もしもGoogleがBaiduを買収していたら?

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先週末から仕事で1年ぶりの上海に来ているSEO Japanですが、Googleはおろか、Twitterにもアクセスできないのは辛いですね。さて、中国だからというわけではありませんが、今回は中国最大の検索エンジンBaiduについての話題を。 — SEO Japan

ビジネスウィークが、中国の検索エンジンのバイドゥの概要、同社が中国で“勝ち組”になった経緯、そして、世界市場への憧れに関する素晴らしい長文の記事を掲載した。以下にこの記事を要約した文章を掲載する。

バイドゥは世界最大のマーケットである中国で73%のシェアを獲得している。同社は380億ドルの価値があり、Yahoo!よりも57%ほど規模が大きい。 同社のシェアは倍の価値がある。なぜなら今年の年明け、グーグルが中国から香港に“撤退”したためだ。

バイドゥのCEO、ロビン・リー氏(41)は、ニューヨーク州立大学バッファロー校で修士課程を修了し、インフォシークに勤務した経験を持つ。現在、同氏は中国で2番目に裕福な人物である。

この記事には、バイドゥが否定する道義に反する主張が含まれている:

ここ数年、多くの広告主が中国のウェブフォーラムで、バイドゥが密かにウェブサイトの検索ランキングに罰則を与えており、バイドゥへの支出を抑えていると主張している . . . 2008年、同社は有毒な化学メラニンを混入した粉ミルクを販売した三鹿グループからお金をもらい、このスキャンダルを検索から追い出したと言う噂を迅速に否定した . . .

バイドゥは、インターネットの海賊行為を奨励して王座に上りつめたわけではないと述べているが、同社の人気の高いMP3サービスは、レコード会社曰く、今までレコーディングされたあらゆる楽曲を無料でダウンロードすることが出来るようだ。音楽業界は2005年に訴訟を起こしたが、中国の地方裁判所および控訴審はともにバイドゥを支持した . . .

同社は検閲を積極的に行っている:

その他のすべての中国のウェブ企業と同様に、そして、昨年までのグーグルの中国語のサイトと同様に、中国政府の強い要請により、バイドゥはポルノや台湾の独立、ダライ・ラマ、そして、1989年の天安門事件に関するトピックの情報をブロックしている。この行為は、zi lu、もしくは“自己規律”と呼ばれ、バイドゥは巧みに実施している。昨年、バイドゥはインターネット・ソサイエティ・オブ・チャイナから、20あるうちの1つの賞を受賞した。この賞は、“自己規制”賞と呼ばれていた。

バイドゥは、グーグルが中国本土から退却したことで発生したメリットを直接受けた企業である。グーグルが検閲への協力を拒否するきっかけとなった、Gメールのハッキングにバイドゥが関わっている可能性は低い。しかし、中国政府または同政府の代理業者がハッキング攻撃を裏で操っていたと言う説得力のある主張が繰り返されてきた。もしこの主張が正しいなら、恐らく政府は間接的に実際に起きた現象を起こそうとしていたのであろう: 中国からグーグルを追いだし、より協力的な姿勢の見られるバイドゥをほぼ独占状態にまで引き上げたのだ。

グーグルは、自分自身を変化に対する勢力と見込み、中国の社会を徐々に開く手伝いをするつもりであった。中国政府にとってみればありがた迷惑でしかなかったのだろう。

このストーリーは別の問題の成功例に関連している。中国政府は、グーグルを不安定にするバイドゥの試みに手を貸した疑いが持たれている:

グーグルは、誰も理解することが出来ない理由で、脅威としては映っていなかった。グーグル中国のサービスが、特に米国が中国政府の逆鱗に触れた時期、なぜか不安的であった点は明白である。また、グーグルは、ドメイン名システム中毒と同社が呼ぶ、ユーザーがGoogle.cnと入力しても、なぜかバイドゥに導かれてしまう問題を何件か文書に残している。

2006年に出版されたニューヨークタイムズ誌の記事にはこの件の詳細が綴られている:

しかし、アクセス禁止措置が解除された後も、グーグルでは問題が発生していた。グレートファイアフォールは中国国外からのトラフィックを遅らせる傾向がある。データジャムが発生するため、全体の時間の15%はグーグルを利用することが出来ない。また、このファイアフォールは好奇心旺盛な人々の罰則を始めた: 中国国内で禁止された用語の検索が行われると、ユーザーのコンピュータをグーグル自体がダウンしたかのように騙すコマンドを送り返すことで、報復を行うのだ。数分の間、ユーザーはグーグルの検索ページを読み込むことが出来なくなる ? デジタル版の軽い警告と言えるだろう。グーグルに対しては、これらの遅延やシャットダウンは大きな問題であった。なぜなら、グーグルは結果をミリ秒以内に提供する点を強みに挙げているからだ。グーグルの中国語サイトのライバル、バイドゥはこのような問題に直面することはなかった。同社のサーバーは中国本土に置かれており、つまりファイアフォールの内側にあるためだ。さらにひどいのは、中国の大学は事実上外国のウェブサイトにアクセスすることが出来ない点だ。要するに、感受性の強い大学生 – 外国ではグーグルを最も熱烈に支持する世代 – が代わりにバイドゥに殺到していると言うことだ。

