンバージョンの最適化こそは、ビジネスの未来であり、新しい世界の経済のベースになると考えている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Can Conversion Optimization Change The World?」を翻訳した内容です。

コンバージョン最適化はおろかアクセス解析の重要さえまだまだ不十分な日本市場ですが、アメリカでもコンバージョン最適化に対する意識はまだまだ低いのが実態のようです。LPOなんて言葉もここ数年存在はしていますが、未だに導入している企業はごく一部ですし(SEO JapanでもLPOツールを提供していますので身に染みて感じます)。しかしAmazonやGoogleなどネットで実際に成功している最先端企業って、それこそキャッチコピーからボタンの画像テキストまで少しでもコンバージョン改善につながりそうな要素を日々細かくテストし続けているんですよね。「一部の大企業の考え方があまりにも遅れている」現状は世界共通であるのでしょうが、結果、新興ネット企業が伸びていける余地もあるのでしょうね。SEO Japanも新興ベンチャー、かつLPOツールベンダーとしてコンバージョン最適化は今後一層プッシュしていきたい話題と思っています! — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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