しかし、バイドゥは継続的に共産主義の政権に合わせて“手入れ”しなければならない立場に身を置かれている。この記事によると、政府の不満は、調査、または、国営メディアでの批判に値するようだ:

2008年11月、政府が運営する中央電視台は、バイドゥがライセンスを受けていない医療機関から多額の広告費を受取り、ユーザーが健康関連のクエリを入力すると、これらの広告を目立つように表示させていたと言う主張を取り上げ、徹底した調査番組を数本放映した。最初のストーリーはリー氏の40歳の誕生日に放映されており、バイドゥのスタッフは政府の意図を感じたはずだ。この番組が放映された次の四半期、バイドゥは広告費を41%増やし、その多くが中国電視台に充てられていた。中国のインターネットの専門家は、否定的な報道が終わったのは偶然だとは誰も思っていない。

現在、バイドゥは国内および国外でのゲーム、eコマース、そして、オンラインの支払い分野への進出を望んでおり、Qiyiと呼ばれるHuluのような動画サイトを立ち上げ、そして、バイドゥブランドを国外に輸出している。リー氏は、記事の中でバイドゥをグローバルなインターネットリーダーにしたいと述べている:

私は10年以内にバイドゥが世界の50%の人々に知られる存在になればいいと望んでいます。遅かれ早かれ、中国に本社を置く企業が、世界的なインパクトを与えることになり、バイドゥにはその一つになるポテンシャルがあると思っています。私達はグローバルベースで競争する力を持っているべきなのです。

この記事はリー氏を比較的好意的に紹介している。Yahoo!の共同設立者のジェリー・ヤン氏の影響を受けた米国で暮らす謙虚な中国人のエンジニアと位置付けている。リー氏はページランクに似た“リンク分析”システムを考案した。そして、バイドゥとグーグルには興味深い共通点が他にも見られる。そのすべてを偶然と片付けることは出来ないだろう。

バイドゥは確かに中国の企業だが、この企業の資本金はシリコンバレーから出されていた。そして、初期の投資家達は、グーグルと比べると、株式が公開された際に大儲けしていた。 興味深いことに、当初、バイゥは、グーグルが現れる前は、Yahoo!の検索を動かしていたinktomi(インクトミ)を見本にしていた:

リー氏とスー氏はインクトミ2世になることを目標としていた . . . バイドゥは同社の検索インデックスのライセンスを当時主要なポータルであったSinaおよびSohu.comに供与し、ユーザーが検索を行うたびに課金していた。Yahoo!のポータルビジネスモデルを真似することに勤しみ、これらの企業は検索のポテンシャルを過小評価していた。Sohuの会長兼CEOのチャールズ・ツェン氏は負けを認めている“

バイドゥは中国のポータルとの関係がこじれると、後に自らサイトを開発した。同社がYahoo!から4000万ドルの投資を受けたのはこの頃であった:

当時パートナーであった香港ベースのePlanetのフィニアン・タン氏は、バイドゥのポテンシャルが心配であったため、ePlanetの投資家であったジェリー・ヤン氏に連絡を取り、バイドゥをYahoo!に4000万ドルで売却するオファーを出した . . . [ヤン]氏はこの件をYahoo!の同僚に問い合わせたが、その人物から応答はなかった(ヤン氏はこの件に関するコメントを拒否している)。バイドゥは、エネルギーを自分のウェブサイトに注ぎ込む以外の選択肢を持っていなかった。タン氏は、“私達はBaidu.comにならざるを得なかったのです”と述べていた。

買収の試みは他にもあった。以前、株式を公開する前にもバイドゥの買収がもう少しで実現するオファーは何度かあった。これも初期のグーグルの歴史と似ている。

2004年、バイドゥが得た3度目の1500万ドルの投資のうち、500万ドルを提供していたのはグーグルであった . . . [この]投資は、将来の買収の基盤を築き、競合者が買収することが出来ないようにするためであった。その後、ソフトバンクのファウンダー、孫正義氏がバイドゥを非公開の状態に保つため、10億ドルの査定に1億ドルを投資するオファーを出した。Yahoo!とマイクロソフトは10億ドル強の買収のオファーを出した . . . グーグルは最終的に16億ドルで入札した。

初期の投資家であり、バイドゥの役員でもあるアサド・ジャマール氏は、「20億ドルだったら買収は確定していた」と話している。個人的にはグーグルは大きなチャンスを逸したと思う。

間違いなくグーグルはバイドゥを手に入れるべきであった。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google Could Have Bought Baidu And Other Fascinating Details About China’s Largest Search Engine」を翻訳した内容です。

こんな歴史があったんですね。。。「たられば」の話にはなりますが、正直、GoogleがBaiduまで手中に収めていたら世界のインターネットはどうなったことやら。ま、その時は中国政府が何かしらの手を打ってきますか。。。話は変わりますが1年ぶりに上海ですが、以前より日本のサイトにアクセスするスピードが遅くなった気がするのは気のせいでしょうか。後、日本のサイトも結構見れないサイトがありますね。。。以前より増えている気がします。一部のVPNサービスと契約すればどこのサイトでも見られるようですが。そんな恐ろしい便利なサービスを提供している事業者さんは大丈夫なのでしょうか?!と余計な心配をしてしまいました。 — SEO Japan

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